09/11/23 17:16:12
「阿古夜何度言ったらわかる!人間など信用できぬ!あの男はきっと我らを滅ぼす」
「誰もあの方を追い出す事はできませぬ。毒草でも死にませぬ」
(できる…芝居ができるわ。少し見えにくくても耳があるわ。声を聞けば距離感が掴める動きも分かる。)
「おお…これはどうしたことじゃ…急に風が」「なんと…水が川を上っていく」!
(このあと私は回転しながら奥まで行き、後ろに飛び上がって岩の上に立つ…回転しながら…
周りがよく見えない…前より闇が濃くなっている…!
回転しながら奥へ…後ろ向きに飛び上がって岩の上に立つ
そこで阿古夜から精霊の女神への変身…女神としての演技が始まる…
いわばこの場面は紅姫が女神へと変身していく変化の演技…
その為に体育倉庫を使ってあれ程稽古をしていたのに!
どうすればいい?もしこれが本番だったら…これが本番だったら…!?)
身動き取れない亜弓を見てざわめく周囲。
深夜午前0時。誰も居ないスタジオで亜弓が明かりをつける。
(昼間は少し疲れてるといって休ませて貰ったけれど、
あれが本番だと思うと死んだ方がマシだわ!
私の眼何とか試演まで持って欲しい!でも少しずつ悪くなってる気がする。
このままで今まで通りの芝居なんか出来ない!)
明かりを消す亜弓
「見えないってきっとこんな感じね。どこに何があるかもわからない。」
(でも覚えているわ…部屋の大きさ道具の配置…やってみよう闇の中で。
わたしの阿古夜…!わたしの紅姫…!そしてわたしの紅天女…!
演ってみよう…!闇の中で…!)
来月へつづく