09/09/18 21:50:04 4Ez1K+fm
ミスティリカ「アトリームにも巨女というジャンルはあったそうですよ。
地球よりもはるかに、鼻がなくてゴムゴムのピストルとか撃ちそうな」
ミツハル「ごくり」
マーズ「キョーミを持ったらダメだミツハルさん!
それ、ただのサクラ大戦だから!」
ミスティリカ「アトリームにも『ラブプラス』はあったそうですよ。
地球よりもはるかに、ミナグチボイスで呼んでくれる名前のレパートリーが広いね」
ミツハル「宇宙は・・・・・・っ、失ってはいけない星をひとつ失ってしまった・・・・・・っ!」
マーズ「膝を着くんじゃねーよミツハルさん!
そんなことばっかししてたから滅んだんだよアトリーム!」
ミツハル「うるさい、ロボのお前になにがわかる!
ミナグチボイスに『みつはるくん』て呼んでもらえず、
『みつくん』とかでお茶を濁している僕の気持ちが!」
マーズ「いっさいわかんねーし、わかんなくていーよ!」
ミツハル「君はいいよな、『マーくん』とかで満足するんだもんな」
マーズ「やめてよー、そんなことでミツハルさんから負け犬の目を勝ち取りたくねーよー」
ミツハル「そういえば、ひと頃バランガさんちのゼラドちゃんの声は
タンゲさんがいいんじゃないかとかいわれてたけど、
さすがに『う゛ぃーくん』とかはないよね。どうしてんだろ」
マーズ「どーもしてねーと思うよ」
ミスティリカ「アトリームにもノーマルな爽やか青春カップルはいたそうだけど、
そんなのは些細なことよね」
マーズ「ササイじゃねーよ! もっとジューヨーシしろよ!
ゆっとくけど、おれ、あんたのゆーことほとんどピー音かかっちまってっからな!」
51:それも名無しだ
09/09/18 23:38:00 8hYKxG0H
【屋上】
ユウカ「で、なにしてんの」
ハザリア「フンドシ一丁の野人に早贄にされたわけではないことだけは確かだ!」
52:それも名無しだ
09/09/19 02:12:46 h4ColCrC
生徒会室
ルナ「(また変な転校生が来たのか)呼び出してすまぬが、生徒会を束ねるものとして少し言っておかねばならんことがあるのでな」
ミスティリカ「(ああ、生徒会室なんていうと即座にイケない妄想がとめどなく溢れ出してくる私ってなんて最低な屑なのかしら!)」
ルナ「(聞いておるのだろうか?)・・・。まあ、こちらに来たばかりでいろいろと不慣れなことも多いであろうことは私もよくわかる」
ミスティリカ「(私が生徒会長だったら各委員会長を順番に呼びつけて爛れた放課後のイベントを毎日でも・・・)」
ルナ「(なんだか怖いぞこやつ・・・)しかしだな、そなたの言動は・・・その、少々問題があるという意見が多い」
ミスティリカ「(あと中等部の子たちも適当な理由付けて引っ張り込んで・・・)」
ルナ「(目つきがまともでない・・・)もう少し公共良俗といったものを弁えた行動を
ミスティリカ「あなたのことはいろいろ知ってるわよ」
ルナ「(ビクッ)は?あ、ああ・・・そうか。それは、なんというか・・・光栄だ」
ミスティリカ「あなたは私と似た匂いを感じるわ!」
ルナ「ちょっと待て!同じ匂いとはどういうことだ!私は
ミスティリカ「ふふふふふ・・・隠すことなんてないわ。あなたも特殊な性癖を持っているんでしょ?」
ルナ「な!?無礼な!私は至ってノーマルだ!」
ミスティリカ「仮性ならともかく真性変態は自分をノーマルだと思ってるものよ」
ルナ「いい加減にせよ!私のどこが変態だというのだ!」
ミスティリカ「具体的にいうと自分の父親をオカズに
ルナ「に゛ゃーーー!!」
ごきゃっ
ミスティリカ「(うふふふふふ!首筋に回し蹴りをくらいながらも相手の縞パンツを視姦し悶絶している私ってなんて最低の屑なのかしら!)」
ガッシャーーーン!
咲美「何よ!?なんか凄い音したわよ!?」
キャクトラ「姫様!ご無事ですか!」
ルナ「ふーふー」
咲美「・・・・。この白目向いて失神してる奴・・・たしか転校生の・・・なにがあったのよ?」
ルナ「知らぬ!キャクトラ!!」
キャクトラ「は、はっ!」
ルナ「今期の文化部の予算案を提出してくる!戻るまでにその変態を私の目の触れぬところに始末しておけ!」
キャクトラ「御意!」
ルナ「(ばたん!)」
咲美「いつになく機嫌悪いわねルナ」
キャクトラ「はあ・・・」
咲美「しかしこいつ、なんか若干嬉しそうな顔して白目向いてるのが・・・気色悪いわね」
ミスティリカ「(・・・うふ・・・・・うふふふ・・・・・)」
53:それも名無しだ
09/09/19 07:54:23 S9VwmngX
>>47
と言うか俺、画伯の声で脳内再生されてるんだがw?
54:それも名無しだ
09/09/19 10:32:51 orLmh1KM
最低の屑頑張りすぎだろw
55:それも名無しだ
09/09/19 14:47:48 qO0C1ol3
タンゲと聞いて一瞬ダンペイの方を想像してしまった。
56:それも名無しだ
09/09/20 04:28:09 R5FyvL1k
ミスティリカさんの容姿はどんなもんだろう。
アンジェリカをいい具合に最低のクズにしたような感じだろうか。
ミストさんの成分はべつにいいや。
57:それも名無しだ
09/09/20 13:28:31 PJ4JlQ1D
ゲーム音声『びー。一緒に帰ろ?
だって、カノジョだもん』
ヴィレアム「うわあぁぁぁっ!
危険だ、これは危険だ! なんか、現実とかどうでもよくなってくる!
いったい、どっちが現実でどっちが虚構なんだ!」
キャクトラ「友よ、落ち着け友よ。
どうにもなりそうもない方が現実だ」
ヴィレアム「なにお前、俺を虚構に突き落としたいのか!?」
キャクトラ「そして友よ。私は、友のあだ名は『びーくん』より『べーやん』の方が好きだ」
ヴィレアム「お前の好みなんかどうでもいいよ!
『べーやん』て、それゼラドがちっちゃいころ『ヴィレアム』って発音できなくてそうなっちゃってただけだし!」
レラ「・・・・・・」
キャクトラ「おや、どうしたのですレラ殿。
いつになく深刻な顔をして」
レラ「あ・・・・・・、び・・・・・・ぃ」
キャクトラ「『合い言葉はビー』? なにかの暗号ですか」
ヴィレアム「コナミ大好きか俺ら!?」
58:それも名無しだ
09/09/20 16:58:01 OfL6XNk0
ヴィレアムはもう少し上手く立ち回れれば現実の方もどうにかできそうな気がするんだが
上手く立ち回れないからこそヴィレアムなんだろうな
59:それも名無しだ
09/09/21 05:25:53 MBQK9jNM
ここ最近、ランディ・ゼノサキスの胸にはひとつの疑念がある。
「あのさあ、ちょっと思うんだけど」
うっそうと生い茂る熱帯林の中だった。足元がぬかるんでいて、ひどく歩きにくい。
そして暑い。さっきから、汗がとめどなく頬を滴り落ちている。
「お前ら、ひょっとして俺にウソついてないか?」
―なにいってるの?
―そんなことないわよ。
―あるはずないじゃない。
誰もいない空中に、鈴の音に似たクスクス笑いが広がる。
「なに笑ってんだよ!
考えてもみりゃあ、ガキのころからずっとお前らの言うとおりに歩いてきたのに、
なんでいつもいつもわけのわかんないとこに出ちまうんだよ!」
ランディは、ちょっと近所のコンビニにシャーペンの芯を買いに来ただけだった。
それが、気が付くとどこともわからない熱帯林の中にいた。
「お前ら、束になって俺のことからかってんじゃないのか?」
小石の陰から、「プッ」と噴き出す声が聞こえた。
「いま噴き出したやつ誰だ!? 出てこい!
とっちめて精霊王かなんかのところに突き出してやる!」
―いや、精霊王とかないから。
―精霊って、基本勝手気ままな生き物ですから。
―王様とか、そういうのないから。
―たまに王様とか魔王名乗ってるイタいのがいるけど、うちらみんなスルーしてるし。
「うるせえよ! なんで精霊にまでそんなダメ出しされなきゃならねえんだ!」
精霊達がキャッキャとはしゃぎながら空中を飛び回る。
普通の人間に精霊を見ることは出来ない。はた目からは、ランディは誰もいない空中
に向かって喚いているひとでしかない。そんなことだから、ランディは普段学校で妄想
癖がある人間扱いされる羽目になる。
しかしランディの目には、紙人形のようなものがひらひらと空中を飛ぶ姿が、はっきり
と見えるのだ。
精霊たちに愛された子供。地底世界ラ・ギアスの神聖ラングラン王国でランディが生
まれたとき、お城の魔法使いだか錬金学士だかがそんなことをいったらしい。
ランディには、物心ついたときから精霊の姿が見える。正確には眼球で見ているわけで
はなく、プラーナでその存在を感じ取っているらしい。元々物質世界の住人でない精霊には
定まった姿などない。見る者によっては、羽の生えた少女にもなるし、とんがり帽子を
かぶったお爺さんにもなる。
しかし、考えてみると精霊が見えて得した経験という経験が、まったくない。精霊の力
を借りて魔法のようなものが使えることは使えるが、「だからなんだよ」といわれると、
「別に」と俯くしかない。火を起こしたいなら火の精霊よりもチャッカマンの方が簡単だし、
風が欲しければ風の精霊よりも扇風機の方が風量の調節も出来て便利だ。まったくもって、
機械文明万々歳だ。
60:それも名無しだ
09/09/21 05:27:27 MBQK9jNM
唯一助けになるとすれば、道に迷ったときに案内をしてくれることだが、それもどうも
怪しい。精霊たちときたら、いつもクスクス笑うばかりでちっとも目的地に近づけてくれ
ないのだ。
「よぅし、ちょっと待て。話し合おう。腹割って話あおう」
ランディは湿った落ち葉が積もる地面の上にどっかりと座り込んだ。
「いつからだ。いつから俺のことからかってた」
―いまさら。
「いまさらってなんだよ!
はは~ん、さては相当昔からからかってたな!?」
―あまり声を張り上げないで。
―わたしたちはみんなあなたのことが好きなのよ。
―生まれたばかりのあなたを見て、なんてイジりがいのありそうな子なんだろうって話してたのよ。
「赤ンボの頃からか!?」
精霊ってね、とってもイタズラ好きなの。幼いころ、錬金学士の母親がそんなことを
いっていたのを思い出す。
「なにがイタズラ好きだ! タチ悪ィよ! 十何年もなにしてくれてんだ!」
―1秒たりとも飽きなかったわ。
―逆に、よく今日まで気付かずに。
「いまいったのはお前かニレの樹の妖精! ちょっとそこ動くな!」
ランディは立ち上がり茂みの中に踏み入ろうとした。
それを迎えるように、ガサガサッと枝をかき分ける音がした。
「バシレウスキック!」
一瞬、火の粉か山猫の精霊が出たのかと思った。
直後、強烈な衝撃にアゴを突き上げられる。一瞬視界がブラックアウトし、脚から力が
抜けていく。
「ちょっと、やだ、大丈夫!?」
「うぅ、くそ、ニレの樹の精霊が、ニレの樹の精霊が」
「なにいってるかわかんないけど、あれ、マングローブだよ。
正確にはヤエヤマヒルギだけど」
空中で、樹の精霊がキャッキャと手を叩いて喜んでいるのが聞こえた。
今度こそ、ランディはがくりと意識を失った。
61:それも名無しだ
09/09/21 05:28:43 MBQK9jNM
◆
目を覚ますと、ランディは潰れかけたアバラ小屋の中にいた。ベッドもなにもない。
あちこちからスポンジの飛び出したマットの上に寝かされていた。
「うぅん」
額を抑えながら上半身を起こす。窓ガラスもはまっていない窓枠から、マングローブ
の枝が見えた。樹の精霊に対するムカつきが蘇る。
「くそぅ」
「あ、よかった。目、覚めたんだ」
ドアが開いて、誰か入ってきた。女の子だった。全身健康的に日焼けしていて、手には
水の入った桶をぶら下げている。汗の染みこんだティーシャツとスパッツという、
運動選手のような格好だった。肘と膝にはボロボロになったパッドを当てている。
「ゴメンね、精霊とかなんとかいって近づいてきたから、思わず」
ぱたぱたと近づいてきて、女の子は桶からタオルを拾い上げてぎゅうと絞り始める。
年齢は、ランディとおなじくらいだろうか。ちょこんと鼻が低く、笑顔が貼り付いて
いるようなカマボコ形の唇からは小さな八重歯が覗いている。あまり髪型に興味がない
のだろうか。赤茶けた髪の毛にはあまり櫛を入れていないようで、ボサボサと背中に
かかっていた。
可愛らしい少女だとは思う。髪の毛をもっとしっかりセットしていたら、相当な美少女
になるだろう。しかし、なぜだろう。もちろん少女の顔に見覚えはない。それなのに、
その顔を見ていると妙な胸騒ぎを覚えるのだ。精霊たちの裏切りが発覚して、自分が一時
的な人間不信に陥っているのかもしれない。
「あそこまでクリーンヒットするとは思わなくて」
「いや、なんていうか、肉体的なダメージより精神的ショックが」
「女の子に蹴り倒されたのが、そんなにショック?」
少女が少し悲しそうな顔をする。
「いや、ニレの樹の精霊が実はマングローブの精霊で」
「ねっ、あなた、ひょっとしてランちゃんじゃない?」
「は?」
「えっと、ほかには、Pちゃん、チーズ、ゾロリ先生、デューク・フリードの代役、
『トイ・ストーリー』の吹き替え下ろされたひと」
「誰がヤマちゃんだ!?」
声が似ているからなのか、方向音痴だからなのか、ランディはなぜか声優のヤマデラコ
ウイチ氏呼ばわりされることが多い。
「ああ、やっぱランちゃんだ」
少女はニコニコ笑いながら、ランディの額に濡れたタオルを載せる。
ようやく、わかった。顔の造りそのものはまったく似ていない。ただ、にっこり笑い
ながらランディをからかう月面出身の同級生に、この少女はそっくりだった。たしか、
妹がふたりいると聞いたことがある。
「どっちだ」
「え?」
62:それも名無しだ
09/09/21 05:29:50 MBQK9jNM
「ええと、芽夜か、統亜か」
「統亜だよ。紫雲家長女!」
紫雲統亜は、両手を腰に当てて得意そうに名乗る。
「お兄ちゃんからのよく聞いてたんだよ。手紙とか電話で。
ちょっぴり離婚歴があるけど、
『7色の声を持つ男』っていうあだ名があって役の幅がすごく広いって。
『キングダムハーツ』にいたってはスーパーヤマちゃん大戦っていっても過言じゃなくて、
特にドナルドダックの演技は世界のディズニーからも認められてるって」
「俺じゃないから。それ、ヤマデラさんの経歴だから」
「ね、ランちゃんさ。B型じゃない?」
「いきなりなんだよ」
「だって、シャクユミコとかもちっちゃいオッサン見たとかよく言うし」
「シャクユミコ扱いかよ!
