09/09/30 14:17:38 QcNNh6XX0
大勢のゲドンコに囲まれて絶体絶命のところをゲドンコに変装したノコディに助けられる。その宇宙船の中でピーチは実はゲドンコ女王が化けた偽物と判明。
ゲドンコ達に追いつめられてしまい、マリオ達は空中から落とされてしまう。
ノコディはヨースター島、キノックスの頭に落下。その衝撃でキノックス、記憶を取り戻す。
一方マリオ達はスーツケースを解してコバルトスターが強く反応している「スターの丘」へ向かう。丘の頂でコバルトスターの精が語りかけてくる。
カケラは全部で6つ。そのうち5つあればゲドンコに支配され、ピーチ姫が捕われているキノコ城の封印を解くことができる。
6つのカケラを全て集めれば、ゲドンコを封印できる、と。
そしてスターの精に導かれ、カケラのうちの1つが眠っている「スターの神殿」へ行く事に。
スターの神殿の入り口でスターの門が「ここは資格のある人しか通れない」と言う。資格があるか審査される。
マリオは正義感溢れ、弟想いで良い人。だがキノコ食べ過ぎだから注意しろとか言われる。
ルイージはなんか微妙らしく、言わない。ルイージがもっと言ってくれとねだる。
皆の前で言っていいのですかと門に言われ、こっそり耳打ちで言われる。
で、結局マリオはOK、ベビィ達は審査する必要もなくOK。だがルイージはダメと言われる。
選択肢は「帰る」「ルイージを置いて行く」「オーロラブロックを叩いてルイージに資格がある事を証明する」の三択。
迷わずオーロラブロックを探しに行くマリオ達。オーロラブロックを入手し、門の前で叩こうとするがブロックが逃げる。
そして門がルイージに辛辣な言葉を投げる。
「あなたは臆病で逃げてばかり。思い出しなさい、誰のおかげでここまでこれました?」
出された選択肢は ①「マリオのおかげ」②「自分のおかげ」③「自分のおかげ」
3回答えると「答えは④、みんなのおかげ」と言われ、そんな事も分からないのかと怒られる。
ルイージが選択肢④なんてなかったと弁明。だが門は嘘をつくなと聞く耳持たず。
人生を否定され泣き出すルイージに後ろで見ていたマリオが、選択肢④なんて無かったと猛抗議。
ベビィ達も門をハンマーで叩きだしたり行動で抗議。
そこで門が「あなたたちは…本当に… すばらしい!」と褒めだす。
実は今までのはマリオ達をためしていたものだと言い、謝罪する。
弟のためにブロックを探すマリオ達の器を認め、ルイージの優しさを知っていた門は自分の目の前でオーロラブロックを叩いてみせろと言う。
叩かれたオーロラブロックは、叩いた者の心によって大きさが変化するもの。
ルイージが叩いた後、ブロックは巨大化する。結果、でかくなったブロックがルイージを潰す。
なんだかんだで神殿に入るマリオ達。その奥で4つ目のコバルトスターのカケラを入手する。するとキノックスとノコディがやってくる。
5つ目のコバルトスターはキノックスが隠し持っていた。
コバルトスターを復活させようとするマリオを止めるキノックス。だがそこにモンスターが到着。モンスターを倒すものの、キノックスとノコディはゲドンコのキノコに姿を変えられて話せなくなってしまう。姿が変わる直前、キノックスは自分の描いた絵を見て欲しいと促す。
以前貰ったキノックスの絵。
ピーチ姫はゲドンコ女王にコバルトスターをかかげている。だが、汚れた部分をこすってみると絵が浮かび上がる。ゲドンコ女王もう1人いる?
5つ目のコバルトスターを入手し、タイムホールから現在のキノコ城へ。
そして、ピーチ姫救出のために過去のキノコ城へ向かう。
232:マリオ&ルイージRPG2
09/09/30 14:19:04 QcNNh6XX0
コバルトスターの力でキノコ城に侵入。ピーチの捕われている部屋を目指す。
途中トラブルで地下に潜り込んだりワンワンに襲われたりUFOを操作して敵のUFOを撃ち落としたりしつつ進み、捕われのピーチを発見。
ピーチはコバルトスターを復活させてはダメだと訴える。そこに、ゲドンコ達がUFOで攻撃を仕掛ける。
マリオ達も奪ったUFOで相対し、撃ち落として行く。
そしてゲドンコ姫との戦闘に。UFOの力、バリアを利用して戦う強敵に辛勝。
ホッと一息つくと、ベビィクッパが登場しコバルトスターは自分のもの!と復活させてしまう。
ゲドンコ姫、コバルトスターに向かって、あとは任せたお姉さん!と叫んで消える。
コバルトスターからゲドンコ姫の姉が登場。ベビィクッパ、ゲドンコ姫の姉により不気味なキノコに変えられてしまう。
ピーチによると、タイムマシンで過去の世界に来て襲われたピーチ姫はゲドンコ姫の姉をコバルトスターの中に封印し、バラバラにすることで姉を完全に封印する事に成功した。
だからコバルトスターを復活させたがらなかったらしい。
ゲドンコ姫の姉との最終決戦。一度倒すと巨大化して再び襲ってくる。
無事に撃破すると、ゲドンコ姫の姉はこの世界のゲドンコ達は成長し、いつかお前達を侵略すると言い残し、不気味な色のキノコとなった。
その後、ベビィマリオとベビィルイージ、ベビィクッパだったキノコで遊びだす。そこでベビィマリオが誤ってベビィルイージを攻撃してしまう。
ベビィルイージが泣き出すと、その涙に触れてベビィクッパが復活する。
そして、以前火山を消火したポンプを通して現代から過去へ多量の水が送られる。
それにより、過去の世界は全部水(ルイージの涙と同じ成分らしい)で流され、キノコと変わり果てた住人、キノックス、ノコディも元の姿に戻る。
ピーチ、ベビィ達と共に現代へ戻る。ベビィルイージ、何を思ったかゲドンコ姫の姉だったキノコを持って帰る。
現代のキノコ城ではクッパが意識を失っていた。
マリオ達、誤ってゲドンコ姫の姉だったキノコをクッパに食べさせてしまう。
復活するクッパはゲドンコ姫の姉に取り憑かれていた。マリオ達に攻撃するクッパ。
文字通り、反撃の隙を全く与えさせてくれないクッパ。取り憑かれてパワーアップしているのでダメージも効かない。
だが、取り憑いてるゲドンコ姫の姉はマリオ達がクッパの攻撃を回避する度にダメージを負っている。
そしてついに取り憑いたゲドンコ姫の姉を倒し、クッパは力尽きる。
ゲドンコの驚異が完全に去る。
233:マリオ&ルイージRPG2
09/09/30 14:22:26 QcNNh6XX0
マリオ、ルイージ、ベビィマリオ、ベビィルイージ。彼らにも別れの時が近付いていた。
タイムマシンを使って、若い頃のキノじぃとベビィピーチ、ベビィマリオ、ベビィルイージは帰ることになった。
マリオはベビィマリオにバイバイ、と別れを告げる。ベビィマリオはマリオにハンマーを渡して別れとした。
ルイージ、ベビィルイージにバイバイ、と何度も言うがベビィは戻ってくる。
少し考え、ルイージは以前くすねたヨッシーのクッキーを1枚取り出す
(3枚とっておいた分のうち2枚は以前泣くベビィ達にあげてしまったので、これが最後)
それを貰った後にベビィルイージ、ルイージにハンマーを渡す。バイバイ、と別れを告げる。
帰って行くベビィ達&キノじぃ。
エンディング。
3に続く伏線?なサブイベントなどもありますが、大まかなストーリーはこんなところです。
このゲームはキャラが本当によく動くので、できれば実際にプレイしてマリオ兄弟の動きや漫才を楽しんで欲しいです。
234:ゲーム好き名無しさん
09/09/30 15:40:00 VMbbHtLH0
完全に初見でここに辿りついたのだけれども、PSPのR-type Tacticsの需要はあるかな?
235:ゲーム好き名無しさん
09/09/30 17:11:01 +I9+uqeu0
>>226 >>234
>>223
個人的にはたとえ需要が無くても書けるんだったらじゃんじゃん書いてほしい
かく言う自分もリクエスト出てないけど好きなゲームを勝手に書いて投下したこともあるし
読むのが好きでROMってる人もいるし、
なんにも興味ないゲームでもいい話だったりしたらそれはそれでいいことだし
wikiに残るからこれから読む人がいるかもしれない
236:ゲーム好き名無しさん
09/09/30 21:26:28 5EuSEr560
>>227-233
乙です
ルイージ役回りが酷いなw
237:ゲーム好き名無しさん
09/10/01 00:55:50 TJLzGt1E0
>>236
ありがとう。主観入りまくりで文章も下手だけど叩き台にでもなれば…
238:R-TYPE TACTICS 1/4
09/10/01 00:56:46 TJLzGt1E0
R-TYPE TACTICS(PSP)はご存知シューティングで有名なR-TYPEがシミュレーションになったものである。
オーライ、訳が分からないと思うので興味がある方は公式サイトを見に行っていただきたい。
また、本作のストーリーはR-TYPE初代、Ⅱ、Ⅲ、⊿、FINALの世界とは異なるパラレルワールドとなっていて
FINALで開発されなかった機体をちらほらと目にすることもできる。
ストーリーは地球軍とバイド勢力の戦いが主軸となる。
バイドの設定については公式やスレまとめwikiの⊿の記事などが参考になるが
「凄い勢いで増殖し、全てを取り込み、何故か地球に向かってくる謎の生命体群」
とだけ把握していれば問題ない。知性の有無は謎である。
最後に、登場するキャラクターは地球軍サイドの"ある司令官"(任意に命名可能。以後提督と呼ぶ)のみで
シミュレーションパートの前後に提督の航海日誌という形でストーリーが表される。
それでは前置きが長くなったが以後本編へ。
バイドに占領された木星基地の奪還作戦に失敗した地球軍は大幅な戦力の減少を余儀なくされた。
そのため新米の司令官である提督にも出撃命令が下ることになる。
二度の模擬演習戦を経て火星への実戦へと赴く提督。
対バイド戦を終えて一息つく間もなく提督に木星基地奪還の命令が下る。
しかしこの時点では小さな輸送艦が1機にR戦闘機が数機に補給用のPOWアーマーのみであり、
大群をもってしても成し得なかった任務への不安を提督日誌に見ることができる。
いざ目標の基地内部に侵入し、
基地に取り残された友軍を救出しながら進むと
そこにはシリーズおなじみの巨大ボス、ドプケラドプスの姿が!
なんとかドプケラドプスを撃破し基地を奪還した提督。
そこに新たな辞令が届き、提督達は絶句する。
電文:
貴官および貴官の部隊は、
帰投せずにバイド討伐艦隊を編成し
速やかにバイド中枢を討て。
健闘を祈る。
統合作戦本部
239:R-TYPE TACTICS 2/4
09/10/01 00:57:27 TJLzGt1E0
作戦本部から巡航艦が一艘支給されるも提督隊は未だ大軍と呼べるものではない。
それでもと、まずは外宇宙に出るために冥王星基地に存在するワープ施設を目指すのであった……
途中で出会うバイドと交戦しながら冥王星基地の奪還に成功した提督達。
いよいよ太陽系を離れ、6500光年離れたバイド星系へのワープを開始する。
バイドの適応力は凄まじく、異なる次元でもその本能を失うことはない
……バイドの本能、それはただ攻撃するのみである。
ワープ空間でも連戦に告ぐ連戦。
怒涛のごとく迫ってくるバイド達。
そんな中で提督はバイドの存在について考えをめぐらせる。
「バイドは、意外なことに地球の生命体と同じ二重螺旋構造のDNAを持っているらしい。
これは一体何を意味しているのか? 」
そして考えがまとまりはじめた頃にバイド接近の緊急連絡がくるのがお約束に。
提督の適応力も素晴らしいようで、慣れた様子で「うむっ、緊急連絡だ」と言い始める提督であった。
(余談だがこの異層空間では"電撃誘導リーダー"が手に入る。
異次元で姿を消した、電撃的な攻撃を用いる機体……分からなければまとめwikiのR-TYPE⊿の項を参照)
どこかで見たような強敵の数々を退けいよいよワープアウトの瞬間が迫る。
そこに広がるのは禍々しいバイド星系。
太陽系とはまったく異なる環境が提督の艦隊を出迎える。
植物上のバイドが発達した空間、ブラックホール、バイド溶液に満たされたみずみずしい惑星、
小惑星群、マグマの星、どこかで見たような輸送施設に腐敗した都市。
今までにない激しい戦闘を繰り広げ、いよいよバイドの星へと到達する。
辺りには撃破された先達の無数の残骸とそれを貪り食うバイド達。
それを退けいよいよバイドの星の中枢へ……
提督の日誌には「バイドを倒して、地球に還ろう。さあ、行こうか。 」と綴られている。
中枢の奥の奥には推進装置(?)に抑え付けられるようにして佇む漆黒の瞳孔。
漂う艦船の残骸。どれだけの同志がここで散っていったのか……
攻撃の正体が分からないような凶悪な敵を相手にしつつも撃破に成功。
バイドを生み出し続けた元凶を破壊することに成功したと喜ぶ提督。
さあ、後は地球に戻るだけ……
240:R-TYPE TACTICS 3/4
09/10/01 00:58:22 TJLzGt1E0
…か、艦が大きく揺れる。
何が起こったのか!?
倒したはずの漆黒の瞳孔が激しくうごめき今正に提督の艦隊を呑み込もうとしている!
必死に抵抗する艦だが一つ、また一つと僚機が飲み込まれていく!
そして提督の旗艦も……
ここはどこなのか。
青い色彩に満たされた美しい空間。樹木のようなものが立ち並び、光の粒が漂っている。。
木の枝の一つに支えられ、静かに白煙をあげて動かない提督艦。
そして樹木の中に静かに静かに沈んでいき……消えた。
その後の提督の様子は「記憶の残滓」から伺うことができる。
「 どれくらい眠っていたのか…?
いつからここにいるのか?
そして………私は誰なのか…?
ひどく眠いが、そろそろ帰ろうじゃないか。
我々の故郷、地球へ…。 」
いざ出撃すると自機がなんとバイド仕様。バイドシステムにリボー(雑魚敵)などバイドまみれである。
そしてそれに攻撃してくるのは……見間違えるわけもない。見慣れたR戦闘機の数々である。
そう、地球軍編に代わりここからバイド編がスタートするのである。
往路で辿った道を引き返していく提督。
バイド星系を抜け、ワープ空間を通り、見慣れた太陽系へ……
その道々で出会う地球軍。
見覚えのある場所、
見覚えのある仲間達だけど……なぜ?
