10/12/05 22:55:08
世界が自由貿易に向かう動きは、
今までは、主として先進国の工業製品を中心に続いていた。
TPPなど、最近の自由貿易協定に関する特色は、
工業製品だけでなく、農産物の自由化を強く打ち出しているところだ。
いわば工業製品が農産物の人質に取られるような形で、交渉が進められている。
その根底に、アメリカやオーストラリアなど、農産物にも資源にも恵まれた国が、
自国の優位性をより発揮できる枠組みを作りたい、という国家エゴがあるのは間違いない。
しかし、国土が狭く資源に乏しい日本は、アメリカなどの国家エゴがあるとしても、
新しい世界貿易の枠組みに参加しない限り、生きて行くことができないだろう。
また日本が、工業製品だけは自由に売らせてくれ、農産物は困る、と主張すれば、
逆に、日本の方が国家エゴと言われても仕方がない、そんな時代になっている。