コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 32at GAL
コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 32 - 暇つぶし2ch55: ◆0rhUU6uqDE
08/11/18 19:24:02 QoaEucvn
現在、創作発表板の移転の是非についての議論を、避難所(仮)にまとめています。
議論自体をそこでやるかは未定ですが、それを含めて避難所(仮)で意見の交換をしていただけると有り難いです。


避難所(仮)
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
携帯用
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

56:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 19:58:32 qUQMD4Vg
>>51
たちが悪いのは君だよ。まぁ、君みたいのは自覚ができないタイプばかりな上に指摘されると逆切れしかできないのだがな。
でも誰にも注意されないと調子に乗るだけだから言ってあげよう。
可哀相なお子様だね。それで人生楽しいか?

57:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 20:13:27 3Jo+keX1
荒らし(とそれと同等の発言をする者)はスルー汁
相手をする行為も荒らしです

58:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 20:29:03 gqexOVIm
自演だろ?

59:保管者トーマス ◆HERMA.XREY
08/11/18 20:56:35 Jutq7zoZ
>>50
ここを含むいくつかのスレは私の常時監視対象ですのでご安心を。
作品の方は修正しておきました。ご報告ありがとうございました。

>>55
当方の意見を纏め次第、参加させていただきます。

60:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 21:58:04 vIn+Khcc
最近投下少ないね…
他ロボットアニメとロスカラのクロスでも解禁すればまた投下数増えるかな?

61:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 22:03:54 GB9rTgm5
他の作品のクロスですかー
意外と面白いかも知れませんねぇ

62:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 22:19:38 RwtGHsN5
でもクロスは読み手を選ぶしなあ
ギアスしかロボットアニメ見てない人は苦しいかもしれない

63:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 22:23:14 wGBPAUoM
最後に投下があったのが丸二日前だかんな~
こんな事初めてでしょ。やっぱり今の状態が解決しないと無理な空気なのかな?

64:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 22:29:52 +7paXx/q
誰でもこんな空気で投下したいとは思わないよ。
私だって、以前だったら空気変える為に投下したいと思ってたけど、今の現状じゃ投下どころか書く気さえ失せる。


65:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 22:33:21 EZC3ywfp
>>64
こんな奴もいるからなぁ

66:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 22:43:42 3SfzJv1A
初めまして。
コードギアスのSSに興味があったのでググっていたらここを見つけました!
保管庫にあるSS全部読みましたが、みなさん凄いですね。
文才の全く無い自分にはとても小説など書けないので、本当に凄いと思います!
これからは定期的にこのスレきて
投下される方がいたら積極的に支援していこうと思います!

67:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:02:44 27FOVjJ8 BE:1262445449-2BP(0)
最近忙しかったんで、投下できませんでした。

23時半から投下してもいいですか?


68:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:05:50 V+YMbyPp
最後までできるかわかりませんが、支援します

69:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:16:57 Jutq7zoZ
支援します

70:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:19:20 3SfzJv1A
支援

71:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:31:01 27FOVjJ8 BE:2209278097-2BP(0)
俺式ロスカラ続編~騎士団カレンルート~ 5話

一応シリアス系でタイトルどおり、騎士団カレンルートから特区日本の失敗ifからの続き。
R2で言うとだいたい7話目あたり。
今回は10レスくらい

72:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:31:20 V+YMbyPp
支援

73:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:31:46 27FOVjJ8 BE:420815243-2BP(0)
「……イ……ライ………おい、ライ!!」
はっと気がついた時、僕は残月のコクピットに座っていた。
周りには玉城と南が決して広くないコクピットの中で
僕に向かって懸命に声をかけてくれていたみたいだ。
「どうしたんだよライ、せっかくラウンズやっつけるチャンスだったのによ~」
「あ、うん。ごめんみんな。」
どうやら、あたりを見まわすと騎士団の母艦に収容されたところで、グレンがまだ戻ってきてない様子から推測すると、
気絶してからたいして時間が経ってはいないようだった。
「ったく。一年ぶりの再会がこんなんじゃぁ しっくりしないぜ」
と玉城は再会の喜びを込めて僕の背中をバシバシと叩いている。
そう言われ、初めて玉城と南の顔を見たのだ。

「あはは、そうだね 二人とも。ただいま。」
「まぁ本当は、俺たちがただいまって言う方なんだけどな。そっちも一年間ご苦労様。」
と南も笑いかけてくれる。
この二人はいち早く戦線を離脱したため、僕が発進してからこの船とすぐに合流できたらしい。
その後は暁を使い脱出ブロックの回収を手伝っていたのだろう。
「ねぇ、僕の機体を回収した時、ラウンズの機体と戦闘にならなかったの?」
とふと疑問に思ったことを聞いた。
「あぁ、あのデカブツもお前と同じように落ちててな、
そのデカブツを回収していた機体はな、俺が攻撃しようとしたら恐れをなして下がっていったんだ。
なんていうかさぁ、俺も戦場での戦いに慣れてきて ほら、プレッシャーっていうの?戦士の貫録っていうの?
お前みたいに、そういう威圧感を与えられるようになったんだぜっ、お前にも見せてやりたかったぜ~
帝国最強とか言われてるあいつらがしっぽまいて逃げていく様をよ~」

と肩を叩きながら、自信満々に高笑いする玉城。
南は思った通り肩をすくませ溜息をつき、相手をするなと目で伝えてきた。

もちろん、僕も最初の二行だけを聞いて後はほとんど聞き流していた事は言うまでもない。

74:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:31:49 Jutq7zoZ
支援

75:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:33:33 27FOVjJ8 BE:841630346-2BP(0)
それにしても、トリスタンのパイロットは僕に情けをかけたのだろうか。
それとも、動かない敵を倒しても意味がないという騎士のプライドから撃たなかったのか。
それに、なぜ あのモルドレットは僕を攻撃せず、一緒に落下していたのだろうか。
そもそも、あの頭痛は何だったのか…………
「なんにせよ助かったんだ。そんな難しい顔してないで、ここから出てみろよ。みんなが待ってるぞ。」
と南の言葉が僕の思考を遮った。

外にでると懐かしい顔ぶれが出迎えてくれた。
それぞれ、色々な事をおもいながら 僕がコクピットから顔を出すのを待っていたのだろう。
「みんなただいま。いろいろ心配かけたけど、僕はもう大丈夫だから。」
それぞれ思い思いにライという名前を呼んだり、戦闘隊長おかえり、といった声が飛び交った。

下に降りると男も女も関係なしにライを取り囲み、彼を引っ張りだこにしながらも先ほどの戦闘を褒めたたえてくれた。
負傷者は出たものの、死傷者が出ずに済んだのはライの発進時における判断とラウンズを引き付けてくれたおかげである。
人の群からぬけ、扇さんや藤堂さんたちに挨拶を交わし大袈裟ではないかと聞いたが、
それほど彼らにとって黒の騎士団の双璧と称されるエースの存在は心強いものなんだとここでも褒められてしまった。

久しぶりの仲間たちと懐かしい時間を過ごしていると、突然ハッチが開いた。
天井には大空がひろがり、心地良い風がドックに流れこんだ。
カレンが着艦するのだろう。
ゼロを抱えた紅蓮が少し離れた地点に着地した。
今回の作戦は総督 ナナリーの鹵獲であるがゼロと一緒にいる人の気配は全くない

76:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:34:17 Jutq7zoZ
支援

77:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:34:36 27FOVjJ8 BE:841630638-2BP(0)

どうやら、新総督の脱出は失敗したらしい。
おかげで、普段の彼のような威厳のある雰囲気はまるっきり感じる事ができない。
仮面の上からでも楽に感じとれる覇気の無さ。
団員たちもその雰囲気を感じたのか。
さっきまでの喧騒が一気になくなった。
「ゼロ、これからどうするんだ」
と扇さんがゼロに訪ねる。
しかしゼロは質問に反応することはなく、うつむいたままだった。
そこへC.C.がやってきた。
「今回の作戦の失敗でこいつも思う事があるのだろう。指示は追々だすだろうから、それまで横須賀湾で潜伏だ」
と指示を出し、ゼロを連れて部屋に戻っていった。
正体を知る僕らも彼を訪れようとしたが、今は何をいっても聞く状態じなゃいとC.C.に言われて部屋を後にしたが、彼と話をする事はその後もなかった。


ゼロと連絡がとれなくなってから今日で2日目。
今日の夜には隠れていた横須賀を離れなければならない。
僕とカレンは未だにルルーシュを探していた。
カレンはゲットー、僕は租界を中心に手分けして探していたが見つからない。
思いつく場所を手当たりしだい探したのだが、どこにも見つからず
最後まで 行くかどうか迷っていた学園に足を延ばしてみる事にした。
幸い、修学旅行の期間だったので、学園には人の気配はなくクラブハウスには簡単に入ることができた。
しかしながら、人の気配がないのはルルーシュの部屋も同じで、部屋の中もがらんとしていた。

78:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:35:46 27FOVjJ8 BE:1052037465-2BP(0)
「ここでもないか…」
学園といっても、この部屋だけが彼の居場所ではない。
部屋を出てルルーシュがよく授業をサボったり考えごとをするときに行っていた屋上を探してみる事にした。
が、となりにあった部屋。
一年前にここで拾われてから住んでいた僕の部屋をつい覗いてみたくなったのだ。
「誰!」
部屋のドアノブに手をかけると 後ろから女性に声をかけられた。
一年前の感傷に浸っていたせいか、つい警戒をゆるめてしまったため、ライは声をかけられるまで気づかなかったのだ。

どうするか考えている間も、その足音は近くなる
相手は女性だが、殺気は感じられない。
しかし、ある程度までは完全に一般人のスピードで近づいていた彼女が、
瞬間移動したような速さで間合いを詰めてきた。
殺気を感じられなかったことだけで油断していた僕は
その瞬間移動に反応が遅れてしまい、体をくねらせ、両腕を顔の前でクロスさせる
もはや一般人の女性のような、なさけない防御の構えをとってしまった。
これが戦の時代に生きる自分だったら死んでいただろう。

そんな事を考えているライをお構いなしに、先ほど声をかけてきた女性は僕の両肩を捕まえ、その人と向き合わせた。
「やっぱり!ライじゃないの!!」

79:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:36:10 Jutq7zoZ
支援

80:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:36:23 jwmu984T
支援

81:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:36:41 27FOVjJ8 BE:1683259586-2BP(0)
「ここでもないか…」
学園といっても、この部屋だけが彼の居場所ではない。
部屋を出てルルーシュがよく授業をサボったり考えごとをするときに行っていた屋上を探してみる事にした。
が、となりにあった部屋。
一年前にここで拾われてから住んでいた僕の部屋をつい覗いてみたくなったのだ。
「誰!」
部屋のドアノブに手をかけると 後ろから女性に声をかけられた。
一年前の感傷に浸っていたせいか、つい警戒をゆるめてしまったため、ライは声をかけられるまで気づかなかったのだ。

どうするか考えている間も、その足音は近くなる
相手は女性だが、殺気は感じられない。
しかし、ある程度までは完全に一般人のスピードで近づいていた彼女が、
瞬間移動したような速さで間合いを詰めてきた。
殺気を感じられなかったことだけで油断していた僕は
その瞬間移動に反応が遅れてしまい、体をくねらせ、両腕を顔の前でクロスさせる
もはや一般人の女性のような、なさけない防御の構えをとってしまった。
これが戦の時代に生きる自分だったら死んでいただろう。

そんな事を考えているライをお構いなしに、先ほど声をかけてきた女性は僕の両肩を捕まえ、その人と向き合わせた。
「やっぱり!ライじゃないの!!」

82:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:37:49 Jutq7zoZ
支援 二重?

83:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:38:31 V+YMbyPp
支援

84:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:38:58 27FOVjJ8 BE:841629683-2BP(0)
なんと、そこにそこにあった顔は ルルーシュを監視しているはずの軍人でも、バトレーの手先でもなく、
一年前に僕をひろってくれたこの学園の理事長の孫ミレイ・アッシュフォードだった。
「えっと、どうも。お久しぶりです。」

みんな修学旅行でいないと思っていたので予想外のイレギュラーに戸惑い、自分でもなさけなくなるような挨拶をしてしまう。
「お久しぶりじゃないでしょ~。特区日本で死んぢゃったって報告うけてたんだから~。
なんで戻ってこなかったのよ?」
頭を僕の胸に押し付けながら発したその声は、とても細く、泣いているようだった
「すいません。巻き込まれた時に怪我しちゃって…それからは中華連邦で療養してたもので。」
「だとしても、手紙くらい送りなさいよ全く。みんなどれだけ悲しんだと思ってるの?」
「すいません」
事情はあったものの、みんなを心配させてしまったことには変わりはない。
申し訳ない気持ちで、ライはつい目をそらせてしまう。
「でも、もう帰ってくるんでしょう?みんな喜ぶわよ~」
すごく断りにくい笑顔を浮かべ、ミレイはライの肩に伸ばした腕を叩くように上下に振る。
先ほどのかよわい女の子はどこに行ったのだろうか…肩が痛い…。

「すいませんミレイさん記憶が戻ったんです。それで、全てにけりをつけるまでは戻れません。」
今まで肩を力強く掴んだり、叩いていた腕がだらりと力が抜けたようにおちる。

「そっか~穏やかな記憶じゃなかったのね。後悔してる?」
「………少しだけ。」

上の二重カキこすいませんでした。

85:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:39:13 Kl1tHv3z
まぁ結局何処に、投下したら良いんだ事だろ。
ぶっちゃけどっちでも良いから早く決めて欲しいって所じゃないか?

86:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:40:31 Jutq7zoZ
支援

87:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:40:48 27FOVjJ8 BE:280543542-2BP(0)
どう答えるか考えたが、正直に思った事を述べた。
ライにとって忌まわしく呪われた消し去りたいほどの過去。
思い出した事にも後悔はあるが、それ以上に、昔 行ってきた事を悔いているのだ。
腕をそっと下ろし、後ろをむいた彼女の顔をライは知るよしはなかった。
過去にしばられて今日を楽しめない、お見合いや結婚という未来が今を縛っていた彼女にとっては、似たようなものを見いだせたのだろう…
けれど、彼女は知っている。
知っているというより、当たり前だと思っている。
苦しいかもしれないが、過去を受け入れ未来に抗うのが人だという事を。

「あの、ミレイさん。ルルーシュいますか?」
「相変わらずよ、あいつは。修学旅行だっていうのに姿みせないし。何考えてるんだか…」
「そうですか。」
つい残念そうな声をだしてしまう。
「でも、リヴァルとシャーリーならいるわよっ!」
元気だしてと言わんばかりに肩を叩いてくるミレイさん。
二人に会いたくないワケではないが、ルルーシュとは会う目的が違う。
しかしながら、修学旅行と言っていたのに何故いるのだろうか。
「そういえば、どうして残ってるんですか?」
「旅行なんてものは誰と行くかなのよ。ちなみにあたしは留年しちゃって。」
と彼女は舌を噛んで笑って見せた。


88:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:42:51 Jutq7zoZ
支援

89:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:42:54 V+YMbyPp
支援

90:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:43:50 27FOVjJ8 BE:631222463-2BP(0)
「そうですか、みん…」
「ストーップ」
ライは、みんなによろしくと言い、帰ろうとしたのだが、ミレイさんに言葉を遮られた。
どうやらそうはいかないらしいが、当り前か…
ルルーシュを探しに帰ろうとしたのを止められてしまう。
「ライ、あなたルルーシュには会いたくて、リヴァルとシャーリーには会いたくないわけ?」
「いや、決してそういうわけじゃ……」
「なら、あなたが死んだって報告うけた時、みんなどれほど悲しんだと思ってるの?心配かけた罰として花火に参加しなさ~い。」
「はい…」
ここまで言われれば会長命令でなくても人として参加せざるを得ない。
現に、みんなに心配をかけた上に悲しませたのは事実だから。

彼女を前にして屋上に向かおうとした時
「あぁ、そうだ。」
と言って振り返ったミレイさんはとびきりの笑顔で『おかえり』と言ってくれた。

ミレイさんに連れられて屋上に着くとそこには花火の準備をしているリヴァルとシャーリーがいた。
「うそっ」
「おい、マジかよ」
リヴァルもシャーリーも目の前の状況を理解できないといった顔をしている。
それぞれ、驚きのほうが大きく再開の言葉などを考えるほどの余分な思考を持っていないのだ。
「みんな、久しぶり。」
「どお~、クラブハウスでこんな掘り出し物みつけちゃった~」
「ミレイさん。僕はモノ扱いですか?」
けれど、リヴァルとシャーリーはまだツッコミを入れられる状況にまで回復していない。

91:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:44:43 Jutq7zoZ
支援

92:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:46:46 27FOVjJ8 BE:1052037465-2BP(0)
「あの、二人ともごめん………今まで連絡」
「よかった…」
「あぁ…よかったよ生きててくれて。それだけで十分だ。」
リヴァルとシャーリーは目に涙を浮かべている。
それに感を受け、自分の視界がぼやけるのを感じた。
「みんな、心配掛けてごめん。」
自分でも驚いた事に、そう言おうとしたのだが、口が震えてうまく言葉を紡げなかった。

「さぁ、再会を記念して一足先に花火しちゃいましょ」
そう言ったミレイさんの目端もキラキラ光っていたように思えたのは気のせいだろうか。
でも今そんなことはどうでもいい。
偽りの記憶に汚されていても、ここでは僕の帰りを待ってくれてる人がいるのだ。


花火を開始してからまもなくルルーシュが現れた。
花火に気付き、体力の乏しい体で急いで階段を上ってきたのだろう。息がかなり上がっている。
「みんな、どうし………ライっ、何でここに。」
「ルルーシュ久しぶり。」
厳密には久しぶりではないが、ゼロではなくルルーシュとの再会は一年ぶりだ。
演技するわけでもなく、純粋に彼との再会を喜んだ台詞が口から自然と洩れた。
「あぁ久しぶりだな。」
ルルーシュも僕との再会を純粋に喜んでくれるように言った。
しばらくしてシャーリーの手にあった鶴の折り紙を見てそれを指摘する。
「シャーリー、それ………」

93:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:47:13 Jutq7zoZ
支援

94:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:47:37 jwmu984T
支援

95:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:48:34 EZC3ywfp
支援

96:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:49:49 27FOVjJ8 BE:1402716285-2BP(0)
「あぁ、これ? 願い事が叶うっていうからおってみたの。
誰に教わったか忘れちゃったんだけど、千羽おると願いがかなうんだって。」
皇帝のギアスによって汚された過去。その中にいるナナリーの折った鶴。
彼女のことは記憶から消えていても、同じ生徒会のメンバーとしての絆は消えてはいなかったのだ。
その証拠に彼女が願っていたやさしい世界がここにあり、折り紙という形で彼女の思いは伝わっていたのだ
「そうかシャーリーは何を願ったんだ?」
「もう叶ったよ。みんなと一緒に花火がしたいなって願ったの。」
「みんな?」
「ルルーシュにロロ、スザク君にニーナ、それとカレンも。
流石にライは死んじゃったから会えないと思ってたけど、
一羽折っただけでルルは来てくれるし、ライなんか生き返ってくれたんだから!!かなり効果あるみたいだよこれ。」
ルルーシュはうつむいていた。先ほど僕が感じた事と同じような事を感じているのだろう。
「泣いているのかい?ルルーシュ。」
「俺たちの友情に感動した?」
僕が聞くとリヴァルも続いてちゃかしだした。
「バカ泣いてなんか………」
と対するルルーシュは予想通り後ろを向いて素直じゃない反応をよこしてくれた。

97:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:51:09 V+YMbyPp
支援

98:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:51:46 Jutq7zoZ
支援

99:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:51:52 27FOVjJ8 BE:420815434-2BP(0)
―何だろうこの暖かい気持ちは…
どこか懐かしいような気がする。
ここで拾われた時の懐かしさじゃなく、もっと前の記憶… 

そうだ、まだギアスを手に入れる前…本当にまっさらで純粋な気持ちを持っていた僕が、
「母と妹を守りたい。」
と、兄上たちにいつも以上にいじめられ、帰っってから二人に励まされた時 幼い僕はそう思った。
ただ、それがどんなに無茶で無謀なことかも知らなかった上、
本当の意味で世界がどう仕様もないくらいに思いどおりにならないという事も解っていなかった。
だから、現実に打ちのめされた時、世界に絶望しギアスを手にいれ目的を達成するための手段なんてどうでもいいと思って行動した。

その結果は自らの力に飲み込まれ、その暖かくて心地よかった場所を失ってしまったけれど…
でも、今回はちがう。この場所は僕だけの場所ではない。
僕とともに呪われた力を持つルルーシュ、
呪われた力に振り回され悲劇を見てきたスザク、
そして何よりも大切にしたいと思える最愛の女性カレン
僕らの帰るべき場所、小さいけれど暖かくて誰にでもやさしい世界を僕は守りきりたい。
今度こそ 絶対に。

―――

100:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:54:12 V+YMbyPp
支援

101:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/18 23:54:22 Jutq7zoZ
支援

102:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/18 23:57:43 27FOVjJ8 BE:1683259968-2BP(0)
「みんな、実は記憶が戻ったんだ。」
みんなは一瞬、僕の記憶の回復を喜んだが、僕は構わず続けた。
「それで、昔の記憶の人たちの為にしなくちゃいけない事があって、今は学園に戻れない。」
僕の台詞の意味を汲み取ってくれたのだろう。残念がってはいるが決して声に出そうとはしない。
「だから、僕がすべてを終わらせてここに帰ってきたら、またこの屋上で花火を上げたいんだ。
もちろん、今ここにいないニーナやスザク。カレンにルルーシュのきょうだいも一緒に。」
そこまで言った後みんなは真剣な眼差しを僕に向ける。
「やはり、お前とは一年経っても気があうな。俺も、またみんなでやりたいと思ったところだ。」
「早く終わらせて帰ってきてね。どんな過去があったって、ここはライの家なんだから。」
「おれたち生徒会メンバーは、いつだってお前を歓迎するぜ~」
「気をつけてね。何かあったら遠慮なく相談しなさいよ。どんなことがあっても、私たちはあなたの味方だから。」

「ありがとう。みんな。」
今日は目端が緩いのだろうか、僕はまたもや視界がぼやけるのを感じてしまった。

つづく。

今晩は相変わらずの支援ありがとうございます。
投下 最近少ないですね。。。。
本編が終わってから時間がかなりたってるんで仕方ないとは思いますが・・・

皆さんが楽しみにしてくださるかわかりませんが、
今年中にゼロレクイエムあたりには進めたいと思っていますんで今後とも支援の方お願いします。

103:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/19 00:01:11 V+YMbyPp
>102
おつかれさまでした。
あの花火の光景の中にライが居たら。
そんなせつなくも温かな想像を描いていただけたことが嬉しいです。
ゼロレクイエムまで・・・悲劇は避けられないのかな?

続きを拝見できる日を楽しみに。ありがとうございました!

104:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/19 00:01:59 Jutq7zoZ
投下お疲れ様でした。重複分は削除済みです。
続きも勿論、首を長くしてお待ち致しております。

105:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/19 01:46:17 2lPqcclj
>>102
B.B.卿、GJでした!
温かく、しずくが目から零れそうな気持ちになりました。
生徒会メンバーのこの雰囲気、良いですね。
「きょうだい」がひらがななのも、結構きました。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!

106:快風
08/11/19 18:56:21 Sih9MXua
19:15より投下します。
10レス程度、専任騎士シリーズより続きを投下。
支援よろしくお願いします。

107:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/19 18:59:45 izM3OLh1
支援します

108:ちょっと時間繰上げてすみません。
08/11/19 19:08:55 Sih9MXua
一つの戦いが終わる。
その戦いで二人の男はそれぞれの名を胸に刻む。
ライ・アスプリウスと藤堂鏡志朗。
彼等の邂逅は偶然か、それとも必然なのか……。




出撃した艦載機を全て、多少トラブルもあったが、回収しアヴァロンは離脱する。
今回は此方の負けだな、と、ここまでのことを振り返りカノンは一人思う。

「父上だったらどうするだろうかな」

そう、誰かに向けたわけではないであろう言葉を発するは、ブリタニア第2皇子シュナイゼル。
戦場からの離脱への航行で、慌しささえあるブリッジの喧騒の中でも、
周囲に耳を傾けさせる力がその言葉にはあった。



109:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/19 19:10:49 izM3OLh1
支援

110:対峙3
08/11/19 19:12:05 Sih9MXua


「ふふ~、まぁ皇帝ちゃんだったらそのまま応戦しちゃうんじゃない?」

と、空気を読んだか読まずか、発言したのはロイド・アスプルンド。
そう言い放ちながらスキップしながらブリッジを出て行くあたり型破りな彼らしい。
その後を失礼しました、と謝罪しながら追っていくクルーミー女史の普段の苦労が偲ばれる。
いそいそと向かうのは恐らく格納庫。
拿捕した黒の騎士団のエース機を触りたくて仕方がないのだろう。
そんな彼の行動を思ったのか、殿下は笑っている。
珍しく作った笑顔ではない、本当に面白そうな顔で笑っている。
確かに殿下の趣味を考えれば、当然かと納得しながら思う。
シュナイゼルという人間は優秀でありながら変わった人物や物を尊び愛でる。
特派を作った事や、自分のような人間を主席副官に命じたことも。



111:対峙3
08/11/19 19:14:55 Sih9MXua

カノンは自分の性質についてよく理解している。
全うな軍人や上官であったら扱いに困るであろうし、理解もされないだろう。
実際に苦労もしてきた。
実力を認められ、シュナイゼル皇子と対面したときには思わず聞いてしまったほどだ。
”何故自分を”と。
そのときに彼の趣味とも言える人材収集家の一面を知り、ある種のあきれを覚えたのは
カノンだけが秘める秘密だ。
もっともロイドという存在を知ったときには、”上には上がいるか”などとも思ったが。
何せ、今も偉大なる皇帝陛下を”皇帝ちゃん”などと呼ぶような命知らずは彼以外いないだろう。
任官されてからも収集癖は変わらず、最近では騎士までも大抜擢したのだ。
ライ・アスプリウス。
出自の知れない特派出身のパイロット。