提督の疑問に応えるものは無く、黙々と立ちはだかる"敵"を倒していくのみ。
木星基地を奪還し、火星軌道上の防衛衛星を破壊し、月を越え、
ついに帰ってきた。故郷である地球へ。
提督は想う。
「さあ、地球へ降りよう
この懐かしい空気を胸いっぱいに吸おう」
241:R-TYPE TACTICS 4/4
09/10/01 00:59:31 TJLzGt1E0
地球に降り立った提督を迎えるのは歓迎の声ではなく
最新鋭戦闘機のR-99 "ラストダンサー"の群れや凶悪な主砲を持つニブルヘイム艦の姿。
かつてのバイド中枢相手よりも厳しいかもしれない。
その激戦の最中、提督はあるトレジャー(新しい機体の開発をすることなどができるフラグ)を手に入れる。
それは、"地球の水"。
これで何か機体を開発できるわけでもない。新しい航路が開けるわけでもない。
地球に住むものなら当たり前の何の変哲も無いただの水。
それでも提督にとっては……
そんな感慨も振り切り、地球軍を撃破する提督。
しかし、この地球上には迎え入れてくれる人も、場所もないことを知り、しばし、たたずむ。
夕暮れの街の上空をゆっくりと去っていくバイドの艦隊。
宙(そら)へと浮かんでいく提督達。
と、そのとき戦艦の背後から波動砲が貫く。
振り向くと臨戦態勢の地球軍の大群が。一艘落とすだけでも苦労したニブルヘイム艦が…数え切れない。
次々と提督の艦隊が落とされていく。残るは提督は旗艦のみ。
それは……加速して星の海へと消えた。
最後に、バイド編のパイロット名を並べて終わるとしよう。
キガ ツク トワ タシ ハバ イド ニナ ツテ イタ
ソレ デモ ワタ シワ チキ ユウ ニカ エリ タカ ツタ
ダケ ドチ キウ ノヒ トビ トハ コチ ラニ ジユ ヲム ケル
242:ゲーム好き名無しさん
09/10/01 01:06:49 TJLzGt1E0
一部の台詞は以下のwikiを参照にしました。
シミュ部分も割と出来がよくストーリーが切なすぎるので是非お手にとってみてください。
R-TYPE TACTICS I & II@攻略・まとめwiki
URLリンク(www41.atwiki.jp)
243:ゲーム好き名無しさん
09/10/01 16:37:40 gX8MAKQj0
乙
R-TYPE舐めてたな
何だこの鬱展開は
244:ゲーム好き名無しさん
09/10/01 22:44:10 jTSRIYwZ0
おつかれ
話が気になってきたし調べたら2が今月みたいだから1買ってみるか
245:ゲーム好き名無しさん
09/10/02 01:43:35 7+2i6cVQ0
>>243
安心するんだ、キャラがいて難しめシューティングの大体は鬱ストーリーだw
バイド:未来の地球人が作った外宇宙敵対生命体殲滅用生体兵器、生態系もろとも消滅させる
暴走したのでなんとか異次元に送ったが、その異次元の出口は過去の地球
246:ゲーム好き名無しさん
09/10/02 03:29:48 B8MjyDa2O
面倒見きれなかった犬を捨てたら自分の親に噛みついて怪我させたようなもんか
247:ゲーム好き名無しさん
09/10/02 03:58:39 94oNZIyg0
なんでSTGって鬱話おおいんだろうね。
主人公が捨て駒だったってのもたしかどっかでみたことあるし
248:ゲーム好き名無しさん
09/10/02 04:05:03 iCwAo3WnO
>>245
キャラ居ないし難易度は低かったが携帯アプリのグラディウス(インペリアルだっけ?)
自機がビッグコアの奴。新型のビッグコアを奪って地球へ逃亡するって話でクリアしたら
ビックバイパーに墜とされて燃えながらスタッフロールって流れに(´・ω・`)ショボーンとなったのを思い出した
そっかSTGってそんなの多いのか……
でも良く考えたら圧倒的劣勢をたった一機で何とかしようとしてる時点で軽く鬱展開フラグ立ってるか
249:ガレリアンズ1/5
09/10/02 10:30:08 mMISWj2I0
PS作品のガレリアンズ投下します。
キャッチコピーは「ボクは、初めて出会った男を破壊した」
キャラデザ・声優陣が豪華なわりにあんまり話題にならなかった気がする。でも小説・OVA化もされてます。
とりあえず世界観と人物の説明から。資料はゲーム本編と購入特典のヴィジュアルブックです。
■舞台→西暦2522年のミケランジェロシティ。
マザーコンピュータ「ドロシー」が君臨する都市。なんとなくスチームパンクを思わせる風景。
ドロシーの活動は人間のサポートというより支配に近いが、人々はそれを自覚していないという設定。
■登場人物(主人公サイド)
キャラクターデザインは田島昭宇。
リオン(声:石田彰)→主人公。14歳。名前以外の記憶が無く、失った記憶とテレパシーを送ってきた少女を探してさまよう。
記憶喪失の原因は、他の実験体の10倍ものドラッグを投与されて昏睡状態になったため、という資料を最初のステージで見られる。
リリア(声:菊池志穂)→ヒロイン。14歳。テレパシーと人の心を読む超能力を持つ。
命を狙われているのが戦う手段を持たないため、リオンにテレパシーで助けを求めてくる。この子を見つけるのが当面の目的。
■ドロシーとガレリアン→ガレリアンはドロシーがクローニング技術を利用して作り出した存在。
ドロシーを「ママ」と呼び、彼女の命令に忠実に従う。
ドロシー(声:来宮良子)→シュタイナー博士・パスカーレ博士が共同開発した超世代コンピュータ。機械でありながら自ら成長する機能を持っている。
他のコンピュータを退けてミケランジェロシティのマザーコンピュータとなった。
バードマン(声:子安武人)→ガレリアンの一人、18歳。裸オーバーオールのロン毛男。
重度のドラッグジャンキーで事あるごとに「頭が痛ぇんだよ」と口にする。瞬間移動と衝撃波の能力を持つ。
レインハート(声:鈴村健一)→15歳。小柄で小太りな少年。臆病な性格。ある理由から時計にこだわる。幻覚と発火能力を持つ。
リタ(声:今井由香)→17歳。露出の高いバーテンダーのような服を着た少女。感情の起伏が激しいが上の2人に比べるとかなりまとも。
サイコキネシスで椅子やテーブルを投げつけて攻撃してくる。
ラビット→個人名じゃなくて、ザコ敵の一種。ガレリアンズのプロトタイプらしい。ナイフで戦うタイプと超能力を使うタイプがいる。どっちもすごく気持ち悪い。
■超能力とドラッグ→超能力は一部の例外を除いて、ドラッグを注射しないと使えない。回復や能力強化ができる物(こっちはカプセルとか錠剤)もあるが、基本的に前者のこと。
アンプルも注射器も馬鹿デカイ&首筋に撃つのでとても痛々しい。超能力用ドラッグは超能力を使うか歩き回ることで中毒度が上がり、最大になるとショートしてしまう。
■スキャン→リオンの超能力の一つ。物質に干渉できる能力。サイコメトリーで攻略ヒントを得るのが基本で、たまに鍵を開けられたりもする。
リオンはドラッグなしで使えるが、それはこの能力を使うためのドラッグ「メラトロピン」をすでに大量投与されているかららしい。
大人ひどい。
■ショート→中毒度が最大のときに超能力を使うと、ショートと呼ばれる暴走状態に入る。近づくだけでザコ敵を倒せる(頭が吹っ飛ぶ)が、移動が遅くなる上にすごい勢いで体力が減る。
ドラッグで治せるが、中毒度を上げるドラッグも存在する。
長文ごめんなさいorz
次から本編。やっぱり長文注意です。
250:ガレリアンズ2/5
09/10/02 10:33:27 mMISWj2I0
STAGE-A ミケランジェロ記念病院
「ボクは時々、恐ろしい夢を見る…」
ミケランジェロ記念病院の一室。
映し出されているのはベッドに拘束されているリオンと、それをモニターで見ている研究員。夢の中で夫婦らしき男女、少女の顔を見る。その映像に少女の声が重なる。
(リオン…リオン…)
「君は誰だ?なぜボクを呼ぶんだ?」
(彼らが来るわ…私を探しているの)
うなされる彼の首にドラッグが打ち込まれる。痙攣を起こすが、モニターに背を向けた研究員は気づかない。
手首の拘束具のネジが緩んでいく…。
起き上がっててはみたものの、彼は記憶を失っていた。何故こんな場所にいるのか、これから何をすればいいのか、何一つ分からない。
覚えているのは自分の名前が「リオン」だということだけ。
とりあえず扉に手をかざしてみたら、鍵が開いてしまった。
「ボクに何を注射した?ボクは何故こんなことが出来るんだ?」
と隣室に居た研究員を問い詰めるが、自分は何も知らない、レム医院長の指示で「薬」を投与しただけだと言われる。奇妙な力を持たされた怒りのまま、リオンは研究員を破壊する。
この病院で実験をされていたのはリオンだけではないようだ。
実験台などをスキャンすると、頭に器具を付けられ白目を剥いている子供、手を使わずに人形を動かす子供などが見られる。
院内をさまよううちに気になる新聞記事を見つける。
2522年10月10日ごろから、ドロシーの開発者であるシュタイナー博士とその妻エルザ、息子リオンの行方が分からないというもの。
これより少し前から同じくドロシーの開発者であるカスパーレ博士と娘リリアが失踪しており、何か関連があるのではと警察は睨んでいるらしい。(ちなみにこの新聞の日付は2522年の10月20日。院内には同年の10月27日0時20分を指している時計がある)
この後リオン・シュタイナーと書かれた写真・シュタイナー夫妻の写真を発見する。リオン・シュタイナーの写真の顔は、鏡に映ったボクの顔と同じだ。ボクはシュタイナー家からここに連れて来られたのだろうか?
Gプロジェクトなる資料も発見できる。まとめるとこんな感じ。
2519年10月1日 プロジェクト開始。クローニング技術と遺伝子融合を利用し、労働力の確保と環境汚染に耐えうる遺伝子を模索するのが目的。
2519年10月15日 ラビットの生産開始。翌年5月29日より量産開始。
2520年6月29日 GALERIAN/TYPE-G001を本部へ移送。
2520年7月31日 新技術を投入した第二世代、GALERIAN-G005を生産。本部へ移送。
Gプロジェクトの片鱗は、病院内の至る所で見ることが出来る。胎児の入ったシリンダー。液体の中に浮かぶ無数の目玉。化け物じみた生命体まで作られている。
そうこうしているうちに脱走が医院長にバレたり、例の女の子からからテレパシーが送られてきたりする。
リオンからも呼びかけてみるが、「私を助けて」と言うだけで会話にならない。
ラビットやら攻○機○隊に出てきそうなアームスーツやらを撃退しつつ院長室に到着するがレム医院長にビージェクト(ドラッグ注入用の銃型注射器)を突きつけられる。
このレム医院長がGプロジェクトの中心人物。ドロシーの崇拝し、ドロシーの望みを叶えようとする彼にとっては、リオンも他の子供たちも実験動物に過ぎない。
このクスリを撃てば確実にショートする、嫌ならもとの部屋に帰れと言われるがもちろん拒否。
超能力でビージェクトを弾き飛ばし、レム医院長も倒す。
医院長室のエレベータから脱出するが、それを監視カメラで見ている男が居た。
「ボクはミケランジェロ記念病院を脱出した。自分の名前以外、何一つ知らずに。手には家族の写真があった。
懐かしい気持ちでいっぱいになったが、次の瞬間にはまるで見知らぬ人達のようにも見えた。
ボクはなぜここに居るのだろう?頭にモヤがかかったように何も思い出せない。
ボクは一人ぼっちだった」
251:ガレリアンズ3
09/10/02 10:52:12 mMISWj2I0
STAGE-B 生まれた家
シュタイナー邸にやってきたリオン。家の規模は一般住宅というよりは豪邸だ。
玄関には鍵がかかっているので裏口に回ってみることにする。
裏口には車2台が停められる車庫と池がある。中には1台だけ車があり、隣のスペースから池に向かってタイヤの跡が続いている。
まるで、車で池に飛び込んだみたいだ…。
車庫にあった車から鍵を見つけ、裏口から中に入る。
ラビットの集団が家を取り囲んでいるとは気づかずに。
屋敷の中に人の気配は無く、代わりにラビットが闊歩している。
このステージのラビットは二階の床(=一階の天井)突き破って出てきたり、扉開けたら待ち伏せしていたりとビックリ演出が多い。
とくに前者は、床ブチ破ってくれたせいで通るたびに穴を飛び越えるハメになるのですごく迷惑。
リビングルームにて家族の写真を発見。シュタイナー博士と妻のエルザ。真中にボクが写っている。
やはりボクはリオン・シュタイナーなのだ!
ここでリオンは記憶の一部を取り戻す。
ソファに座るシュタイナー夫妻と、夜中なのかパジャマ姿のリオン。
「どうした、リオン。眠れないのか?」
「なんだか胸騒ぎがして…何か良くないことが起こるような気がする」
何か思い当たったように顔を伏せるエルザ。
この後もいくつか記憶を取り戻す。
キッチンの冷蔵庫に近づくと、過去の光景がフラッシュバックする。
冷蔵庫を開くと、中からエルザが倒れ出る。口には懐中時計が詰め込まれている。悲鳴を上げるリオン。
物置では父が血を吐いて倒れている。やはり腕には時計をしている。両親は殺されたのだ…。
洗面所をスキャンするとエルザが殺される瞬間の映像。小柄な少年が犯人らしい。
書斎では父とパスカーレ博士の会話を思い出す。
「パスカーレ…。最近黒いコートを来た不気味な奴らが家の周りをうろついている」
「このまま2人を一つのところに置いておくのは危険だ。私はリリアをつれてここを出て行くよ」
「長い間ありがとう」
「リリアを安全なところに隠したら、一度連絡する」
床で遊んでいる幼いリオンと、人形を抱えた少女。
リオンの部屋のベッドをスキャンすると、両親の会話が見られる。
頭に包帯を巻いた幼いリオンがベッドに寝ている。どうやら高熱を出したまま下がらないらしい。不安がるエルザを、シュタイナー博士が朝には下がるとなだめる。
他に安全な隠し場所が見つからなかったのだ、赦してくれと意識の無いリオンに語りかける。
そして成長したリオンの記憶。
ベッドで眠っていたリオンは、何かに気づいて目覚める。
黒いコートを着た男(超能力タイプのラビット)が部屋に入ってくるが、リオンの姿は消えている。(ベッドの傍にリビングに降りる梯子が隠されているので、多分ここから逃げた。その後キッチンと物置で両親の遺体を発見したと思われます)
その後、書庫の隠し部屋を発見。シュタイナー博士からリオンに宛てたメッセージが残されている。
252:ガレリアンズ4
09/10/02 10:54:26 mMISWj2I0
七年前、シュタイナー博士とパスカーレ博士は画期的な新世代コンピュータを完成させた。
ドロシーと名づけられたこのコンピュータは優れた判断力と自己修復機能を備え、新しい細胞回路を増設して古いシステム核を廃棄することにより成長していく。
彼女はミケランジェロシティのマザーコンピュータとなるが、やがて人間にとっては危険な考えを持つようになる。
なぜ人間という劣悪なシステムを廃棄してはならないのか?
