08/11/23 11:35:34 LSxRtnyg
正午あたりから投下を考えているのですが、誰かいらっしゃいますか?
266:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 11:40:28 yEUIJpqz
>>257
ライ×C万歳卿、GJでした!
友人強いなwww
前半のシリアスさと後半の微エロがいい感じです。
綾芽がオペレーターの内の誰だったか思い出せなくなってたorz
とりあえず公式みて確認しました。
この流れだとライが黒の騎士団纏めていきそうですね。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
クロスネタって書いてるのを見た日、ドラえもんとのクロスオーバーという凄い夢を見た。
……書けるかぁ!!!
267:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 11:44:40 yEUIJpqz
>>265
居ます、支援は任せていただきたい。
268:年下専門 ◆BheL.TnbIA
08/11/23 11:58:16 LSxRtnyg
年下専門です、それでは長編の続きを7レスほど投下します。
タイトルは「優しい世界で目覚めて 第十三話 マスター玉城(前編)」
・ギアス篇と学園篇の複合エンド後にしてR2終了後からの話
・ライは黒の騎士団入ってて学園篇エンドを迎えた、ルート的にはランペルージ兄妹メインに万遍なく頑張ったライ君
・ジャンル傾向はほのぼのしんみり系
・カップリングは今のところないですが「ライ←複数ヒロイン」の要素があります
・アフターに関しては情報が少ないため、自己解釈の要素を多分に含んでいます
269:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 11:58:33 yEUIJpqz
支援
270:年下専門 ◆BheL.TnbIA
08/11/23 11:59:59 LSxRtnyg
「いらっしゃいませー」
カランカラン、とカウベルの音とともに入り口の扉が開く。
店内から聞こえてきたのはやや幼げな声。
紫がかった髪の、大人しそうな少女が丁寧におじぎをして入ってきた客――ライと神楽耶を迎える。
その少女は、二人を見やると目を丸く見開いて手に持っていたお盆を口に当てた。
「か、神楽耶様!?」
「お久しぶりですわね、双葉さん」
知り合い同士であろう、歳の近い二人の少女がそれぞれの表情で相手の顔を見つめる。
片方は驚愕、もう片方は笑顔と正反対で。
「ここのところ顔を出せなくてごめんなさい」
「い、いえ! こうして来て頂けるだけで感激です!」
「くすっ、そんなに緊張しなくてもいいのですよ。今の私はただの一般人なのですから」
微笑みかける神楽耶だが、しかし双葉と呼ばれた少女は緊張の色を隠せない様子だった。
それはそうだ、いくら本人が主張しようが相手は日本最後の皇族。
本来ならば会話を交わすことはおろか、目にすることすら難しい相手なのだ。
カチコチに固まった少女を不憫に思いつつ、ライは店内を見回す。
パッと見、なかなかこざっぱりして雰囲気のよさそうな装いだ。
看板にはバーと掲げてはあったが、店内を見た感じではどちらかというと喫茶店のほうが近い感じがする。
しかし、その割には昼時だというのに客が一人も見当たらない。
(もしやこの店ははやっていないのだろうか……)
夜がメインなのかもしれないが、それでも昼時に客がゼロというのはかなり深刻なはずである。
料理がまずいのか、と思いかけるもそれなら神楽耶がこの店を薦めるはずもない。
「あ、あの……ところで神楽耶様、そちらの方は?」
思考にふけりかけていたライを現実に呼び戻したのは店員の少女の疑問の声だった。
そういえば挨拶もしていなかった、と思い出し慌てて頭を下げる。
「初めまして、ラ……青月ハルトです」
「あ、あのっ! 双葉綾芽です! ここの店員です!」
姿勢よくペコリと頭を下げたライに、慌てて返答する少女。
そんなやり取りを笑いながら見やっていた神楽耶は、おかしそうに口を開いた。
271:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 12:00:27 yEUIJpqz
支援!