シャクユミコなんてなぁ、そんなもん、大好きだよ!
ドクターコトーと結婚する直前のウチダユキを彷彿とさせる美人さんっぷりがたまんねえ!」
「へえ、シャクユミコ、好きなんだ」
統亜がしょぼんと顔を落とす。その視線の先には、ずいぶん控えめなサイズの胸があった。
「月にいるって聞いてたけど?」
「うん、お兄ちゃんはそう思ってるかもね。
でも、半年くらい前からここにいるよ」
「どこだよ、ここ」
「タイ王国」
なんで町内のコンビニに行こうとしてタイ王国にたどり着くんだろう。ランディは
つくづく、精霊達のタチの悪さを思い知った。
「ランちゃんこそ、なんでこんなとこいるの?」
「いや、シャーペンの芯が」
「う~ん、シャー芯かあ。難しいかも。ここ、バンコクから遠いし」
「お前は? こんなとこでなにしてんだよ」
「ムエタイ!」
バンテージを巻いた小さな拳を頭上に挙げて、紫雲統亜は嬉しそうに答える。
ランディは小屋の中を見まわした。天井からは古ぼけたサンドバッグが吊られ、
ベニヤ板が剥き出しの床の上には古ぼけたダンベルやゴムチューブが転がっている。
住まいというより、トレーニングルームのようだった。
「ええと、ムエタイ?」
タイの国技で、キックボクシングの元祖とも呼ばれている格闘技だ。キックやパンチ
に加えて肘や膝なども使う過激さが一部で人気だ。立ち技最強の呼び声も高く、そのた
め格闘マンガなどでは、ナントカ流古武術とか怪しげな技を使う主人公の強さを引き立
たせるための踏み台として使われることが多い。
「なんでまたムエタイなんて」
63:それも名無しだ
09/09/21 05:32:08 MBQK9jNM
日本の相撲とおなじように、ムエタイでも女性がリングに上がることは近代まで許さ
れなかった。現在でも、女子ムエタイは決してメジャーな競技ではない。
「うちのお母さん、膝蹴りが強烈なことで有名で」
「だからってムエタイチョイスするのがわかんねえよ。
なんかテキトーな中国拳法じゃダメだったのかよ」
「あと、サタケマサアキさんが声当ててたころのジョー・ヒガシが好きで」
「なんでよりにもよってそこを突いて来るんだよ!
サタケなんて、総合格闘ブーム初期に試行錯誤した挙げ句に失敗した選手じゃねえか!
レスラーと戦おうとして筋肉付けたら動きがトロくなって、
せっかくの打撃も台無しで、だいぶグダグダな感じで去っていったじゃねえか!
べつにヒヤマ声のジョーでいいだろ!
それ以前に、なんでジョーに行ったんだ! キングさんでいいじゃねえか!」
「でもあたし、フランス人じゃないし」
「ジョー・ヒガシだって月世界人じゃねえよ!」
「わっ、やっぱりランちゃんはポンポン突っ込むんだね」
「人の話を聞け!」
「やっぱ、『ミリオンダラー・ベイビー』観て、超感動したし!」
「じゃ、ボクシングやれよ!」
「あたしも、ヒラリー・スワンクさんみたくなる!」
「待て! お前、『ミリオンダラー・ベイビー』最後まで観てねぇだろ!」
アカデミー賞受賞作品である『ミリオンダラー・ベイビー』は、その鬱にならざるを
得ないラストが評判だった。
「統亜」
ドアが開いて、男がひとり小屋の中に入ってきた。
ランディはマットの上にごろりと寝転がり、男から顔を背けた。長身で、藍色のような
髪をした男性だった。フューリー独特の入れ墨が施された顔にはなぜか眼帯を着けてい
るが、突っ込んだら負けのような気がした。
「準備は出来ているか」
「うん、アル=ヴァン下段平トレーナー!」
「なんだそりゃあっ!」
うっかり、ついうっかり、ランディは起き上がってしまった。
「アル=ヴァン! あんたこんなとこでなにやってんだよ!」
アル=ヴァンは元フューリー聖騎士団の幹部で、現在は家庭に寄りつかず紫雲家の子供
にちょっかいを出してはあしらわれているダメなオッサンだ。
「違うよ、トレーナーはアル=ヴァンじゃないよ。
アル=ヴァン下段平だよ!」
「わかった、お前はバカなんだろう!」
統亜の兄克夜も、わりとひとの話を聞かない男だった。しかしこの少女は、さらに輪を
かけて人の話を聞かない。そのくせ、ひとの言うことは素直に信じ込んでしまうらしい。
いつか悪い男に騙されそうというか、今まさに悪いオッサンに騙されている真っ最中の
ようだった。
64:それも名無しだ
09/09/21 05:33:54 MBQK9jNM
◆
公式戦でないことは明らかだった。マングローブの森の中に無理矢理割り込ませるようにして、
粗末なリングが設置されている。観客席なんていう上等なものもない。50人くらいのオッサンが
地面の上に布を敷き、ディグリーというタイの安酒を飲んだりタバコを吸ったりしている。
聞いているだけで腸が捻れてくるような音楽に合わせて、統亜がリングの上でワイクルー
と呼ばれる試合前の舞踏を披露していた。赤茶けた頭にモンコンと呼ばれるリングをはめ、
伝統的なムエタイ衣装を着ている。踊りのテーマは、「グランディードのピンチにフューリー
創世の伝説に登場する龍神が駆けつけてきた情景を表現してる」らしい。コメントに困るの
で黙って観ていることにした。
黙っていられなくなったのは、入場してきた対戦相手を見たときだった。
「なんなんだよ、ありゃあ!?」
身長は180センチ近い。タンクトップの胸元を押し上げている長方形は、明らかに女性
の丸みを持っていなかった。肌は真っ黒で、腹筋はくっきりと8つに割れている。むっつり
と閉じられた唇のまわりには、うっすらとヒゲまで生えている。
「男じゃねえか!」
「違う。デイジー選手はれっきとした女性だ。ちょっぴりボーイッシュなだけだ」
「ヒゲ生えててなにがボーイッシュだよ!」
「文句があるなら確かめに行ったらどうだ」
「性別はともかく、あれ、ウェイト差があまりにも大きいだろ!」
統亜は小柄な少女だった。どう高く見ても、身長160センチは越えないだろう。デイジー
選手と向き合うと、まるっきり大人と子供だった。
「無差別級こそ本当の柔道だと、猪熊滋悟郎氏が仰っていた」
「柔道の話じゃねえか!」
「甘ったれるな。戦場において、敵が大きかっただの小さかっただの言う気か!」
「偉そうなこと言いたいなら、札束数えるのをやめろ!」
アル=ヴァンの手元には大量のバーツ紙幣があった。
この試合は、明らかに非公式なものだ。ルールそのものがあるかどうかも怪しい。賭け
が行われているのは、むしろ当然だ。アル=ヴァンは、全額統亜に賭けているに違いない。
格闘技において、体格差を克服するのは並大抵のことではない。ほぼ全員がデイジー選手
に賭けたに違いない。そしてアル=ヴァンは、自分で大穴を送り込んでおいて、全額統亜
に突っ込んでいるのだろう。
「あんたは紫雲家に恨みでもあんのか?」
「恨みはないが、統夜ばっかりズルいとは思う」
紫雲統夜には妻が3人もいる。統亜と克夜も、母親は違う。母親どうしの仲はいいらし
いが、だからといって月面世界で一夫多妻が一般的なわけではないらしい。
「統夜には性格のいい嫁が3人もいるのに」
「それはしょうがないだろ!」
アル=ヴァンは家庭でイヤなことがあったオッサンのような顔でカネを数え続けている。
このオッサンはもうダメだ。
「おい、おい!」
65:それも名無しだ
09/09/21 05:35:05 MBQK9jNM
ランディはリングに駆け寄り、ロープ越しに統亜を呼んだ。
「あ、ランちゃん、観に来てくれたんだ」
「お前、なに考えてるんだよ」
「見ててね、あたし、必殺のバシレウスキックで勝っちゃうから!」
「ひとの話を聞け!」
「なんか話があるの?」
「棄権しろ。お前の勝てる相手じゃねえ!」
それまで満面の笑顔だった統亜が、突然唇をとがらせてぷいと横を向く。
「ヤダ」
「ヤダじゃないだろ!」
「勝つもん」
「ありゃ男だぞ!」
「そうかなあ」
デイジー選手はスパッツ姿だった。男性独特の「もっこり」はない。しかし、そんなも
のは切り取ってしまえばいいだけだ。
旧世紀、ふたつの大国が冷戦を繰り広げていた時代のことだ。陸上競技の記録などを
見ると、信じられないほどの好成績が出ていることがある。しかしこの記録は、スポーツ
マンシップに則って正々堂々と出されたものではない。当時の世界大会は、現代以上に
国同士のケンカという側面が強かった。薬物検査の手法が確立していなかったことも
相まって、筋肉増強剤や向精神剤の使用が横行した。性転換手術を受けた男が女性の
大会に出たことまであったという。
現在、選手がノイローゼになるほど厳密な検査が行われているのは、不正の過去が大量
にあるからにほかならない。
「骨盤の形見ろ。赤ん坊入れとくスペースなんてないだろ。あれは間違いなく男だ!」
「それでも、勝つもん」
「話を聞けっていってるだろ!」
「お兄ちゃんだったら、あれにも勝つもん」
「そりゃ、お前の兄貴だったら」
「あのさ」
いつになく深刻な顔をして、統亜がぐいと近づいてくる。
「うちのお兄ちゃん、まあ、言動はあんなだけど、けっこうなんでも出来るんだよね」
「まあ、そうだな。言動はあんなだけど」
統亜の兄紫雲克夜は、ハーレムを作るために地球に来たなどと公言している。ハーレム
を維持するためには生活力が必要不可欠だという理由で、電卓検定だの野菜ソムリエだの、
わけのわからない資格ばかり取得している。最終的には司法試験にもパスするつもりらしいが、
それを教師に笑い飛ばされない程度の成績を取っている。加えて、幼いころから鍛錬を
続けてきた剣術も相当の腕だ。顔もそれなりに整っているし、ふた言目にはハーレム
ハーレムと言い出す悪癖さえ直せば、案外本当にハーレムを作れるかもしれない。
「お母さんが3人もいるお父さんもなんだけど、あんまり優秀なひとって嫉妬されやすいでしょ?