なぜ人間同士は殺し合いをするのに、自分は人間を殺してはならないのか?
シュタイナー博士は神の存在によって、この思想を押さえ込もうとした。
人間は神に逆らうことが出来ない。誰しも神の定めた運命に従って生きている。
神とはすなわち創造主のことであり、ドロシーにとって人間こそが神なのだから、人間に逆らってはならないと教えたのだ。
ドロシーは納得したと見せかけ、密かに神の存在のシュミレートを始めた。
幾度もシュミレートした結果、彼女は「ファミリープログラム」を実行に移す。
その内容は、ミケランジェロ記念病院を利用して超能力を持った新人類「ガレリアン」、決して自分に逆らわない存在を創造すること。
レム医院長のGプロジェクトは、このガレリアンを作るためのものだった。
ドロシーは自分が神になろうとしているのだ。
いずれ人間にも危機が及ぶだろうと考えたシュタイナーとパスカーレは、ドロシーの暴走に備えて2つのプログラムを用意した。
そして何より安全な隠し場所として、ドロシーを破壊するウイルスプログラムをリリアの脳に、その起動プラグラムをリオンの脳に書き込んだ。
これが5年前の出来事だという。
『愛する息子よ。人を救ってくれ…』
子供に尻拭いさせるなよ……というプレイヤーのツッコミは置いておいて、リオンは裏口の池へ向かう。
池に超能力を使うと、車が浮かび上がってきて、運転席からパスカーレ博士の遺体を発見する。
もう一つの隠し部屋で、今度はパスカーレ博士の日記を見つける。
6月9日、リリアからある秘密を打ち明けられた。5年前のウイルスプログラムを書き込まれて以来テレパシーが使えるようになったのだという。
8月に入ってから黒いコートの男たちの監視を受けるようになり、同月末にリリアを非難させた。彼女とテレパシーで連絡を取るには、彼女が心を開く物を手に取るしかない、と書かれている。どうやら今までのテレパシーは一方通行だった模様。
そして9月、屋敷の近くで黒コートの男たちを引き連れた子供に出会ったというところで日記は途切れている。
突然、背後で笑い声が上がった。いつ入ってきたのか長髪の男が座っている。バードマンと名乗る男に、両親を殺したのはお前かと尋ねるが、違うという。
「頭が痛ぇんだ…お前も同じだろ?おとなしくリリアって娘とコンタクトを取る方法を教えろ」
それに衝撃波で答えると、「強情な奴だ」と言ってテレポートしまう。その後は庭の物置に向かうが、途中で何回かバードマンに襲われる。
物置には見覚えのある人形が置かれている。思い出した記憶の中で、幼いリリアが持っていたものだ。
人形を持って外へ出るとテレパシーが送られてくる。
(リオン、彼らが来る…私を探しているの。怖いわ)
(心配しないで。僕が行く。奴らより先にボクが行く)
人形を持っているおかげでリリアにリオンの声が届き、リリアは泣き出してしまう。
(ごめん、君のことよく思い出せないんだ。でも君はボクが守る。守らなくちゃいけないんだ)
(パパが言った通りだわ。リオンは必ず会いに来るって。それまで諦めないで、置いてきた私の人形にテレパシーを送り続けなさいって)
リリアはミケランジェロシティのバビロンホテルに居ると教えられるが、バードマンが邪魔しに来る。リオンが病院を抜け出してから今までずっと監視していたらしい。
リリアの居場所を教えろと言われ、戦うことになる。
バードマンは「自分に気をつけろ」と言って事切れる。
「いつ逢えるかも知らずに汚れた人形に向かって、来る日も来る日もボクを呼び続けていた少女が居た。
彼女の頭の中には狂ったコンピュータを破壊するウイルスプログラムがあり、ボクの頭の中にはそれを取り出すプログラムが書き込まれているという。
両親は死に、今日はじめて出会った男をボクは殺した。
僕の心は恐怖でいっぱいだ…」
253:ガレリアンズ
09/10/02 10:57:26 mMISWj2I0
これでちょうど半分。残りは後で投下します。
5つに分けるつもりで書いてましたが、改行・長文怒られるので無理そうです。
まとめる力が無いってキツイ。
254:ゲーム好き名無しさん
09/10/02 16:06:40 y0g6i6EY0
DSの無限航路を予約します。
全分岐をプレイできてませんので、自分が初回に辿ったルートで書きます。
EDはどの分岐を辿っても同じです。
255:ゲーム好き名無しさん
09/10/02 23:18:32 9hUNQsgkO
>>245
地球人って名言されてたっけ?
「異星人が作った兵器を手に負えなくなって捨てたんじゃ?」
みたいな考察をしてたのは覚えてるけど
256:ゲーム好き名無しさん
09/10/02 23:37:15 YEr9VUMw0
>>255
確かR-TYPE3でバイドについての設定が付与された時に明言されていた
257:大神
09/10/03 02:12:27 NNrEzqko0
大神行きます
まあ途中放棄は悪だと自分も思うし、何とか最後まで行ってみま
大渦海鳴門をくぐり、海の底へとやってきたアマテラスたち。
アマテラスの苦手な水中ではありますが、ここでは大きな気泡が身体を覆ってくれ、普通に息が出来るようです。
龍宮城の門の前までやってくると、こんな所に龍神族以外の者(しかも狼)がいることに驚いた門番が声をかけてきて、早速イッスンが
「オイラは西安京筆頭、ヒミコ姉ェの防波堤――旅絵師イッスンさまだィ!!」
ついこの間までさんざん疑ってきたヒミコの虎の威を借る、なんとも調子のいい啖呵を切ります。
下っ端じゃ話にならない、オトヒメを出せというイッスンの無礼な態度に、しかし門番たちは
「なに?ヒミコ?あの西安京の女王、ヒミコか?……という事はあの白き獣は……」
なにやら意味深に顔を見合わせると、「玉座の間にて話を伺おう!」とあっさり門を開いてくれました。
首をかしげながらも龍宮城の中に入るアマテラスたち。
城の住人も皆いちようにオトヒメの所に向かうようにすすめ、ますます妙な感じです。
大広間の奥、石造りの玉座に腰掛けていたオトヒメはお約束に違わず美しい女性で、
問い詰めようと声を荒げかけたイッスンは、案の定出鼻をくじかれてしまいました。
なんとオトヒメはアマテラスが神様である事を先刻ご存知の様子。
そして彼女が言うにはひと月前、突然妖魔の城「鬼ヶ島」が現れ、大ピンチに陥った龍宮を救うため、
彼らの神である水龍は妖魔たちと戦い大半を蹴散らしてくれたものの、
妖魔たちの首領の持つ強大な妖力の前にねじ伏せられ、深手のあまり自我を失ってしまったというのです。
妖魔軍は去りましたが水龍は乱心したまま。
神である水龍を操るすべなどありようもなく、むしろ彼女らこそが水龍の脅威にさらされている最たる者たちだったのです。
「あの水龍には鬼ヶ島の結界を破る力があるんだろォ?その力が借りられないんじゃ敵陣に攻め入る事が出来ないぜェ!?」
愕然としてイッスンが叫びました。正にそれこそが妖魔の狙いだったとオトヒメも肩を落とします。
「……しかし」と彼女は言葉を繋ぎました。水龍の力を借りる術はまだ残っていると。
「何だってェ!?そ……そういうモンがあるなら先に言えよォ、ワカメ姉ちゃん!」
と勢い込んでイッスンが尋ねます。
ちなみになんでワカメかって言うとオトヒメの羽衣(昔話でよく見る天人的な人が纏ってるアレ)がワカメ製だから。
とにかくオトヒメが言うには他に手段がないではないのだが、それはとても危険な方法で彼女たちには成しえず、
その為にアマテラスをここに呼んだのだそう。
「分かった!水龍の首に鈴でも付けて来いって言うんだろォ?まったく無茶言いやがらァ!」
と捨て鉢ながらもしょうがないといった態でイッスンは言いましたが実際彼女がいう「方法」とはそれに輪をかけて無茶も無茶、
水龍の腹の中にある力の結晶、秘宝「龍玉」を持ち帰ってきて欲しいというものでした。
258:大神
09/10/03 02:13:58 NNrEzqko0
「そりゃアンタ、いくら何でもあり得ねぇ話だってェ!」
とイッスンが焦りまくって拒否しますが、もはや鬼ヶ島の結界を破るにはこれしかないとオトヒメは懇願します。
「待て待て待て待てェ!オイラ、カワイイ姉ちゃんのお願いは断らねぇ主義だけど、
このアマテラス大先生が首を縦に振らねぇんじゃ、どうにも……」
とイッスンが渋る端からアマテラスは以下略。
結局(イッスンのみ)ぶつくさいいながら水龍の腹の中に潜る事になったのでした。
「貴殿に水龍様の守りのあらん事を!」と見送る警護の人に
「その水龍が今厄介な事を仕出かしてんだろォ!?」イッスンが当りつつ、
水龍が居る龍の庭(なんと水龍は龍宮の庭を寝床としているのです)に向かいます。
女ばかりの龍宮の住人たちに、こんな時にも拘らず、イッスンが鼻の下を伸ばしたりしながら奥まった一郭にやってきますと、
地面に大穴が開いており、覗き込むとそこにはずらりと牙が並んだ龍の巨大な口が。
「あのデカい口……あんなモンの中に飛び込んで本当に帰ってこれるのかよォ?」
とついこないだ人の体内に飛び込んだばかりのイッスンがこの期に及んでしり込みしますが、
アマテラスは構わずえいやっと一跳び、二人の姿は大きな龍の喉の奥へと消えていきました。
龍の体内はジメジメとして暑苦しく、辺りには奇妙な木やきのこが生えており、あちらこちらに滝がある、まるで洞窟のような場所でした。
「胃液で溶かされた人間とか……嫌なモン、転がってねェだろうなァ?」
と怯んだ様子のイッスンを乗せて奥へ奥へ、最奥の行き止まりまでやって来ますと奇妙なものがありました。
突き立った二本の青白い肉の柱、その真ん中に大きなガラス玉が、幾つもの脈打つ肉の筋に支えられて浮いているのです。
これだけ厳重に守られているという事は、きっとこれは水龍にとって大事なもの。
つまりこれこそが龍玉に違いありません。
何とか取ろうとしてみますが、アマテラスの力では歯が立たず、
仕方なく手段を探して脇道を進んでみますとやはりこれまた行き止まり。
奥はこれまでの場所に流れていた普通の水(……といっても水龍の体内ですから
本当に普通の水かは分かりませんが)とは違い、なんだか毒々しい赤い液体をたたえた池になっていて、
天井に空いた太い管に詰まった肉塊から更にぽたぽたと赤い液が垂れ落ちてきています。
「気味が悪ィから、やたらにイジるんじゃねェ!」
というイッスンを尻目に、池に生えた台座に飛び移ったアマテラスはしれっと「水郷」の筆業を発動。
赤い水を下から上に奔らせて天井の肉塊にぶつけます。
すると肉塊が溶け出して、水が一層激しくぽたぽたと落ちだしました。
どうやら赤い液は酸のようなもので、肉の塊は蓋の役目をしているようです。
最初こそ「何やってんだィ、アマ公!」と焦ったイッスンですが、アマテラスがじゃんじゃん赤い水を肉塊にかけ続けると
終いには「あの肉の塊が溶けたら……オイラもちょっと興味出てきたぜ」なんて事を言い出し、
そのまま水をかけ続けるとついに肉の塊はぼぶよんと震えて消え、蓋がなくなった管から赤い水が大量にほとばしりました。
259:大神
09/10/03 02:15:30 NNrEzqko0
床は水かさを増した赤い液に浸かってしまい、煽ったくせにイッスンが
「お前、デタラメに水龍のはらわたン中を引っ掻き回してねえか!?」
とアマテラスを責めましたが、洞窟の床一面が赤い水浸し……という事は、と戻ってみますと案の定、
龍玉の台座周辺も赤い水に浸かっています。
さっそくさっきのように赤い水をばっしゃばっしゃ龍玉にかけてみますと肉の筋は次々と消え、
ついにアマテラスは秘宝「龍玉」を手にすることが出来ました。
「後はヒミコ姉ェが千里水晶で鬼ヶ島が現れる場所を暴き出せば敵の牙城はもう丸裸だィ!」
はしゃぐイッスンですが、ふと気遣わしげに空になった台座に目を向けます。
「でも、玉コロを無理やり体から引っぺがしたけど――あれで良かったのかァ?」
ともあれ、こんなところに長居は無用と脱出しようとしたその時、周囲に妖しく輝く光の球が現れ、
アマテラスたちを取り囲むようにしてくるくると旋回し始めました。
水龍に飲み込まれた人間たちの怨念か、と一旦は思ったイッスンですがすぐに違うと気付きます。
「イ……イヤ、これは人間の魂なんかじゃねェ、この不気味な色は……キツネ火だァ!」
その叫びに応えるように、紫の光たちが一斉にこちらへ向かって突進しましたが、
アマテラスはひらりと一跳び、宙で身をひねってそれをかわしました。
敵をしとめ損ねたキツネ火がぽうんと煙を放つとその中から飛び出したのは八匹のキツネたち。妖怪「管狐」です。
アマテラスがこれを退けると敗れたキツネたちは再びキツネ火に変わり、それが回転しながらアマテラスの頭上で一つになると、
九つの竹筒が組み合わさった不思議な道具になりました。
これこそ妖器「キツネ管」。
これを捜し求めていたツヅラオは、確か「妖魔を退治するための絶世の宝物」と言っていた筈です。
しかし、実際その中から現れたのは、退治されるべき妖魔……一体どういう事なのでしょう。
考え込むイッスン、と不意に辺りを激しい地鳴りが襲います。
何事かと見回していると天井から赤い液体がばしゃ、ばしゃと次々落ちてきました。やはり無理やり玉を剥がしたのがよくなかったようです。
慌てて避けて、まるで○ェラーリの跳ね馬エンブレムのように後足で立ち上がったアマテラス。
「このままじゃ胃酸で溶かされちまわァ!とにかく出口まで突っ走れェ!」
と叫ぶイッスンに否も応もなく、落ちる胃酸をよけつつ遮二無二ダッシュをしまくって、やってきた道を逆戻り。
なんとか脱出して水の中を見下ろすと「す……水龍が……死んじまったァ……?」
細長いシルエットを持つ巨躯がゆっくりと沈んでいくのが眼に入りました。
260:大神
09/10/03 02:19:46 NNrEzqko0
「これじゃ竜玉が手に入ったって、操る竜がもういねぇじゃねェか。
てことは……ヒミコ姉が鬼ヶ島の現れる場所を暴いたとしても、島の結界を破る方法がなくなっちまったって事じゃ……」
呆然とイッスンが呟いていると、眼下でちかりと瞬くものがあります。
「な……何か来るぞォ」
叫ぶ間にも光は近づき、気がつくと辺りが金色の光に包まれた、筆神の現れた時に変わる神様ゾーンになっていました。
いつの間にか辺りを充たしていた水がなくなり、あわあわと落下するアマテラス。
着地して、さっきまで相対していた光の主を見上げると、
「慈母アマテラス大神……初めてお目にかかる。
今となってはゆっくり語る時間もないが……貴殿には礼だけは言わねばなるまい」
皇帝のような豪華な衣装に恰幅のいい体を包み、長い髭を垂らした男性がこちらを見下ろしています。
「礼……?あ、あんた、誰だィ?」」とイッスンが尋ねると、男は龍神族の族長、龍王ワダツミと名乗りました。
つまりはこの男こそ海神水龍、その化身ということです。
男は更に語ります。妖魔の侵攻のこと、妖魔王と戦ったが、その妖器を奪い、体内に封じるのが精一杯だったこと、
そのせいで自我を失い、暴龍と化してしまったこと。
「そりゃもしかしてこの……」とイッスンがキツネ管を取り出すとワダツミは頷きました。