112:対峙3
08/11/19 19:17:48 Sih9MXua

その若さに似合わず卓越した操縦技能、戦術眼を誇る逸材。
これほどの人物が在野に埋もれていたのが信じられないほどだ。
記憶喪失とのことだが、記憶を失う前は何をしていたのやら。
だが、不思議と彼に対する負の感情を抱く事はない。
人柄もよく、誰に対しても物腰が丁寧である好青年、それが彼の評価。
周囲にそう思わせるその辺りが彼の恐ろしさであろう。
気付けば誰しもが彼を慕い、手を貸しているのが証拠であろう。
この1年で大分風当たりも弱くなり、周囲に認めさせたのだ。
シュナイゼルも、カノンも当初より認めたとはいえ、やはり反響は大きかった。
次期皇帝最右翼のシュナイゼルだからこそ、その騎士をと望むものは多い。
ある種ラウンズに匹敵する権限を持つことが約束されているのだ、当然であろう。
そんな敵だらけの中で彼は未だ立ち続け、その力を示しているのは並大抵のことではない。
政治も武力も、申し分ない力を持つ騎士。
彼の存在はそれまでのシュナイゼルにとって大きな力となるのだ。



113:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/19 19:19:27 iES4J5Yr
ennsi


114:対峙3
08/11/19 19:20:14 Sih9MXua
これまではシュナイゼルにとって武力と言う面で些か不足していた。
主としてエースという存在だ。
だが、そんな中新たに現れた少年。
彼はその力を思う存分見せつけたのだ。
常に戦闘の最前線で剣を振るい、常に勝利してきた。
だからこそ、今回の戦いで機体を損傷し帰還して来たのは周囲を驚かせた。
今までも損傷しなかったわけではないが、一人の敵を相手にしこうなったことは初だ。
1対1ならばラウンズとも互角で渡り合えるであろうライが機体を損ねる。
その様なことがあることが驚きだった。
ましてや黒の騎士団はエースを失い弱体化しているはずだった。
一人で戦局を変えられる、などと夢物語な事は考えないが、現実に戦闘の柱たる存在の損失。
それにより士気を下げることはできたであろう、だが、事態は簡単に終わることはなかった。
”奇跡の藤堂”並びに黎 星刻、3機の隊長機、そしてゼロ。
彼等の存在を軽視したわけではない、だが、ここまでひっくり返されるとは思わなかった。
今後の戦力計算の変更を考えねばなるまい。
そう思案していると。

「ゼロ、か。彼とはまた対戦したいものだよ。
 そう、今回で少し何かを掴めたからね。あとは……」

シュナイゼルはシュナイゼルで思うところ、当然ながらゼロについて思いをめぐらしている。
前々から御執心なところがあるようだし、何かを感じているようでもある。
もっとも主たるシュナイゼルがその口から発せられるまでは尋ねまい。
思案の時間を終え、カノンは動く。
仕事は山ほどあるのだから。


115:対峙3
08/11/19 19:25:04 Sih9MXua

藤堂は自らの乗機たる斬月を見上げていた。
現在ラクシャータ主導の下、急ピッチで修復されているのだ。

「まったく、こんなに怪我させてきちゃって、うちの子を…。
 ま、いいデータが取れたから許すけど…」

そう、口では言いながらも、ラクシャータの作業への熱意が篭っていた。
しかし、彼が見上げているのは機体ではなく、刃を交えた相手のこと。
ライ・アスプリウス、シュナイゼルの騎士、青き死神。
彼を呼称する呼び名を連ね、思い返す。
命を賭けた戦いの中で、彼は高揚していた、戦いを楽しんでいたのだ。
昨年のブラックリベリオンの際にも、コーネリアの騎士、ギルフォードとも戦った。
彼との戦いも藤堂を熱くさせた。
だが、今回はそれ以上のものだった。
機体性能はほぼ互角、パイロットの技量も然り。
実力の拮抗した者同士の戦いは藤堂の心を刺激した。


116:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/19 19:25:22 msKC+kU5
支援

117:対峙3
08/11/19 19:27:33 Sih9MXua

思えば8年前のブリタニアの侵攻では、満足良く戦いは出来ずに終戦。
日本解放戦線では思うように動けずに歯痒い思いを。
黒の騎士団でハード面でもソフト面でも充実し、力を振るえていた。
だが、ここまで熱くなった事はない。
日本解放を目指し、それ以外を見ずにここまでやってきた藤堂だった。
だが、出逢ってしまった、自らの力を示せる相手に。
武人としての自分を満たす好敵手に。
これからも日本解放への道の前に立ち塞がるであろう障害。
これまでの自分であれば邪魔なだけであっただろう存在を喜ぶ自分がいる。
結局自分は将である前に武人であったのだ。
だが、一つの道がまた出来たのだ。
日本解放という譲れない願いを叶えることも、彼を倒すという願いも同じなのだ。
その事実に気付き、藤堂は笑う。
ここ8年の闘志を向けるべきはブリタニアであった。
そのとてつもなく広い対象が、この時だけ一つに絞られたのだ。
ライ・アスプリウスへと……。



118:対峙3
08/11/19 19:30:11 Sih9MXua

ブリタニア本国、ペンドラゴン。

無事帰国したシュナイゼルたちは、帰還早々休むまもなく事後処理を行った。
黒の騎士団と主流派へと成り代わったクーデター組の結託。
それは中華という国を大きく変化させるであろう。
だからこそ、大きくなる前に手を打たねばならない。
武官は1日の休息を与えられたため、ライは思いきり休息を取り、
翌日にはシュナイゼルの執務室へと向かった。
如何に命令とはいえ、騎士がたる自分が休み、シュナイゼルが働いているのだ、
申し訳ない思いで一杯だった。
それに自分同様文官筆頭たるカノンも、何故か強制的に休まされたのだ。
妙なものを感じつつも、ライは急ぐ。
そして、その予感は的中する。


119:対峙3
08/11/19 19:32:50 Sih9MXua

「ライ、カノン。君たちには軍を率いて中華連邦を包囲してもらいたい」

その言葉に、僕はだからなのか、と確信した。
だからこそ、休ませたのだ、彼は。

「…纏まる前に、戦力を削るため、というわけですか」

と、僕はシュナイゼル殿下の言葉を確かめつつ、意味を問う。

「なるほど、旧主流派、大宦官派とも言える勢力は好意的ではないでしょうしね、
 その不和を突いて領土を、ということですか」

と、カノンさんが続く。

「そういうことだ、基本は軍を外に構え、此方からは手は出さないつもりだがね。
 その脅しだけで充分だろうし、これから上位皇族による会議があるから、
 そこで話して許可を取るから、準備を頼むよ」

「「イエス・ユアハイネス」」

礼をしつつ、これからの任務の大変さを思いながら、決意を新たにするのだった。


(投下終了)




120:快風
08/11/19 19:34:06 Sih9MXua
中華連邦編ラストです。
とは言っても、まだまだ中華との関わりが切れませんが…。
なんだか今回は1人称のような語りが多くなってしまいました…。
とりあえず、今回の話は、中華ラストから次回以降の導入部となります。
出来る限り次回も早く更新したいものです。
感想ご意見お待ちしております。


121:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/19 20:08:15 6BdPHQoC
乙でした。
藤堂とライバル関係になるとは他ではない設定ですね。これは富士決戦の伏線かな?
一つ疑問なのは騎士であるライは良いとして、文官のカノンが部隊を率いるの問題が
あるんじゃないですかね?まあ直接戦闘がないから問題ないとは思いますがでもシュナイゼルの
騎士と文官筆頭の両方一度に離れるのも問題がある気がするのでどっちかだけでもいい気がします。
指揮系統の問題もあるでしょうから。ライを全般指揮にしてその下将軍クラスを付けるのが
違和感がなきがします。では次回の投下を楽しみにしています。

122:保管者トーマス ◆HERMA.XREY
08/11/19 20:44:59 lARTqJiZ
遅くなりました、色々整理してました。

この度はまたしても私の先走りによりスレに多大な迷惑を掛けてしまった事を先ずはお詫び申し上げます。
某所で移転の話が進んでいた際に、丁度31スレ目が容量限界を迎えていたので「じゃあ移転の話が持ち上がってることをテンプレに足そうか」
ということであのような形をとったのですが…もっと時間を置くべきでした。本当にすいません。
(一応言い訳でもないのですが…移転の話には私はノータッチでした)
以前と同じような失敗をしてしまい、進歩がないと罵られても何も言えない現状です。今は…今後気を付けるとしか言いようが無いです。

拙い文章ですいません。今はこれが精一杯の回答です。

123:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/19 21:27:54 2lPqcclj
>>120
快風卿、GJでした!
藤堂さんの心情とライバル描写が素晴らしかったです!
中華連邦編ラスト、次に騎士団と合間見えた時のバトルに期待です!
上で言われている事ですが、カノンは文官ですし
軍を率いるよりも後方での諜報活動等を行う方が
違和感が無いかな、と思いました。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!

124:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/19 21:38:19 EsYz9tAE
おつかれさまです。
今回はインターミッションのような部分でしょうか。
もう少し心情の部分でも動きがあったら面白いのになあと思ったり。
シュナイゼルの副官という他ではない部分、どう生きてくるのか興味深いです。
次回を拝見できるのを楽しみにお待ちしています。

>>122
スレッドテンプレの変更(原案)をしたのがトーマスさんであることは
ここではどこにも明らかになっていない件ですし
議論用に避難所も用意されているのですから、そちらで発言された方がいいのでは。

125:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 07:52:55 urExxCgC
a

126:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:00:08 X7TjOudS
10分頃に投下しても大丈夫でしょうか?
前書き・本文・後書き合わせての16レスです

127:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:01:34 Iid40VXW
>>122
あなたもう管理人やめてくれませんか?
何回も同じミスを繰り返す、どうせ反省も口だけでしょ?
今ある保管庫も閉鎖されることを強く望みます。でなければもうここには来ません

128:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:03:23 8k38Uiet
支援

>>127
ちょっと言いすぎでは?

129:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:11:51 X7TjOudS
ありがとうございます。支援してくれる方に感謝を
後、お久しぶりです。間を空けてしまって申し訳ない…
スランプと風邪と私用の3連撃は手強いと思い知らされた今日この頃
えーっと…く、口を挟めそうに無いのでとりあえず黙ってます…

タイトル:コードギアス 反逆のルルーシュR2 RADIANT WORLD
カップリング:特になし
ジャンル:シリアス・長編
備考:ギアス篇&黒の騎士団篇の合いの子ルートのギアス篇ENDからスタートしています
    R2の豪快なifルート&オリジナルKMFが登場します
    苦手な方には本当に申し訳ないです
    今回は話数にすると第8.5話。マルチスポットな話

130:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:12:20 8k38Uiet
支援

131:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:13:20 soNmeIzE
>>127
ここはあなた『だけ』のスレでは無いと思いますが?
少々身勝手な発言に感じられました。

仕事行くのでこれが最後の支援

132:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:15:32 X7TjOudS
INTERLUDE

【扇要の苦悩】
戦いのステージが世界へと広がっていこうとしている中、扇には気になる事があった。
それは彼と共に戦っていた青年、紅月ナオトの願いだった。
ナオトという青年が目指していた未来。その未来を目指す術をゼロに託した自分達。
そのゼロはブラック・リベリオンの時、自分達を裏切り見捨てた。
だが、彼以上に今の状況下でブリタニアに対抗出来る人物はいない。現実に横たわる事実は非情だ。
そうして帰ってきた彼は自分達を救出し、特区日本の折には自分達に道を選べと告げた。
覚悟の上で進んできた道、日本の独立という悲願。
ナオトという青年が目指したモノはなんだったのか、終ぞ聞けずじまいで彼は姿を消した。
亡くなったのかどうかもわからない彼なら特区日本から独立を目指したのだろうか。
扇の中のナオトは答えてくれない。そう、これは彼の意思で選んだ道でしかない。
それに彼には守らねばならない人間がいる。ナオトの妹であるカレンもその一人だ。
自分もナオトも反対だったテロに参加させてしまい、今や黒の騎士団のエース。
だが、戦わせ続けていいのだろうかと彼は今も悩んでいた。
戦いは世界へと広がっていく。そうなれば彼女の母親から遠ざかってしまう。
彼女とナオトが戦う理由、その一つが母親なのは扇にはわかっている。
二人が守りたかった者から遠ざけて、戦場へと進ませるしかない自分。
無理矢理にでも止めさせる出来る。しかし、自分だけが特別ではない。

133:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:16:51 8k38Uiet
支援

134:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:18:15 X7TjOudS
黒の騎士団に参加している人物の中にだってそういう人間がいるかもしれない。
想いと義務と責任の中で揺れ動く決心。それはカレンも同じなのだろうか。
彼は目の前でKMF隊のトレーニングに参加している彼女に視線を向けてみる。
別のメニューをしているのか、かなり汗をかいており息も上がっている。
「疲れているのはわかるけど先に汗を拭いた方がいい。風邪を引くぞ」
「あ……ありがと……」
後ろから彼女に声をかけながらタオルを投げかけた少年に扇は視線を移してみる。
少し暗めの銀色の髪にブリタニア然とした風貌の少年、ライも同じメニューをしていたのだろう。
しかし、彼は乱れていた呼吸を数度で整えてそのままトレーニングを再開していった。
「精が出てるな。でも、無茶はするなよ」
「扇さん……わかってますよ……それ位……」
ライの殺人メニューに流石のカレンも呼吸が戻りきらないらしく、まだ息も絶え絶えな様子だ。
その彼女の目線の先にはライがいる。100Mダッシュをしているのだが、扇が見始めてから既に二十本を越えている。
「ライも凄いな、まだ続ける気なのか?」
「そうみたい。本格的に一度やっておきたいって言ってたから」
ようやく呼吸が整ったのか、カレンは膝に手を預けた状態から背筋を伸ばす。
タオルで汗を拭き取りながらも視線はライに向けたまま。その表情を見て扇には何を思っているのかが読めた。
「悔しくて嫉妬するのはいいけど、無理に張り合おうとするなよ。カレンはカレンらしくやればいい」
「それ、ライにも言われた。後、嫉妬とかしてないっ」

135:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:19:01 8k38Uiet
支援

136:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:21:12 X7TjOudS
素っ気無く言いながらも彼女が頬を少し膨らませたのを扇は見逃さなかった。
蓬莱島に来てから主要メンバーにだけ明かされた事実、ライが日本人とブリタニア人とのハーフだという事。
扇はカレンが対抗心を燃やしているのを同じハーフだからなのかと考えてみた。
いや、同じハーフならそこまで意地にはならないだろう。となれば同じエースだからかとシフトする。
今はKMF隊の総隊長。つまり藤堂の一つ下になるが以前は総司令補佐だ。
そしてカレンのパートナー。つまり、もう一人のエースだからかとようやく見当がついた。
そのカレンはライのメニュー表を確認してから深呼吸をしてトレーニングを再開していく。
反対にライはインターバルに入っており動きを止めて呼吸を整えはじめている。
扇は休んでいる彼を呼んで頼み事をしてみる事にした。
「ライ、少しいいか?」
「少しなら問題ないですけど、どうかしたんですか?」
先程までダッシュしていた人間とは思えない整った呼吸をしながら近づいてくる彼に扇は思わず驚いてしまった。
汗もカレンと比べれば雲泥の差であり、ライを実は人間ではないのではないかと疑ってしまう。
「……失礼な事を考えていませんか?」
「あ、いや、スマン……実は頼みたい事があるんだが」
「頼みたい事ですか? 黒の騎士団についてなら僕より―――」
「そういう事じゃないんだ。あ、いや、そういう事だな」
扇の少々要領がはっきりとしない返答にライも思わず頭に疑問符が浮かぶ。
彼なりに思い当たる所を考えたのだが、ピンと来るものが浮かばず扇の言葉を待つ事になる。
扇も少し悩んだのだが他に頼める人物が浮かばず、結局話を続ける事にした。

137:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:22:11 8k38Uiet
支援

138:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:24:12 X7TjOudS
「実はカレンの事なんだが」
「カレンの事ですか。ん? カレン、腕が下がってるぞ」
「言われ……なくても……わ……わかってるわよっ」
程よい匙加減でカレンに注意をするライを見て、扇は頼むに値する事を確信した。
彼女を見る目が優しく見えるのは、気のせいではないと。
「それでカレンがどうかしたんですか?」
「ああ。出来る限りでいいんだが、カレンを守ってやってくれないか?」
いい返事を期待できると扇なりに思っていたのだが、ライは頭を横に振ってノーという答えを示す。
その答えに扇が疑問が抱くのも至極当然だろうと思い、彼は即座に理由を告げる。
「僕や扇さんは団員達やここにいる人達全員を守らないといけない。その中でカレンだけを特別扱いするのは駄目でしょう?」
「そ、そうだな……そうだよな……」
「それに僕は日本に戻る事になりますから、そういう守りきれない約束は出来ないですよ」
組織の上に立つ人間ならではの考え方、それは扇も重々理解している。だからこそ頼みたかった。
戦場の矢面に立つ以上、死の可能性が一番高いカレンは扇にしてみれば一番守ってやれない位置だ。
だからこそ横に立つライならと思ったのだが、世の中そう上手くはいかない。
「ただ、本当に出来る限りでいいなら努力はしますけど」
「それでも構わない。すまないな、無理を言って……」
「それ位ならいいですよ。それにしても扇さんってカレンの父親みたいですね、何かと心配していますし」
「親友の妹だからな。預かっている手前、大事にしたくもなるさ」

139:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:25:58 8k38Uiet
支援

140:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:25:59 42dmyAcm
支援

141:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:27:25 X7TjOudS
そのままナオトの思い出話に移ってしまい小話を続けている間にカレンはダッシュを終えていた。
未だにライは扇と談笑中、つまりトレーニングは中断したままだ。
そこで彼女はここぞとばかりにトレーニングを続けてライに勝とうと目論む。
その行動をライが一瞥だけしたのを見て扇は思わず空を仰いだ。
男女の仲とまでは言わないが、ある程度カレンを理解しているライの行動に扇は一年前を思い出してしまう。
自分にもそうやって理解したかった女性がいた事を。
「千草……」
「チグサ?」
扇が聞き慣れない名前を囁いてから黄昏はじめたのだが、ライはその行動に困惑するしか出来ない。
結局、扇を少し慰めてから放置する事にしてライはトレーニングを再開した。

【ラクシャータの憂鬱】
「んだよ! もう終わりかよ!」
「玉城、しっかりしてくれ……」
シミュレータからぶつくさと文句を言いながら玉城を尻目に、ライはパイロット評価表にメモ書きしている。
KMF隊はトレーニングを終えた後、ラクシャータからの提案でパイロットのパーソナルデータの作成をしていた。
団員達に増減があり再編成も兼ねてだったのだが、彼女にはもう一つの目的がある。
それはライだ。月下の騎乗ログ、そして青月での二度の戦闘。控えめにしていても技術者の目は誤魔化せない。
青い月下に残っていた騎乗ログとの酷似。その月下や青月をそつなく操作する少年。
(ホント、なんなのかしらね。あの子)

142:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:28:35 8k38Uiet
支援
すまんそろそろ離脱しなきゃならん。誰か援護を!

143:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:29:11 42dmyAcm
支援

144:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:29:43 42dmyAcm
支援

145:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:30:25 X7TjOudS
デスクに腰を下ろしてキセルをクルクル回しながらデータを打ち込みつつも、ライの動きを観察を止めない。
KMF隊とは別メニューでハードなトレーニングをしていたのに疲れは見せていない。
一方で同じメニューをしていたカレンはと言えば、彼女の横の椅子でグッタリしている。
男女という差はあるものの、あまりに雲泥の差がある二人の状態。それはパーソナルデータも同じだった。
「お疲れ様です。木下さんは動きがいいですね、このままで大丈夫だと思います」
シミュレータと評価表を交互に見ながら、ライはテストしているパイロットに一人一人声をかけ続けている。
(マメな子ね。オマケに―――)
更新されていくパーソナルデータとは別にライのパーソナルデータを表示させて彼女は思案を巡らせた。
経歴に謎は多いが能力は秀でている。当初、ブリタニア人だと思われていたがハーフである事。
しかも血液検査で皇族のハーフの可能性ありと出たのだが彼女は誰にも明かさず黙っていた。
この情報を秘匿するかどうかより彼女の興味はライの身体能力に向いている。
例えば瞬発力は人間の限界を超えている点、これは騎士団の強敵であるランスロットにも迫る程だ。
機体捌きの仕方が機械の様な正確性にも着眼したい、ミリ単位まで誤差が無いのは驚異である。
さらにエナジーフィラーの過剰消費している原因であるライの操作にも興味が止まらなかった。
細かい機動を繰り返す為に驚異的な動きをしているが、お陰でエナジーを馬鹿みたいに消費している。
(神虎に乗せたら面白いデータが取れそうね。それに―――)
ふと、仏頂面でライを眺めているカレンに彼女は視線を向けた。
不機嫌とまでは言わないが、些か不満そうな表情だ。
「ライ、私はシミュレータはしなくていいの?」
「いいんじゃないか? 気になるならラクシャータに聞いてくれ。次は……」

146:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:32:02 8k38Uiet
最後の支援
>>142
すまないなかせた!

147:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:32:48 42dmyAcm
支援

148:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:32:55 QabS/y5T
支援

149:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:33:18 42dmyAcm
支援

150:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:33:25 X7TjOudS
評価表から目は離さず返事をするライにカレンは少々不服そうにしている。
それを見てラクシャータはからかいも兼ねて話しかけた。
「残念だったわね。まぁボウヤだけが男じゃないんだし、振られても諦めちゃ駄目よ?」
「なっ!? ち、違いますよ! そんなんじゃありません!」
「冗談よ。カレンちゃんがゼロに夢中なのはわかってるつもりよ?」
「ラクシャータさん!」
騎士団のエースの年頃な女の子の反応にラクシャータは思わず笑ってしまう。
とはいえ、ゼロに夢中なカレンしか知らないラクシャータにしてみれば意外な反応だった。
興味の方向は同じKMFのエースとしてだろうとは考えられたが。
(若いわねぇ。でも、良い傾向が続くなら別にいいんだけど)
カレンと話をしながら彼女は紅蓮の騎乗ログを開く。
ライと合流してからの紅蓮の動きのキレが更に増したのにも彼女は興味があった。
いい刺激になってはいるのだが、肝心のライは満遍なく団員達と接している。
強いてあげるならゼロとC.C.が思い浮かんだが、その辺りの事情を知らない彼女にしてみれば興味が無かった。
しかし、彼女的にはカレンだけに絞って貰いたい所もある。その彼女に妙案が閃いた。
「カレンちゃんにもシミュレータをして貰いたいんだけど、仮想の敵じゃ意味がないのよね……」
「藤堂さん達じゃ駄目なんですか?」
「なんか忙しいみたいなのよね…でも、カレンちゃんにはして貰いたいし……」
「そうなんですか……どうしましょう?」
「後はボウヤがいるんだけど、でもボウ―――」
「別にライでもいいですよ?」

151:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:35:42 42dmyAcm
支援

152:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:36:26 42dmyAcm
支援

153:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:36:48 X7TjOudS
少々嫌な笑いをカレンが浮かべているがラクシャータは釣れたと喜んだ。
カレンの技術向上とライの真贋。技術者の性には逆らえないラクシャータの一石二鳥の企みはこうして成功してしまう。
そうこうしている間にライも評価表の作成を終えたのか、ファイルを閉じていた。
「これで大丈夫だ。KMFの細かい調整はそっ……二人共どうしたんだ?」
「ボウヤの明日の予定は?」
「特にはないな、それがどうかしたのか?」
「暇なら予定は決まりね。明日は私と勝負よ」
「はぁ?」
「明日はシミュレータで模擬戦をしてもらうわ、二人でね」
「……新手の冗談か?」
「冗談なわけないでしょ。それにこの際色々とハッキリさせましょ」
「そうね、それもいいんじゃない?」
「なんの話だ……」
ラクシャータは細かい話は明日するとだけ言い残して、二人を置いて自室に戻る事にした。
残った二人はあれやこれやと言い合いをしているのだが、彼女の興味は既に明日にしかない。
部屋に戻りシミュレータの調整と評価項目をまとめていたのだが思わぬ来客があった。
「彼についてわかった事は?」
「そこに置いてあるファイルにまとめてあるわよ」
ディートハルトはライが蓬莱島に来てからどうにも気になったらしい。
彼女が血液検査をすると知った時にはデータが欲しいと申し出た程だ。
「まさか彼が皇族とのハーフとは……危険な存在になりかねませんね、これは」
「あくまで可能性があるってだけよ。サンプル一つじゃ断言は出来ないから鵜呑みにはしないで」

154:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:37:18 42dmyAcm
支援

155:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:37:22 2MXzInFo
支援

156:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:39:17 X7TjOudS
ディートハルトは情報を開示したのかを聞いてきたのだが、彼女なりに思う所もあり質問されない限り黙っている。
それを伝えた時、ある種の予感めいたものをラクシャータは感じた。
「あの子を消すつもり?」
「必要とあらばそうするつもりです。確かに彼も素晴らしい存在ですがゼロという華を咲かせるのを阻害されては困ります」
「あんたもそうだけどホントにゼロばっかりね」
「当然でしょう、ゼロは素晴らしき存在なのですから」
受け取ったファイルを読みながらディートハルトは彼女の部屋を後にしていく。
明日の準備を進めながら彼女は一抹の不安を感じた、ライを失うという可能性について。
しかし、それは科学者として不安であるという事に彼女は自嘲してしまう。
(科学者は人として壊れている。自分は違うとは思っていたんだけどねぇ)
キセルを吹かしながら窓の外に視線を向けて彼女は何を思うのだろうか。
彼女の目の前では煙がゆらゆらと揺れているだけだった。

【乙女心?】
時刻はまだ朝の六時を過ぎた辺り、軍人気質な仙波は既に起床しており食堂でお茶を飲んでいた。
そこにライと卜部も現れ三人で談笑をしている。
「大尉は元気ですな、昨日はあれだけ訓練したというのに」
「早起きは三文の徳、常に心掛けておる」
「サンモン?」
ライが不思議そうな顔をしているのを見て、三人の話題は日本の諺等の話にシフトしていく。
四聖剣にもハーフである事は知らされており、卜部や仙波は益々ライを気に入っていた。

157:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:41:12 2MXzInFo
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158:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:42:11 X7TjOudS
蓬莱島でハーフである事を知らない人間からは風貌の所為もありライはそこそこ疎まれたりもしている。
会話をする団員達でもそれなりに嫌っている人間もいる、根付いてしまった反ブリタニア感情は彼にはまだ厳しかった。
カレンも同じハーフだが初期からの団員でありエースである事等からそういう事はない。
似たような境遇でも違いがあり不憫といえば不憫だが、ライは仕方がないと受け入れている様子だ。
それに聞かれればブリタニア育ちだと公言して取り繕う事をあまりしていない。
当然の結果といえばそれまでだが、卜部はそれでも騎士団に尽力してくれている事を知っている。
仙波にしてみても時代に振り回されている事を不憫に思っていた。
「とは言え、いよいよ総隊長殿に跡継ぎを任せる日も近いですな」
「何をおっしゃっているんですか、大尉はまだ必要です。そう弱気にならんで下さい」
「そうですよ。それに僕やみんなにも仙波さんはまだまだ必要です」
「はっはっはっ、これは手厳しいな。しかし、これで老骨に鞭打つ甲斐が出てきましたな」
話も色々と盛り上がり時刻は七時になろうかと言う辺りで、二人は訓練をする為に食堂を後にした。
その二人を見送った後、ライは湯呑みを見つめて何かを考え込んでいる。
そこに自主訓練を終えた朝比奈と千葉が朝食を食べに来た。
なにやら神妙な面持ちをしていた筈なのだが、二人を見つけた彼の表情はいつもと同じだった。
「茶を好むとは変わっているな。あちらでは紅茶やコーヒーが主流なのだろう?」
「そうですね。でも日本茶も美味しいですから、つい」
「へえ。育ちが違ってもそういうのはわかるんだね」
和やかなムードなまま談笑の二回戦がはじまり、話題はKMFへと移っていく。
黒の騎士団の新しい主力機になるKMF【暁】についてだった。

159:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:42:53 2MXzInFo
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160:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:45:16 X7TjOudS
「暁についての評価を読ませてもらったのだが、実に的確でわかりやすかったぞ」
「要所も丁寧にまとめてあったしね。案外、技術職の方が向いてるんじゃない?」
「そうですか?」
斬月や青月は暁の流れを汲んだKMFでもあり、その事からライは月下との違い等を逐次まとめていた。
先の評価表を作成する際にも誰を暁に騎乗させるかのプランも織り込まれてある。
とは言え、ライも暁に関してはカタログスペックでしか知らない点が多いと注釈もしてあった。
それもあり二人は疑問点について質問していたのだが。
「やっと見つけた。ライ、今日の約束を忘れたの?」
「ん? ああ、もうそんな時間だったのか」
「ほう。デートの約束かい? 二人とも隅に置けないね」
「ち・が・い・ま・す・! 朝比奈さんまでラクシャータさんみたいな事言わないで下さい」
朝比奈のからかいもそこそこにカレンはライの肩を掴んで急かしている。
まるでおねだりする妹とせがまれる兄の様な図に二人は少し笑ってしまう。
「わかったから揺すらないでくれ。それより服装の乱れが少し酷いぞ」
「えっ、どこ?」
「上着のボタンだ、掛け違えている」
「ホントね……っと」
「まるで目の離せない子供みたいだな」
「もう、からかわないでよ!」
会話しながら食堂を後にしていく二人を眺めながら千葉は少々思い耽っている。
それを見た朝比奈は間髪を容れず彼女を口撃した。

161:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:46:22 2MXzInFo
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162:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:47:14 42dmyAcm
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163:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:48:03 42dmyAcm
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164:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:48:58 X7TjOudS
「千葉も紅月みたいに藤堂さんへ積極的にいってみたら?」
「なっ!? べ、別に紅月を羨ましくなど思っていないぞ!」
「俺はそんな事言ってないけど?」
「朝比奈っ!」
千葉凪沙。武人としては一流でも心は未だに乙女であった。
「でも色恋には遠いよね、あの二人の関係って」
「そうだな、あれでは兄妹にしか見えん」
お茶に醤油を入れて飲む朝比奈に呆れながらも千葉は嫌な予感を感じてしまう。
それは虫の知らせなのだろうか。

【頂上決戦】
「見事な動きだ。無駄も少ない上に相手をよく見ている」
「この結果も当然の帰結ってわけ?」
「ああ。紅月の動きも良いが相手との相性もあるだろう、あれでは勝てん」
シミュレータ終了の合図音と共に外部モニターが表示した結果はカレンの勝利、総合結果は二勝六敗。
「また手を抜いたでしょ!」
「悪かった、謝るから怒らないでくれ」
ライがシミュレータの上で両手を挙げて降参の合図をしているのだが、カレンの怒りは収まらない様子だ。
藤堂は先程からの対戦のログから斬月の運用法を煮詰めている。
専用機という事もあり完全にパーソナライズされてはいるが怠って良いことでもない。
それもあってライとラクシャータに聞きに来たのだが、当の本人達はシミュレータの相手に忙しかった。

165:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:51:35 2MXzInFo
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166:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:52:15 X7TjOudS
「まさか可翔式をここまで翻弄するなんてね、ちょっと悔しいわ」
「いや、あれは決闘用の動きだ。戦略的に見ればあの動きでは駄目だろう」
ライが敗北した二戦は動きが控え目だった。ラクシャータから聞いていたエナジーの過剰消費の問題点。
それを彼なりに対処しようとした結果、スピードとマニューバに付け入る隙が出来てしまっていた。
戦っていたカレンもその違和感に気付いており不満が色々と溜まっている。
「大体、君は輻射波動に頼りすぎだ」
「決め手なんだから当然じゃない」
「だったら相手にそれを読ませるな、もっと間に動きを挟んで意図を隠すべきだ」
「それを読めるのは貴方位でしょ……」
模擬戦中にライは一度も紅蓮の右手に一度も捕まらなかった、つまり掴もうとしたのが読まれていたという事だ。
砲弾を撃つ時もミサイルでかく乱しても意図が読まれて直撃は一度も無かった。
カレンが二勝を決めたのは左手のグレネードと小型ナイフ。つまり今回に関しては輻射波動は役に立っていない。
逆にライはバリエーション豊富で、輻射波動を含め使っていない兵装は無しだ。
時には廻転刃刀とスラッシュハーケンと左腕部の輻射波動のコンビネーションまで使っている。
「ランスロットもあれ位はしてくる。でも、カレンの左の使い方には驚かされたよ」
「褒めてもらってもこの結果じゃ納得がいかないわ」
「相性の問題もある、それに一対一と限定されているからこうなっただけだ」
「実戦なら結果は違うとでも言いたいの?」
「仲間もいるだろうし敵も他にいるだろうからね。だけどカレンの動きが荒いのも事実だ」
カレンやスザクの様に直感とセンス、そして機体性能に存分に発揮するパイロットとKMFは脅威である。
しかし、先読みと戦術眼と共に行なわれる理詰めの戦い方の前では少々脆い。

167:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:53:36 42dmyAcm
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168:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:55:08 42dmyAcm
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169:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:55:53 X7TjOudS
勿論それを並行して行なう事を可能にするライの身体能力と青月の性能があればこその今回の結果だ。
「紅蓮の性能でカバー出来ているけど、もっと小手先の技を使う事を考えた方がいいんじゃないか?」
「空中戦で地上戦みたいにしろ、を簡単に言わないでよ……」
「今まで出来ていたんだから出来るだろう?」
「もう、他人事だと思って……それより、戦ってて思ったんだけどライの攻撃も見境無いわよね。色々と」
「……カレンに言われると釈然としないのはなぜだ?」
「どういう意味よ、それ」
「君はフェイントをかけたらすぐに突っ込んでくるじゃないか。あれじゃ闘牛場の牛と同じだよ」
「私が見境無しに猪突猛進してるみたいな言い方しないでよ!」
カレンの紅蓮の動かし方を真面目に討論しているだろうが、ライの言い方はどうにも直球だけだ。
二人の喧騒を傍目に藤堂はライがそこまでカレンの動きを観察していた事に驚いていた。
ライが手加減をしてはいないのはKMFの動きで読めていたのだが、相手を冷静に分析しながらとでは話が違う。
言うは簡単だが実力が切迫している相手にそれを行なうのは至難だ。
「見識も見事だな、外側から見ている我々よりも的確な部分の指摘もある」
「でも言い方がちょっとね。カレンちゃん相手にあれじゃ怒るでしょ」
「確かに……彼はどうにもちぐはぐだな」
勝手知ったる仲と言えば聞こえは良いのだろうが、少々遠慮が無さ過ぎる。
カレンもあれやこれやと表現の悪さに文句を言っているのだが、ライのあしらい方は手馴れている様子だ。
「変な距離よね。友人でもなくて親子や兄妹とも違うし」
「そういう関係なのだろう。うむ、おおよそは掴めた。ラクシャータ、これで調整を頼む」
「お任せあれ。う~ん……ついでに紅蓮の調整プランも練り直そうかしら」
夫婦喧嘩は犬も食わないとは言わんばかりに二人は喧嘩の仲裁もせずその場を後にしていく。
誤解は更なる誤解を生んだり生まなかったりである。

170:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:56:08 42dmyAcm
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171:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 08:57:20 42dmyAcm
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172:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/20 08:57:21 X7TjOudS
今回はこんな感じで申し訳ないです
これからの本編中に挟めそうにないのでこんな形にしてみました
まだ先があるのですが投下の時間がかかりそうだったので
今回は前編として後編はまた後日にでも投下します

体調を崩したのはいいのですが、いやよくないですが…
音信不通になってしまって申し訳ないです
崩すとPCに近付けないのは辛かった…
みなさんもライ調管理には気を付けてましょう
では、失礼します

173:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 09:00:02 42dmyAcm
>>172
お疲れ様でした
身体を大事にしてください

それにしてもライとカレンのやり取りはGガンのシュバルツとドモンの闘いのようだw

174:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 09:53:00 Vaw8HIdF
>>172
GJ! 健康にはお気をつけて。
しかし年頃の男女だというのに色気のないやり取りだなこの二人は。
まあ、それがらしいといえばらしいのですが。

175:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 10:16:13 2MXzInFo
>>172
ぷにぷに卿、GJでした!
カレンを実の妹、あるいは娘の様に大事にしている扇さん。
多くの悩みを抱える彼の行く末がどうなるのか気になる所でございました。
ラクシャータの科学者としての不安、すなわちライという存在、その有用性を失う事を心配している。
しかしながら、それを自覚してれば壊れては……ロイドさんも自覚してたな、そういや。
四聖剣の面々、特に仙波さんのナイスミドルっぷりがイイ! 凄くイイ!
そしてカレンとライの微妙な距離感もなかなか。

貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!

176:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 13:18:53 60P9vvgo
>>172
GJでした!!
ライとカレンのやり取りが、どことなく新鮮な感じがして良いなぁ。
ライが乗る機体の燃費が悪いのも納得できましたw
こういう説明が無いと、単に機体に嫌われる不憫な子ですからねw

次の投下を楽しみにお待ちしております。

177:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 17:38:38 tBr6uyt3
お疲れ様でした!
ライと黒の騎士団のからみが自然で読みやすかったです
体調には気をつけてください!次も楽しみにしてます

ところで145に強敵であるランスロットとありますが
身体能力なのでスザクでは?
間違ってたらすいません

178:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 21:17:27 p6U4xm4Y
このスレの新たなジャンル確立のため、他ロボットアニメとのクロスオーバーネタを執筆中(何かは言えませんが多分ギアスを見ていた皆さんならかなりの確立で知ってると思います)。
完成したら投下する予定だけど、ここに落として良いんですかね?

179:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 21:20:01 regvAfin
>>178
クロスものならここよりarcadiaとかの方が向いてると思うよ

180:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 21:22:34 aSL4Zj6O
(・∀・)つ|投下予告|

親衛隊篇アナザー/NO MATTER WHAT

#前スレ>>604の続き、第3章後編とエピローグを一気に投下。2期のネタバレあります
#メインは生徒会メンバーとロスカラ最強のあの人
#軍人篇のライはスザクスザク言い過ぎ。ひよこの刷り込みのようだ

終了含め13レス、21時30分よりのんびり投下予定です。お手すきな方がいらっしゃいましたら支援願います。

181:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 21:25:23 42dmyAcm
支援

182:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 21:31:36 aSL4Zj6O
《クラブハウスにいるあの少年ですが》
モニターにひとりの少年の個人IDデータが表示される。生年月日、出身地、経歴。
ただしそのデータの大半が作られたものだと知るものは、今この部屋にいない。

《かねてより枢木卿の指示があった少年です。今回、軍務を離れ復学した模様》
「復学の理由は」
《申請では官僚試験の準備となっています》
「ふん、優秀な男のようだな」
《監視対象と親しいようですが問題はないのですか?》
「万が一C.Cに関わった場合のみ、身柄の確保を命令されている。コーネリア皇女殿下の
親衛隊だった男だ、特に問題はないだろう。…本日の報告を聞こう」

この日も型通りの報告が終わり、地下室の会議は解散になる。報告員が部屋を去ると
それまで沈黙を守っていた小柄な少年が褐色の肌の女に問いただした。
「彼、ライの記憶は操作されているのですか?行動に不審な点があります。
…問題にならないうちに処分してしまうほうがよいのでは?」
「『C.Cとギアスに関わらない限り彼に干渉するな』。枢木卿からの厳命だ。手を出すな」
「…イエス、マイ・ロード」


親衛隊篇アナザー/NO MATTER WHAT 3*偽り の 学園(後編)


183:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 21:32:49 aSL4Zj6O
アッシュフォード学園に復学してから2ヶ月が過ぎた。
注意深く観察した結果、学園の異変はルルーシュを中心に起こっているのだけは理解した。クラブハウスを始め
学園のあちこちに設置された監視カメラまで見つけるに至って、事の異常さがハッキリする。渦中のルルーシュには
例のロロという少年が常に張り付いていて隙を見せないのも相変わらずだった。
いっそロロにギアスを使って…とも考えたけれど、過去を思い出してから僕はギアスの力を使わないようにしている。
もう二度とギアスの暴走による惨劇を繰り返したくないし、ギアスの力がなくとも僕を必要としてくれる人たちに出会えた。
それだけで充分だった。
そしてなにより僕の中にある何かが《ロロに関わるな》と警鐘を鳴らしている。ブラックリベリオン以降
僕は自分の直感を信じるようにしていた。