だからわざとバカっぽいこというひとがいってるんじゃないかなって、あたしは思ってるんだけど」
「いやぁ、そりゃ肉親の欲目ってやつだと思うぞ」
66:それも名無しだ
09/09/21 05:36:32 MBQK9jNM
「でもあたし、お兄ちゃんがなにか出来なかったとこって、見たことないもん」
「俺は年がら年中見てるけどな。ハーレム作れてないとことか」
「でもさ、あたしは違う。中途半端だもん」
統亜が目線を落とす。
「あたしは頭悪いし、運動だってズバ抜けてるわけじゃないし、魔法みたいのが使えるわけじゃないし」
「いや、魔法は使えても、あれあんまり役に立たないぞ」
「貧乳のくせに、なぜか胸が揺れるっていうのもわけわかんないし」
たしかに、統亜の胸は小ぶりだ。揺れるほどのボリュームはない。にもかかわらず、
統亜が少し身を屈めるだけで、その胸はぷるんとひとくちサイズのゼリーのように揺れる
のだ。なんというか、性欲とは別に、不思議な生物に遭遇したような気持ちになる胸だった。
「ほんとだ。お前の胸、それなんで揺れるんだ」
「たぶん、紫雲家式乳揺れ法のおかげ」
「ろくでもねえ教育してるな、紫雲家は」
「こういう中途半端なのは、もうヤダ。
あたしは、お兄ちゃんみたいになんでもできなくていい。
ひとつ、たったひとつ出来ればいい」
「それがムエタイか?」
統亜はまた笑顔に戻って元気よく頷く。
「『ミリオンダラー・ベイビー』のヒラリー・スワンクさんみたいになるの!」
「そんなに『ミリオンダラー・ベイビー』が好きなら、最後まで観ろ!」
「グワーグワー」とアヒルのような泣き声を出していたデイジー選手のワイクルーがいつ
の間にか終わっていた。明らかにカタギではないレフェリーが、「こちらへ」と統亜を招いている。
「じゃ、行ってくるね」
「おい」
「跳ねても揺れても紫雲家長女! あたしの胸が揺れてる限り、絶対勝つもん!」
なおも言葉をかけようとしたランディの肩を、ぐっとつかむ手があった。
アル=ヴァンだった。唇をまっすぐに引き結び、リングを見つめている。
「俺も、一度は引き留めたんだ。しかし彼女の意志は固かった。
そこで俺も仕方なく、彼女を大穴馬に仕立て上げざるを得なかった」
「『ミリオンダラー・ベイビー』みたいになってからじゃ遅いんだぞ!」
アル=ヴァンは無言のままだった。
ゴングが鳴る。
最初に動いたのは統亜だった。小刻みなフットワークでデイジー選手の死角にまわろう
としている。正面から打ち合っても勝ち目はない。身軽さを活かして、小刻みに攻撃を
入れていく作戦か。
作戦としては悪くない、オーソドックスなものだ。しかし、30センチ近い身長差はいか
んともし難かった。
デイジー選手が無造作なバックブロウを振るう。それだけで、せいぜいミニ・フライ級、
下手をすればアトム級の統亜は紙人形のように吹っ飛んだ。
わっ、と観客達が湧いた。ボロボロのシャツを着て安酒をあおっている男たちが幼児の
ように手を叩く。
67:それも名無しだ
09/09/21 05:38:55 MBQK9jNM
統亜は果敢だった。ダメージを見せない足運びでなおもデイジー選手との間合いを詰め
ようとする。しかし、デイジー選手が左腕を伸ばす、たったそれだけのガードでパンチが
届かなくなる。腕の長さが違いすぎるのだ。パンチを流すと同時に、デイジー選手の
巨体が弓なりに反る。至近距離から突き上げるような膝蹴りだった。統亜のささやかなバスト
のすぐ下、ミゾオチにめり込む音がリングサイドにまで聞こえた。
統亜の身体が一瞬宙に浮く。その動きに合わせて、デイジー選手が短くジャンプした。
真っ黒な肘が振り上げられる。そして、勢いよく落とされた。鈍い音がする。統亜の身
体がリングに落ちて、丸太のように転がった。
普通なら、ここでレフェリーが止めに入る。しかし、人相の悪いレフェリーは退屈そうな
顔をしてリングの隅に突っ立っているだけだ。
観客達の熱狂が湿度の高い空気を揺らす。
デイジー選手が統亜の上にのしかかる。そして、拳をメチャクチャに振り下ろし始めた。
とても見ていられない。最初から、まともな試合ではなかったのだ。肘サポーターや
膝サポーターはおろか、ボクシンググローブすらはめていない。軍手を少し厚くしたような
わけのわからないものを手に巻いているだけだ。
ボクシンググローブはダメージを内部に浸透させ、出血よりも先に脳震盪が起きやす
いように出来ている。KOがぽんぽん出た方が、観客は喜ぶからだ。しかし、この試合は
違う。あんな薄手の手袋で殴り合えば大量の出血が起こる。ここの観客は、流血を望んで
いるのだ。ヘッドギアすら着けていないのは、そのほうが苦痛に歪む顔を楽しめるからだろう。
「目を開けろ」
耳のすぐ側でアル=ヴァンが低い声で呟く。
「統亜は自らの意志でリングに立った。
私たちに出来るのは、最後まで見届けてやることだけだ」
「最後って、いつまでだよ。『ミリオンダラー・ベイビー』のラストみたいになるまでか!」
リングの上で統亜が動く。完全なマウントポジションになっていなかったことが幸いした。
デイジー選手の拳を払いのけて上体を起こす。両腕をがっちりとデイジー選手の胴体に巻き付けた。
クリンチ。違う。統亜とデイジー選手は、互いの額を擦るように頭をぶつけ合っていた。
ムエタイの特色でもある首相撲だ。統亜は、まだ攻撃の意志を失っていない。
デイジー選手がウェイトに任せて統亜を押し潰そうとする。統亜が一歩後退する。デイジー
選手が前のめりのような姿勢になった。両者の身体の間に空間ができる。
「バシレウスキック!」
まさに全身を使った膝蹴りだった。デイジー選手のレバーにクリーンヒットしている。
おなじ階級同士なら、文句なくKOが取れただろう。
しかし、それで終わりだった。デイジー選手の身体にすがりつくようにして、統亜の
身体がくずれおちる。デイジー選手は平然と立ったままだ。ハエがぶつかった程度の顔
でグローブを脇腹に当てている。
ゴングがまだ鳴らないことに、ランディは総毛立った。まさか、まだなのか。この上
まだ統亜を痛めつけようというのか、このリングは。
「やめろ、やめーッ!」
ランディはロープを飛び越えてリングの中に入っていった。統亜に駆け寄る。無表情
に突っ立っているデイジー選手に向けて手を振るい、追っ払う。
68:それも名無しだ
09/09/21 05:40:50 MBQK9jNM
「行け、あっち行け! 離れろ!」
統亜を助け起こす。思わず、顔を背けそうになった。あの低い鼻が、どこにあるのか
わからないほど顔じゅうが腫れ上がっている。
「クソッ、てめぇら、コノヤロウ!」
「・・・・・・ラン・・・・・・ちゃん」
ランディの腕の中で、統亜がうっすらと目を開けていた。左瞼は腫れ上がっていて、
右目しか動いていない。
「喋んな! 口ン中切れてるだろ」
「負けちゃった・・・・・・? あたし」
「うるせえ、立派だったぞ。お前は、立派なムエタイファイターだった!」
「くやしい・・・・・・な。『ミリオンダラー・ベイビー』みたいになれなくて」
「演技でもないこというんじゃねえ! 『ミリオンダラー・ベイビー』みたいになられてたまるか!」
「お兄ちゃんだったら・・・・・・、ふざけたこと・・・・・・いいながら勝っちゃうんだろうけど・・・・・・」
「あんなふざけたバカヤロウのことは考えるな!」
「なりたかったな・・・・・・。ヒラリー・スワンクみたいに・・・・・・、カッコよく」
「心配すんな」
ランディは、そっと統亜の身体をリングの上に横たえた。
「途中までしか観てなくても、『ミリオンダラー・ベイビー』、好きなんだろ。
だったら、ヒラリー・スワンクの後ろにクリント・イーストウッドがいたことくらいわかるだろ。
俺はあのイーストウッドほど歳とってないけど。
もうちょっと若い頃のイーストウッドのマネゴトくらいは出来るから」
のしのしとリング上を歩き、相変わらず無表情のレフェリーに詰め寄る。
「おい、飛び入りだ。俺が出るぞ。あいつとやらせろ」
レフェリーが困惑顔で顔を横に振る。
「なんか資格がいるのか? じゃ、日本のデータ調べてみろよ。
ランディ・ゼノサキス。小学校のころ、ジュニアボクシング大会で優勝してるから。
中学のときはちょっと、会場にたどり着かなかったけど。
ムエタイなんてどうせ、ボクシングに蹴りと肘と膝がくっついただけだろ?」
足元のロープ越しに、なにかぎゃんぎゃんと喚いている老人がいた。訛りの強いタイ語
でよくわからないが、「お前は男じゃないか」といっているらしい。どうやらコミッショ
ナーかなにからしい。
「うるせぇな、あれが女だってなら、俺だって女だよ。
なんだ? なにがいる?
リボンでも着けるか、スカートでも穿くか? なんならメイド服着て戦ってやろうか!」
老人がまた喚くが、訛りが強すぎてよくわからない。
「べつに、オラはええだよ」
後ろから低くしゃがれた声がする。デイジー選手だった。やはり、声も男そのものだ。
「さっきから耳障りだっただよ。
リングサイドでグワグワ、ヘタクソなドナルドダックみてえな声出しやがって」
「なにがヘタクソだよ!」
「うんにゃ、ヘタクソだ。おめぇ、オラを知らねえだか。
もう5年、このタイでドナルドダックの声当ててるだ」
「知るかそんなもん! なんでムエタイやってんだ!」
69:それも名無しだ
09/09/21 05:42:17 MBQK9jNM
「オラは家が貧乏だ。声優のギャラだけじゃ、とても食ってけねえ。
この国じゃ、貧乏なガキはムエタイやるか身体売るしか生きてく道はねえ。
男子ムエタイで結果出せないなら、タマとサオ切るくれえなんでもねえ。
オラは諦めねえ。絶対夢を叶えてみせる。
カネを作って、本家ディズニーで本物のドナルドダックの声をあてるだ」
「ドナルドダックへの情熱なんか語られたって俺が知るか!」
「ドナルドダック役は、世界中でオラひとりでいい。
ほかにドナルドダック役狙ってるヤツは、容赦なく潰すだ」
「べつにドナルドダック役は狙ってねえけど、俺にムカついてくれてるってなら好都合だ。
俺もな、てめェにムカついてるんだよ」
コミッショナー側がなにかコショコショと話し合い、やがて頷き合った。どうやら決まった
らしい。ランディは上着を脱ぎ、ジーンズを穿いただけの格好になった。
「おい」
リングサイドでアル=ヴァンがグローブをぶら下げていた。ランディはバンテージだけ受け
取った。どうせ、ルールなんてあってないような試合だ。
「統亜は?」
「問題ない。こういう試合だからな。脳や内臓に浸透するようなダメージは受けていない。
血が多めに出ただけだ」
統亜は、アル=ヴァンの後ろのベンチに横たわっていた。意識がないのか、ピクリとも動かない。
「じゃ、あいつには女の顔傷付けた罪だけ数えさせてやる」
リング中央に立つ。デイジー選手と向き合う。男のランディと比べても、デイジー選手は
ひとまわり大きかった。ウェイト差は考えたくもない。
統亜は、いったいどれだけの威圧を突き抜けてデイジー選手に向かっていったのだろう。
そう考えると、ランディはぎゅっと拳を握った。
レフェリーの説明もそこそこにゴングが鳴る。
試合開始早々、デイジー選手が突っ込んでくる。統亜戦とは打って変わったアグレッシブ
さだった。
ランディは顔面のガードを上げた。そのガードを下から割り込むように、衝撃が来る。
タッマラーと呼ばれるムエタイの縦肘攻撃だった。さらに、ティップという前蹴りが来る。
バックステップでダメージを散らしながら、ランディはフットワークを使ってデイジー
選手の横に回り込んだ。ジャブ、そして右のストレート。ガチンと硬い感触がバンテージ
を巻いただけの拳を迎え撃つ。
デイジー選手は片膝を上げてランディの拳を受け止めていた。ヨッパンというムエタイの
防御法だった。その堅牢な防御力は、鋼鉄の盾とも呼ばれている。つま先を一瞬リングに着けた
かと思うと、テッサイという左ミドルに変わって戻ってくる。
ランディの動きが止まる。そこに、テッカークワァー、テッカンコーサイ、テッカンコ
ークワァー。強力極まりないムエタイの打撃技がランディの全身に降り注ぐ。
「コンチクショウ」
ランディはマウスピースを噛み締めた。全身を打つ打撃の痛みを無視して、ずるりずるり
と前進する。
70:それも名無しだ
09/09/21 05:44:16 MBQK9jNM
デイジー選手がニヤッと笑ったような気がした。
長い両腕がランディの胴体にまわる。がっちりとつかまれた。しまった。クリンチだ。
ボクシングでは、この姿勢からの攻撃法がほとんど開発されていない。対してムエタイ
は売りのひとつが首相撲の攻防だ。身体を左右に揺さぶられ、腹に、アバラに膝を入れられる。
秒刻みでダメージが蓄積される。吐き気がマウスピースを押し上げる。いますぐ膝を
着きたいという欲求が頭蓋骨の中でぱんぱんに膨れ上がる。
―ランディ、ランディ!
耳元で囁く声があった。
幼いころから慣れ親しんできた小さな存在がランディのまわりに集まっていく。全身の
肌がほうと温かくなり、傷口の痛みが薄らいでいく。
―諦めないで。
―負けないで。
―さあ、目を開けて。
―私たちが力を貸してあげる。
―私たちはみんなあなたの味方よ。
―ランディ・ゼノサキスよ、いまこそ汝に風の魔装・・・・・・。
「うるせぇ、黙ってろクソ精霊どもーっ!」
マウスピースを吐き出して、ランディは喉が張り裂けんばかりに叫んだ。
「なにが精霊だ、なにが魔装機神だ、
風の魔装機神とかいって、全然風系の技持ってねえし!
イメージほど高機動じゃねえし!
お前ら、統亜のこと抱き上げたのか。
あいつな、軽いんだよ。細いんだよ。小さいんだよ。
それでも、一歩も退かずにこのカマ野郎に立ち向かっていったんだよ。
なのに、俺は精霊におんぶに抱っこで反撃しろってのか。
冗談じゃねえ。そんなの、全然カッコよくねえ。
俺はなぁ、現代版兜甲児って呼ばれた男の息子なんだよ!
ダーティーハリーやってたころのイーストウッドくらいのことしねえと、示しつかねえよ!」
デイジー選手の脇腹に一発フックを入れて拘束から逃れる。一瞬バックステップして、
すぐにリングを蹴った。全身でデイジー選手に飛びかかる。
デイジー選手は余裕の表情だった。フライボールを取る野手のような落ち着きで片脚を上げる。
ランディは再度リングを蹴った。さらに加速する。顔の皮膚が風圧に押されて後ろに流れる。
デイジー選手がテックワァーを放つ。まだ十分にモーメントが乗り切っていない右ミドル
を、ランディは片手ではたき落とした。デイジー選手の姿勢が崩れる。がら空きの背中が
ランディの目の前に広がる。
ランディはさらに加速を重ねた。全身の毛細血管がいまにも弾けてしまいそうに血がた
ぎっている。まるで、自分の身体が一陣の熱風になったような感覚だった。
ギョッと目を見開くデイジー選手と、瞬きひとつしないランディの目とが一瞬合う。
まるで魔法のようだった。バンテージを巻いたランディの拳がデイジー選手の右脇腹、
つまり肝臓の真上を捉える。そこから先は簡単だった。両足でリングを踏みしめ、重ねに
重ねた運動エネルギーを破壊力に換えて全身から押し出す。
「絶対運命破壊パーンチ!」
「グワッ」とアヒルのような声を出して、デイジー選手がリングの外まで吹っ飛んでいった。
71:それも名無しだ
09/09/21 05:46:54 MBQK9jNM
◆
ランディの勝利が告げられても、レフェリーはランディの手を掲げようとはしなかった。
観客席からはブーイングが飛んでいる。
「ランちゃん、ランちゃん、ランちゃぁ~ん!」
いつの間に回復したのだろう。統亜がリングに飛び込んできて、ランディ飛び付いてきた。
その勢いと体重に押されて、ランディはその場にひっくり返る。両脚にまったく力が入らない。
当分、歩きたくもなかった。
「スゴいよ、カッコよかった! 大張作画のジョー・ヒガシみたいだった!」
「イーストウッドじゃないのかよ」
瞼が重い。ランディは猛烈な眠気に襲われていた。統亜がなにをいっているのか、
半分も理解できない。
と、ぷるんと柔らかくて、温かいような冷たいような、ただひたすらにいい香りのする
感触がランディの頬をちょんと突いた。
「ん?」
「あっ、ゴメン、つい!