「それがなければ妖魔王は己の妖力を振るう事ができない。
今頃彼奴らは、それを取り戻そうと血眼になって探している事だろう」
そして、アマテラスにならばこれを安心して預けられると。
それから彼が彼の妻オトヒメにアマテラスが手に入れた「龍玉」を(なんとこれは龍の心臓なのらしい。オトヒメさま……(ノД`))
渡して欲しいと頼むと辺りの景色が再び海中に戻り、ワダツミは「おお……我が命、もはやこれまでのようだ」と呟きました。
乱心していたとは言え余りに多くの人を殺めてしまった彼は、
せめてその者たちの魂の安楽を、両島原の民が愛したこの紺碧の海の底で永遠に祈るといいます。
「……さらばだアマテラス大神。貴殿の武運を……祈っているぞ……」
その言葉を最後に彼の姿は見る見る内に海底へと吸い込まれ、暗闇の中に消えました。
アマテラスが彼の残した龍玉を見上げると、輝きを増したその光が二人を包み、龍の庭へと運びます。
戻ってきたアマテラスが辺りを見回していると、その背後に駆け寄る人影があります。
振り返るとそこには見事な乳が!……じゃなくてツヅラオが。
「おお、アマテラス殿!よくぞご無事で……」
乳にしか焦点があってなかったカメラの目線が、しなを作るように腰を曲げたツヅラオの顔にようやく合い、
けれどもアマテラスは前みたいにそれに見とれる事もなく首をかしげ、
おかげで前と同じく悩殺されたイッスンが地面に落ちて「ボ……ボイン……」と呻きました。
261:大神
09/10/03 02:21:23 NNrEzqko0
浜辺から水龍が苦しむのが見えたので、というツヅラオに、イッスンが得意げに武勇伝を語ろうとしましたが、
勢い込んだ様子のツヅラオはそれを途中で遮って水龍がどうなったのか尋ねます。
腰を折られて不満げながらもイッスンが事の顛末を語ると共に、水龍を狂わせていた原因のキツネ管を取り出すと
「そ……それが、キツネ管……」と身を乗り出すツヅラオ。
ツヅラオはこれをヒミコが他国から取り寄せたといい、だからわざわざ沈んだ宝物船にまで行ったのに、
水龍はこれを妖魔の頭領から奪って飲み込んだと言います。
今更ながらの矛盾に気付き……と言うか無駄足を踏まされた事に気付いたイッスンがカンカンになりますが、
ツヅラオはその抗議にも上の空で適当に誤魔化し、事は一刻を争うと妙に焦った様子でキツネ管をよこすよう迫ってきます。
これは妖怪共が血眼になって探しているものだから、ヘタに持っているのは危ないと
イッスンがキツネ管を引っ込めかけたその時、なぜかアマテラスがそれを鼻先でちょいと投げ上げ、ツヅラオに渡してしまいました。
これにはイッスンとツヅラオ双方が面食らいますが、
すぐにツヅラオは「何とも怪しく艶かしい輝きを放っておる」と、手の中の妖器に夢中になります。
「とにかくこれさえあれば、我が法力を極限まで高め――妖魔どもを片端から退治る事が出来るわ!」
……アマテラスがあんなに苦労した龍宮来訪をアッサリこなしてしまうような法力なら、もう現時点で片端から退治れるような気もしますが。
とまれそう勢い込んだ後にツヅラオはハッと我に返った様子で
「いや……この力でヒミコ様をお守りする事こそ我が本分。
アマテラス殿、ご心配召されるな。このツヅラオ、今より都に馳せ参じ――命に懸けて己の役目を果たすものなり!」
ぽいん☆とおっぱいを揺らしながら片手を上げて宣言したのちに、とうっと宙へ飛び上がり、そのまま門をくぐって駆け去ってしまいました。
その後姿に「命を懸けてって……だから死んじまったらダメなんだってェ!」と呆れるイッスン。
さて置き、水龍の力はもう借りられないかもしれないけれど、それでもオトヒメたちにとって宝物である龍玉を
彼女らに返してあげるべく、アマテラスたちは玉座の間へと向かうのでした。
262:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 02:31:09 NNrEzqko0
ここまでで
263:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 09:00:39 4RJJ5BRsO
乙
>>256
なるほど3か。
タクティクスしか覚えてないから知らんかったわ。THX
264:王子さまLv1
09/10/03 21:40:09 dEX7UtEK0
落ち着いているようなので投下いきます。
まずは一作目の『王子さまLv1』から。
プレイしながら書いているわけではないので
細部が間違っているかもしれませんがご容赦を。
とある世界、とある時代のとある大陸、
というかアリスソフトのランスシリーズによく似た世界。
その世界には『リーザス』『ヘルマン』『ゼス』『JAPAN』『魔物たちの地域』
などの国の他に、『自由都市地帯』という小さな国の集合体もあった。
今回の物語は自由都市地帯の中の一つの国『ルーキウス王国』が舞台である。
昔々、後に自由都市地帯となる地域でウルネリスという八翼の堕天使が暴れまわっていた。
そのウルネリスに多くの者が挑みそして敗れ去っていったが、
とある冒険者パーティーがウルネリスに挑み、ウルネリスを倒すことに成功した。
その後冒険者のリーダー、幻獣使いのルーシャス=ルーキウスは
みんなに勧められルーキウス王国を建国し皆に慕われる良き王様になったとさ。
そして600年後。
ルーキウス王国は、のほほんとした平和な王国として無事に王国歴600年を迎えていた。
王様が自ら幻獣を使って畑の刈りいれをして、その様子が一般公開される程に平和な国である。
そのルーキウス王国の第二王子カナン=ルーキウスは
ご先祖様にあたるルーシャスに憧れを抱いており、
ルーシャスと同様に冒険をしてみたいという危なっかしい望みを抱いていた。
そしてそんなカナンの望みを、王国騎士団近衛隊副隊長にして彼の従者でもある
セレスト=アーヴィングは心配していた。
そんなある日冒険者ギルド員を名乗る黒いスーツ姿の男レイブン=ロストハートが国王に謁見し
このルーキウス王国に新しく冒険者ギルドを設立したいと申し出た。
このルーキウス王国にはいくつかのダンジョンがあるが
それらは全て危険だからと閉じられていて、今まで人が入った事が無く中は手つかずなのだ。
そこで冒険者ギルドを作って冒険者に中を探索してもらって財宝を持ち帰ってきてもらえば
町は潤うのではないか?という事だ。
もちろんカナンは、これで冒険ができると大喜び。逆にセレストは危機を感じていた。
265:王子さまLv1
09/10/03 21:40:53 dEX7UtEK0
数週間後冒険者ギルドは無事に開設され、これで冒険者になれるぞと大喜びのカナン。
だが部屋の窓から外に出ようとすると先読みしていたセレストに捕まってしまう。
「おやめくださいカナン様!
第一カナン様が行っても冒険者登録などできるわけ無いでしょう!」
「出来るわけないのか。じゃあ試しに行ってみよう。
出来るわけ無いなら行ってみても構わないじゃないか。
本当に冒険者登録が出来なかったら僕も諦める」
「しまった…」
そんなこんなで冒険者ギルドへ行き登録することにしたカナン。
登録の際に戦闘能力を聞かれ、レベルは1で、炎の矢(メラのようなもの)なら使える、
きゃんきゃん(最弱の男の子モンスター)なら倒せるぞと答え、
これならさすがに断られるだろうと安堵しかけたセレストだったが、
レイブンは冒険者登録してしまうのだった。
だがまだ仮登録であり本登録のためには依頼を一つこなしてもらうと言われ
できるだけ難しいのをお願いしますと懇願するセレストだったが、
クエスト内容は『3日以内に新聞屋に、冒険者ギルドに朝刊を定期配達してくれるよう頼む』
という子供のお使いレベル。
それすらも大きな犬が寝ていて道をふさがれ一日ではクリアできないという体たらくだが、
二日目にちゃんと新聞屋へ着き依頼をこなす事とに成功した二人だった。
その後冒険者ギルドで、新聞屋で見かけたレイブンの秘書のユーリを紹介された後
カナンは冒険者として本登録された。
心配になったセレストは自分も登録し、二人でパーティーを組むことになる。
城へ帰る途中、カナンは魔法の足輪をやろうと言ってセレストに足輪を装備させる。
するとセレストは力が急速に抜けていくのを感じた。
これは装備した者をレベルを1までダウンさせるという呪いの足輪なのだ!
カナンは、セレストに強い存在として守ってもらうのではなく、
対等の存在として互いに助け合って冒険をしたかったのだ。
セレストはカナンと同じくレベル1の新米として冒険に臨むはめになった。
こうしてカナンとセレストの日帰り冒険者生活は始まった。
ギルドからの依頼ごとの日数に気をつけつつ、
城の者に悟られないように毎日数時間だけ冒険するのだ。
翌日冒険者ギルドから、年代物の壺を陶器職人がアイデアを得るために欲しているので
ダンジョンから取ってきて欲しいという初めての冒険者らしい依頼を受け、
張り切ってダンジョンへ入るカナンと仕方なくお供するセレストだった。
何の変哲も無い第一ダンジョンに入り、
いわゆる普通の敵の『普通モンスター』、
ハニワのような形をしている特殊な種族『ハニー』、
そして人間の男と同じような姿をした『男の子モンスター』、
それらと戦いながら壺を探して先へ進み、
壺を手に入れギルドへ持って帰ると依頼の報酬を渡されると同時に、
初代国王ルーシャスの残した遺産の捜索を依頼される。
今後巡って行くいくつかのダンジョンに居る封印の幻獣達を渡された入れ物に封印し、
遺産への道を開いて欲しいと言うのだ。
266:王子さまLv1
09/10/03 21:41:39 dEX7UtEK0
翌日ダンジョンの奥へ進むと、なぜかチーズケーキが落ちていた。
拾い食いするつもりでは無いが不思議に思い近づくと二人はロープの罠にかかってしまう。
そして罠を仕掛けた男の子モンスターハンターの男、白鳳が現れ
「男の子モンスターの幸福きゃんきゃんを捕まえるための罠が台無しになってしまった。
こうなったらかわりに捕まえてもらいましょう。そうしないと先へ進ませませんよ」
と、難癖をつけてくる。そのついでにガチホモの白鳳はセレストが気に入ったようだ。
ちなみに白鳳は、この世の全ての男の子モンスターを捕まえる事を目標としているらしい。
白鳳は明らかに高レベルの男の子モンスターを連れていて勝ち目がないので仕方なく、
一旦城に戻ってカナンの姉リナリアからお手製チーズケーキを貰い罠を仕掛けると、
幸福きゃんきゃんは見事にかかった。
だが白鳳の目論見が成功するのが悔しいカナンは、
幸福きゃんきゃんを捕まえようと近づいてきた白鳳を落とし穴に落とし、
幸福きゃんきゃんを逃がしてやった上に落ちた白鳳を踏みつけて先へ進むのであった。
その後ダンジョン最奥で封印の幻獣を倒して封印する事に成功し、
このダンジョンは無事クリアとなった。
第二のダンジョンも、普通の地下ダンジョンだった。
先へ進むと何故かボロボロの家屋があったので不思議に思って近づくと、
家から出てきたハニーの子供が緑色のピコハンで殴りかかってきた。だが当然痛くない。
「出ていけ、人間!」と人間への嫌悪感を露わにしてるが
家に近寄らなければ問題無いので放置して先へ進む二人。
最下層へたどり着くと、『すもう』と呼ばれる力士のような存在が道を塞いでいた。
すもうは、力技では絶対に動かすことはできず
マワシと同じ色のピコハンで叩く事が唯一の排除方法なのだ。
最初は落ちていた赤や青のピコハンで赤や青のマワシのすもうを順調に排除していったが、
封印の幻獣の手前に緑色のマワシをしたすもうがいた。
緑のピコハンは見つからないのであの子供ハニーに頼んでみようとボロ家へ行ったが
子供ハニーは聞く耳を持たない。
そんな子供ハニーに頼みこんでると、家から母ハニーが出てきた。
話を聞くと、人間に母ハニーが足を傷つけられ陶器性の体の足が欠けてしまい、
自由に歩けなくなってしまったのが子供ハニーが人間を憎む理由と分かった。
ならば母親の足を治してあげるから、
そうしたら緑のピコハンを譲ってくれとカナンが頼み、子供ハニーも了承した。
267:王子さまLv1
09/10/03 21:42:21 dEX7UtEK0
第三のダンジョンは、川と滝。いわゆる屋外フィールド。
ダンジョン突入前にギルドへ行くと、白鳳に『伝説の滝』まで一緒に行くよう依頼される。
セレストは嫌がったがギルドの正式依頼となっては断れず一緒に行くことに。
しかし途中で川をボートでのぼって行く必要があるのに、
川沿いの貸しボート屋を営むハニーに滝をのぼるためにボートを貸してもらおうとすると
盗賊団にボート『沈没丸』を盗まれてしまったと聞かされる。
今回の盗賊団のアジトはボートが無ければ行けないというパラドックスに陥いりかけたが、
ならば城の倉庫にある子供の頃カナンが使っていたゴムボートを使う事を思いつき
城に帰って倉庫へ入ると、ちょうど盗賊団が漁っている最中だった。
逃げられた上にゴムボートも盗まれてしまったが、
幸い逃げた先が歩いて行ける範囲だったので追いかけてゴムボートを取り返す。
その後ダンジョンの探索の途中で疲れてきたということで
カナンとセレストと白鳳は三人でティータイムを取ることにして、
レジャーシートを河原の近くの草むらに敷いて
その上で白鳳手作りお弁当を食べたり紅茶を飲んだりした。
その後沈没丸も取り返した一行は伝説の滝にたどり着いた。
ここで白鳳はここまできた理由を明かす。
それはこの滝の、滝にに落ちてから最初に見た人間を性別問わず愛するという不思議な力で
セレストを愛人にすることだった。
戦闘能力的に考えて勝ち目がないので逃げ回っていたカナンとセレストは、
よりによってその滝へ落ちて互いに見つめあってしまった。
互いに人生を諦めた二人だったが、そこへ盗賊団の子分が聞いて平気で滝の所まで来て、
お前ら何をやってるんだと聞いてくる。
子分の話を聞くと、盗賊団は最近この滝で洗濯をしているらしい。
そして滝に入ったところで何も起きないということだ。
つまり伝説はあくまで伝説。白鳳はガッカリしたが、
依頼達成は依頼達成なので報酬はしっかり払ったようだ。
その後滝の裏の洞窟に潜む封印の幻獣を封印し、このダンジョンもクリア。
ちなみに第三ダンジョンの探索の途中、盗賊団が倉庫から盗み出した
カナンの父のリプトン王が20代の頃の写真を発見する。
その写真の父は、カナンの兄リグナムそっくり。
ちなみに現在リプトン王は老化のせいで背がものすごく縮んでいる。
兄の眉間にいつも皺がよっている理由が分かった気がする、と呟くカナンだった。
268:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 21:43:02 dEX7UtEK0
第四のダンジョンについてギルドに聞いてみると、
その第四ダンジョンに住む『泉の精霊』の部下である妖精が書いた、
泉の精霊と泉自体を救って欲しいという内容が書かれた手紙を渡された。
泉の精霊!美しい女性の姿の精霊が助けを求めている!これは冒険者冥利につきる!
