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海の影響、放射性物質 専門家「長期モニタリング必要」
2011年3月28日 18時39分
通常の1850倍もの放射性ヨウ素が海水から検出された福島第1原発の周辺海域。
環境や海産物への影響はあるのか。
専門家は長期にわたってモニタリング(監視)する必要性を訴える。
1~4号機放水口の南約330メートルで26日採取した海水で濃縮限度1850倍、5、6号機放水口の北約30メートルで27日、1150倍のヨウ素131を検出した。
「放水口付近で高い数値が出るのは当然で、太平洋の希釈能力を考えれば、即座に危険という値ではないと考えられる」。
国立環境研究所の荒巻能史研究員(化学海洋学)が話す。
高濃度のヨウ素は沿岸部の一時的な指標で、海域全体に流出した総量は判然としない。
ただ放射性物質は外洋に向かうにつれ、潮流の影響を受け希釈、拡散される。ヨウ素131の半減期は約8日と短い。
「現場海域の海藻には注意したい」。東京海洋大の水口憲哉名誉教授(資源維持論)は
「長期にわたって潮流にさらされるワカメやヒジキなど海藻は粘りがあり、ヨウ素を付着しやすい。水で洗えば済むものではない」と語る。
海流に乗って漂着することを考慮し、
東北から千葉県沖まで長期間、さまざまな海洋生物をサンプリング(標本抽出)する重要性を指摘する。
海産物への影響では、食物連鎖を繰り返すうち化学物質が体内に濃縮し蓄積される「生物濃縮」の弊害も懸念される。
日本分析センターの池内嘉宏理事は「生物濃縮については結局、実際に測定するほかない」という。
漁業関係者にとっては風評被害も懸念され、池内理事は「国は海産物の検査を行い、結果を公表し続けるべきだ」と強調した。
(共同)