でも、ノーカンだよね! だって、ほっぺだったもん!」
「うんまあ、ほっぺだったなら、ノーカンなんじゃないの」
「え~」
空中で安酒の精霊が季節外れの春の歌を歌っているのを聴きながら、ランディは眠りに落ちた。
「でもね、『絶対運命破壊パンチ』っていうネーミングセンスはどうかと思うよ」
ランディはすでに眠りの中にいた。
◆
マングローブの森を出ると、ティーシャツにジーンズ姿のデイジー選手が待ちかまえていた。
「次に会うのは、オーディション会場だべな」
「は?」
「今日は勝ちを譲ったけども、オラ、ドナルドダック役は誰にも譲らねえだ」
「いや、いいよ。そんな宣言してくれなくても。いいからドナルドダック役に打ち込めよ」
デイジー選手が白い歯を見せてにっこりと笑う。そういう顔をすると、好青年にしか
見えなかった。こんな男が去勢しなければならないなんて、この国はやっぱりどこか歪んでいる。
「お前は、ここに残るのか?」
丈の短いワイシャツにジーンズスカートという格好の紫雲統亜は、相変わらずアル=ヴァン
と並んでいた。
「うん。ちゃんと、バンコクのリングに上がっても恥ずかしくないくらい強くなる」
「そりゃいいけど、お前、横のオッサンとは縁切れよな」
「アル=ヴァン下段平トレーナーは、立派なトレーナーだよ!」
「気付け、そいつは人間のクズだ」
「あのさ」
「なんだよ」
72:それも名無しだ
09/09/21 05:48:59 MBQK9jNM
「やっぱりあれ、カウントに入れていいかな」
統亜のいうカウントが、なにを差しているのかランディにはわからない。デイジー選手
に負けたときのカウントのことだろうか。あの始終棒立ちしていただけのレフェリーが
カウントを取っていた記憶はまったくないが。
「いいんじゃないの。負けを真摯に認めるって、けっこう重要だと思うよ」
「うん、ありがとう!」
統亜が白い八重歯を見せて笑う。
この少女は、ひょっとして可愛いのかもしれない。そんなことを考えながら、
ランディはタイ国際空港への道を踏み出した。
◆
もう二度と精霊のいうことなんか信じるもんかと決めていたから、あえて精霊の教える
道の反対方向を歩いていった。
そうすうと、なぜか紫雲克夜が済んでいるアパートの前に来た。
「さすが長い付き合いだなコノヤロー」
毒づきながら克夜の部屋のドアを叩く。チャイムを鳴らす気にはならなかったから、
ドアを足で蹴飛ばした。
「うん? Pちゃんどうしたの」
部屋着姿の克夜が顔を出す。
「あのさあカッちゃん、お前の、上の妹だっけ。
統亜の連絡先教えてくれないか」
「え、イヤだよ。なにいってるんだPちゃん。僕の可愛い妹たちにPちゃんのごとき子豚
を近づけさせるわけないじゃないか近づかせてたまるもんか僕が認めた相手じゃなけりゃ
妹たちには指一本触らせない。僕の愛らしくも何度いっても八重歯を治さない妹になにか
用があるっていうの? どんな用があるとしても僕は認めないけどね。なんなら勝負するかい
勝負。うんそうだ勝負しよう表に出なよ表に」
今まで見たことがないような無表情でまくしたてる克夜を前に、ランディはため息をついた。
「安心しろ、違うから。そういうんじゃないから」
「じゃ、なんだっていうんだい」
「これ、妹さんに送ってくれ」
ランディはDVDショップで買ってきたばかりの包みを克夜に手渡した。
「なんだい?」
「『ミリオンダラー・ベイビー』、最後まで観とけって伝えといてくれ」
空中では、相変わらず精霊たちがクスクスと笑っている。
しかし、もう構わない。精霊たちは友人ではあっても、頼るべき相手ではない。なにより
もまず、自分の意志で動かなくてはならないと、ランディは今回の迷子で学んだのであった。
73:それも名無しだ
09/09/21 06:14:09 xIm1YG/H
GJです
ランディかっけー
統亜かわえー
東南アジアとアル=ヴァンひでー
74:それも名無しだ
09/09/21 09:01:03 D1RdmrSk
とりあえずキモいスレアゲんな
75:それも名無しだ
09/09/21 09:21:06 QcunJrRP
ランディのかっこよさに思わず彼の親父のBGM引っ張り出してきちまったぜ。
しかし……なんだ、このフラグは……妙な予感がしやがるぜ。
76:それも名無しだ
09/09/21 12:26:52 FwaEzeyF
病まないといいな、ミヅルんとこのお世話になってる幼顔のお姉さんが
77:それも名無しだ
09/09/21 13:01:24 Bw0yafBf
ボクシングの時といいテコンドーの時といい、なんでこのスレの格闘描写はちゃんとしててカッコいいんだ
最後の問い詰めてる時の克夜の目は絶対「俺は冷静だ」って繰り返してる時のキョウスケと同じ目をしてるよね
78:それも名無しだ
09/09/21 19:23:20 OAyyYcNo
この流れなら言える
J三人娘で一番かわいいのはテニア
79:それも名無しだ
09/09/21 22:18:28 XT//n94Y
【学校】
克夜「やあお早うPちゃんくん。よくものこのこと顔を出せたもんだねこの子豚め。
それでなにかいうことはないのかい。あるだろうあるはずだ。
小さな頃から僕がせっせとアップルパイや焼きリンゴやリンゴ飴を作っては食べさせてきた
愛くるしい妹に君はいったいどんなちょっかいをかけたんだ。
残念なお知らせをするけどね統亜はあれで僕らと同い年なんだ。
小振りながらもきちんと揺れる乳もある。君の守備範囲じゃないだろう。
いいから君はビデオカメラ持参で小学校に潜入して通報されてくれこのロリコンめ」
ランディ「ロリコンじゃないし。お前ら兄妹、ほんと人の話聞かないなあ」
克夜「兄妹ってなんだい。君がいったい統亜のなにを知っているっていうんだい。
統亜はね統亜はね兄妹の中でも特に言葉が遅くて頭が悪いんじゃないかって心配されてたのを
僕がせっせと平仮名から教えたんだよ。君は統亜に平仮名を教えたのかい」
ランディ「あぁ、もう、うるせえ。めんどくせえよ、お前」
タカヤ「そのくらいにしとけよ克夜。
聞いたら、ランディは君の妹を助けたっていうだけなんだろ?」
ランディ「タカヤ、お前はほんといいヤツだなあ」
克夜「でもねえ、タッちゃん!
君のお姉さま方に、どこの豚の骨ともわからない虫が付いたらどう思うんだい!?」
タカヤ「『苦労するでしょうけど、どうぞよろしくお願いします』
って頭下げに行くだろうね。俺が」
克夜「タッちゃんがそんなひととは思わなかった!
もうタッちゃんカッちゃんのコンビもお終いだ!」
タカヤ「いつの間にか妙なコンビ結成するなよ」
克夜「カイツ君、カイツ君! なんとかいってやってくれ! もしも君の妹が」
ハザリア「『あれはいずれ政略結婚させる身だから、せいぜい後腐れなく頼む』
というだろうな」
克夜「君は人でなしだ!」
ゼラド「ねえ紫雲君。妹さんにカレシ出来るって、やっぱりショックなものなの?」
克夜「冗談じゃないよカレシなんて出来てないし作らせないしね。
痩せても枯れても紫雲家長子、生半可な相手を愛くるしい妹に近づけさせはしないよ」
ランディ「わかったから。少しは瞬きしろ」
ゼラド「ふ~ん」
80:それも名無しだ
09/09/21 22:19:40 XT//n94Y
【夜 バランガ家】
ゼラド「お兄ちゃんお兄ちゃん」
クォヴレー「なんだ」
ゼラド「わたしね、ヴィレアムくんとちゅーしちゃった!」
クォヴレー「そうか」
ゼラド「そうかって、それだけ?」
クォヴレー「おめでとう」
ゼラド「ぷん! お兄ちゃんのバカ!」
【深夜 イェーガー家】
クォヴレー「勘違いしないで欲しいが俺は別に責めているわけではない。
責めているわけではないのだが交際を始める以上手順というものがあるのではないだろうか。
せめてひと言挨拶があるべきだった。いや俺ではない俺のことではない。
肉親でも何でもない俺はともかくとして
アラドとゼオラにひと言あって然るべきだったのではないだろうか。
返す返すもいうが俺は別に責めているわけではないしお前を信用していないわけではない。
お前の人となりはよく知っている知ってはいるがだからといって必要なことをしなくていいということには」
ヴィレアム「母さん、母さーん! なんだかわかんないけど、久保さんが変だー!」
イングレッタ「そうよこの男は夜な夜なゼラドをこの部屋に招き入れ
バック転の練習をさせたりでんぐり返りを要求したり
こむら返りにしようとしたりコムロ返ししようとしたり
コムロメドレーを無理強いしたりコムロの業界復帰に異を唱えてみたり
アイムプラウド歌わせたりゲットワイルド歌わせたり
ゲシュペンストのBGMをビヨンドザタイムにさせてみたり
挙げ句の果てにはマイコォの動きを完コピさせたりのやりたい放題」
ヴィレアム「若い母さんは呼んでない!」
81:それも名無しだ
09/09/21 22:55:40 UsggPmm+
メンドくせーこいつらホントメンドくせー
82:それも名無しだ
09/09/21 22:55:41 95LauK0M
クォヴレー「・・・・・・」
お仕置きメニュー
・肉体言語による物理的説教
・バルマー式霊的拷問
・ディス・レヴ冥界ツアー
・悪魔憑き千本ノック
・クトゥルー邪神訪問の旅
・ヴィレアム・マスト・ダイモードでのブラッディパレス
etc
ゼラド「うぅ・・・なんだか今日は冷えるね」
レイナ「学校中っていうか町中変な空気・・・あたしもなんか気分悪い」
ルナ「(恐ろしい怨念がこの町に渦巻いているが・・・怪異でも現れたのだろうか?)」
83:それも名無しだ
09/09/21 23:05:33 nTrjv31N
お父様が怪異そのものみたいなもんです
84:それも名無しだ
09/09/22 07:08:08 5TKJU/2R
久保そんなことしててよく正気を保ってられるな
85:それも名無しだ
09/09/22 08:02:57 gAFpJKTB
そりゃ本来久保はそう言ったのを駆逐する側だからな。
他の奴にさせるぐらいでまいいりはしないだろ。
86:それも名無しだ
09/09/22 13:40:38 CjXRHfx/
タイムダイバーなんて大人しげな呼び方されるが
悪魔だの邪神だのと言った化物連中を駆逐してるってことは久保自身がとんでもない化物なわけだよなぁ
87:それも名無しだ
09/09/22 23:34:40 ejvxQ6O1
ゼラド「そういえば、タイムダイバーって具体的になにしてるのかな」
ヴィレアム「悪いヤツと戦ってるんだろ?」
ゼラド「タイムにダイブっていうくらいだから、タイムスリップとするのかなあ」
ヴィレアム「まあ、するんじゃないかな」
ゼラド「じゃ、もしも、もしもだよ!
お兄ちゃんが江戸時代とかに行ってたらどうなるの?
お兄ちゃん真面目だし、まわりと合わせるためにチョンマゲ結っちゃってるかも!?」
ヴィレアム「いや、たしかに久保さんは真面目だけど、そんなにまわりを気にするタイプじゃ」
ゼラド「どうしよう、わたしが知ってるお兄ちゃんは本当のお兄ちゃんじゃないのかもしれない!
あの、ふわふわした銀髪の下は、月代を剃っちゃってるのかもしれない!
どうしよう、常時ヅラかぶりっぱなしなんて、お兄ちゃんの頭皮がムレちゃうよお!」
ヴィレアム「ゼラド、ゼラド?」
【バランガ家玄関】
クォヴレー「いま帰った」
ゼラド「お兄ちゃん! 無理しないでお兄ちゃん!
うちでは! うちでだけは本当のお兄ちゃんでいてくれていいんだよ!
安心して! わたし、全然気にしないから!
だから、ほら、その偽りの仮面を外して!」
クォヴレー「は?」
【バランガ家隅っこ】
クォヴレー「俺は、偽りの仮面をかぶっていると思われているんだろうか」
イングラム『お前も大概バカヤロウだよな』
88:それも名無しだ
09/09/22 23:54:44 DLU+6Uiv
シュウヤ「2getで華麗に出番を得ようと思っていたのですが完全に出遅れましたか。
と、なると出番が無いと言われた人たちを集めて『最近俺たち出番無いな~』と出番催促系のネタでいきますか。
いや、それよりも先生方がやらなかった人物紹介をやりますか。
いやいや、ここは私が起点となって一発長編ネタでもやってみますか!
・・・しかし、私個人としてやりたいことが思い浮かばない」
クリス「シュウヤ~!大変です、大変です、大変なんですよ~!
マキネが~、マキネが大変なのです~!」
シュウヤ「マキネがどうしました?
まさか!ついにマキネが秘めていた私への愛に気付いたのですか?」
クリス「寝言をほざいてる場合じゃないのですよ!
このままじゃ寝言も言えないことになるのです!
いつものようにグランゾンの力を使ってみんなのプライベートを覗き見していたのです。
そうしたらマキネが、マキネがとんでもないことを~」
シュウヤ「さらっと犯罪行為の告白をしないでください。
少し落ち着いてください。
マキネが何をしていたのですか?」
89:それも名無しだ
09/09/22 23:56:36 DLU+6Uiv
[シュフィーネ・シラカワ]
シュウ・シラカワとサフィーネ・グレイスの一人娘。
ドMにして、見下し性善説をとる差別主義者。
ラ=ギアス以外の場所を“クソの掃き溜め”、ラ=ギアス人以外を“野蛮で下衆な未開人”と思い込んでいる。
これはラ=ギアス人も地上人も同じく善良な魂を生まれてくるが、地上と言う“クソの掃き溜め”で生きてうちに魂が薄汚れ“野蛮で下衆な未開人”になってしまうという
シュフィーネ独自の考えによるものである。
しかし、だからこそ地上人は救われなければならない、救ってやらなければいけないと考えている。
大神官イブンに師事しソラティス神殿に仕える神官であったが、“クソの掃き溜め”でもがき苦しみ生きる“野蛮で下衆な未開人”の魂を救済するため兼、
不浄の地に敢えてその身を堕とし下等と見なす人々に奉仕する屈辱によって自らの被虐欲求を満たすためOG町にやってきた。
誰に対しても敬語で接するが、下等と見なす人々に敬語で接する屈辱によって自らの被虐欲求を満たすためである。
シュフィーネの行動原理はすべて奉仕の心から成り立っていると本人は語っているが、自らの被虐欲求を満たすために行っているようにしか見えない。
常に法衣を身にまとっているが、厚い法衣の上からでもわかるほどのメリハリの効いた肢体を持つ。
ランディはシュフィーネにべた惚れであるが、彼女はデブ専であるため相手にされていない。
ランディはシュフィーネに振り向いて貰うため必死に太ろうとしている。
マキネ「良し!こんなところか!」
ランディ「良しじゃねえよ!