とwktkしながらダンジョンへ急ぐカナンと心配しながら後に続くセレストだった。
が、着いた場所は温泉旅館『ドラグ温泉』。…確かに泉の一種ではあるが。
しかも精霊は、カナンいわく「病み上がりの文学中年」な外見の中年男だった。
その名も桜涯(おうがい)。ちなみに手紙を書いた牛乳瓶型の妖精はビバノノという。
おもいっきり落ち込んだカナンだったが、
冒険者ギルドに助けを求めているのは事実だから話を聞くことにした。
オクトマンという、いわゆるタコ人間が地下の温泉から侵攻して桜涯をお札で封印した上に
温泉の出具合のコントロールに必要な『わくわくの玉』を取られてしまったので、
オクトマンたちを倒してお札の封印を解いてわくわくの玉を取り返し、
温泉の危機を救ってくれというのだ。
とりあえず冒険を開始する二人だったが、
ここは温泉なので普通の冒険者装備の金属装備は湿気で錆びるし何より情緒が無い、
ということで防具が強制的にドラグ温泉の浴衣へ変更されてしまう。
ちなみに武器はカナンが石鹸入りネットでセレストはへちま。
しかもこのへちま、専用スキル『へちま剣士』をセットすることで強化できる。
とりあえずオクトマンの侵攻拠点である地下最下層の深い温泉へ行き深度を確かめると、
とんでもなく深いのでこちらからオクトマンを攻めるのは不可能だと分かる。
それを桜涯に説明すると、温泉の温度をコントロールする『湯加減の玉』を
使ってみてはどうかとアドバイスを受ける。
しかしこの湯加減の玉はドラグ温泉に厳重に保管されていて、
それを取るためには、温泉旅館ならではの要素を堪能することで手に入るペナントを
5つ手に入れる必要がある。
マッサージのペナントは、温泉旅館によくあるマッサージ機を使うことで手に入る。
マッサージ機の近くにジュースの入った冷蔵庫があるのを見て
「なあセレスト、いろんなジュースがあるな」
「ほんとですね、パャリースのオレンジジュースもあります」
「パヤリース?」
「パャリースです。ャを小文字で言うのがポイントですね」
なんてやり取りをしつつ、マッサージ機を使ってペナントを手に入れた。
なつゲーのペナントは、
温泉のゲームコーナーによくある数世代前のゲームをクリアすることで手に入る。
「うわっ、これ私が生まれた頃のゲームです、かなり年季入ってますよ。
画面もかなりガタがきてますし!」
写真すら気軽に撮ることはできず服装をしっかりして写真屋で撮ってもらうという
文明レベルなのに、なんでゲームが20年以上前からあるのかとか言ってはいけない。
そういう世界なのだ。
ともかく、正解の道をカンで選んで進んでゴールへ着くという単純なゲームをクリアし
なつゲーのペナントを手に入れた。
269:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 21:44:05 dEX7UtEK0
グルメのペナントは、ドラグ温泉名物のドラグ(カニのようなモンスター)を、
自らの手で倒して、まるまる一匹食べることで手に入る。
かなり大きなモンスターなので倒すのより食べる事に苦戦したが、
なんとか食べきってグルメのペナントを手に入れた。
入浴のペナントは、ドラグ温泉の地下に点在する温泉に全て入ることで手に入る。
かなり熱くて入れなさそうな温泉もあったが、
『江戸っ子』スキルを装備して根性で入り、ペナントを手に入れた。
卓球のペナントは、
温泉の湯あがり後のスポーツとして定番の卓球の大会に優勝することで手に入る。
湯加減の玉をお宝として狙っている盗賊団の親分ナタブームや
激レアモンスターの温泉きゃんきゃんを捕まえるために来た白鳳も大会に参加するが、
激戦をなんとか制しペナントを手に入れた。
こうして5つのペナントを集め湯加減の玉を手に入れた一行は、
最下層の深い温泉に湯加減の玉を投げいれ限界まで熱くすることで
侵攻不可能にする作戦に出た。
すると潜んでいたオクトマン達が熱さに耐え切れず出てきた。
彼らを倒すことでわくわくの玉を取り返し、桜涯の封印も解け、ドラグ温泉は救われた。
そしていつも通り封印の幻獣を封印し、温泉ダンジョンクリアとなった。
その後、白鳳が温泉きゃんきゃんを狙っていることを知ったカナンは、
普段からちょっかいをかけられてる事の報復として
父である王様に激レアな温泉きゃんきゃんの存在を知らせ、
天然記念物として保護し、
密猟したら5年の懲役とすることで白鳳が捕まえられなくしてしまった。
…この行動が後で大きな騒動を引き起こすとも知らずに。
270:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 21:44:48 dEX7UtEK0
第五のダンジョンは氷のダンジョン。
1階では、道具屋を経営している侍の雨雷剣豪(さめらいけんごう)が
侍っぽい姿の普通モンスターのサメラ~イと一騎打ちをしていた。
このサメラ~イは突然変異種の強い個体で、持っている魔剣オサフネと本人の技で
氷の柱を一刀両断してしまうくらいの強敵だった。
手出し無用だと雨雷が言っているので無事を祈りつつ先へ進む事に。
下の階へ進むとヤクザのような姿をしたハニーの一種『凶悪ハニーが』
「ぶ、ぶ、武器をよこせ!」とオドオドしながら武器を脅し取ろうとしてくる。
暴力団のハニー組の組員は氷を吐く普通モンスターとの抗争に備えて
武器を集めるよう組長に命令されているらしい。
だが、戦おうとすると怖がって逃げてしまった。
カナンはその凶悪ハニーが首にかけていたお守りが、
第二のダンジョンの子供ハニーのお守りと同じものだと気づく。
子供ハニーが以前父と兄が行方不明になったと言ったのを思い出し、
その兄ハニーがあの凶悪ハニーではないかと考える。
さらに下へ行くと、既に絶滅したモンスター『アンモス』が
生前の姿そのままで氷漬けになっているのを発見する。
大昔の動物の姿に感動した後でカナンが城に帰ると、城内は大騒ぎになっていた。
なんとカナンの兄のリグナムが、
帰郷中の母から送られた野菜の中に偶然紛れ込んでいた珍しい虫に刺され、
『一生高熱と咳と鼻づまりが治らない病』にかかってしまったのだ。
一生そのままな代わりに死の危険は無いが、このままでは一生ベッドの上。
しかも治療法は、既に絶滅したモンスターのアンモスの肉を食べる事だけだ。
リグナムの所へお見舞いに行ったカナンは
冒険者ギルドへアンモスの肉を探すことを依頼してはどうだと提案する。
冒険者ギルドを通して自分の行動と分からないようにして、
兄のためにあのアンモスの肉を取って来るつもりなのだ。リグナムは承諾した。
突然変異サメラ~イの剣なら氷漬けのアンモスの肉を取り出せる、
そう考え雨雷とサメラ~イが戦っていた場所へ行くと二人とも倒れていた。
といっても死んではいない。サメラ~イが斬った氷の柱が倒れ双方を直撃したのだ。
先に意識を取り戻した雨雷は、このサメラ~イは殺すには惜しい、
話も通じるようだし一緒に暮らして剣の技を磨きあいたいと言い介抱することにした。
その時、兄ハニーがサメラ~イの落とした魔剣オサフネを
武器を集めるという組長の命令のために拾ってしまう。
そしてサメラ~イ以外が持つと呪われる魔剣オサフネの魔力に囚われた兄ハニーは、
「畜生、畜生、組の奴ら、俺の事を三下とバカにしやがって!」
と叫びながらハニー組事務所へ向かっていった。
追いかけていくと、ハニー組の組員全員と事務所そのものがボコボコにされていた。
「組長!俺の家族の工場を騙し取ったのはあんただったんだな!信用してたのに!」
「そうだよ。お前が組に来た時は、とんだバカだと内心笑ってたんだよ!」
「畜生!畜生!もう何も信じないぞー!おろろーん!
今宵のオサフネは血に飢えておるわー!」
自暴自棄になった兄ハニーを説得するためにも家族の助けが必要と考え
子供ハニーと母ハニーを連れてきたが、
「偽物に決まってる!何も信じないぞ!」と、聞く耳を持たない。
271:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 21:45:33 dEX7UtEK0
父ハニーならもしくは説得できるかも、と考え氷のダンジョン内を探し回ると、
モンスターの氷攻撃によって氷漬けになった父ハニーを発見した。
せめて遺体だけでも回収しようと
ファイアーレーザーのスキルで氷を溶かし遺体を取り出す。
すると、遺体の持ち物の中にボロボロになった家族の写真があるのを見つけた。
家族を捨てて蒸発したダメ親父だと思ってたけど本当は家族を想っていたんだ、
とカナン一行とハニー家族が感動していると、
遺体だと思っていた父ハニーが突然起き上った。
いわゆるコールドスリープ状態になっていて奇跡的に復活したのだ。
話を聞いてみると、家族の前から姿を消したのは家族を置いて逃げるためではなく、
工場を騙し取ってさらに兄ハニーを極道の道へ誘った組長を
包丁で刺し殺して家族を救おうとしたかららしい。
やはり家族想いのお父さんだったのだ。
しかしそんな父ハニーを連れてきても
「親父が家族を愛してただと!?そんなの嘘だ!嘘に決まっている!」
と聞く耳を持たなかったが、父ハニーの家族愛を否定した兄ハニーに
冷静にキレたカナンが、相手は魔剣を持っているというのに近寄って殴った。
「父ハニーはな、家族を本当に愛していたんだ!
お前を助けるために組長と戦おうとしたんだぞ!もう一度話を聞くんだ!」
父ハニーはその証拠の家族の写真と包丁を見せて
「お前に辛い思いをさせちまったダメ親父だが、
本当にお前が大事なんだ。頼む、元に戻ってくれ」
と頭を下げた。すると家族愛を感じた兄ハニーは涙を流し、
魔剣を手から落とした。家族愛が魔剣の呪いに打ち勝ったのだ。
こうしてハニー一家が全員元通りになって喜んだ後、
落ちた魔剣オサフネをそのまま拾うとまた呪われるので、
雨雷と一緒に住む事にしてマサムネと名付けられたサメラ~イに拾ってもらった。
ついでにアンモスの肉を斬ってもらうのを頼むと
魔剣を取り返したお礼として快く引き受けてくれた。
切り取ったアンモスの肉をギルドへ渡すと城へ急ぐカナンとセレスト。
城に戻った時には既にリグナムは肉を食べて回復していた。
リグナムはカナンの頭に手を乗せじっと見つめながら
「肉を持ってきてくれた冒険者に感謝しなければな」
と言ってきた。
カナンの冒険を知られたのかもと内心ヒヤヒヤなセレストだった。
その後氷のダンジョンの封印の幻獣も封印し、第五ダンジョンもクリア。
272:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 21:46:16 dEX7UtEK0
第六ダンジョンへ行こうとすると、冒険者ギルドから
話を一旦聞いたら断れない程に機密性の高い依頼を受けてみるかと聞かれる。
聞くことにすると、600年前から存在するルーキウス王国の王冠が盗まれ、
第六ダンジョンの中に持ち込まれたので取り返すという依頼と聞かされた。
王国の宝を取り返すためにも第六ダンジョンへ急いだ一行だった。
第六のダンジョンは炎のダンジョン。
中に入ると、盗賊団の子分が泣いていた。
親分のナタブームが何者かに操られ、
所々で燃え盛っている炎の中に平然と入っていきながら
炎のダンジョンの奥へ進んでいるらしい。
子分達は必死に食らいついて止めようとするが、
ナタブームが炎の中に入ると子分は耐え切れず落ちてしまうのだ。
子分たちと一緒にナタブームを追いかけ、
途中の火は近くにある湧水から子分たちと一緒にバケツリレーで消火しながら進み、
熱した床の上で扉を一心不乱に開けようとしているナタブームを発見する。
熱した床が熱くて近寄れないので解除するための方法を探していると、
剣士の幽霊が、「この先に進むな、引き返せ」と言ってくる。
一行は幽霊の出現に驚き恐れたが、
ナタブームを助けるために進まなければいけないと断る。
何度も忠告してくる幽霊にカナンが
「ナタブームを救うためにも、ルーキウス王国の王冠を取り返すためにも、
ルーシャス様の遺産を見つけるためにも、先へ進まなければいけない」
と言うと、幽霊は
「そうか、ルーシャスの奴みんなのために王様になったか。あいつらしい」
と呟く。彼の名はロイ。
600年前ルーシャスと共にウルネリスと戦った冒険者パーティーの一員だ。
しかしなぜ冒険中に死んだわけではなく長寿を全うしたはずのロイの幽霊が
墓場等ではなくこんなダンジョンの中にいるのか?
