08/12/09 18:17:55.93 Bjcy7vti0
「何か用ですか?」
「……可愛い。」
タンクトップからすらりと伸びる腕は小麦色、日焼けした髪は陽光を受け金色に輝いている。
麦わら帽子の下からは大きな黒い瞳が私を見つめていた。
「僕、男の子だよ!」
少年の一言にハッと我に返る。 私はいったい何を口走っているのだろうか?
ああ、私の人生は終わった……明日にでも新聞の三面記事に掲載されてしまうのか。
“少年が変質者に声をかけられる”と実名で書かれた日には社会復帰も不可能だろう。
「えと……女さんだよね? お母さんから言われて迎えに来たんだけど。」
「え? 君が翔太君?」
「そうだよ。 でも、男に可愛いってやめてね!」
「う、うん、ごめんね。」
私は帽子で顔を隠すその仕草に胸を時めかせてしまったのであった。