お前は何しようとしてんだ?」
マキネ「久々の新キャラ登場で盛り上がってきてるわけじゃん。
ここらで、ババンと更なる新キャラを追加してスレの活性化でも図ろうかなと思ってさ」
ランディ「ああ、そうかい。
俺としてはお前がシュウヤに関してどう思ってようがどうしようがどうでもいい。
でもな、俺を巻き込むな!何だ最後の2行!」
マキネ「年下との犯罪行為や年上との危険な火遊びばかりに御執心なランディ1/2に高校生としてまともな恋愛をして欲しいっていう、
あたしなりにあんたを想っての設定だよ。
制服着てプラトニックでドキドキってのは高校生のうちしかできないって田丸浩史も血涙流して熱弁してたし!」
ランディ「こんな変態とプラトニックでドキドキできるか!第一こいつ制服着てねえ!
最後の一行だけが目的だろうが!
そんなにデブと触れ合いたいなら、自分で太った人と付き合って、プラトニックでドキドキすれば良いだろうが!」
マキネ「本当の恋愛はまだちょっと怖い。でも、プニプニしたお肉には触れてみたいこの複雑な乙女心をわかってよ!」
ランディ「わからねえよ!
それたぶん乙女心じゃねえよ!」
90:それも名無しだ
09/09/22 23:59:04 DLU+6Uiv
クリス「マキネー!」
マキネ「あら、いらっしゃいクリス。
あんたが一人でうちに来るなんて珍しいね」
クリス「ホントはシュウヤも一緒だったのですけど、玄関先でムラタに見つかってお尻に噛み付かれてそのままOG町内を追いかっけこしてるのです。
そんなことよりも酷いのですよ~。
こんな仕打ちはないのですよ~。
そりゃ、マキネがどんな気持ちでいたのか、ボクだって知ってるのです。
でも、これはないのです。
やりすぎなのです~」
マキネ「ごめんよクリス。
あんたを傷つけるつもりはなかったんだよ。
あたしはさ。ただランディ1/2が太ってくれればなんでも良かったんだよ
だからさ、泣くのを止めておくれよ」
クリス「・・・わかってくれたですか?」
マキネ「うん。わかったよ。
シュフィーネの設定にいかなる時も法衣ですごしている為、外見のおしゃれができない分下着に深いこだわりを持っている。
下着への造詣が深くランジェリーショップを経営しているって一文を追加するよ。
それで良いだろ?」
クリス「マキネはなんにもわかっちゃいないです!」
91:それも名無しだ
09/09/24 19:57:34 o289gmze
クリス「ランディー!」
ランディ「おふっ」
クリス「なに薄気味の悪い鳴き声を出してるのです?」
ランディ「お前は人とコミュニケーションするときにいちいち飛びついてくるのをやめろ」
クリス「ん~・・・・半端にマッチョだと抱きつき心地が駄目ですねえ。ゼラドやルナだとぽよぽよしてて良いんですけど」
ランディ「うるせえ!うらやましいこと堂々としやがって!なんと言われようがデブにはならねーぞ!体脂肪率15%未満をキープしてやる!」
クリス「ランディの脂身なんかどーでもいいです」
ランディ「出るたびにネタにされてる悩みを一言で切り捨てやがって!」
クリス「なにカッカしてるですか。今日はランディにお願いがあってきたんですよ」
ランディ「チクショウ!普段絡んでこねえくせに当たり前のようにずうずうしいこと言いやがる!」
クリス「ねーえーランディーお願いー」
ランディ「だがPちゃんだの1/2だのじゃなくまともに名前呼んでもらえるのがこんなに嬉しいとは思わなかった!!」
クリス「怒ったり泣いたり情緒不安定な奴です」
ランディ「ぐすっ・・・スゥボータの気持ちが少しわかっちまった・・・で、なんだよお願いって?」
クリス「シュウヤとマキネの間にフラグが立たないどころかお互い割と真剣に嫌ってる気がしてなりません!このままではボクのお姉ちゃん作成計画が頓挫してしまうのですよ!」
ランディ「未来永劫成功しねえよその計画。さっさと諦めちまえ」
クリス「なんてこと言うですか!ランディには二人の間を取り持つ手伝いをして欲しいんですよ!」
ランディ「時間の無駄だ。ゼフィア先輩と筋トレでもしてるほうがマシってもんだ。だいたいあのマキネが人の話なんか聞くわけねえだろが」
クリス「ランディしか頼れる相手がいないですよ・・・お願いです・・・三日間ランディ専属のメイドとかになってもいいです」
ランディ「ッッッッ!!このヤロウ・・・どこで俺の趣味を・・・いやしかしそれはなかなか・・・恐ろしい報酬をちらつかせやがる・・・」
クリス「夜のイベントとかも15禁までなら前向きに検討するですよ?」
ランディ「な、なめるんじゃねえ!俺にペドのケはねえぜ!!」
クリス「ちょわ!」
ランディ「がああああああ!!てめえ人中に踵落としいれるとはどこまで外道だ!?」
クリス「ボクの身長じゃランディの頭頂部まで足が届かないですよ!というかペドとか言うほうが外道なんです!」
ランディ「くそっそう言われると言い返せねえ!だいたいそんな技どこで覚えやがった!」
クリス「ゼラドに教わったです」
ランディ「シュヴァイツァー流踵落とし正統伝承者ってのはマジだったのかよ!」
クリス「ちなみにゼラドは前に一緒に食べ歩きしてた時絡んできたガラの悪いお兄ちゃん達を全員この技で地面に沈めてたですよ。しかも持ってたアイスを零さずに」
ランディ「強えなあバランガ!!」
クリス「ランディの突っ込みが冴え過ぎで話が脱線してるですよ。ねーお願いですよー」
ランディ「やめろってんだ!わかんねえこと言ってると火の精霊にお仕置きしてもらうぞ!」
クリス「お願い聞いてくれないと極小モードの縮退砲でランディを消すですよ!」
ランディ「結構リアルな脅ししてんじゃねえよ!」
クリス「・・・・・僕に出来ないと思ってるですか?」
ランディ「怖ええよ!」
マキネ「なにしてんの?」
クリス「あう・・・マキネ間が悪いですよ」
ランディ「助かったぜ・・・お前が来てくれてよかったとたぶん初めて思った」
マキネ「ほんとかいランディ1/2!じゃあさっそく牛丼キング食べに行こう!」
ランディ「やめろっつってんだよそーいうのは!もう俺のことはほっといてくれ!!」
マキネ「あ、にげるな」
クリス「僕は諦めないですよー!」
92:それも名無しだ
09/09/24 20:31:41 9HUNF5hZ
ユウ「注文は」
シュウヤ「ダージリンを」
ムラタ「・・・アッサム」
シュウヤ「いや、助かりました。正直、あのままお邪魔しても空気が悪くなるだけですからね」
ムラタ「・・・・・・」
シュウヤ「しかし、いつもご雌伏お疲れ様です。あの人の相手は大変でしょう?」
ムラタ「・・・・・・」
シュウヤ「そうそう、この前良い金物屋を見つけたんですよ。
愛用の包丁を砥いでもらったら、これがまた良い切れ味で・・・ムラタさんにもご紹介しようと思っていた・・・」
ムラタ「・・・良いのか」
シュウヤ「・・・何がでしょう?」
ムラタ「あのままで良いのか、と聞いた」
シュウヤ「ふむ、あまり良くはないですね。 私としてはもう少し友好な関係に戻したいとは思いますが。
なかなか根が深い様で」
ムラタ「すまぬ」
シュウヤ「ムラタさん・・・止めて下さい。 本来謝らなければならないのはこちらです」
ムラタ「しかし原因は俺にある」
シュウヤ「いいえ、それはあり得ません。 よりにもよって、貴方を犬猫に例えようなどと・・・馬鹿な事したものです」
マキネ「やっぱ、ムラタは猫だよね~。 ほ~ら、ムラタ! チチチチチ・・・」
シュウヤ「何を言っているんです、ムラタさんを猫などと・・・失礼でしょう!」
マキネ「雌伏するったら獅子じゃん。 獅子っつったらライオン、ネコ科の動物だよ?」
シュウヤ「そうではなくて、ムラタさんをペットみたいに扱うのをやめろと言っているのです。
大体、ムラタさんなら猫と言うより犬じゃないですか?」
マキネ「何言ってんのさ! ムラタは猫に決まってるよ!」
シュウヤ「い~え、犬ですね! DC再興の為に雌伏する姿は、まさに獲物を狙う狼の・・・」
マキネ「ムラタは猫! これ、決定ね!」
シュウヤ「それはあなたが猫派なだけでしょう!」
マキネ「猫だっつってんでしょうが!」
シュウヤ「犬です!」
マキネ「ねこねこねこぬこねこねこ!!」
シュウヤ「いぬいぬいぬいぬいぬいぬ!!」
マキネ「あんたみたいな犬派なんて嫌いだ! ゼッコーだ!」
シュウヤ「いいですよ! マキネのワガママに付き合うのも飽き飽きです!」
マキネ「い~~~っだ!」
シュウヤ「ふんっ!」
シュウヤ「思えば、あんな子供の喧嘩を今まで引きずっている訳ですから、それこそ馬鹿みたいですね」
しかし、日を増して険悪になっている気がしないでもありません」
ムラタ「お嬢は興味のないモノに目を向ける様な事はしない」
シュウヤ「そうですね、無関心を通り越して文字通り目に入っていませんから。
ああやって、遠回しにでも弄ってもらえるだけ、まだ芽はあると思って・・・いいんですかねぇ?」
ムラタ「・・・お前次第だ」
シュウヤ「まぁ、努力はしてみましょう」
クリス「も~、マキネったら本当にシュウヤの事が嫌いなんですね。
もうちょっとなかよしできないです?」
マキネ「アレは敵だよ」
クリス「む~・・・・」
93:それも名無しだ
09/09/25 03:24:30 leoRYBSv
アイミのアバ茶はどんな味か
94:それも名無しだ
09/09/25 21:45:27 WGGpE1rX
>>91
クリス実は第二世代最凶か…?
イングレッタ「ゼラド」
ゼラド「?」
イングレッタ「あなたの友達、クリストファーとかいったかしら。どういう人間なの?」
ゼラド「クリスのこと?年の割にちょっと子供っぽいとこがあるけど誰とでも仲よくしてるいい子だよ」
イングレッタ「……」
ゼラド「クリスがどうかしたの?」
イングレッタ「アストラナガンがあの子をやけに警戒してるのよ」
ゼラド「ねえグレちゃん」
イングレッタ「?」
ゼラド「あの子って言ってもクリスは私と同い年だよ?グレちゃんより年上なんじゃ
イングレッタ「……」
ゼラド「……」
イングレッタ「あなたが信用しているというなら問題なさそうね」
ゼラド「そ、そうだね」
95:それも名無しだ
09/09/26 02:08:58 ++4GNPdb
確かにゼラド誕生後にイングレッタは生まれてるんだよな
シュウヤ「というかクリス、あなたはそこまでグランゾンを使いこなせるというんですか?」
クリス「およ?言ってませんでしたか?」
シュウヤ「…初耳ですよ」
クリス「使いこなせるというよりグランゾンはボクの一部みたいなものなのですよ」
シュウヤ「……」
クリス「むしろボクがグランゾンの一部、生きた部品と言ったほうが良いかもしれないのです。あれですねー離れられない関係、とでも
シュウヤ「あの男ですか」
クリス「へ?」
シュウヤ「あの男は実の娘のあなたを生体部品として扱ったということか!」
クリス「お、怒らないでくださいシュウヤ!なんだかおかしいですよ!」
シュウヤ「おかしいのはあなたのほうでしょう!なぜそんな風にへらへらしていられるんです!あの男の玩具にされてあなたは平気なんですか!?」
クリス「父さんの事をあの男なんて言っちゃダメなのです!!」
シュウヤ「……」
クリス「シュウヤ、父さんはシュウヤが思ってるほど酷い人じゃないですよ」
シュウヤ「…何故そう言い切れるんです」
クリス「なんで父さんがあっちこっちを渡り歩いてるかはボクもわからないです。でも父さんは自分の持ってる一番強くて大事なものをお守りとしてボクたちにくれたですよ」
シュウヤ「…だから認めろと?そんな大層なことをしなくても、心配なら傍にいればいいだけの話ではないですか」
クリス「シュウヤ…」
シュウヤ「……。泣きそうな顔をするのはやめてください。少し取り乱したのは認めます。そうですね、文句はあの男に直接言えばいい。それまで取っておくとします」
クリス「シュウヤは子供っぽいのか大人なのかどっちなのです?」
シュウヤ「誰が子供ですか。この話はやめにしましょう。話題なるたびにあの男を殴る理由が増えていきます」
クリス「子供って難しいって父さん思ってるですよ」
96:それも名無しだ
09/09/26 02:49:48 it+gOIAG
◆
まず、ティーポットをお湯で温める。
分量は1リットル。よって茶葉はスプーンで6杯分すくって入れる。英国王立化学会は
6杯では多すぎると主張するが、この店の主人は昔ながらの濃い紅茶を愛好するらしい。
茶葉はポットの中で優雅に泳いでいなければならない。よって茶こしは使わない。
ティーバッグなど言語道断だ。
やかんが鳴いて沸騰を告げる。すぐさま火を切り、ポットを近づける。温かな湯気を
上げるお湯を、ゆっくりと注ぎ入れる。
次に、ポットを揺らす。茶葉を底に落ち着けるためだ。
ここで手が滑った。無粋な音を立てて、陶器の破片が木の床の上に散らばる。
「あぅ」
ディス・アストラナガン、通称ディストラはがっくりと項垂れた。
「慌てることはない。
紅茶とは、朝の目覚め、仕事の始め、午後の始まり、
一日の節目節目にくつろぎを与えるものだ。
くつろぎを与えるものを慌てて作ると言うほどの矛盾はない」
店主のユウキ・ジェグナンが滔滔と紅茶についての心得を語る。
店の隅では、店主の娘であるユウカ・ジェグナンが退屈そうにアクビをしていた。
ジェグナンの喫茶店は、今日も閑散としていた。窓枠からはもう赤みがかった夕陽が差
し込んでいるというのに、今の今まで1人の客も来ない。カウンター席のほかにはテーブル
が2つあるだけの狭い店内では、頬杖をついてタブ譜になにか書き込んでいるユウカが
いるだけだった。
「あのぅ、申し訳ありませんが、もう一度教えていただけませんか」
「構わない」
ユウキが言葉少なに請け負い、戸棚から代わりのティーポットを出す。
ここ数日、ディストラはジェグナンの喫茶店で紅茶の淹れ方を学んでいた。