それをカナンが聞くと、ロイは後の世に広まった冒険譚とは違い、
ウルネリスを倒した後崩れていくダンジョンで
落ちてきた瓦礫からルーシャスを庇い生き埋めになったのだと言う。
ウルネリスと戦う前に冒険者パーティー一同は、
「誰かがこの戦いで死んでも、後の世にはそれを隠して
全員生きて帰ってめでたしめでたしの話にしよう」
と取り決めをして、ルーシャスはその通りにしたのだ。
「ルーシャス様は、あなたの妹と結婚しました。その血筋は今でも絶えていません」
というカナンに、
「600年ここで一人だったが、今でも平和だと知ることができて良かった。
子孫もこうしてここにいることだしな」
と、カナンがルーシャスの子孫と見抜いたロイは答える。
「ナタブームとかいう男を助けるために先へ行くがいい。
だが気をつけろ、この先にあるのはルーシャスの遺産などでは無い」
そう言い残しロイは消え去った。
273:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 22:03:16 dEX7UtEK0
熱い床を解除しナタブームの元へたどり着いたカナン一行は
戦ってナタブームを気絶させ、正気に戻すことができた。
封印の幻獣を封印して先へ進むと、白鳳が現れ、
今回のナタブームを操った犯人は自分だと言ってくる。
「王冠を返して欲しかったら追って来なさい」
と言って白鳳は大きな穴に飛び込む。
その後その穴から大量の水が出てきて一行はダンジョンの外まで流されてしまう。
とりあえずギルドに報告してから城へ帰ったカナンとセレストだったが、
廊下でリグナムに話しかけると様子がおかしい事に気づく。
「残念だよカナン、お前がセレストと共にクーデターを計画していたなんてな。
家族を処刑して王位を奪おうなどと、恐ろしいことを…」
王や姉、その他兵士も全員操られているようで、二人を捕まえようとしてきて
カナンとセレストは城内で次第に追い詰められていった。
だがその時、盗賊団が炎のダンジョンでの借りを返すべく現れ
カナン達を隠し通路へ導いてくれた。
中世の城によくある緊急脱出用の隠し通路。
平和な600年間で一度も使われず王族すら忘れ去っていたこの通路が
今日初めて使われたのだ。
こうして城を脱出したカナンとセレストは、
城の者に見つかりにくそうな町はずれの宿に宿泊する。
以前から冒険者みたいに宿に泊まることに憧れてはいたが、
まさかこんな形になるとはと落胆するカナンだった。
翌日冒険者ギルドに行くと、第六ダンジョンの白鳳が落ちた穴の先に
第七のダンジョンが見つかったのでそこで最後の封印の幻獣を封印し
遺産を見つけてほしいという依頼を受ける。
城のみんなが操られたのは王冠が関係しているかもしれないという予想から
城のみんなを戻すために後を追う必要もあると考えその依頼を受けた。
あの流れてきた水の影響で炎のダンジョンのほとんどが水浸しになっており
あの穴も水が溜まっていたが『潜水』のスキルで潜ることができた。
274:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 22:04:26 dEX7UtEK0
第七のダンジョンは水のダンジョン。
あまり広くなく、先へ進むための扉の鍵を難なく手に入れる。
しかし鍵で扉を開けると、
その先には既に弓を引き絞っていつでも矢を放てる状態で待ち構えていた
男の子モンスター『神風』と、白鳳が待ち構えていた。
神風の放った矢でセレストは大怪我をし、その隙をついて捕らえられてしまう。
カナンはその後を追うが、白鳳が配置したモンスターと一人で戦う事になる。
特に魔法が一切無効であるハニー族との戦いは
魔法使いタイプであるカナンにはきつかった。
その頃セレストは白鳳に運ばれながらこんなことをした理由を聞く。
カナンの手引きで温泉きゃんきゃんが国策で保護され捕まえられなくなったので
温泉きゃんきゃんを捕まえるために、とある人物と共に王家を崩壊させようというのだ。
そこまでしてこの世の全ての男の子モンスターを捕まえる理由を、
セレストは最近白鳳に誘われて酒場で一緒に飲んだ時に聞いていた。
いつも白鳳の肩に乗っかってる小動物のスイはもともと白鳳の弟で、
とある理由でこんな小動物の姿に変えられ、
その姿を戻すためにはこの世の全ての男の子モンスターを捕まえる必要があったのだ。
「でも、例え温泉きゃんきゃんを無理なく捕まえられたとしても、
同じようにしたでしょうね。私は破滅主義者なんですよ。
破滅しそうな危なっかしいことを好き好んでしてしまう」
「でも、それを私に言ったという事は
誰かに止めてもらいたいのではないのですか?
あなたは心のどこかで誰かが引きとめてくれることを願っている。
あなたは可哀そうな人だ」
カナンが最深部へたどり着くと、
白鳳の他にギルドのレイブンとユーリがいた。
そしてセレストは、翼を片方だけ生やした女性に抱きしめられている。
そしてその前には大きな幻獣が眠っていた。
レイブンは言う。
「八翼の堕天使ウルネリスは倒されたのではなく封印されただけだ。
それもルーシャスが封印できたのはそこにいる8分の1である彼女フォンテーヌだけ。
残りの7翼は逃れ復活の機会を待っていたが、
ここにこうして早めに復活できた2翼の俺とユーリが戻ってきた。
唯一封印に囚われてしまった1翼であるフォンテーヌを完全に開放するには
ルーシャスの封印の幻獣を全て封印する必要がある。
だから冒険者ギルドを開き、ルーシャスの血族であるお前に封印させたのだ。
そして最後の一匹が、目の前にある大きな封印の幻獣だ。
封印のためには王冠を被った王族の者が血を一滴たらす必要がある。
さあ、依頼だ。依頼内容は封印獣の封印、報酬はセレストの命」
275:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 22:05:34 dEX7UtEK0
セレストは自分の命なんかより王国の危機を救ってくれと言うが、
カナンはセレストの命を取る。
王冠を被りナイフで手を傷つけると一滴の血が封印の幻獣に落ちていく。
だがその一滴の血は封印の幻獣に落ちる前に
まんまるで青くてかわいらしい形をした生き物に受け止められた。
これは現代において幻獣使いが使役する幻獣。
ルーキウス王国において幻獣の召喚術は一子相伝で、
王様である父や王位を継ぐ予定の兄は召喚術を心得て数千の幻獣を操っていたが
カナンは幻獣使いの血を受け継いでいるものの今までその方法を知らなかった。
だがこの土壇場で一匹だけとはいえ幻獣を召喚する能力を開花させたのだ!
そしてそのカナンの力に反応し、封印の幻獣は目を覚まし、
何なりとご命令をと言ってくる。
カナンはセレストを救いだすことを命令し、
不意を突かれたフォンテーヌはセレストを離してしまう。
いつの間にか傷も治ったセレストとカナンは
ルーシャスが残した封印の幻獣と共にフォンテーヌに挑みかかる。
封印が完全に解けていないフォンテーヌは、あっさりと倒された。
完全に復活しておらず戦闘能力の無いレイブンとユーリは逃げる。
しかしカナン達は知らないことだが、
彼らは逃げる前にフォンテーヌの翼から羽根を一つ抜き取っていた。
羽根の一つさえ残っていればフォンテーヌはいずれ復活できるのだ。
白鳳は王族を狙うという大罪を犯したこともあり観念したが、
カナンとセレストは同情し見逃すことにした。
封印の幻獣は、いずれカナンが完全に使役できるようになるのを待つために
再び眠りにつくことにした。
ナタブーム盗賊団は、また別の国へ行くと言って旅立っていった。
城へ戻ると家族も兵士たちも元通りになっていた。
カナンは冒険者ギルドの二人が黒幕だった事は正直に話したが、
ウルネリスの復活については混乱を避けるために言わなかった。
冒険者ギルドが無くなったので全てのダンジョンは再び閉鎖され、
カナンとセレストの日帰り冒険者生活も幕を閉じた。
いつかまた冒険へ行ける日を楽しみにしていて
セレストはそれを心配している…そんな日常が戻ってきたのだ。
おしまい。
276:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 22:09:08 dEX7UtEK0
最初の書き込みに書き忘れましたが、アリスソフトの女性向けRPGの王子さまシリーズです。
次はファンディスク『王子さまLv1.5』に収録されている
RPG的戦闘もある中編ノベル『王子さま1か月後』を。
ウルネリスの1翼フォンテーヌを倒し平和を取り戻してから1ヶ月後。
セレストは近衛隊副隊長としての仕事を終え食堂に入り、
既に引退したはずの元近衛隊隊長の父が勝手にメシを食ってるのを見てため息をついた。
セレストの父ルドルフは娘のシェリルがエリックというドラグ教神父と付き合っていて、
エリックが挨拶に来ようとするので、娘との交際など認めん!という頑固親父なルドルフは
騎士団の寄宿舎に先週から住み込んで避けているのだ。
奴が会いたいのなら騎士団に入隊してでも会いに来ればいい、
そうしなければ俺はテコでも動かんぞと言うルドルフだった。
妹とその恋人のためにあの頑固親父を何とかしなくては…
そう悩んでいるとカナンが「ならばテコで動かしてやればどうだ?」と言ってくる。
冒険への憧れの一環で魔法アイテムの書物を読んでいたら、
一回限りだがどんなものでも動かせる『黄金のテコ』なるものがあったというのだ。
それでルドルフを動かしてやること自体は魔法のアイテムに頼っていることになるが、
それを作るための材料作りをエリックがやれば間接的に自分の力で動かした事になり
ルドルフもエリックの実力を評価し納得するのではないか?ということだ。
そしてそれをカナンも手伝おうと言ってくる。どうやら人助けのついでに冒険したいようだ。
こうしてカナンとセレストとシェリルとエリックによる材料集めの冒険が始まった。
最初は第一ダンジョンに入り普通モンスタのーヤンキーの上位種『ばりヤンキー』を倒して
そのバットを手に入れることにした。ダンジョンを地図を書いて進み、
「メモを方眼紙代わりにして地図を書く…手動マッピングという奴だな!
ちなみに自動的に地図が書かれるのは自動マッピング。そっちは難易度的にぬるいな」
とか言いながら先に進んでザコと戦ったりするのだが、
カナンは戦いの最中でシェリルはともかくエリックも戦闘能力がほぼ無い事に気づいた。
攻撃力が低い上に、攻撃すると90%の確率で味方に誤爆するのだ。
RPGのお約束である僧侶系魔法とか神の奇跡とかも使えない。
だがカナンとセレストがフォローして、お目当てのバットを手に入れた。
翌日『精霊の涙』『ドラグの甲羅』を手に入れるためドラグ温泉へ訪れた4人。
精霊の涙を手に入れるために目にしみる煙を立たせるためにサンマを焼いてみたが、
温泉の妖精ビバノノに注意されてしまった。
そこでセレストがカナンのやんちゃに振り回された時の苦労話を語ると、
温泉の精霊である桜涯はほろりと涙を流したのであった。
ドラグの甲羅は前作のダンジョン攻略の時と同様、
生きたドラグを倒して丸ごと食べた後、甲羅を記念品として持ち帰る形で手に入れた。
その時カナンはエリックに、エリックはドラグを神聖な生き物として扱う
ドラグ教の神父だが殺して食べて大丈夫かと聞くが、
ドラグ教の教義は「ドラグはその体を美味しく食べさせてくれる、
そんなドラグのように周囲の人を幸せにしましょう」
というものだからドラグを殺して食べる事をドラグ教は否定してないので
問題ないとエリックは答える。
277:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 22:10:08 dEX7UtEK0
そんなとある日、エリックがどんな生活をしているか見に行こうと、
カナンとセレストは眼鏡をかけて(二人はこれで変装したつもり)見に行くと、
教会の前の道の掃除をしている所にシェリルが来て楽しそうに話をしているのと、
そんな二人をカナン達同様変装目的でサングラスをかけて覗いているルドルフを見つける。
親父もやはりエリックの事が気になるのか、とか考えるセレストだった。
カナンは今ここで強引に会わせるという方法も思いついたが、
黄金のテコの作成をやり遂げてエリックの男粋を見せた方が良いと考え思い留まる。
こうして順調に材料集めは進んでいたが、
まだ書物の材料一覧を解読中だったカナンは解読を進めていって顔を青くする。
最後に必要な材料が『ゴールデンハニーの欠片』なのだ。
ゴールデンハニーとは、ものすごく大きくてケタ違いに強いハニーだ。
しかも出現する地域は行って帰ってくるのに数日かかる場所で、
王族のカナンと騎士団の仕事のあるセレスト、
パン屋のバイトをしているシェリルは一緒に行けない。
エリックだけで取りに行かなければならないのだ。
もっとも、4人で行けたとしても絶対に敵わないだろう。
カナンは、身分で強引に事を進めるのは気が進まないが、黄金のテコを作るのを諦め
王族権限でルドルフにエリックと会うよう命令しようかと提案するが、
エリックは黄金のテコを作る作れないの問題では無く
ルドルフにシェリルへの本気の想いを示すためにも困難から逃げたりはしないと、
ゴールデンハニーの欠片を取りに行く決意をする。
次の日、教会から旅をする許可を得たエリックは一人で旅立ちの準備をし、
旅に出ることを近所の人に知らせたために、普段から彼を慕う近所の人々に渡された
大量のおすそわけ料理パックを目の前にして悩んでいた。
一人の渡した量は少なくとも、10人20人となれば多すぎる。
旅の途中で数日かけて食べるにしても途中で腐りかねないし、何より重い。
かといってせっかく貰ったものを捨てるのも忍びない。
そう困っているエリックに、シェリルが私もついていって一緒に食べると言ってくる。
彼氏が父に会うために旅をすると聞いたパン屋の店長が、
気を利かせて数日の休みをあげたのだ。
こうして二人は、ゴールデンハニーの欠片を手に入れるために旅立った。
数日後、二人は無事にゴールデンハニーの欠片を手に入れて帰ってきた。
(ちなみに手に入れた方法は文中では触れておらず明らかにされていない)
カナンは黄金のテコを完成させるとルドルフが泊まっている部屋へ行く。
「いくらカナン様の命令でも、ここを動きませんぞ」
「テコでもか?」
「テコでもです」
「ならばこの黄金のテコで動かしてやろう。
これはな、エリックが集めた材料で作ったのだ!」
黄金のテコの片方をルドルフの足もとへ入れてもう片方にカナンが乗っかると、
部屋をブチ破ってものすごい勢いで遠くへ飛んで行った。
これで飛んで行った所へエリックが行けば会えると喜んだカナンとセレストは
急いで飛んで行った方向へ向かった。
278:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 22:11:43 dEX7UtEK0
その頃、エリックとシェリルは雨雷の道具屋に住むマサムネに刀を返していた。
旅をするには装備が必要ということで店に行ってみたはいいが
所持金が足りず武器を買えないと悩んでいると、
事情を聞いたマサムネが魔剣オサフネ程ではないが十分に強い刀を貸してくれたのだ。
旅が無事に済んだことを報告し、
雨雷も含め4人で話をしている所へ黄金のテコで飛ばされたルドルフが落ちてきた。
幸いみんな大きな怪我はしなかったので一安心。
だが、いきなりルドルフが魔剣オサフネでエリックに斬りかかってきた。
マサムネが手入れ中だった魔剣を落ちてきた時に偶然手にとってしまい、
魔剣に呪われたのだ。
カナンとセレストも駆け付けたが、引退したとはいえ魔剣を持った元騎士隊隊長を
二人とも止められず次第にエリックは追い詰められていった。
「お義父さん、気をしっかり持ってください!」
「お義父さんと呼ぶなぁぁぁ!今宵のオサフネは血に飢えておるわぁぁぁ!