272:年下専門 ◆BheL.TnbIA
08/11/23 12:05:10 LSxRtnyg
「くすくす……まるでお見合いのようですわね」
「神楽耶様、そ、そんなっ!」
「いや、別に普通だと思うけど……」
からかわれた綾芽は顔を真っ赤にしてぶんぶんとお盆を左右に振りたくる。
対照的に、呆れたように溜息をつくのはライ。
黒の騎士団、もっと遡ればミレイに拾われてから散々からかいは受けてきた身である。
今更この程度のからかいで狼狽するはずもない。
むしろ、過剰に反応する綾芽を微笑ましそうな、眩しいものを見るような表情で見やる始末だった。
「あ、あの……?」
当然、そんな視線を向けられればライという人間を知らない綾芽は戸惑うほかなかった。
しかも、相手は客観的に見て美形。
そんな異性にじっと見つめられれば普通の感性を持つ少女として恥ずかしさに頬を赤く染めないはずがない。
「ハルト、そんなにジッと女性の顔を見続けるのは失礼ですわよ?」
「っと、これは失礼」
「あ、い、いえ!」
謝罪に再び頭を下げるライと、お盆を左右に振ってそれを遠慮する綾芽。
先程の焼き直しのような光景にやはりクスクスと微笑みながら神楽耶は情報を捕捉した。
「双葉さんは、元黒の騎士団の一員だったのですよ」
「へえ……」
「いえっ、所属していたといっても! 新入りでしたし、ほんの下っ端で!」
謙遜する少女だったが、神楽耶と知り合いということはそれなりに上の地位にいたのだと推測できる。
ただ、自分が黒の騎士団に所属していた頃に見た覚えはない顔なので騎士団解放以降の参入者なのだろうとライは考えていた。
昔の騎士団の女性メンバーといえばサッと頭に浮かぶのはカレンと井上、そしてC.C.にラクシャータくらいのものだ。
四人が四人、アクが強い女性達だったせいか、いかにも普通っぽい目の前の少女を見ると複雑な感情を覚えてしまう。
同時に、自分がいた頃にもこんな娘がいてくれたらな、とも。
「あの……それで、青月さんは……その」
もじもじと身体を揺すりながらお盆のふちから上目遣いで綾芽が何事かを問おうとしてくる。
こっそりカレンたちに対して失礼なことを考えていたライは、その声にハッと我に返ると一筋の冷や汗をかいた。
なお、横にいる神楽耶が私は全てお見通しですわよ、といいたげな顔をしていたのはスルー確定である。
273:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 12:05:16 8WsryYIj
支援
274:年下専門 ◆BheL.TnbIA
08/11/23 12:08:24 LSxRtnyg
「ああ、僕も実は黒の騎士団に所属していたんですよ」
「え、そうなんですか!?」
「とは言っても、ブラックリベリオンの前に持病の都合で戦線離脱していたんですけどね」
苦笑しながらも虚実を織り交ぜた説明をするライに、綾芽は驚きながらもどこか不満気な表情を浮かべていた。
彼女が聞きたかったのはそういうことではなく、別のことだったのだから。
だが、そのあたりの機敏にやや疎い銀髪の少年は少女の様子に気づくことなく椅子を引く。
促された神楽耶は一連のやり取りの意味を理解していただけに、ふきだすのを必死に堪えながら着席する。
「ありがとうハルト……そういえば双葉さん、マスターはどうしたのですか? 姿が見えませんが」
「あ、先輩なら今買い出しに
275:年下専門 ◆BheL.TnbIA
08/11/23 12:09:11 LSxRtnyg
カランカラン。
その瞬間、カウベルが鳴り響き三人の視線が入り口へと集まる。
入ってきたのは大き目の紙袋を抱えた一人の男だった。
ライ達からは紙袋のせいで顔が見えないのだが、視界が封じられている度合いは男本人ほうが深刻である。
フラフラと頼りない足取りで店内に足を踏み入れた男は、後ろ足で器用に扉を閉める。