今日は授業を休み政庁を訪れていた。学園に新しく赴任している教師たちに軍の人間と思われる者が多いので、
データベースで身元の照会をしてみようと考えたのだ。一応休職扱いなのでおおっぴらに端末を借りる訳にも
いかず頼りのギルフォード卿は不在で困っていたら、ちょうどグラストンナイツのデヴィッド卿と出くわした。
彼らグラストンナイツは亡きダールトン将軍から僕の話をいろいろと聞いていたらしく、なにかと良くしてくれる。
いわく「ひょっとしたら兄弟になっていたかも知れないしな!」だそうだ。

僕を養子にしたかった、と言ってくれたダールトン将軍。
あの日、コーネリア様のグロースターを貫いていたランスが将軍のものだったことは公にされていない。
彼のこれまでの功績・人望・名誉全てが失われるような話を、ただの状況証拠だけで決めつける訳にはいかないのだ。
僕だって将軍がそんな事をするとは考えられない。あの夜、おそらくダールトン将軍と最後に会話をしたのは僕だ。
その時の将軍の苦しげな声を思い出して僕は唇を噛み締める。ひょっとしたら彼はゼロに脅されていたのかもしれない。
ひとりで行かせるべきじゃなかったんだ。

184:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 21:34:29 aSL4Zj6O
デヴィッド卿にお願いして端末を拝借し、何人かの教師の顔を思い出して名前をインプットしてみた。
最初はなにかとルルーシュに絡んでくる(ように見える)体育教師の女性。どうせ偽名だろうから手間取ると
思ったが、あっさり該当者が見つかり僕は拍子抜けする。

ヴィレッタ・ヌゥ。なんと男爵様だ。さすがにこれには驚いた。普通、男爵が体育教師はしない。
(ちなみにロイドさんは伯爵だけど、彼が例外中の例外であることは親衛隊に入ってからようやく理解した)

調べてみると彼女はブラックリベリオン以降に爵位を与えられている。…これはなにかの符合か?
写真を眺めているうちに、彼女の軍服姿にどこか見覚えがあるのに気がついた。今となってはかなり昔のように
感じられるが、記憶を探しにゲットーをうろついているときに僕は彼女と遭遇している。彼女は軍服で(たしか胸に
羽を挿していた。純血派の証だ)、僕は特派の制服を着ていたのでお互い気付かなかったのかも知れない。
そのまま画面をスクロールしていった僕は彼女の現在の所属に目を留め、さらに驚愕した。

機密情報局。皇帝直轄の諜報部局だ。

なんてこった、藪をつついて出てきたのは蛇どころか頭がライオンのウロボロスじゃないか。
もう迂闊に探れるような内容じゃない。下手したら今この端末を借りているデヴィッド卿にも迷惑が掛かる
可能性を考え、僕はこれ以上の調査を断念する。僕はデヴィッド卿に礼を言い、政庁を後にした。


185:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 21:36:35 aSL4Zj6O
新たに判明した事実は僕をさらなる混乱に招く。静かに考えられる場所を求め、僕は学校の屋上に足を向けた。

あの女教師、ヴィレッタ・ヌゥ。以前僕が会ったとき彼女はゲットーでゼロの手掛かりを探していた。
確か「気を失っている間にナイトメアを盗まれた」と言っていた。
考えるまでもなくおかしな話だ。ナイトメアを動かすには起動キーだけではなく識別ナンバーも必要だ。だから動かせる
ナイトメアを奪うには起動している状態でコックピットを開けて搭乗者を外に出さなくてはならない。だが彼女はナイトメアに
搭乗している状態で《誰か》に遭遇し、気がつくと独り外で立ちつくしていたと話していた。しかもなんの怪我もなく。

ゼロを捕らえたスザクはラウンズになり、ゼロの手掛かりを探していたヴィレッタは男爵になった。ゼロは皇帝にとって
それだけ価値のある人間だったと言うことだ。コーネリア様が行方不明になっているのもゼロが関係しているからか?
スザクにゼロの居場所を伝えられるぐらいだ。コーネリア様がゼロの正体、もしくはそのヒントを知った可能性は高い。

だがゼロは処刑され黒の騎士団はもう問題にならないぐらいの規模でしかない。それなのに男爵となったヴィレッタが
わざわざ教師の真似事をしてまでアッシュフォード学園を監視する意味は?皆の記憶はどうしておかしくなった?
なぜナナリーがいなくなった?コーネリア様はなぜ姿を消した?ゼロは本当に死んだのか?
手掛かりとなりそうな点はいくつも見つかるも、その点と点を繋ぐ線が見当たらない。
僕は途方に暮れていた。

186:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 21:38:57 aSL4Zj6O
「ルールー!?」

ルルーシュを呼ぶ声と共に扉が開き、シャーリーが屋上に姿を見せる。
「あれ?ライだけ?ルルを見かけなかった?」
「いや、ここでは見てないよ」
「もう!どこに行ったのかしら?ルルってば本当にサボリ魔なんだから!」
今度はどこで賭けチェスに興じているのやら。ルルーシュのサボり癖は今に始まった話ではないので僕は苦笑する。
ルルを見かけたら捕まえておいてね!と言い残し、元気なシャーリーは階下に駆け戻っていった。

そう言えばシャーリーはまた「ルル」と呼ぶようになったようだ。もうすっかり仲直りしたのだろうか。
あの『他人ごっこ』は人ごとながら楽しい感じではなかったから、元に戻って良かったと思う。全く知らない人に対して
話しているようでシャーリーも演技派だな、と…。

ん?何だ?何かが引っ掛かる。『他人ごっこ』?
あの時のシャーリーの態度は、今の状況によく似ていなかったか?もしあれが『ごっこ』じゃなかったとしたら?
ルルーシュを知らない人のように話すシャーリー。
ナナリーを知らない人のように話すリヴァルたち。
答えは一番近くにあったじゃないか。どうすれば記憶をなくすことが出来る?何が原因で僕は過去を忘れていた?

「…《ギアス》なのか?」

学園が監視されているのは《ギアス》が関係しているのか?
僕の頭と身体を散々いじってくれたあのバトレー率いる軍の研究グループの主導で機情が動いているならば、今の
この状況も説明がつく。だけどそれならターゲットは僕のはず。なんでナナリーだったのか?

187:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 21:41:30 aSL4Zj6O
僕が最後にナナリーに会ったのは学園祭の日だった。…いや違う。ブラックリベリオンの夜、僕はナナリーの
安否を確認している。思い出せ、あの時ミレイさんは何て言っていた?

(ルルーシュとナナリーは別の所にいるけど大丈夫、スザクくんが保護してくれているそうよ)

また、スザクだ。
なんなんだ一体。コーネリア様の時もナナリーの時も、違和感の中心近くにいつもスザクがいる。
スザク、君にいったい何が起きた?

少し前にナイトオブセブンとして戦地に赴く彼の姿をニュースで見た。圧倒的な力で敵を駆逐する「白き死神」。
ブリタニア人から畏怖と侮蔑を、日本人から嫉視と怨嗟を受けてひとり立つその姿を。
自分が成せなくても、誰かがバトンを受け取ってくれればいいと真っ直ぐな瞳で語った彼。

ユフィを亡くしたあの日、最後に見たスザクの瞳を思い出す。
今なら分かる。あれは僕がかつて駆けた戦場で見た沢山の兵士達、彼らの瞳と同じ色だ。戦いを繰り返すうちに
僕も同じ色に染まっていった。その先にあったのは、ただ深い絶望と後悔と…孤独だけ。あの時スザクを
引き留めていれば、何か変わっていたのだろうか。僕に何か出来たのだろうか。

僕は携帯を開く。スザクの携帯の番号はずっと圏外のままで通じない。あの日以降、これまで何回かメールを
送ってみたけれど返事はなかった。エラーにはなっていないからアドレスは生きていると思うけど。
屋上を心地よい風が吹き抜ける。あの学園祭の日からもうずいぶん長い時間が経ってしまったような気がする。
ここはあの日のままなのに、今の僕はたったひとりだ。

188:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 21:44:58 aSL4Zj6O
校舎を出てクラブハウスに戻ろうとした僕の耳に聞き覚えのある声が響いた。

「ライ!」

すらりとした体を包む白いラウンズの制服。記憶に残る快活なその笑顔。円卓の騎士、ナイト・オブ・ナイン。
ノネット・エニアグラム卿その人だった。

「エニアグラム卿!なぜここに!?」
にこやかに近づいてきたエニアグラム卿は、僕の問いには答えずそのイイ笑顔のまま僕を思いっきり殴った。
甘んじて受けた拳とは言え、かなり痛い。
男子学生を殴り飛ばすラウンズ、と言う恐ろしい図を他の生徒達は見ないフリをしてくれている。

「どうして殴られたかもちろん分かっているな」
「イエス、マイ・ロード」
僕はうなだれる。1年ほど前、卿と別れる際に僕はコーネリア様をお守りすると約束をした。それを守れなかった
僕が受ける罰は本来こんなものじゃ済まない。
「そうだ、これは殿下をお守り出来なかった分」
そう言ってエニアグラム卿は今度は腕まくりをした。ちょ、なんでもう一回拳を作っているんですか。
「で、次は私を『エニアグラム卿』と呼んだ分だ」
「わ、わかりました。ノネットさん」
慌てて名前を言い直すとエニアグラム卿、もとい、ノネットさんは満足げに笑った。

(これからはユフィ、と呼んで下さいね)

もうひとり、呼び方にこだわっていた少女を想う。
胸がえぐられるように痛んで、思わずノネットさんの笑顔から目を逸らせた。

189:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 21:46:43 27kVFz4o
支援

190:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 21:48:50 aSL4Zj6O
ノネットさんは座り込んだままの僕の側にしゃがむ。そしてくしゃくしゃに髪をかき混ぜながら、僕の頭を撫でてくれた。
「つらかったな」
その言葉に僕は目を見張る。この人は本当に、なんで!

ユフィを失ってつらかった。でもコーネリア様や、スザクの方がもっとつらい思いをしている。
ダールトン将軍を亡くしてつらかった。でもグラストンナイツ、将軍の「息子」たちはもっと悲しんだだろう。
コーネリア様を守れなくてつらかった。でもギルフォード卿の方がずっと自分を責めているに違いない。
ナナリーが居なくなって、学園の皆に何かとんでもない事が起こっているのに僕にはなんのすべもない。

僕は一度も言えなかったのだ。「つらい」と。
僕は誰かに言いたかったんだ。「つらい」と。

(力になろうとしている人間がここにいるってこと、それだけは知っておいてほしいんだ)
(君はひとりじゃない。それを忘れないで)

そうだったな、スザク。
僕はひとりじゃない。自分しか信じられず破滅の道を歩んだ過去の「私」はもういない。
スザク、君が信じてくれた。生徒会のみんなが、コーネリア様が、ノネットさんが、ギルフォード卿が、
ダールトン将軍が、従ってくれた部下の皆が僕を信頼してくれた。
僕はもうひとりじゃないんだ。

「…大人って凄いですね」
色んな想いがぐるぐる渦巻いているのに、結局僕の口から出てきたのはそんな間抜けな言葉だった。
ノネットさんはにぃっと笑うと、突然僕を抱えてヘッドロックで押さえ込む。
「誰が年の功だって?」
「言ってませんっ!ノネットさん、い、痛いです!!」

男子学生とじゃれるラウンズ、と言う恐ろしい図をやっぱり他の生徒達は全力で見ないフリをしてくれていた。


191:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 21:49:39 27kVFz4o
支援

192:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 21:51:30 aSL4Zj6O
親衛隊篇アナザー/NO MATTER WHAT エピローグ


夕方、部屋を訪ねるとルルーシュは以前と変わらない様子で僕を歓迎してくれた。
「お前とチェスなんて久し振りだな」
嬉しそうにチェス盤に駒を並べていく。彼は白の駒を取り、僕は黒の駒を並べる。以前彼と対戦するとルルーシュは
いつも黒の駒を好んで選んだ。そんなところにもルルーシュの変化を感じてしまう。

…とは言え、ルルーシュのチェスの腕前は全く変わっていない。僕も善戦したつもりだったけど黒のキングは
白のルークに追いつめられてしまった。僕は自らのキングを倒し、両手を挙げて降参の意を表す。
今の1局の手筋を検討しながらルルーシュが笑う。
「軍勤めで腕が鈍ったか?ライ」
「否定はしないよ…」
前は五分五分な戦いが出来たと思っていたのに少しショックだ。頻繁に賭けチェスをしているルルーシュと軍で
対戦相手がいなかった僕との差が開いてしまっている。ノネットさんはチェスを嗜む人だろうか。今度聞いてみよう。


「そうだルルーシュ、これ前に借りていた本。長い間借りていてゴメン」
鞄から本を引っ張り出し、ルルーシュに手渡した。
「気にするな。面白かっただろう?同じ作者の本が他にもあるから読んでみるか?」
「ありがとう。是非、と言いたいところだけど実はまたちょっと留守をすることになったんだ」
僕がそう告げるとルルーシュはその秀麗な眉を寄せた。
「また軍の仕事か?」
「そうと言えばそうだけど、違うと言えば違うな。2割が仕事で8割が個人的な用だ」
「長くなりそうなんだな」
「うん、正直どれぐらい掛かるか見当もつかない。この《エリア》を出て、ブリタニア本国へ行って来る」

193:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 21:52:32 27kVFz4o
支援 すいません続きどなたかお願いできますでしょうか

194:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 21:57:16 hGFLfu7q
支援


195:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 21:58:44 hGFLfu7q
支援

196:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 22:02:52 aSL4Zj6O
「…それを聞いたらなおさらコイツが必要だな」
ルルーシュは書棚に向かうと1冊の本を抜き取る。そして僕の胸にポン、とその本を押し付けた。

「これは俺が気に入っている本なんだ。もう何回も読んだのに、時々無性に読み直したくなってしまう。
またこれを読み直したくなる前に返してくれると有り難いのだが?」
「ルルーシュ」
その彼らしい、遠回しな気遣いが嬉しかった。
「ありがとう、ルルーシュ」



ルルーシュに返した本にはナナリーが僕に折ってくれた折り鶴が挟んである。表紙カバーの折り返しに隠して
あるからすぐには気付かないかもしれないけど、厚みがあるので開いてみれば分かるだろう。
ナナリーを忘れてしまっているルルーシュ。ギアスによって記憶が変えられているのなら元に戻すのは
難しいけれど僕だって自分自身に掛けた《すべてを忘れる》ギアスは解けたじゃないか。

(千羽折ると願いが叶うそうなんですよ)
ナナリーの言葉が蘇る。

きっと元に戻してみせる。
言葉にすることはできないけれど、それは確かに僕の誓いの印だった。


197:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 22:04:18 hGFLfu7q
支援

198:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 22:05:19 aSL4Zj6O
部屋を見渡し綺麗に片づけられたことに満足する。まとめた荷物を肩に掛け、部屋の鍵を机の上に置いた。
短い間だったけどたくさんの思い出が詰まったアッシュフォード学園。僕の「家」。
優しくて暖かいこの場所を、今日僕は出ていく。

ノネットさんは僕の同行を快諾してくれた。ブリタニア本国に渡り、コーネリア様の行方を捜すのと平行して
ギアスについての調査を行う。自分が持っている力なのに、僕は驚くほどギアスについて何も知らない。
それにゼロ。彼は本当に処刑されたのだろうか。ナイト・オブ・ラウンズのノネットさんと一緒にいれば、
同じラウンズのスザクと会う機会もあるだろう。一度直接会って話がしたい。

スザクが何を背負っているのかわからない。
ルルーシュに何が起こっているのかわからない。
ナナリーが何処に消えてしまったのかわからない。
わからない事だらけだけど、それを嘆くよりまず一歩先に踏み出そうと思った。


《保護者》のミレイさんには電話で学園を離れると伝えてある。つい2ヶ月前に歓迎会をしたのに
格好悪いじゃないですか、と送別会は丁重に辞退した。本当のところは皆との別れがつらいから、夜のうちに
こっそり出ていくつもりだった。昼間とはうって変わって静かな夜の学園に僕の足音だけが響く。

199:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 22:06:30 hGFLfu7q
支援

200:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 22:06:31 42dmyAcm
支援

201:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 22:07:42 aSL4Zj6O
僕が校門を出ようとしたときだった。
「なっ…」
生徒会の皆が待ち構えていた。ミレイさん、シャーリー、リヴァル、ルルーシュ、そして控えめにロロもいた。

「こーんな夜になってから何処に行くのかなー」
リヴァルが僕の肩を組み、脇腹に軽くパンチを入れてくる。
「お前の行動なんて充分予測済みさ」
そう言って笑うのはルルーシュ。彼にここを離れることを告げた時点で、こっそり出ていくなんて無理な話だった。
「たまにはメールしてね!あたしもメールするよ!!」
と、シャーリーが言えば、ミレイさんは僕に人差し指を突きつけて宣言する。
「早く帰ってきなさいよ!お姉さん、ライちゃんと一緒に卒業できるまでここに居座ってやるからね!」
「会長、それ笑えません…」
リヴァルが突っ込む。ミレイさんなら本当にやりかねない。なるべく早く帰ってこようと僕は決意した。
ひとりひとりに見送りのお礼を言い、名残惜しくならないうちに僕は歩き出す。

「いってらっしゃーい!!!」

皆の声が夜空に響く。僕は振り返り、笑って大きく手を振った。
うん、帰ってくるよ。絶対に。ナナリーと、スザクと、それとカレンも一緒に。
そうしたらニーナも呼んで大きなピザを焼こう。また失敗するかもしれないけれど、皆と一緒ならそれでも楽しいよ。

ユフィが望んでいた世界はきっとそんな姿をしているはずだから。



親衛隊篇アナザー/NO MATTER WHAT 終

202:(・∀・) ◆nJT0b6Jals
08/11/20 22:08:42 aSL4Zj6O
#(・∀・)あ、予告のレス番間違いでした。前スレ>>636の続きでした
#初投下の長文連載におつき合いありがとうございました。支援と感想に心から感謝
#ロスカラ親衛隊篇からR2までの長い助走、って感じの話になりました
#でも結局ノネットさんにお持ち帰りされているのは一緒。いわゆる鴨ネギ
#この後はラウンズ篇にいくも良し、ギアス嚮団に絡めて若本篇にいくも良し、大逆転ルルタニア篇にいくも良し
#伏線は仕込んであるので分岐はいくらでも考えられますが、「NO MATTER WHAT」は今回で終わりです
#では、またどこかで

203:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/20 22:52:03 XvaVKI67
>ぷにぷにさん
面白かったです!

ともすればとても淡白に見えそうなライなのに、
味気なくならずにうきうきと読み進めることができるのは、
他のキャラクターがまた彼ららしくライの周りを彩っているからなんでしょうか。
それぞれがそれぞれに、ライを捉えて、受け止めている様子が
なんだかとっても面白い。

本筋の抱える色々な秘密が気になるこのごろですが、
こんな幕間もきっちり面白いって素敵だなあと思いました
次回を拝見できる日を心から楽しみにしています。

>(・∀・)さん
面白かった・・・
状況を分析し、じりじりと真実ににじり寄っていくライ。
彼のさまざまなことに対する後悔と、ルルーシュの変化。
ノネットさんの年の功な発言には何かぐっと来るものがありました。
ルルーシュはどんな本を貸してくれたんだろう、
そんなことを考えてみたり。

こ、これでおしまいですか?気になることは尽きないのですが・・・
(・∀・)さんの文章とても読みやすく、面白かったです。
またどこかで作品を拝見できることができたなら幸せです。
ありがとうございました!!

204:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/21 00:47:31 LuXcU19f
>>202
(・∀・)卿、GJでした!
変わってしまった学園を探るライ
そして、いくつかの手掛かりは見付けても、最終的には答えに行き着かない。
こういうの好きだ!
真実を探るために踏み出すライ、それを見送る仲間、イイねぇ……
……終わった!?
続きが気になってしょうがねぇ!
しかし、諦めも肝心、そう
貴公が次に投下される時を、全力を挙げて待ち続けたいと思います!

205:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/21 15:22:57 x+JkBRs4

・・・ロスカラSSスレ移転問題に関するお知らせ・・・

現在、このスレの板移転について以下の外部避難所で議論がされています。
 >>55 避難所(仮)
 PC用
 URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
 携帯用
 URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

現在使用しているギャルゲー板は、連続投稿や過剰投稿に関する規制が厳しいため、
それらの問題が回避できる 文化カテゴリ:創作発表板 への移転が提案されました。
(問題の概説、創作発表板のスペック等は以下のとおり:前スレ802-803参照
 スレリンク(gal板:802-803番)

移転の是非、移転場所やその方法などについて、
上記避難所議論用スレの参照、意見交換にご参加ください

・・・・・・

206:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/21 17:17:22 nxM9jchZ
(・∀・)さん、お疲れさまでした。
第1章が終了した、という感じでしょうか。
元通りの学園に戻って欲しいとも思いますが、
ライの今後に期待です!

207:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 11:57:09 iY2JvRLb
土曜だというのにこの人の少なさは一体…

208:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 12:45:47 +2Qv/ABh
遅ればせながらも(・∀・)卿、GJでした!
今回は目頭が熱くなりました…
これからライはどう進んでいくのか、想像はいくらでも膨らんできますね。
卿の次回の投下を全力でお待ちしております!


209:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 13:47:05 uQAZTE0e
これで夜も同じだったら…

210:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 14:36:27 Clkuk8Bc
これもひとつの結果か・・・

211:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 16:22:09 jUn/LuDK
書きかけを抱えてる人がいたら辛いと思うよ。
ageてまで言うようなことじゃない。

212:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 18:34:58 ZwMGYw19
むしろ嵐の前の静けさなのだと考えよう

213:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 19:22:40 62dgzBSO
スパイ
工作員
指揮官

騎士
参謀
軍師


なんでもこなせる
ライは孔明クラスの天才だなw

214:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 20:36:05 d+nX7MR+
スレ違いだわageてるわ内容がおかしいわスレが過疎ってくるとおかしなのが湧くな

215:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 20:55:41 Yoh6sF94
投下は幸せ!!
9時15分ごろ投下させていただきました!

9~12レスぐらいだと思いますので
支援をヘルプ!!でお願いいたします

216:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:02:42 5lCBotWk
なんかちょっとわかりにくいがとりあえず支援待機

217:カズト
08/11/22 21:14:02 Yoh6sF94
タイトル「追憶の旅路 第十二章 最後の安らぎ」

カップリング 今回は(ライ×オリキャラ)×カレンというややこしい形です

注意点
・実質完全オリジナルです
・カレンがライの過去編を精神体という形で見ております
・オリキャラ多数 あくまで別人です……
・今回は甘い……です

初めて読む方へ

心を閉ざしたライの心に飛び込んだカレン
ブリタニアの辺境の国の皇子
ライエル=スメラギ=フォン=ブリタニア
「魔法使い」からギアスを授けられ
父と兄達を殺し、ついに王となった
改革を推し進めていくが
いつしか、心が磨り減っていき
ギアスも不安定になっていく・・・・・・

「北の蛮族」との決戦が少しづつ近づいていく中で
ライは一人の少女と出会う・・・・・
帝都の皇女レフィーナ=リ=ブリタニア
彼女はライの心に何をもたらすのか・・・・・・・

218:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:14:13 d+nX7MR+
ホントだ支援します。

219:カズト
08/11/22 21:16:27 Yoh6sF94
ライはアレクサンデルとチェスを打っていた
膠着した局面でライはキングの駒を取った
「むうううう!キングを!!」
この一手を境に形勢はライに有利になっていった……
「リザインします……」アレクサンデルは投了した
「ふう……これで10勝10敗……勝率五割ですね」ライは息をついた

「いやはや……あそこでキングを動かすとは……
しかも、キャスリングを使うことなく……」
「王たる者、危機を知らねば高みに登れません……」
「まさか、軍でもトップクラスのアレクと互角に打てるなんて、すごいですわライエル様
あの……私にも教えてもらえませんでしょうか……チェスを……」
「え?ええ……構いませんよ……自分でよければ……」


「ライエル様……動かないで下さい……そう、そのまま……」
「はあ……」ライはバルコニーで直立不動の姿勢をとらされていた
レフィーナはイスに座ってライの姿をスケッチしていた……


先遣隊……いやレフィーナ皇女が来てからのライは妙にイライラしていた……
イライラしているというのは正確ではない……何というか、モヤモヤしてるというか……
よくわからない感情がライの心を支配していた……

220:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:17:13 5lCBotWk
支援

221:カズト
08/11/22 21:19:04 Yoh6sF94
その日の夜……
今日の政務を終え、気分を変えるために庭に出た……あの時の木があった
何年前だろうか……ここで庭の木にうずくまっていた事、自分の無力を味わい、
そして「魔法使い」と契約し、ギアスを手に入れた時の事
父と兄を殺し、王座を手に入れた……
だが、今はどうなのだろうか、今までどれだけの命を奪ってきたのだろう……
すでに後には引けないのだ、奪った命の重みだけ前に進まなくてはならない……
「北の蛮族」の脅威は日を追うごとに増している
奴らとの全面戦争は既に目前だった……
「工作員」も仕込みは十分であるが、国力の差は如何ともしがたい……
この戦で全てを終わらさなくてはならない……そして……そして……
あれ……何のために?私は……奴らと戦ってきたのだろう……?

そんな事を考えていていたら、レフィーナ皇女が目の前にいた……
「どうかなされたのですか?ライエル様……」
「……!こ、皇女殿下!?お休みになられていたのでは!!」
「眠れなくて……夜風に当たろうと庭に出たらあなたがいました
それよりも……ライエル様、皇女殿下というのは、何か固くてしっくり来ません……あ、あの……名前で呼んでくれませんか……」レフィーナは妙にモジモジしていた……
「な、名前ですか……レ、レフィーナ……姫……」なぜかライは緊張した……
「な、なんですか……?ライエル様」
「え?な、名前で呼んでほしいって……」ライは戸惑った……
「あ……そ、そうですね……」知らない間に会話が止まっていた……

「あ、あのレフィーナ姫はなぜ我が国の視察に来られたのですか……」ライが気まずい沈黙を破ろうと言葉を紡いだ
「最近の帝都は安穏としています……辺境に守られてる事が当たり前になって、あなたの国をはじめ他の辺境を蔑ろにしているのです……
辺境というものを知り、辺境の様子を訴える事で、帝都の者達に危機意識を促す事ができればと思いまして……
そ、それと……興味があったんです……ライエル様……あなたに……」
「えっ!?」ライの心臓の鼓動が一瞬跳ね上がった!

222:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:19:27 5lCBotWk
支援

223:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:20:13 d+nX7MR+
支援

224:カズト
08/11/22 21:22:13 Yoh6sF94
「あなたは評判が悪いのです貴族の間で……
ですが、調べさせた所……治安は良好で民の評判は非常に高く、帝都に来ていた商人からは、商売がやり易いとあなたの事を褒めていました……
この違いは何なのかと思い、私はこの国の視察を志願したのです……
あ、あの……個人的に聞きたいのですが、後宮……でしたか?
男の人という者は、そういう事が好きだと聞きましたが……なぜ、廃止されたのですか?」レフィーナは顔を赤らめながら聞いた
「ああ……あそこは権力の温床となっていましたから……それに、ノーブルオブリゲーションもわからないくせに政治に口を出し、父上に宝石や香水をねだり、贅沢三昧……
母上をコレクションし……子供の僕に色目を使い!安穏と暮らしているだけの醜い女達が集まっている場所など!!……っハァハァハァ……すいません」
レフィーナの前で熱くなってしまった事をライは恥じた……
「フフッ……そういう所もあるんですね……」レフィーナはライの子供っぽい部分を見て嬉しそうに笑ったそしてさらに言葉を紡ぐ……
「あの……ライエル様……私もそういう類の女性でしょうか……?」
そう言って訴えるような顔をした……
「え……?いや、あなたは違います!!そんな女達とは!!あなたは優しくて!勇気があって!き、綺麗で!!」(な、なぜ?僕はこんなに必死に弁解を!?)
「あ……ライエル様……うれしい……」レフィーナは目を潤ませる……
ライは、そんな彼女の瞳から目が離せなくなってしまっていた……
自分の心臓の音が聞こえていた……

がしっ……
ライは彼女の肩を掴んだ……
ライは彼女の顔……いや唇に吸い寄せられていく……

夜の月に照らされた二つの影は一つに……重ならなかった……

ライはレフィーナを肩を掴んだまま顔を離していた……

「っ……ハァハァ……も、申し訳ありませんレフィーナ姫……」
「ラ、ライエル様……?」レフィーナは戸惑っていた……


225:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:22:29 d+nX7MR+
支援

226:カズト
08/11/22 21:25:09 Yoh6sF94
ライは苦しかった……ライの手は既に多くの血で穢れていた……
ギアスという魔道の力も持っていた……父を……兄達を殺した……そして、さらに多くの者を……
そんな自分が彼女のような清らかな存在と口づけを交わす資格があるのだろうか?

「ライエル様……何か悩んでおられるのですか?」
「悩みですか?「北の蛮族」との……」
「違います!あなた自身のことです……あなたは何に苦しんでいるのですか?」
「……っ!!」ライは彼女の鋭さに胸を突かれた!
「私でよければ話してくれませんか……?」レフィーナは真剣に尋ねる
「……な、なんでもありません!!」ライは逃げるようにしてその場を去る
「ライエル様……この世に……相談できないことなんてないんです!!」
逃げるライの心にレフィーナの声が響いていた……

ライは自分の部屋で頭を抱えていた……
話せるわけが無いのだ、ギアスの事を……こんな魔道の力など……
(この力は君をひとりぼっちにする……)「魔法使い」が言った言葉……
孤独……ライはその言葉を噛み締めていた……

(何をしているんだ……なぜレフィーナ皇女を部屋に連れてこない……?)
ライの前に、「そいつ」は現れた……
ライの前に現れたのはライ自身だった……ライは大して驚かなかった……
「何なんだよ、うるさいな……」
(なぜお前は彼女をモノにしない……できたはずだろう?彼女をモノにすれば、皇帝の地位に一歩近づく……お前はこの国を手に入れることができる!!おまえ自身だって彼女が欲しいんじゃないか?)
「うるさい!!」ライは、すっくと立ち上がり、「そいつ」に殴りかかる!!ライの拳は空を切る……
(おいおい……自分で自分を殴れるはず無いだろ……)
「うるさい!!」ライはそれでも「そいつ」に拳を振るう

227:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:25:38 5lCBotWk
支援

228:カズト
08/11/22 21:28:38 Yoh6sF94
(彼女に話せるわけ無いよな……ギアスを使って父を殺し!!)
「ぐ……」ライは何も言い返せない……
(ロベルトを追い詰め……カイドーを死なせ……改心していたダニエルを殺した!!)
「うるさいと言っている!!」
(話せたら楽だろうなあ……だが、そんな事はできないだろう……?
解決する方法はあるじゃないか……
そう……ギアスだ!!レフィーナに使うんだよ!!)
「そ、そんな事できるはずが……」
(彼女はお前に好意を持っている……ギアスを使おうと何も変わらない……
今までそうやって来たじゃないか……お前はもう人間とは言えないんだよ……)
「うるさい……うるさい!!」
(バケモノが人間に愛されようなんて虫が良すぎるだろ……
はっきり言ってやる!もう、お前はギアスでしか愛を得る事ができないんだよ!!)

「うわあああああああああ!!」
ライは無我夢中で「そいつ」の胸倉を掴み額をぶつけた!!
目の前にあったのは扉だった!!
ゴッ!ォォォォォォォォォォ……
ドサッ……
ライは自ら扉に頭をぶつけ倒れた……
「陛下!!如何なされましたか!?」召使いが音を聞き駆けつけたのだった……

翌朝、ライは目覚めると医務室のベッドにいた
頭には包帯が巻かれていた
「陛下……如何なされたのですか?召使いの者は大きな音がしたと……」
「だ、大事無い……それより、もう朝か……今日の政務に……」
「今日はお休みになられては……ミコト様もそう仰られています……」
「大丈夫だ……少し落ち着いたよ……」そう言ってライは医務室を出た……

229:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:28:52 d+nX7MR+
支援

230:カズト
08/11/22 21:31:00 Yoh6sF94
しばらく歩いていると、話し声が聞こえる
レフィーナ皇女とアレクサンデル将軍だった
「姫様、この国の視察及び援軍派遣の話し合いは済ませました……
我々も帝都に帰り、軍の編成をせねばなりませぬ……」
「アレク……私はこの国に残ります……父上にはあなたから言っておいてください」
「そうは参りませぬ!姫様を置いていっては、皇帝陛下に申し訳が立ちませぬ!!」
「私は残ると言ったら残ります!!」
そう言ってレフィーナはアレクサンデルを無視して歩き去っていた……
アレクサンデルはただ黙って見送るしかなかった……

「失礼、アレクサンデル殿……如何なされたのですか?」
「おお……これはライエル王よ……援軍については目途が立ちましたので
いったん帝都に帰らねばならぬと思いまして……」
「レフィーナ皇女殿下……の事ですね?」
「はい……帰らぬと申しまして、姫様はああ見えてかなり強情な性格ですから……」
「……ふむ、私が皇女殿下を説得いたしましょう」


ライは夜にレフィーナを自室に呼んだ
「ライエル様……あの……何か御用でしょうか……」レフィーナは頬を赤らめていた……
「レフィーナ姫……あなたに渡したいものがあります……」
ライは細長い木の箱を机の上に置いた……
「これは……?」レフィーナは箱を開けた
中にあったのは、日本刀だった……
「そ、その……小刀の方です……そ、それは私も戦で使った事はありません……」
ライは師匠の海堂の形見分けについて語った……
「その様な大切なものを私に……」レフィーナの目は輝いていた
「レフィーナ姫……どうか、それを持って帝都に……」
「帰りません!」真摯な瞳がライを見据える……
「な、なぜですか?もう用事は済んだはずです!」
「あなたの事を放っておけと言われるのですか?私はここに残ってあなたの側に……」
「もうすぐ奴らとの全面戦争が始まります!!ここは危険なのです!!アレクサンデル殿もそれをわかってるから、貴女を帝都に……うっ!」

231:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:31:24 d+nX7MR+
支援

232:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:33:25 5lCBotWk
支援

233:カズト
08/11/22 21:34:23 Yoh6sF94
ライの背後に「そいつ」がいた……
(なあ……レフィーナ皇女はここに居たいって言ってるじゃないか……
お前も望んでいるだろう?彼女にここに居て欲しいって……)
(う、うるさい!だまれ!!)
(一体何を遠慮する必要がある……お前にはギアスがある……
さあ……命じろ!「私を愛せ!」と!!「私に尽くせ!」と!!)
(う……うう……)
がしっ
ライの両手がレフィーナの肩を掴む
「えっ……!?」レフィーナはライから何か違う気配を感じた……
ライはそんな彼女から怯えの瞳を感じた……
(ち、違う……何かが違う……こんなのは間違っている気がする!!)
必死で自分を取り戻したライは彼女にギアスをかけた……

「ライエル=スメラギ=フォン=ブリタニアが願う……」

数日後
レフィーナ皇女はアレクサンデルに伴われて帝都に帰る事になった……
ライは配下の兵士と共に彼女を見送る事になった……

なぜライは大切な刀の片割れを彼女にあげたのだろう……
ライは彼女に何かを伝えたかった……
ライは女性というものを知らない……
でも何かをあげたい……
宝石は駄目だった……
後宮の醜い女達を見てきたライにとっては自分の醜さを隠す綺麗なだけの石でしかない……
香水も駄目だった……
自分の醜い気配を誤魔化す芳しいだけの水でしかない……
何をあげればいいのかわからない……
それが……らしからぬ武骨な物というのはわかっていた
だが、ライは本能で知っていたのだろう……
贈り物というものは、モノではなく心を送るものだということを……

234:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:35:23 5lCBotWk
支援

235:カズト
08/11/22 21:37:51 Yoh6sF94
「……ル王!ライエル王!!」
「っ!あ……これはアレクサンデル殿!!」
ライは声をかけられたことに気付いていなかった
「よくぞ姫様を説得してくださいました!!感謝いたします!」
「説得……ですか……
アレクサンデル殿……どうか皇女殿下の事をよろしくお願いいたします……」
「当然です!!この命に代えましても!!」
レフィーナが別れの挨拶にライの前に立った……
「ライエル様……どうか御身を御自愛くださいませ……
帝都で待っておりますわ……貴方を……」
「はい……皇女殿下もどうかお達者で……」
(これでいいんだ……これ以上一緒にいると僕は彼女を傷つける……)

ライは指で唇を触った……
あの夜、彼女の唇に触れかけた時、
彼女の吐息がライの唇にわずかにかかっていたのを思い出した……
ライはそれを暖かく感じていた……

「姫様……贈り物……にしては随分と武骨ですなあ……」
「いえ……あの方らしいです……」とても嬉しそうに微笑む
レフィーナは馬車に乗り込みながら、ライから贈られた細長い箱を自ら大事そうに抱えていた……そして、ライに一礼して馬車に乗り込んだ……

ライはレフィーナを名残惜しそう見送っていた……彼女の姿が見えなくなっても……
彼女は結果的に「あの惨劇」から免れる事になったのだが、それは彼女にとって幸せだったのかどうかはまだわからない……

236:カズト
08/11/22 21:40:33 Yoh6sF94
カレンだけが知っていた……これが二人の今生の別れだと言う事を……
(なんで……?なんであたしは……)
ライが彼女と一緒にいると胸が苦しい……
ライと彼女がキスしそうになったのを見て、心に黒い靄がわき上がる……
ライが彼女に大切な刀を贈ったのを見て嫉妬し、そんな自分が嫌になる……

それでもなぜ彼女に同情しているのだろうか?自分でもわからなかった……
ライから恋敵が去って嬉しいはずなのに……


その夜……ライの体に異変が起きた……
ぐにゃり……と視界が歪む
「うっ……あ、あれ……?くっ……ハァッ、ハァッ……」
部屋に戻ったライは突然、強い眩暈に襲われた!即座にベッドの柱を掴む……
「ぐっ……がっああああ……!!」
さらに、目の奥が割れるような痛みが襲ってきた!
単なる頭痛じゃない!!
それでもライは痛みを抑えるため机に仕舞っている睡眠薬を取り出そうとした……
ハァ……ハァハァ……
一歩一歩が長く感じた……ようやく机に辿り着く……
がらっ……
引き出しを開けた途端に眩暈と痛みは治まった……
「ハァ……ハァハァ……あ、あれ……?一体……」
色々な事もあってか、ライは戸惑いながらも眠りについた……

それは力を増していき悪魔という形を取るように……
ライという殻を破ろうとしていた……

237:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:41:12 5lCBotWk
支援

238:カズト
08/11/22 21:45:15 Yoh6sF94
投下終了です
最近過疎ってるのは移転に関するゴタゴタとか

他の職人さん達の雌伏の時だと思ってみたり


なかなか甘い描写は難しいですなあ・・・・・
次回あたりでなんとかリンクできそうです
支援感謝!!ではまた!!

239:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/22 21:55:34 5lCBotWk
>>238
おつかれさまでした!

ひと時の安息、皇女の温かさがすてきでした。
運命のときが、近付いているのでしょうか。
ささやかな幸せが転落の予兆のようで恐いですね。

文章で、気になるところをひとつだけ。
三点リーダ(…)を多用されていますが、
ここまで使わなくても十分情緒は表現されていると思いますよ。

それでは。次回を拝見できるのを楽しみにお待ちしています。
ありがとうございました!


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