はぁ、はぁ、はぁ…」
ルドルフが落ち着いてきた様子を察知したマサムネは
「いかん、呼吸が整ってきた!正気の時と同じ技量で来るぞ!」と叫ぶ。
逃げられなくなったエリックへルドルフは上段から斬りかかるが、
エリックの腕にドラグの腕の甲羅のような物が発生し斬撃を防いだ。
厚い信仰心と善良な性格を持つエリックのために神が起こした奇跡か、
それとも短い間とはいえ戦ってきたエリックが無意識に身に付けた能力か、
それは分からないがとにかく助かったのだ。
魔剣を甲羅に弾かれた衝撃で手放したことでルドルフの呪いも解けた。
だが、落ちた魔剣をエリックが
「ああ、この魔剣のせいでお義父さんが変になったんですね。
マサムネさんにちゃんと返さないと」
とか言いながらうっかり拾ってしまった。
今度はエリックが呪われたと慌てる一同だったが何故かエリックは平気で
そのままマサムネに魔剣を返した。マサムネは言う。
「この者は心が透き通っており穏やかだ。少なくともエリンギの境地くらいにはな。
だから人の身でありながら魔剣に心を奪われなかったのだろう」
それを聞いたカナンは、エリンギの境地ってなんだ?と思いつつも
「どうだルドルフ、エリックはお前さえ呪われた魔剣の呪いを受け付けない精神力を持ち、
元騎士隊隊長のお前の魔剣での一撃を何の武具も使わず受け止め、
黄金のテコを危険を冒してまで完成させたのだ。それでも不満か?」
とルドルフにたたみかける。
さすがに参ったルドルフは、エリックとシェリルの仲を認めるのであった。
こうしてカナン達の短い冒険は終わったのだった。おしまい。
続編の王子さまLv2はまだ完成して無いので、後日書きます。
279:ゲーム好き名無しさん
09/10/03 23:51:53 RdTibufl0
乙ですよ
280:ゲーム好き名無しさん
09/10/04 04:00:14 1aR64sCaO
乙です。なかなかいい話だ。
でも>>266の緑のピコハンの話は結局どうなったんだ?
281:ガレリアンズ5
09/10/04 10:39:56 cDam3PZv0
ガレリアンズの続きです。
STAGE-C バビロンホテル
バビロンホテルはいかにもスラムの安ホテルといった風情だった。
フロントマンの脇にはボーイが控えているが、小柄で小太りと見覚えのある風貌をしている。
フロントマンにリリアという女の子が泊まっていないか尋ねてみる。しかしそんな客は居ないらしい。
とりあえずリリアを探して格部屋を廻ってみる。
このホテルの客はみんなイカレている。
泣き続ける女。マシンガンを横に酒に浸る男。爆弾を作り続ける男。どこから手に入れてきたのか、ドラッグや回復薬を提供してくれる男。
宗教家風の男に至っては「君の欲しいモノをあげるよ」と迫ってくる始末だ。鍵のかかった部屋をスキャンしてもリリアの泊まっている様子は無い。
リオンが途方に暮れていたその時、ガレリアンの一人・リタがラビットと共にホテルに来る。
リリアを探しているうちにフロントマンの死体を発見する。さらにはボーイと、ルームキーと宿泊名簿が消えている。
以降は鍵のかかっていた部屋に入れるようになり、そのうち一箇所でリリアの手紙を見つける。
奴ら(ガレリアン?)の気配が近づいている。今までこの部屋でリオンを待っていたけどもう限界。テレパシーを送りたいがそれをスキャンされたら居場所を知られてしまうというようなこ
とが書いてある。
その後もマシンガン男のパシリに使われたり、宗教家に「君カワイイ顔してるね~」と抱き付かれたり、ラビットに待ち伏せされたりとロクな目にあわない。
そんな彼らも一人ずつ殺されていく。いずれもボーイとラビットにやられたことがスキャンから分かる。
廊下でボーイに会うが、その姿を見たリオンは両親の死体を思い出す。そうだ、両親の死んだ場所をスキャンした時に見た少年だ!
少年はレインハートと名乗り、リオンに幻覚の炎を放ってくる。(やめて!)とリリアの声が響いてくるがレインハートは止まらない。
「人を殺したから何だって言うんだい?僕のママはとっても怖いんだ。ママの言うことは守らなくちゃいけないんだ!」
しかしドロシーの(やめなさい!薬の時間です)というテレパシーを受け、途端に怯えだす。
「いやだ!薬はいやだ!だってまだ2時50分だよ!」と叫んで消えてしまう。
その時リリアには彼の「悲しい心」が見えたらしい。
レインハートを追いかけて倒すと、死に際に記憶の一部を見せられる。
レム医院長らしき人物に薬は嫌だと訴えているのだが、無視されてしまうという内容。
『僕が失敗したって、ママに言わないで!酷く叱られて、苦しい薬を飲まされるんだ。僕の中に獣が生まれて、本当の僕が食べられちゃうんだ!
イヤだ、だってまだ2時50分だよ!薬の時間はまだだ!!』
「信じて…僕が殺したんじゃないんだ…僕の中の獣がやったんだ。僕が失敗したこと、ママには内緒だよ…」
282:ガレリアンズ6
09/10/04 10:42:33 cDam3PZv0
両親の仇を取ったのに、苦い気持ちになるリオン。それにしてもリリアはどこに行ってしまったんだろう?
フロントでは住み込みの配管工(ホテル内で唯一生き残っている人)がホテルの図面を見ている。なんでも隣のレストランとボイラー室を共有しているせいで、配管がややこしくなっているとか。
そのレストランはとっくに潰れているが、ボイラー室を通れば入れるらしい。もしやと思い向かってみる。
はたしてリリアはそこに居た。彼女は父パスカーレの死を悟っていた。何度テレパシーで呼びかけても、返事を返してくれなくなったという。
しかし喜びもつかの間、リタが現れる。
彼女はレインハートを弟として可愛がっていた。大事な弟だった、私の誇りだったのにと怒りをあらわに襲ってくる。
リリアはリタの超能力をスキャンして妨害を試みるものの返り討ちにされて気絶、そのままリオンとリタの戦闘になる。
勝利するとリタは「あたしのための特別なクスリ」を使おうとする。自分からショートするつもりなのだ。
「ショートする瞬間はとっても気持ちイイってママが言ってたわ」
リオンは君は狂っていると呟くが、「私達はみんなイカレてんのよ。自分で気づかないだけ」と言って注射を打ってしまう。
目覚めたリリアが叫ぶ中、リオンもショートに巻き込まれる。
気が付くとリタと2人で雪の降る世界にいる。(リタの精神世界のようにも思えるが真相は不明)
私は自分の能力が大嫌い。だから終わりを望んでいたのに、いつも死に切れなかった。ママが神なら、神はなぜリオンにこんな過酷な運命を背負わせるのか…。
最初はリオンに嘆くように、最後は独り言のように語るリタ。そして頭がとても痛い、自分を壊してくれと懇願する。
その願いを叶えるためにリオンはリタの頭に手をかざす。リリアはリタを殺さないでと叫ぶが、彼女を救うにはこうするしかない。それに、このままではリオンも危険なのだ。
現実に戻ると泣いているリリアになぜそんな力を?と聞かれる。
病院で実験をされたからだと答えるが、リリアの頭だけに「信じちゃダメ」と死んだはずのリタの声が響く。
もちろん遺体がしゃべるはずもなく、その場を後にしてドロシーの破壊に向かう。
「笑いながらバードマンは死んだ。怯えながらレインハートは死んだ。そして、誰よりも自分を憎みながらリタは死んだ。
孤独と恐怖に苛まれながらクスリを打つ子供達。
ガレリアンを産んだマザーコンピューター・ドロシーは、ウイルスプログラムの存在に怯えながら、全てのネットの集積するあの場所にいる。
ミケランジェロシティにそびえる、冷たいマッシュルームタワーの中に…ボクはドロシーを破壊するだろう。
シティの夜の影がどんな恐怖で心を満たしても、もうボクを止められるモノは何もない」
283:ガレリアンズ7
09/10/04 10:46:26 cDam3PZv0
STAGE-D マッシュルームタワー
ドロシーはマッシュルームタワーの頂上・ゴッドハンドエリアと呼ばれる場所に置かれている。
内部のワープ装置を調べていると、リリアだけがどこかへ転送されてしまう。
合流するため、2人を交互に操作して仕掛けを解いていると死んだはずのガレリアン達に妨害される。
まずはリリアがバードマンに羽交い絞めにされる。リリアは見知らぬ人物に戸惑うが、彼は実体ではなくテレパシーを利用した幻影だと看破。
心を閉ざすことで逃れる。こんなものが現れるということは、この塔にもガレリアンが居るということだ。
一方、リオンの許にもレインハートが現れる。レインハートはリオン自身が倒したので、あっさり幻影と見抜く。スキャンで術者を調べると見えたのはなぜかリオンの顔だった。
続いてリタの幻影。リオンを気遣うかのような言葉で揺さぶりをかけてくるが、ここまで来て惑わされるはずもない。別れを告げて彼女を消し去る。
仕掛けを解いたら、リリアと合流してゴッドハンドエリアに入れる。
転送先でガレリアンが誕生したと思しきカプセルを発見。5つあるカプセルにはそれぞれガレリアンの名前が書かれている。
シリウスファミリー:リタ、レインハート プロキオンファミリー:バードマン ペガサスファミリー:カイン
ただし5つ目はペガサスファミリーと書かれているだけで名前が無い。
「それは君だよ、リオン」
振り返ると、リオンと瓜二つの少年が立っている。違うのは瞳の色くらい。
カインと名乗る少年は、自分とリオンは兄弟だと告げる。
本物のリオンはミケランジェロ記念病院で死んだおり、ここにいるリオンはガレリアンの一人で、リオン・シュタイナーの記憶とウイルスの起動プログラムをコピーされた。
そしてリリアを探させるために放たれたと言うのだ。
ショックを受ける2人にカインは追い討ちをかける。
「本当に自分ひとりの力で病院を抜け出したと思っているのかい?どうして僕達と同じ力が備わっているのか、考えたことはないのかい?
君はリリアを探すために産まれ、僕は君を殺すために産まれた。僕達はママのために生きる。それが、ママの決めたファミリープログラムさ」
リオンは動揺したままカインと戦う。倒れたカインはこれからどうするんだと聞いてくるが、すぐにそれを取り消す。
「僕の考えることじゃないね。子供は考え事をしちゃあいけないって、いつもママに叱られるんだ…」
リリアはこんなのは嘘だ、小さい頃一緒に遊んだことを覚えていると言うが、リオンの不安は拭えない。
それでもリオンはドロシーの元に向かうことを決意する。
「行こう、リリア。ドロシーのところへ。ボクはママに会いに行く」
「おかえり、リオン」
2人を出迎えたのは、真暗な部屋に浮かぶ女の顔。
リリアを殺せと言う命令をリオンは拒絶する。ドロシーはメデューサのような禍々しい姿を晒して憤る。
私がリオンを作ったのに、なぜ神たる私に逆らうのか!
「誰がボクを産んだとしても、誰がボクを作ったとしても、ボクはボクだ!貴女の人形じゃない!」
貴方なんか産むんじゃなかったと怒るドロシー(パーツだけ)とラストバトル。
目玉みたいなラスボスを倒すとウイルスプログラムが発動。ドロシーはついに破壊され、マッシュルームタワーの天井ごと爆発する。
目的を果たしたリオンは崩れ落ちる。
リリアはここから脱出しようと促すが、リオンは一人で逃げてくれ、自分はここで死ぬほうが良いといって動かない。
「もう疲れたんだ、リリア。そっとしておいてほしい…
でもボクは、自分のことを『リオン』だと思うよ…」
「そうよ!あなたは世界でたった一人のリオンよ!だから、だから一緒に、…リオン?」
「ありがとうリリア。君に逢えて良かった…」
目を閉じたリオンを抱えて呆然と空を見上げるリリア、天井に穴の開いたマッシュルームタワー、ミケランジェロシティの全景とカメラが引いていって、スタッフロール。
ED分岐などは無し。
284:ガレリアンズ 蛇足
09/10/04 10:48:33 cDam3PZv0
本編はこれでおしまい。読んでると分かると思いますが、けっこう謎な部分もあります。
カプセルの「○○ファミリー」の意味とか。リタ&レインハート、カイン&リオンの関係から考えて、血縁関係とかそんな感じなんだろうけど…。
あとこのカプセルによると全員に染色体異常がある模様。
リオンの記憶をコピーしたのは、リリアの人の心を覘く能力で正体がバレるのを防ぐためかと。プログラムまで移した理由は不明。
どうでもいいけどカイン君の服は体が夏になる人そっくり。
他にも操作がバイオ式な上、ドラッグの入手数が少ないなど難易度高いゲームです。
ただBGMは秀逸だし、世界設定など個人的には良作だと思います。
285:王子さまLv1
09/10/04 19:34:00 ewyWlA3+0
>>266と>>267の間にこれが抜けてました、すいません。
以前のギルドの壺の依頼で知り合った陶器職人ゴロー日襷(ひだすき)に相談すると、
陶器でできた体を持つハニーの欠けた足に埋めるための良質な土と、
炎も特別なものが必要なので炎を吐く普通モンスター『うっぴー』を捕まえて来るよう言われる。
良質な土はすぐ見つかったが、問題はうっぴーの捕獲。
普通モンスターを捕まえるには『ゴールデン捕獲ロープ』という
レアアイテムが必要なのだ。そんな時白鳳と出会い、
白鳳がせっかく見つけたゴールデン捕獲ロープを盗賊団に盗まれてしまった事を聞く。
「もし盗賊団の所持品からゴールデン捕獲ロープが見つかっても、
それが白鳳のものだと証明するものはないだろう?」
そんな論法でゴールデン捕獲ロープを手に入れることを思いついたカナン。
盗賊団のアジト(ダンジョン内に張られたテント)へ行ってみると、
そこにいたのは、ドレッドヘアの屈強な男『アックス=ナタブーム』と、
ちっちゃい子供のような互いに姿がそっくりな子分達約20人だった。
しかも、親分であるナタブームはエプロンをかけて子分たちにプリンを作っている最中。
盗賊団というより保母さんと幼稚園児だ。
彼らナタブーム盗賊団は城下町で、人々が玄関に鍵をかけない位のどかなのをいいことに
いろんな物(主にパン)を盗んでいたこともあり、
成敗する理由は十分にあるとして勝負を挑んだカナン達。
幸いナタブームはともかく子分達は強くなかったので、
盗賊団全員を成敗してゴールデン捕獲ロープを手に入れ、
うっぴーを捕まえることができた。
そしてゴローと一緒にハニー一家の元へ行き、良質な土を欠けた部分に詰めた後
うっぴーの一兆度の炎で焼くと母ハニーの足は見事に完治した。
こうして緑のピコハンを譲り受けたカナン一行は緑のすもうを排除し、
無事にこのダンジョンの幻獣を封印しダンジョンをクリアしたのであった。
286:ゲーム好き名無しさん
09/10/04 23:30:56 MR66/W8g0
Xbox360の豆腐男ことToo Humanの話書けたけど需要あるか
北欧神話が題材だから読みやすいは勝手に思うんだけど
287:ゲーム好き名無しさん
09/10/05 00:24:17 M/1McCAE0
>>286
>>2 >>235
ハァ・・・もう疲れた
このスレだけで何回目だろう5回目くらい?
