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多剤耐性菌だけじゃない!食中毒菌にも増殖の恐怖
夕刊フジ 9月28日(火)16時57分配信
残暑の日本を駆けめぐった多剤耐性菌の脅威は今も確実に拡大している。
59人の感染者が確認された帝京大学医学部附属病院の多剤耐性菌は、入院治療を受けるときに感染する院内感染だが、一般の人も感染するサルモネラやカンピロバクターといった食中毒菌にも、すでに耐性菌は増殖していると専門家は指摘する。
院内の多剤耐性菌は、術後や抗がん剤などの治療により、免疫力が低下した人に増殖しやすい。症状としては急激な発熱や倦怠感、血圧低下を引き起こす敗血症に結びつくこともある。
集中治療室で多量の輸液や血流を増加させる薬の投与、酸素マスクなどの治療が行われるが、4人に1人は亡くなってしまうという。
一方、食中毒菌にも耐性菌が増えており、敗血症に至らないまでも、やはり命は危険にさらされる。東京都健康安全研究センター微生物の甲斐明美部長は、
「耐性菌に感染すると、症状は長引きやすく、激しい下痢に伴う脱水症状で亡くなる恐れもあります」と話す。
たとえば、先月、米国で5億個以上の卵の回収騒ぎに発展したサルモネラ菌。昔から日本でも食中毒を引き起こしているタイプの菌では下痢の治療で使用されるニューキノロン系薬剤などに耐性の菌も出現しているという。
食中毒の原因菌として多いカンピロバクターではおよそ30%が耐性を持っている。
激しい下痢症状の時には、真水を飲んで水分を補おうとしても吸収されずに下痢として排出されてしまう。身体から水分がどんどん出るため、脱水症状になりやすいのだ。