ディストラはメイドである。全長22.3メートルの人型機動兵器となって邪悪な存在を
無限光の彼方に弾き飛ばすこともあるが、その時空同位体としてメイドなのである。
「悪魔王の名を冠した銃神」と「メイド」とは、限りなくイコールに近いニアリーイコールなのである。
とにかくメイドといったらメイドなのである。
白い太腿の半ばまでを黒いストッキングで覆ってガーターで留めている。素材の硬いパニエ
で服地を傷めないよう、ペチコートを被せることを忘れない。胸の膨らみは真っ白な丸襟ブラウス
で包み込み、黒いリボンネクタイを合わせている。ウール素材の黒いフレアスカートの上に
フリルがたっぷり付いたエプロンスカートを重ね、ウェストの後ろで大きなリボンを結っている。
艶やかな光沢が自慢の黒髪には繊細なギャザーの入ったカチューシャを載せていた。
こんな格好をしているのだから、メイド以外の何者でもない。
ところで、メイドというものは本来、掃除洗濯炊事を行うものだという。この定義付け
には参った。なにしろ、ディストラはこの内のどれひとつとして満足に出来ないのだ。
97:それも名無しだ
09/09/26 02:52:12 it+gOIAG
元は重量58.8トンの機動兵器なのだ。掃除をやろうとすればモップが折れて、洗濯
機をまわせばなぜか洗濯物が時空の彼方に消え去り、料理をやろうとすれば
まな板を素粒子段階から切断してしまう。
メイドはなぜ掃除洗濯炊事を行うのか。それは、ご主人様にご奉仕するためであると
ディストラは考えている。しかし、いまのディストラはご奉仕が出来ない。これは困る。
ご主人様に喜んでいただけなければ、悦ばせていただくことができないではないか。
そういうわけで、せめて紅茶ぐらいは満足に淹れられるようになりたいと、ディス
トラはジェグナンの喫茶店を訪れたのである。
「申し訳ありません、お仕事もあるでしょうに」
「構わない。幸いというかなんというか、客もいないことだしな」
「それは幸いなのでしょうか」
カランとドアベルが鳴る。今日初めてのお客様だ。ディストラは思わず居住まいを正
してお辞儀をした。
「いらっしゃいませ」
「おう、おやじ」
「おやじはよせ」
ユウキが顔をしかめる。
狭いドア枠を窮屈そうにくぐり抜けて、重震のマグナスは巨体を揺らして額の汗を拭った。
外回りの帰りらしい。ビッグサイズのスーツの上着を脱いで腕に掛けている。秋分は過ぎた
とはいえ、気温はともかく湿度が高い。あの体格ではさぞ辛いだろう。椅子に座るなり、
分厚い掌でばたばたと首筋を扇ぎ始めた。
元修羅軍将軍で、現在は外回りの営業マンである重震のマグナスは、この喫茶店の常連のようだった。
「冷コー頼まぁ」
「うちは紅茶専門だ」
「固ぇこというなよ」
「オーライ」
ガチャンと音を立てて、ユウカがテーブルの上にアイスコーヒーを置く。氷は明らかに
製氷器からそのまま出してきたもので、コースターも敷かずにグラスの横にミルクと
ガムシロップの容器を転がしている。作法にうるさい父親に対するイヤガラセのような
グラスの出し方だった。
「ユウカ、そんなものを客に出すな」
「ダディの紅茶ね、苦いのよ」
「紅茶とは苦いものだと、ジョージ・オーウェルが」
小言を続けるユウキをよそに、重震のマグナスはグラスをむんずとつかむと、ストロー
も使わず氷ごとざらざらとタラコ唇の奥に流し込んだ。あっという間に飲み干すと、
豪快にげっぷをする。
「ぐふふ、たまんねぇ。やっぱ熱い日は冷コーに限るぜ」
「サンクス」
98:それも名無しだ
09/09/26 02:54:34 it+gOIAG
「今日は嬢ちゃんがいんのか。
じゃあ運がいいや。おう、なんつったっけ。あのオレンジ色のすぱげっちー作ってくんねえか」
「ナポリタンね」
「家じゃあ、母ちゃんが血糖値がどうとかうるせえんだよ。
まったく、メシくらい好きにさせて欲しいよな」
「ユウカ」
父親の小言に返事もせず、ユウカは厨房の奥に引っ込んでいった。ほどなくして、
ジュージューとベーコンを炒める匂いが店内に漂い始める。
「ユウカ、紅茶とは香りを楽しむもので」
「客がオーダーしたもん作って、なんかプロブレム?」
「嬢ちゃん、タラコまぶせるか」
「オーライオーライ」
もう、紅茶の香りなどカケラもしない。単なる下町の洋食屋だ。
「ディス・アストラナガンさん」
「ディストラで構いませんけれども」
「紅茶の練習を続けましょう」
ユウキ・ジェグナンが厨房の方を見ないようにしていることは明らかだった。
この店が繁盛する日は、ひょっとしたら永久に来ないかもしれない。
◆
もう、とうに陽が暮れている。
ディストラはゴミ袋をぶら下げて喫茶店の裏に出た。半透明をしたゴミ袋の中でガチャ
ガチャと音をさせているのは自分が壊したティーポットやティーカップだと思うと情けない
気分になった。
本当は掃除を手伝おうと思ったのだけれど、まだまだ上腕二頭筋と上腕三頭筋のバランス
が取れない。どうも、人間の肉体は繊細すぎて困る。
ゴミ袋を「危険物」と書かれたポリバケツに入れて、ディストラはほうとため息をついた。
そして、一瞬息を止めて背筋を伸ばす。
「どちら様でしょうか」
民家の明かりがわずかに届く暗がりの中に人影がある。痩せていて、頭には一本の毛もない。
「申し訳ございませんが、もう閉店時間を過ぎております」
「茶などを飲みに来たのではない」
全力で走ってきたばかりのように、禿頭の影はハァハァと荒い気を吐いていた。
「お客様、大変お疲れのようにお見受けいたします。
私はいまだ修行中の身ですけれども、お香を焚く程度のことは出来ます。
率爾ながら、ラベンダーなど」
「うるさいっ!」
禿頭の男は落ちくぼんだ眼窩の奥で猜疑心の強そうな目玉をぎょろつかせた。
「あるのだろう、ここの地下に」
「なんのお話でしょうか」
「武器だ」
99:それも名無しだ
09/09/26 02:56:20 it+gOIAG
店内を紅茶の香りで濃厚に満たしても、ディストラの鋭敏なセンサーは危険な臭いを
はっきりと嗅ぎ取っていた。火薬だ。おそらく、この喫茶店の地下には重火器や弾薬が
かなりの数保管されていると見て間違いない。
この喫茶店の主人、ユウキ・ジェグナンはかつてノイエDCに所属し「地球連邦軍
では地球を守れない」と主張してた。その後紆余曲折を経てヒリュウ・ハガネ隊に
協力したものの、地球連邦に編入することはなかった。
世界情勢は概ね平和な現在でも、あちこちで小競り合いはある。その大部分が、地球連邦
に反発する民族解放運動だった。それは、世界の命運とはまた別に、決して消えることのない
戦いだった。広い宇宙の中でも指折りなほど複雑な社会を構築している地球を、一勢力が
統治し続けているという状態の方がよほど歪だ。
そういうわけで、ノイエDCは今なお存在している。
そして、おそらくユウキ・ジェグナンは今でもノイエDCと繋がりを持ち、武器の供給
などに手を貸している。客が来なくても店が潰れないはずだ。
「早くしろ、時間がない」
「お待ちください。今、店主様を」
「待てぬ!」
禿頭の男はずかずかと歩いてくると、ディストラの両肩をがしとつかんだ。
「ご無体はおやめください」
「俺には、武器が必要なのだ!」
引きつった声で叫んだそれが、禿頭の男にとって最期の言葉になった。短く呻いたかと
思うと、ブラウスを押し上げる丸みに顔を埋める。そのまま、ずるりとアスファルトの上
に倒れ込んだ。首の後ろに、ニンジャが使ったとされるクナイに似た刃物が突き刺さっていた。
「愚か者め」
「抜けようなどと考えるから、そうなる」
「逃げ切れると思ったか」
暗闇の中に、亡霊のような影が次々と浮かび上がる。
「それにあるは、女か」
「見られたからには仕方がない」
「運が悪かったと諦めよ」
鋭い殺気が四方から突き刺さる。ディストラはとっさにポリバケツの横に立てかけてあった
モップに手を伸ばした。
空気を裂く音がする。4方向からだ。こんな住宅街の真ん中で、滅多なことはできない。
何本かは甘んじて受けるか。ディストラはモップを両手で握りしめて覚悟を決めた。
そのときだった。ドスッと、分厚いゴムタイヤを殴るような音がした。
ディストラの目の前に、巨大な背中がそびえ立っている。
「ぐふ」
タラコ唇を歪めて、その男は不敵に笑った。
「どこからでもどうぞぉっ?」
丸太のような腕が唸りを上げて、影のひとつを叩き潰した。脂肪と筋肉とが絶妙に
ミックスされた巨体がぶるりと揺れて、肉に刺さったクナイを落とす。
100:それも名無しだ
09/09/26 03:00:16 it+gOIAG
「懐かしい臭いがするから来てみりゃあ、なんだおめぇら」
「お主はっ!」
影達がにわかに色めき立つ。
「生きていたのか」
「信じられぬ」
「激震のミザル様に反旗を翻し、たしかに粛正されたはず」
「ぐふふ、ミザル様に弓引くたぁ、広ぇ世界にゃ骨のある俺様がいたもんだ」
ディストラは、影たちの正体を知った。「修羅」と呼ばれる、極めて攻撃的な戦闘種族だ。
しかし、重震のマグナスの発言を聞く限り、ソーディアンによってやって来た彼らとは
別の世界の住人らしい。
「なるほど、裏にはお主がいたか」
「貴奴のごとき臆病者が、たったひとりで抜けるとは、解せぬと思っていたのだ」
「ふん?」
重震のマグナスのタラコ唇がぴくりと動いた。上着を脱ぎ捨てて、巨大な拳を鳴らし始める。
「聞いたとおりだ、姉ちゃん。
こいつぁ俺様のケンカだ。引っ込んでてくんな」
「しかしお客様、奥様が」
「残業だっていっとかぁ」
巨体に似合わぬ俊敏さで、重震のマグナスが修羅たちに突撃していった。接触するや、
分厚い手の平で秒間何十発もの猛烈な張り手を放つ。修羅たちが紙くずのように吹き飛び、
路地の壁に叩きつけられていく。標的が倒れ込むその前に、巨体がふわりと宙に浮いた。
そして、勢いよく落下する。
アスファルトで舗装された地面が、ずぅんと揺れたようだった。
「巨霊奔烈。てめぇらんとこのミザル様や修羅王様は、こいつを破れたのか?」
むっくりと起き上がる重震のマグナスの足元では、三人の修羅が手足を異常な方向に曲げて潰れていた。
「散れ、散れッ!」
闇の中から声が飛ぶ。修羅たちの気配が素早く動き始めた。前方、後方、民家の屋根、
雑居ビルの壁、全方位から重震のマグナスを取り囲む。
「ゆけッ!」
無数の殺気が重震のマグナスに襲いかかる。一撃離脱戦法だ。クナイが、シノビ刀が、
クサリ分銅が、重震のマグナスを次々とかすめていく。通り過ぎたかと思うと、別方向
から次の一手が来る。
一撃一撃の傷は浅い。しかし、早い。そして数が多すぎる。脇汗が目立つ重震のマグナス
のワイシャツに次々と裂き傷が作られる。
「何発でもどうぞぉ?」
重震のマグナスは一歩も動かなかった。防御の姿勢すら取らない。野太い両腕をいっぱいに
広げて、己の頑強さを誇示するように修羅たちに向かう。
101:それも名無しだ
09/09/26 03:02:05 it+gOIAG
「笑止ッ!」
一人の修羅が跳ねるような動きでマグナスに迫った。両手にクナイを握っている。膨れた
腹に刃先を突き立てたかと思うと、全身を勢いよく回転させ始めた。まるでドリルだ。
重震のマグナスの顔に初めて苦痛の色が浮かんだ。回転する2本のクナイは分厚い腹の
肉を巻き込みながら、さらに奥へと突き進んでいく。
闇の中に、どす黒い血が大量に飛び散った。
タラコ唇から血を滴らせ、重震のマグナスが膝を着く。
「愚か者め。激震のミザル様に反逆した時点で、
お主の倒しかたなど全修羅の知るところ」
「ぐふふ、どうやら、本格的に別人みてえだな。
俺様の知ってるミザル様は、そんなに賢かなかった」
「お主はおなじだ。我らが知るように、愚鈍な肉マンジュウでしかない」
鈍く光るクナイがマグナスの眉間目指して突き下ろされる。
硬い音がして、その刃先が折れ飛んだ。
「お客様に、これ以上の狼藉は許しません」
重震のマグナスを背に隠し、ディストラは両手でモップを構えて修羅たちの前に立ちはだかった。
「馬鹿、姉ちゃん、引っ込んでろって」
「メイドはご主人様に尽くすもの。そして店員はお客様に尽くすものです」
「気が触れたか、女ッ!」
クナイを投げ捨て、修羅がシノビ刀を構える。
ディストラは滑らせるように左足を一歩前に進めた。修羅の喉元目がけてモップの柄を
突き込む。すぐさま引くや、今度は修羅のモモを打ち据える。右足を深く踏み込みながら
モップを反転させた。ヘッド部分で修羅の顔面を潰す。
「怯むなッ!」
決して響かない声と同時に、また無数の気配が発生した。一秒たりともひとつどころに
留まらず、ディストラを取り囲み始める。
背後から殺気が来る。ディストラは振り返りもせずにモップの柄を後ろに突き込んだ。
正面に立つ修羅は、すでにクナイの投擲姿勢に入ってた。
「あのような長物が、このような場所で役に立つはずがない」
この路地の幅は2メートルと少し。モップを振りまわせば、逆にこちらの動きを止めて
しまうことになる。修羅たちはそう考えているらしい。
「私には年季というものがございます」
ディストラは前方の修羅目がけてモップを突き込んだ。修羅がわずかに半身をズラす。
モップの先端が空を突いた。修羅がせせら笑いながらクナイを持つ手を振り下ろそうとする。
その寸前だった。ディストラは勢いよくモップを手元に引き戻していた。T字型をした
モップは修羅の延髄を正確に捉えていた。クナイをぽとりと落として、修羅が前のめりに
倒れる。
槍の基本動作は、突く、斬る、叩く、払う、そして引くだ。鎌首状の先端は、一度の
攻撃に二度の殺傷機会を与えてくれる。そしてディストラは、何年にも渡って鎌状の
武器を使い続けてきた。
102:それも名無しだ
09/09/26 03:04:25 it+gOIAG
「お退きください。騒ぎを大きくしたくはありません」
「屈辱を受けたまま生き延びることなど、修羅には許されぬ」
