10/06/27 13:54:49 taC6ikPA
とあるタクシー運転手の話。
その運転手が営業をしている地域には「出る」との噂がある霊園があった。
ある日夜遅く、運転手がその霊園の前を通りかかると手を挙げる人影が。
ドアを開けると、髪の長い女性が乗り込んできた。
(怖いな…)そう思いながら「どちらまで?」と尋ねると女は「○○山まで…」とか細い声で答えた。
○○山は道も細く暗く、民家もない。(こんな時間になぜ…?)運転手は不思議に思ったが言われるままに車を走らせた。
「もっと先…」「もっと奥よ…」道はますます細くなり、木々は鬱蒼と生い茂っている。どんどん山奥へと進んで行くが一向に到着する気配はない。
いい加減怖くなってきた時「ここです」と女の声。目の前には古びた小屋が一軒。
つづく
すると女はバッとドアを開けると、その小屋の中に飛込んでいってしまった。
お金を取りに行っているのかとしばらく待ってみたが、全く出てくる気配はない。
しびれをきらして車を降りると、運転手は小屋のドアをノックした。
「お客さーん!!困るんだよ~!!お金~!!」しかし返事はななく、ドアには鍵がかかっていた。
ふと目線を下ろすと小さな鍵穴が目に入ったので、運転手はそこから中を覗いてみた。すると…
部屋は真っ赤にぬられていたのだ。たった今塗ったかのような、血色の生々しい赤が広がっていた。
「!!!!!」びっくりした運転手は、そのまま大慌てで自分の営業所まで戻った。
彼はそこにいた先輩運転手に今までのことを話し始めた。
「今霊園の前で髪の長い女を拾ってな、○○山までって…」
そこまで話すと先輩運転手はちょっと不機嫌そうな顔になってこう言った。
「あ~、あの目が赤い女な」
その運転手はしばらくして退職したそうだ。