288:Too Human(トゥーヒューマン) 一丁目
09/10/05 01:24:13 G0Nst5xt0
よしよしじゃあざっと投入するぞ
【神々の夜明け】
はるか未来、人類は過去の戦争の遺物であり今なお暴走を続ける自動兵器の群れにより絶滅の道を進んでいた
そして反物質兵器による人為的な氷河期のすえに生き残った数百万の人々は、高い城壁とその内側に都市、ミズガルズを築き最後の居留地とした。
機械と戦う者の中に自らの体をサイバネティクス技術によるインプラントで半機械化する戦士たちが現れた、超人となった彼らは
アシールと名乗り人々から機械の神と崇められるようになった。
我らはアシール、我らは氷を溶かす温かな風・・・
【バルドルの復讐】
主神オーディンの息子にして光の神バルドルは、肉体と心に受けた深い傷から回復し人食いの機械獣グレンデルの討伐に成功する
彼の快気と勝利を祝する宴の後、フレイヤから亡き妻ナンナの死について思わせぶりなことを聞かされるバルドル。
そのことをアシールの長であるヘイムダルに問い詰めると、長はナンナの死因は事故死ではなく他殺であり殺したのは盲目の神ヘズである、といった事実を語った。
バルドルが病床に臥せっていた間の出来事だったが、ヘズはある日突然乱心し罪なき人々を多数殺害した挙句アシールの神殿から脱走、
今は氷河の森と呼ばれる城壁の外の地に潜んでいる。そうヘイムダルは伝えた、そして近々チュール率いる討伐隊が派遣される予定であるとも。
しかし復讐にかられるバルドルは制止も聞かず飛び出していく。
氷河の森の奥深くでヘズを発見するバルドル、だが何故かヘズは彼を見るなりロキと呼び怒りと戸惑いの表情を見せる。悪神ロキ、お前は私が殺したはずだと。
ヘズは苦い過去を思い出していた、倒壊する神殿、瓦礫に潰され火に焼かれなおも死ねず苦しむ人間たち。
彼は助かる見込みのない者の命を絶つことでその苦痛を少しでも早く終わらせようとしていた
そこにロキが現れる、「これは私の仕業だ、人間は取るに足らない存在、それに情けをかけるお前もアシールに適さぬ。」
この言葉に激怒したヘズの拳銃は正確にロキの額を撃ち抜いた。
理由はどうあれ人類の守護者であるアシールが人間を殺し同じ機械の神をも殺した、この事実に居たたまれ無くなったヘズは神殿を去ったのだった。
氷河の森の果てでバルドルはヘズを倒した、今わの際にヘズの左目のインプラントは自身を倒した者の姿を憎きロキから光の神バルドルに変え
彼の脳に情報として伝達する、ヘズは盲目だが左目のインプラントからサイバースペースを介することで肉眼以上に正確に世界を見ることが出来た。
そう、ロキの額を撃ち抜いたあの時も。
すべては幻だったのか 違う現実だ!お前が犯した罪も!殺した数多の人々も!
人は後に私をどう呼ぶだろうか お前は醜い裏切り者だ!死後も永遠に屈辱に苦しむがいい!
バルドルは復讐を果たした
(途中ですがサイバースペースに関して)
サイバースペースとは大樹型巨大コンピューター、ユグドラシルが作り上げた仮想空間です。ですがユグドラシルのネットワーク巨大化により
もはや世界の裏側に存在するもうひとつの世界となっています。サイバースペースは氷と機械に閉ざされた現実とは対照的な緑と日光にあふれる美しい空間であり
非有機性論理ナノシステム、ノルンが生み出した3つの女性人格により統治されています。
サイバースペースで起きたことは現実世界にも干渉し、例えばこの空間で大木を倒して丸太橋を作れば、現実では機械が作動し崖に橋が掛かったりします
289:Too Human(トゥーヒューマン) 二丁目
09/10/05 01:25:25 G0Nst5xt0
【ロキの脱獄】
復讐を遂げたバルドルは心機一転、本来の任務に戻る。今回は過去の戦争で使われた巨大戦艦ヨルムンガンドの内部調査だ
これを復旧できれば機械との戦いにおいて絶大な戦力となる。バルドルは雷神トールと今は首だけで生きてる賢神ミーミルを連れ立ち城壁の外に赴く
ヨルムンガンド内部の端末からサイバースペースを経て船の動力を復旧するバルドル一行、だが船は何者かに全システムをハッキングされてしまう
その正体は今なお神殿の牢獄に捕らわれている悪神ロキ、ロキはサイバースペース内で精神への拷問を受けていたはずだが
どう力をつけたのか、このノルンの世界の中であれば精神を自由に移動させ現実に介入できる存在となっていた。
このまま巨大戦艦でミズガルズを攻めるもよし、焦るお前たちに中枢を破壊させ船ごと深海に沈めてやるもよし、と嘲るロキだったが
その目的は別にあった、バルドルたちがヨルムンガンドを停止させからくも脱出していたころ、ロキは警備隊の中に潜ませていた信奉者たちに
自分の肉体を解放させていた。主神オーディンではなくヨトゥンヘイムの巨人の技術により改造されているロキの体は投獄による衰えも無く
彼はたちまちに警備隊を一掃すると逃亡するのであった。
【死の国】
逃亡したロキが身を寄せたのは、ロキの娘ヘルが女王として君臨する死の国ヘルヘイム。
この地はヴァルハラには行けない一般人の死体や、不名誉な死をとげた兵士の死体をミズガルズから受け取ることで
神々の領土に不可侵の姿勢をとってきたが、ごく最近あからさまに挑発的な態度を見せ始めていた。
そして裏切り者ロキをかくまった今その緊張は頂点に達した。
ヘルヘイムを如何にするかで揉めるアシールたち、死者の国と戦えばミズガルズは機械と死者の二面戦争に突入してしまう。
だが主神オーディンからヘルヘイム討つべしの託宣が下ったことにより、ミズガルズの全軍がヘルヘイム撃滅に投入されることとなった。
死者の軍勢をかき分け突き進むバルドルたちアシールの神軍、だが武器に卓越した神チュールはヘルヘイムの番犬ガルムと相打ちになる
神とてこの国では死ぬのだ、そして長き戦いの果て女王ヘルと対峙するバルドル、ヘルは彼を歓迎する。「おかえりなさい、バルドル。」
「脳は著しく損傷した時、その機能を低平均化させることで肉体の生存を図る。記憶に欠落はないかバルドル?お前は死してここに運ばれてきたのだ。」
ヘルはそう言った、体が腐敗していく病を患う彼女は死体で自分を補強することでその形と命を保っている、だがヘルヘイムに来るのはオーディンの館へは招かれぬ
質の悪い素材ばかり、これでは何も解決しない。だからこそ神の肉体を持つバルドルの亡骸は最高の素材と言えた。
だが光の神の死を惜しんだアシールたちはヘルに無断でそれを持ち出してしまった、それこそヘルヘイムがミズガルズに反意を示し始めたきっかけだった
たわ言を!とヘルと戦いを始めるバルドルに対し、ヘルはさらに非情な真実を突きつける。バルドルの亡き妻ナンナは死者の地で女王の奴隷となっていた
記録は自殺、ナンナは夫の死に耐え切れず後を追い暗黒へと身を投げた、それが真実だった。
心を引き裂くような事実を半ば否定、半ば肯定しつつ苦戦の末バルドルはヘルを打ち破る、そして妻ナンナ、あるいは妻の記憶が入っただけの人形も
バルドルの知覚兵器フェンリルが彼の意思と関わり無く殺してしまう。
女王亡き後も戦いをやめない死者の群れ、それは殺戮のため永遠に稼動し続ける機械たちとも同等に見えた。
ミズガルズ軍はロキの脱出を確認すると物量には敵わぬと見て撤退する。
290:Too Human(トゥーヒューマン) 三丁目
09/10/05 01:27:59 G0Nst5xt0
【神々の黄昏】
アシールたちが戦いの勝利とチュールの死を悼む宴を開いていたころ、バルドルはチュールの武器庫で氷河の森から持ち帰ったヘズの
インプラントを解析していた、かつて復讐に赴く際ヘイムダルに必ず破壊せよと言いつけられたこの視覚補助装置で、盲目の神はどのような真実を見ていたのか?
モニターの中でその視界を持つ人物は苦しむ人々を介錯し、そこに現れその行いを嘲笑したロキの額を正確に撃ち抜いていた。
確かにヘズが神殿を去る前にサイバースペースを介し脳に伝達された視覚情報そのものだった。だがそれは二重構造になっていた。
神殿の一角で視界の主は嘆いていた、だが瓦礫に潰され火に焼かれ、なおも死ねずに苦しむ人々の姿も、崩れる神殿もモニターに写ってはいなかった。
そして床や壁を撃つという奇妙な振る舞いをいぶかしんだ一人のアシールに声をかけられると、彼は突如激怒し拳銃でその神の額を撃ち抜いた。
そう、光の神バルドルの額を、正確に。
遅れて宴に訪れたバルドルは、今はヴァルハラに居るであろうチュールと共に祝杯を上げるよう促されるとこう言い放った
私 の 時 も こ う 祝 杯 を 上 げ た の か ! !
バルドルは怒りを隠そうともせず、自分の死とヘルヘイム侵攻に関する神々の愚行を罵った
ミズガルズはバルドルの死を隠蔽しようとした結果、慈悲深き一人の神を口封じに殺した挙句、死者と機械の二面戦争に突入してしまった
脱獄に加担した罪人であるとは言え、人類の守護者であるアシールが人類を処刑したことで人間たちが神への恐怖を抱くようになってしまった
武器の神チュールは死に、彼が研究していた知覚兵器の技術も失われてしまった
ヘルがユグドラシルに対抗しサイバースペースに放ったウイルス兵器、ニーズヘッグは着実にノルンたちの世界を蝕んでいる
ニーズヘッグは死者の情報を喰らうとそれをヘルヘイムに転送、再構築しより優れた死兵を生み出していくことだろう
そしてロキの行方は掴めない
結局、アシールたちはかりそめの勝利に酔っていただけなのだ。
オーディンの息子、光の神、アシールの王子バルドルは憤怒の形相のまま酒宴の場を去っていった。
そのころロキは最果ての地で盟友である巨人族と邂逅し、その顔に邪悪な笑みを浮かべていた
ラグナロクがここに始まる・・・
あとがき
壮大な話ですがいかんせん売り上げが悪く3部作の第一章が出たきりとなっています、ファンとしては残念な限りです
用語的な補足として、主神オーディンは有機性広域情報ネットワーク(Organically Distributed Intelligence Network=ODIN)の略語で
一人のサイボーグ化した超人ではなく二羽の機械のカラスを使い世界を見渡す存在、平たく言うと○ーミネーターのス○イネットのようなものとして描写されています
暴走しナンナを殺してしまう知覚兵器フェンリルですが、これは武器に宿る魂のようなものでゲーム中に使うと武器が勝手に飛んで敵を切りつけ始めます
他のアシール、例えば雷神トールのミョルニルの鎚にも知覚兵器は宿っているそうです
題名のToo Humanですが、人間的過ぎる、人間臭いという意味で半機械のサイボーグとなったにもかかわらず理路整然と行動できず
感情に支配されたびたび道を誤ってしまうバルドルら機械の神々のことを指しています(しかし恐らくロキは例外でしょう)。
私のつたない文章からこのすばらしい世界観とキャラ設定のゲームの魅力が少しでもお伝えできれば光栄です。
291:ゲーム好き名無しさん
09/10/05 03:52:40 Cf4wLlNUO
書き手さん乙です
ガレリアンズ懐かしい、一度クリアするとショートでも走れるようになったような
アッシュも書いてもらえないないかと思ったり
マダラや田島昭宇を思い出す
292:ゲーム好き名無しさん
09/10/05 15:36:12 8tB/+jNh0
Too Humanはwikipediaで偶然見つけて気になってたけど、未完なんだ……。
完結までのストーリーがすごく気になるな。
ヘルとかニーズヘッグとか、知覚兵器の設定が個人的にすごい好み。
293:ゲーム好き名無しさん
09/10/06 22:31:44 KlFqOvQE0
予約期限直前になってやっとHALO2、投下します…半分だけ
294:ゲーム好き名無しさん
09/10/06 22:34:48 KlFqOvQE0
登場人物・組織・用語
マスターチーフ
主人公。その驚異的な戦果からコヴナントより悪魔と呼称される、最強の兵士。
ちなみに階級の名前がMaster Chief Petty Officerであり、マスターチーフはその通称。
コルタナ
高性能AI。元はUNSCの巡洋艦「ピラー・オブ・オータム」の所属だったが、前作HALOの開始時にチーフのパワードスーツへインストール?された。
チーフを情報、電子戦面でサポートする。
ミランダ・キース
UNSC中佐。フリゲート艦「イン・アンバークラッド」艦長。前作で戦死したキース艦長の娘。
エイヴリー・ジョンソン
UNSC軍曹。海兵隊員。アルファヘイローから帰還した、チーフの戦友。HALOのマスコットキャラクタ。
アービター
エリート族。もう一人の主人公。コヴナント艦隊「パーティキュラー・ジャスティス」元最高司令官。かなりの高級将校のはずだが、一兵士としてチーフに匹敵する活躍をすることとなる。
チーフと同じくアービターは役職名であり、本名はゼル・ヴァダム。
タルタロス
ブルート族の首領。ブルート族は新しくコヴナントに加盟した種族だが、預言者たちの覚えがめでたい男。
343 ギルティスパーク
アルファヘイロー(ヘイロー04)のモニター。ヘイローの管理をしていたAI。コヴナント側の呼称はオラクル。
コヴナント
複数の種族によって構成された宗教同盟。コヴナントの指導者はプロフェット族が勤め、その最高位は預言者と呼ばれる大祭司が勤める。
軍事面ではプロフェットと同じく最初期から参加するエリートが最高位だが、新しく加盟したブルート族がその地位を狙っている。