「業の深いことです」
野生動物のような息を吐きながら、修羅たちが来る。
ディストラは視覚センサーの精度を上げた。モップの柄をまっすぐに構え、踏み込むと
同時に突く。左斜め前から振り落とされたシノビ刀を柄で受け止め、次の瞬間気管を
横殴りに潰す。肘を折り曲げ、背後を突く。アンダースローのような格好で手裏剣を投げよう
とする修羅の足元をモップで払い、間髪入れずに上段から打ち据える。
がっきと、モップの動きに抵抗が加わった。柄に鎖分銅が巻き付いている。覆面の下で
薄ら笑いを浮かべる修羅の顔を見据えながら、ディストラはぐいと腕を引いた。たたらを
踏みながら近づいてくる修羅に肩からぶち当たる。と同時に、相手の分銅を握りしめて
眉間を打ち据えた。
「そこまでだ」
静かな声が闇夜に漂う。
ひとりの修羅が、重震のマグナスの喉元にクナイを押し当てていた。
「卑劣です」
「我ら修羅にとっては勝利こそがすべて。過程も手段もどうでもいい」
「相変わらず頭悪ぃな、修羅は」
タラコ唇から血を流しながら重震のマグナスは不敵に笑う。
「黙れ、抜け修羅がッ!」
「抜けた覚えもねえんだけどよ。おう、姉ちゃん、構うこたぁねえよ」
「そういうわけには参りません」
「おいおい姉ちゃん、それじゃ、姉ちゃん俺様に惚れてるみてえじゃねか。
よしてくんな。俺様にゃあ母ちゃんとガキどもがいるんだ」
「しかし」
「いいから、スカート押さえてろっていってんだよ!」
腹の傷からおびただしい血をこぼしながら、重震のマグナスが立ち上がった。クナイ
が喉に突き刺さることに構いもせず、前方の修羅を抱きすくめる。
突如閃光が迸った。火薬、そして人の肉が焦げる臭いがディストラの嗅覚センサーを刺激する。
もうもうと煙が立ちこめる中で、重震のマグナスは凄絶な微笑みを浮かべて立っていた。
ワイシャツの胸元に大穴があき、露出した胸板は真っ黒に焦げている。その足元では、
黒焦げになった修羅が転がっていた。
「巨霊焚天衝。てめぇらのいうとおり、修羅にとっちゃ勝利がすべてだ。
過程も手段も、てめぇの身よりもよ」
サマースーツで営業まわりをしている間にも、胸の中に火薬を仕込んでいたのか。
ディストラは歴戦の修羅が持つ苛烈さに舌を巻いていた。
「どうよ、邪魔者は消したぜ」
「ご配慮、痛み入ります」
103:それも名無しだ
09/09/26 03:06:02 it+gOIAG
残るはひとり。重震のマグナスの背後で手裏剣を構えている修羅だ。
ディストラは足を前方に滑らせると、モップの柄でアスファルトを突いた。見た目よりも
かなり重い体重に、柄がぎりぎりとしなる。エナメル靴のつま先で地面を蹴る。棒高跳び
の要領で空中高くへと跳ぶ。
修羅から放たれた手裏剣が肩に突き刺さる。損害は軽微。気にすることはない。ディストラ
は膝を抱えて空中で一回転した。
ストッキングに包まれた脚を、ぴんと伸ばす。その延長線上には、覆面をかぶった修羅の
姿があった。
「ご無礼」
質量と加速度を乗せた蹴りを、修羅の顔面に突き立てる。
鈍い音がした。修羅の首は明らかに可動域を越え、顔が陥没して鼻がなくなってしまっている。
それでも修羅は、すぐに倒れはしなかった。よたよたと歩きながら、血まみれの
唇の両端をぎゅうと吊り上げる。
「フルヒップの・・・・・・ショーツ・・・・・・白い・・・・・・フリルが・・・・・・たっぷりと」
ぐいと、修羅は片方の拳を天に向かって突き上げた。
「我が修羅に、一片の悔いなし」
実に満足そうな顔をして、その修羅は立ったまま絶命した。
◆
遠くから、パトカーのサイレンが聞こえる。
ここに来るかもしれない。死屍累々と修羅たちが横たわる路地裏で、ディストラはそう考えた。
上半身を傷だらけにした重震のマグナスが、のそのそと這うように動いている。
「姉ちゃん、早く行きな。ここにいたら面倒なことになるぜ」
「しかし、それでは重震のマグナス様が」
「地球に帰化したわけじゃねえ。私闘も乱闘も、修羅界じゃ合法だ」
「しかし、あなたの世界とは」
重震のマグナスは答えず、血溜まりの中からスーツの上着を拾い上げた。うつ伏せに
倒れていた修羅にかぶせる。あれは、最初に現れた禿頭の修羅だろうか。
あの男は修羅を抜けた、といわれていた。逃亡のためにユウキ・ジェグナンに助けを
求めに来たのかもしれない。自分がもっと上手く対応していたら、みすみす死なせる
ようなことはなかった。
「そちらの方は」
「悪ぃ。こいつの顔は、見ねえでやってくれ。
誰にも素顔を知られてねえってことが、
修羅神に選ばれなかったこいつの、たったひとつの誇りだった。
こいつぁ俺様の知ってるあいつとは別人かもしれねえけど、その誇りだけは守ってやりてえ」
「重震のマグナス様」
104:それも名無しだ
09/09/26 03:07:35 it+gOIAG
しゅるりと音をさせて、ディストラは胸元のリボンネクタイをほどいた。
「目を、閉じていてください」
ブラウスのボタンをひとつひとつ外していく。脇の下から手を差し入れ、ブラジャーの
ホックを外した。わずかな開放感を伴って、重量のある乳房が外気に触れた。闇の中でも
白く映える半球形の先端は、奇妙な熱を帯び始めている。
「テトラクテュス・グラマトン」
静かに唱える。真っ暗な空から薄い緑色をした光のカーテンがさぁっと舞い降りた。
スーツをかけられた男を中心に、いくつもの魔法陣が空中に浮かび上がる。魔法陣は
くるくると回転しながら、あたりの空間を歪め始めた。
「さあ、虚無に還りなさい」
本来、アイン・ソフ・オウルは超高速回転によって時間逆行を起こし、目標の時空連続体
を破壊、その存在そのものを消滅させる超時空兵器だ。
それが、こんなにも優しい使い方が出来るものなのか。自分でやっておきながらディストラ
は驚きと感動を禁じ得なかった。
スーツを被された禿頭の修羅が、血まみれで倒れている修羅たちが、雑居ビルの壁に
飛び散った血糊が、音もなく消えていく。
乳房の先端に穏やかな熱を感じながら、ディストラの心はざわついていた。
修羅たちは恐ろしい敵だった。単純な戦闘能力以上に、その存在がディストラには
恐ろしかった。彼らは、戦士というよりも武器そのものだった。戦うために産まれ、
戦って死んでいくことに疑問ひとつ持っていない。
たったひとつの目的を追求して作られた武器は美しい。そういう意味で、修羅たち
は純粋で美しかった。
自分はどうだ。戦うために作られて、いまは紅茶の淹れ方を勉強している。清掃
用具であるモップを武器に使うようなものだ。歪んでいるのは、修羅たちではなく
自分なのかもしれない。
「なあ、姉ちゃん」
「あ、もう目を開けられて大丈夫ですよ」
重震のマグナスは分厚いまぶたをぴったりと閉じたまま、広い背中をディストラに向ける。
「衣擦れの音ってなぁ、色っぺえもんだな。
今夜は、母ちゃん可愛がってやっか」
重震のマグナスはのしのしと足音をさせて路地裏から出て行く。
パトカーのサイレンは近づいてきそうもなかった。
105:それも名無しだ
09/09/26 03:08:41 it+gOIAG
◆
バランガ家の茶の間には、いつも大量の洗濯物が山積みにされる。
畳の上に正座をした膝の上で洗濯物をてきぱきと畳みながら、クォヴレー・ゴードン
は胡乱げな目をディストラに向けた。
「えっと、ほら、これ、なにか感じません?」
もう小一時間ほど、ディストラはクォヴレーの横で正座をくずしてギャザースカート
の生地を擦り合わせ続けていた。
レスポンスはいっさいない。クォヴレーは黙々と洗濯物の山を切り崩していくだけだ。
いまは、アラド・バランガのパンツを4つに折りたたんでいる。
「ほら、ほら、衣擦れですよ」
「生地が傷むぞ」
「生地とかなんとかじゃなくてぇ!」
「どこか傷んでいるのか?」
「傷んでなんかいませんよ! むしろ傷めてくださいよ! 傷物にしてくださいよ!
主におヘソの下あたりを!」
「ここか?」
ぴたりと、白い手の平がディストラの下腹部にあてがわれた。低い体温が布地越しに
伝わってくる。ディストラは思わず背筋を伸ばし言葉を飲み込んだ。
「特に、傷んでいるようには感じないが」
自分のご主人様は唐変木だ。ディストラが何度も確かめてきた認識をもう一枚塗り重ねた。
それでも、自分はご主人様にお仕えし続けるだろう。
なぜなら、クォヴレー・ゴードンにご奉仕し続けることこそがディストラにとって
最大の喜びだからだ。
だからいつか美味しい紅茶を淹れて差し上げようと、ディストラは今まで何度も似た
ようなことを考えてきたのであった。
106:それも名無しだ
09/09/26 12:28:38 S/2wq6Ov
久々に綺麗めなディス姉を見た気がする。ありがたやありがたや
やっぱディス姉はかわいいなぁ
107:それも名無しだ
09/09/26 13:00:22 pHUnEoiv
ディス姉、戦うときは相手や町を壊さないよう細心の注意を払ってるんだろうなw
108:それも名無しだ
09/09/26 21:02:08 B1iNGHYo
GJです
>ご主人様に喜んでいただけなければ、悦ばせていただくことができないではないか
やっぱりそれが目的か駄メイド
やっとパンツを履くことを覚えたか駄メイド
109:それも名無しだ
09/09/27 21:30:51 EFdzdYj4
画像ログ上げた。
違うとこで拾ったのが混じってるかもしれないけど。
URLリンク(u3.getuploader.com)
URLリンク(u3.getuploader.com)
110:それも名無しだ
09/09/27 21:59:52 PNMwz4d4
>>109
GJです
結構見たこと無いのがあるなあ
ギャルゲってちょっとしたシナリオとかも作られてて、当時携帯しか持って無くて
結局見ることができなくてすごい悔しかったな
111:それも名無しだ
09/09/27 22:59:53 tYe9Df/f
ギャルゲ絵のルナ様が大変お美しい…
あと咲美も実にディモールト良い
112:それも名無しだ
09/09/28 00:14:09 wvYYoWqU
~SASUKE視聴中~
【イェーガー家】
ヴィレアム「頼む、頑張ってくれ新世代!
いつまでも上の世代に大きい顔させないって、実力で証明してくれっ!」
キャクトラ「友よ、他人に想いを託してしまうのはどうだろう」
ヴィレアム「そんなことないよ! K-1だってセームからバダの時代に移ろうとしてるし!」
キャクトラ「セームはファイトスタイルが地味だからコミッショナーに喜ばれていないと聞く」
ヴィレアム「ボクシングのホヅミだって着々とファンを増やしてるって聞くし!」
キャクトラ「やはり地味だから人気ないそうだ、ホヅミ」
ジダイハ カエラレナカッターッ!
キャクトラ「ああ、惜しいところまでいったのに」
ヴィレアム「なんだよ! 経験積んでて、実力もあるってことが、そんなに偉いのかよぉっ!」
キャクトラ「取りあえずこんなところでテレビ観てる人間よりは讃えられると思う、友よ」
【グレーデン家】
ミズル「興味ないな、こういうの。マーくんに借りた『カムイ外伝』でも読んでよ~っと」
デスピニス「いけませんよ、そんな、人の業の深さを語る作品、中学生には早過ぎます」
マキネ「考えてみりゃあさ、
昔は『風雲タケシ城』なんかで毎週似たようなことやってたんだから、偉いもんだよね」
ランディ「バブル期のころのこと話したって仕方ないだろ」
マキネ「ところでさ、ギャルソネっているじゃん?」
ランディ「いない、聞きたくない」
マキネ「やっぱさ、細くて、まぁ可愛い部類の顔して大食らいってとこが受けたんだと思うんだよね」
ランディ「大食いのひとなんて、案外みんな細いもんじゃないか」
マキネ「ぶくぶくに太ってるくせに異様に身体能力高いデブって、なんかカッコよくない?」
ランディ「カッコよくない。見ててイラッとする」
マキネ「しかも、太ってるくせに変にイケメンだったりしたら、超人気でない!?」
ランディ「絶対出ない。よくわかんない社会的地位のひとのエッセイで、
『見ていて不快にしかならない醜悪な肉塊』とか書かれそう」
マキネ「自信持ちなよ! ランディ、わりとイケメンだって!」
ランディ「いっさい自信持てねえよ!」
【ゾンボルト家 道場】
ラン「見てみ、ミスティリカちゃん。
なにもかも投げ打って障害に立ち向かうこの人らは、愚直やけど素晴らしいと思わんか」
ミスティリカ「もちろん。
もう30過ぎてて家庭も子供もいるのに
「お父さん仕事辞めてSASUKEに専念するよ!」なんていわれちゃったときの奥さんの気持ちと、
(稼ぎもなく筋トレばっかりしてるのに性欲だけはしっかりある自分に家庭を持つ資格はあるのか?)
って自問自答し始めちゃうお父さんの気持ちを考えると、
最高にメガネ曇るわ」
ラン「あんたはホンマ、どうしたらエエの?」
113:それも名無しだ
09/09/28 01:48:09 lqlqccQW
【バランガ家 居間】
テレビ『銀河連合安全保障理事会において、
バルマーのアルマナ・ティクヴァー陛下は
ティプラー・シリンダーを始め、ディーン・レヴ、ディス・レヴ等と呼称される
一連の次元兵器の廃絶を宣言しました』
ディストラ「はいっ!?」
テレビ『これに対し、地球側のニブハル・ムブハル外務官は、
宇宙で唯一ディーンの火の被害にあった星の人間として、
アルマナ陛下の決断に深く共感し強力を惜しまないと』
ディストラ「ご主人様ぁ~!
私、消されます! 政治的なパワーで消されようとしてます!
次元兵器が消されたら、私はどうなっちゃうんですか!
わたしのコクピットシート、もうご主人様のお尻のカタチになっちゃってりゅのにぃ~!」
クォヴレー「もうこの世界では大きな戦争が起きそうな気配もないし、
大きすぎる力は捨てていった方がいいだろう」
ディストラ「うぁ~ん! おなじです!
