10/03/06 14:56:32 hnj7jL5I
正確な意味の「30代」を目前にした今、あらためて「アマガミ」のフラットプレイをやっていると
絢辻さん薫といった「面倒くさい女の子」とそれに対して主人公の費やす時間、手間、エネルギーの
膨大さに、正直、疎外感と絶望感を感じる
例えば主人公が薫に前日会った絢辻さんのお姉さんの話をしている
そこにやってきた絢辻さんが会話の内容を知ってしまい微妙な反応を見せる
主人公はそれに気づき、あまつさえ後でそのことのフォローまで行うのである
この主人公の持つセンサーの感度は異常な分解能を持っていて、その高性能のためには
異常な高出力を必要とするだろう
そんなもの、高校生当時のおれに持てるわけもなく、結果それをきっかけにした
「あたしあなたに興味が出たかもしれない」という絢辻さんからのファーストアプローチも
受けることが出来なかっただろう
おれには絢辻さんや薫との物語は、決して訪れなかったものなのだ
高校時代―
大学進学を視野に置きつつ、音楽活動などを校外で行い、それの受けがよかったため
愚かしくも天狗になり、結構な頻度でやってくる交際のオファーの中から適当に男女交際をし
当然のこと長続きせず、だからといって次に不自由することもなかった
こんな（今から思うと）糞野郎はきっと絢辻さんに対して無神経なことばかりいい
しかしそれによって殴ってももらえない中途半端な馬鹿としか認識されなかったと思うのだ
「アマガミ」は楽しい
でも―仮に高校時代のおれのクラスに絢辻さんがいる、という決してあり得ない奇跡が
起こったとしても、おれには絢辻さんとの物語は絶対に訪れないというだろうという事実を
突きつけられる、「痛い」作品でもある
おそらく大半の「男子」には不可能と思われる、主人公の感受性、忍耐力、理解力がなければ
成立しないこの物語群に、いったいどれだけの男子がリアリティを感じ、感情移入出来るのか―
最近あらためてじっくりやってみて感じた、まったく新しい感想であり、疑問である