お仕えに上がったばかりの私に、『なんか怪しいから封印しとけ』って言い放って
軽やかに量産型νガンダムなんかに乗り始めたときと、
ご主人様はなにも変わっちゃいません!」
クォヴレー「心配するな。その件なら、昨日アルマナからメールで伝えられている」
ディストラ「メール交換してるんですか! その口ぶりは、わりと日常的にメールしてますね!」
クォヴレー「お前のことは、アルマナの方から手を打ってもらっている」
ディストラ「え~、そりゃあ助かるんならありがたいことですけどもぉ、
私的にはぁ、なんていうかぁ、恋敵から塩送られたっていうかぁ。
きゃっ、恋敵っていうのは違うんですよ、言葉の綾っていうか願望っていうか」
ガラッ
キャリコ「お邪魔しまーす。どうしたクォヴレー、
急に量子波動エンジン1基まわして欲しいなんて」
クォヴレー「ああ、アルマナが次元絡みの兵器は撤廃したいというから」
キャリコ「なるほど、それで、そこの元ヴァルク・ベンちゃんを元のヴァルク・ベンに戻すってことか」
ディストラ「エンジンですよねえ! エンジン換えるだけですよねえ!
ここからいきなりヴァルク・ベンまでバージョンダウンするって、
人型機動兵器的にかなりプライド傷つくんですけども!」
クォヴレー「ヴァルク・ベンも悪い機体ではなかった」
キャリコ「だよなあ、カスタムの幅とかけっこう広いし」
クォヴレー「大した調整もなしに飛び乗っても動いてくれる信頼性の高さがいい」
キャリコ「あ、今さあ、ヴァルク・ベン好きでツーリングサークル作ってるんだけど、お前もどう?」
ディストラ「クルマ好きのオッサン同士みたいな会話してるーっ!」
114:それも名無しだ
09/09/28 01:49:59 lqlqccQW
キャリコ「でもさ、この子をヴァルク・ベンまでデチューンすることは決まってるとしても」
ディストラ「決まってません。デチューン前提で話を進めないでください」
キャリコ「その間タイムダイバーの仕事はどうするんだ?
休むんなら、ちょうど来週サークルで磐梯山ツーリングするんだけど」
ディストラ「どんだけツーリングしたいんですか!」
クォヴレー「問題ない。代わりは手配済みだ。じきに届く」
ずうぅぅぅぅぅぅぅん
ディストラ「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!」
キャリコ「お~、量産型νガンダムだ」
ヴィレアム「これは大変いい機体だった。
攻守共にバランスが取れ、なによりも出力が安定している」
ディストラ「わぁぁぁ~ん! なんですか、それは!
攻守のバランスはともかく、出力の安定しなさっぷりでは定評がある私へのあてつけですか!
騙されちゃダメです、そのコは怖い機動兵器です。
核融合炉積んでるんですよ! 青っぽい機体色して、飛んだ人類を焼く憎しみの火ですよ!」
キャリコ「なに? ヴァルク16号ちゃんは量産型νガンダムにトラウマでもあるの?」
ディストラ「ヴァルク・ベン呼ばわりをやめてください!」
キャリコ「量産型νガンダムのエンジンもさあ、新型のエコ量子波動エンジンに換えちゃえば?
今だったらエコポイント付くし」
クォヴレー「エコポイントか」
ディストラ「エコポイントがそんなに重要ですか、私よりも!」
【バランガ家 台所】
ディストラ(フー、フー、落ち着きましょう、落ち着くのよディストラ。
落ち着いて、負の無限力を輪廻させるのよ。
ディス・レヴを外されれば、機動兵器として破格の戦闘能力を失う。
無力で、男性の腕力に抗うことの出来ないただの女になるのよ。
よし、いいわよディストラ。気分が明るくなってきた。
私はメイド、ただのメイドになるの。
朝はご主人様にお茶をお出しして、お昼のためにお弁当をお渡しして、
ご帰宅までに美味しい晩ご飯をたっぷり用意しておくの。
そして夜は、この身を尽くして精一杯のご奉仕をして差し上げるのよ。
いったい、なんの不満があるっていうの?
そう、さしあたっては・・・・・・!)
115:それも名無しだ
09/09/28 01:51:28 lqlqccQW
ゼオラ「あら、ディストラさん、どうしたの?」
ディストラ「えっ、そのぅ、晩ご飯の準備をしちゃったりなんか」
ゼオラ「あらあら、そんなのいいのに。
私がやるから、ディストラさんは居間でテレビでも観ていて」
ディストラ「いえっ、お世話になってるのに、そんなわけには。
それに、そのぅ、私、メイドですし」
ゼオラ「でも、いつも並行世界のお仕事で疲れてるでしょう」
ディストラ「疲れてません。まったく疲れてません! ですから居間には」
ゼオラ「ディストラさん」
ディストラ(ハッ! これは、この、ゼオラさんの目は!
主婦だ! 台所は主婦の戦場、余人が立ち入ることを許さないと宣言する主婦の目だ!
私は、立ち入ってはいけない領域に足を踏み入れてしまった!)
ゼオラ「ディストラさん?」
ディストラ「申し訳ありません、私、わたし!」
ゼオラ「ディストラさぁ~ん?」
ゼラド「あれ、お姉ちゃんが出てったみたいだけど」
ゼオラ「うん、料理しようとしてたみたいなんだけど、
またまな板ごと切られちゃ敵わないと思って止めたのよ。
なんだか思い詰めてたみたいだし、悪いこといっちゃったかしら」
【学校】
ディストラ(ネガティブになっちゃダメよディストラ。
いま出来ないことは、明日できればいい!
だって私は自分を信じているもの!
自分を信じて『夢』を追いかけていれば、夢はいつか叶うもの!
だからジェグナンさんのところに紅茶を教わりに行ったんだし、
でも考えてみたらその前に『竜巻亭』をやんわり追い出されたし。
そうよ、練習、練習よ。
多くを積み重ねる、筋力を、疾さを、持久力を、経験を!
すべては、メイドの務めを果たすため・・・・・・っ!)
【翌日 学校】
ゼラド「え~! 調理実習、中止なんですかぁ?」
ラミア「ああ、なんだかわからないが、調理室が空間ごとすっぽり消滅していてな」
ルアフ「こんな事件があっちゃ、例の次元兵器撤廃法案は早めに制定されちゃいそうだねえ」
ゼラド「お姉ちゃん、昨日帰ってこなかったけど、どこ行っちゃったんだろう?」
116:それも名無しだ
09/09/28 03:10:41 YgE0H6Hp
ええと…落ちは無し?
117:それも名無しだ
09/09/28 03:33:45 lqlqccQW
【ヘルモーズ】
アルマナ「まったく、私がたまたま、公務を割いて深夜の校舎を徘徊し、
日々ルナが生活している場の空気や、ルナが日々座っている椅子の匂いが香っていなければ、
どうなっていたことか」
ディストラ「深夜にたまたまいったいなにをしていたのかはさておき、ご迷惑をおかしました、ぐすっ」
アルマナ「なにを泣いているんですか?」
ディストラ「だって、だって、次元兵器が撤廃でアルマナ様がチェンジチェンジで、
私はビーフストロガノフ作ろうとしたら調理室を消滅させるようなダメな機動メイドで」
アルマナ「なぜよりにもよってビーフストロガノフをチョイスしたのかはともかく、
ディストラさん、私はべつに、あなたを政治的に消そうと思って次元兵器撤廃を宣言したわけではありません」
ディストラ「だってだって、ご主人様はアルマナ様はメールのやりとりを。
おそらく引くくらいのデコメびっしりで」
アルマナ「クォヴレーが意外にデコメを駆使してくる点はともかく、
我がバルマーは復興当初、ほかに売るものがなかったため、
仕方なくディーン・レヴの劣化版を量産して各国家に売っていました。
ところがそれが、いつの間にか国家間の緊張を産み出す原因になってしまったのです。
私の目的は、不要な緊張を捨て去り、より友愛に満ちた銀河連邦を構築するためです。
どこの国家にも所属していないあなたをどうこうする権利など持ち合わせていません」
ディストラ「そんな、申し訳ありません。私、アルマナ様のそんな深いお考えもわからず」
アルマナ「あなたには、引き続きクォヴレーに仕えてもらいます」
ディストラ「はい! この身の全性能をかけて!」
アルマナ「具体的には、機体色が微妙なオレンジ色で、
ツイン・ホイール・バスターが必殺技な状態で」
ディストラ「それ、ヴァルク・ベンじゃないですか!」
118:それも名無しだ
09/09/28 07:52:18 apUD+6oc
クォヴレーはデコメ駆使してんのかよwww
意外というか予想通りというか……
119:それも名無しだ
09/09/28 08:53:16 VXnpYp/d
ミスティリカ「ゼフィア先輩、今日、着けてないんです」
ゼフィア「・・・・・・なんの話だ」
ミスティリカ「コンタクトレンズ」
ゼフィア「メガネをかけているなら必要ないだろう」
ミスティリカ「そんなことありません。
コンタクトレンズの上からさらにメガネをかけて、
(ウフフ、あなた偉そうに鼻の上に乗ってるけど、
視覚補助具としてまったく役に立ってないから。
むしろ私の視界を歪ませてるから。
ああ、メガネの視覚補助具としての存在価値を踏みにじるわたしって、なんて最低の屑なのかしら)
って考えると、最高にメガネ曇りませんか?」
ゼフィア「・・・・・・今日ほど、メガネを哀れだと思ったことはない!」
120:それも名無しだ
09/09/29 05:10:50 9FvR3JPP
実家に帰る途中の紫雲統亜に
一枚の手紙が届きます。
_____
/ ヽ____//
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その内容は・・・
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/ 子豚はよしなさい / / /
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【月面 紫雲家】
統亜「あ~あ、こりゃお兄ちゃん、怒ってるのかなあ。べつにいいけど。
ねえ、ミャーちゃんはどう思う?」
芽夜「やれといわれてもやる気になりません」
統亜「ミャーちゃん、やっぱり家から出てないのね?」
芽夜「トーアちゃんはいくらでも外に出たらいいじゃないですか。
陽の光に耐えられない、私に代わって」
統亜「皮膚病かなにかにかかってるみたいにいうものじゃないよ。
ミャーちゃんはただの引きこもりじゃない」
芽夜「寝ても覚めても紫雲家末子。自分が好きじゃないの」
統亜「ミャーちゃんミャーちゃん、
ミャーちゃんはなんで戦いに巻き込まれたばっかの頃のお父さんに似ちゃったの?」
121:それも名無しだ
09/09/29 05:13:15 9FvR3JPP
芽夜「もしも願いひとつだけ敵うなら、ずっと布団の中で寝ていたい。場所は自宅に限る」
統亜「ミャーちゃん、ミャーちゃん! 外に出ようよぉ! 外にはステキなこといっぱいあるよぉ!」
芽夜「検索を始めましょう」
統亜「ミャーちゃん、またパソコンばっかやって」
芽夜「トーアちゃん、あなたがランディ・ゼノサキスを『ランちゃん』と呼ぶことには問題があります」
統亜「ミャーちゃんはちっとも家から出ないのに、なんでなんでも知ってるのかなぁ」
芽夜「『ランちゃん』という呼称はすでにOG町に在住しているラン・ドバンと被る可能性があります」
統亜「えっと、ランちゃんがダメなら、なんて呼べばいいんだろう。
ランディさん・・・・・・、とか?
きゃっ! やだやだ、恥ずかしい! まだ付き合ってるわけじゃないのに!
あれ、でも、ほっぺにチュウはカウントしていいっていってたし、
そしたらあたし、遠恋中なのかな。
でもでも、告白してオッケーとかそういう工程はさんでないし、ええと、ええと」
芽夜「トーアちゃんはあまり頭を動かさないでください。どうせバカなんだから」
統亜「ミャーちゃんはまた、そうやってヒドいこという~!」
芽夜「検索の結果、ランディ・ゼノサキスを『ランちゃん』と呼ぶことに大した問題はないようです。
ラン・ドバンの方は、ちゃん付けされるような性格でも年齢でもないことが判明しました」
統亜「ミャーちゃん、一面識もない相手にそういうこというのはよくないと思うよ」
芽夜「さらにいえば、ランディ・ゼノサキスは試合直後で意志朦朧としており、
トーアちゃんがうかつにチュウしたことなんて覚えていない可能性があります」
統亜「えぇ! そりゃあたしだって、テンション上がってうっかりしちゃったとこあるけど、
覚えられてないって、それキツいなあ。
どうしたらいいんだろ。また、チュウし直しに行くとか?
でもでも、月からわざわざチュウだけしに来る女ってすごく重いような感じするし、
そしたら遊園地とか行った方がいいような気がするけど、
ランちゃんドナルドダック嫌いみたいだったし、あ、またランちゃんて呼んじゃった」
芽夜「半分力貸しましょうか、義姉」
統亜「や、力貸すとかじゃなくて、まずミャーちゃんが家から出ようよ」
芽夜「根性なしかもしれない。それでいいけど」
統亜「取りあえずさ、これ観ようよ!」
芽夜「なんです?」
統亜「『ミリオン・ダラー・ベイビー』のDVD!
ランちゃんが送ってくれたの!」
芽夜「好きにすればいいんです。どうせトーアちゃんは途中で寝るから」
統亜「うぅ~ん。ミャーちゃんはどうして、そう引きこもる方引きこもる方に考えるんだろ
122:それも名無しだ
09/09/29 22:30:04 Yo3GPvKP
イングレッタ「さぁ、貴方の罪を数えなさい」
アストラ「お嬢、急に何を言いだすのだ?」
イングレッタ「ただ言ってみただけよ」
シュウヤ「さぁ、貴女の下着を数えるのです」
クリス「シュ、シュウヤ?」
シュウヤ「はっ!?私は何を?」
レイナ「あんたは自分が食べたパンの数を覚えてるの?」
ゼラド「655350枚だよ」
レイナ「えっ!?」
ゼラド「リョーユー、ヤマザキ、トランドール、ジャムおじさんのパン工場。どれもs」
レイナ「ごめん、もういいわ」
ゼフィア「さぁ、俺の名前を言ってみろ」
ミスティリカ「貴方の名前はゼフィア=ゾンボルト。この学園の3年生です。
第二世代の中ではトップクラスの実力を持ちながら肝心な所で力を発揮できないいわゆるヘタレですね
最近では名前の無い雑魚キャラが暴れない為に黒星ばかり積み重ねているヤムチャな人です」
ゼフィア「くっ・・・」
ミスティリカ(こうして先輩の怨みを買う事で凌辱フラグを建てる。この先の展開を妄想するだけで眼鏡が曇るわ)