「おう、けーったぞー!」
「お帰りなさい、先輩」
「双葉ァ! 俺のことはマスターと呼べって言ってんだろうが……っしょっと!」
綾芽を叱責しつつ男は手近なテーブルに紙袋を下ろす。
荷物の向こう側から現れたのはいかにもチンピラといった感じの容貌をした若い男だった。
「ごめんなさい、マスター」
「玉城さん、お久しぶりです」
綾芽の謝罪と神楽耶の挨拶が両隣から聞こえるのにも構わず、ライはしばし思考を停止させていた。
マスターと呼ばれている男が自分のよく知る男だったからだ。
玉城真一郎、黒の騎士団がまだ小規模な無名グループだったころからのメンバーである。
能力はそれほど高くはなく、短気で迂闊とかなり問題のある男だったのだが、ムードメーカー的な役割を担っていた人物だ。
物怖じしない性格はトラブルを起こすことが多かったものの、騎士団の円滑油としてそれなりに機能していた。
仮面の男ゼロを親友とまで言い切り、見た目ブリタニア人である自分をすぐに受け入れてくれた豪胆さは印象に良く残っている。
勿論、最初は猜疑心丸出しで突っかかられたことも、彼の起こしたトラブル処理によく走らされたことも忘れてはいないが。
当時はよく『なんでこんな人が幹部なんだろう?』とゼロに疑問を抱いていたのも良い思い出だ。
276:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 12:09:17 yEUIJpqz
支援
277:年下専門 ◆BheL.TnbIA
08/11/23 12:11:22 LSxRtnyg
「おっ、神楽耶様じゃないっすか! お久しぶりです!」
客が神楽耶だと気づいた玉城はニカッと快活に笑う。
流石の傍若無人男といえども相手が皇族である以上敬語になるらしい、やや乱雑な言葉遣いではあるが。
そんな割とどうでもいいことに感心するライ。
しかし、続けて視線を横に滑らされ自分のほうを見られたことで緊張が走る。
店内ということで帽子を脱いでいるため、今の変装道具は眼鏡だけ。
交流のあった玉城ならば自分がライであると気がついて当然である。
ゴク、と唾を飲み込んで銀髪の少年は玉城の第一声を待った。
「……なんだオメェ?」
「は?」
「ぷっ!」
ガク、とライの足が崩れるのと神楽耶がふきだしたのは同時だった。
いぶかしげな表情で睨み付ける様に発せられた声は罵声でも歓喜でもない、見知らぬ人に対する反応だった。
それどころか、客相手の反応ですらない。
ライは拍子抜けするとともに、この店に客がいない理由を悟った。
マスターと呼ばれているということはこの店の店主は玉城なのだろう。
確かにこの男が店主の店では客がいなくても不思議ではない。
初見の客に対して喧嘩腰で声をかけるなど、客商売ではまずアウトだ。
現にそのあたりを理解しているであろう綾芽は「あちゃあ」といった感じの表情をしている。
(やや諦めが入っているあたり、よくあることなんだろうな……)
相変わらずの玉城節にライはこっそりと呆れとも懐かしさともとれる溜息を吐いた。
とりあえずこちらの正体に気づいていないのならばそれはそれでいい。
正直、釈然としないものはあるが気づかれるほうが厄介だ。
そう自分を納得させたライは自分が神楽耶の連れであることを説明し、席に座った。
「ふーん、神楽耶様の連れねぇ……」
が、玉城のほうはそれで納得しなかったらしく、こちらに近寄ってくると顔を覗き込むように見下ろしてきた。
客観的にはチンピラのガンつけにしか見えない光景に綾芽の顔が真っ青に染まる。
「せ、先輩!?」
278:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 12:13:30 UBhCZu0h
支援
279:年下専門 ◆BheL.TnbIA
08/11/23 12:13:46 LSxRtnyg
「マスターだって言ってんだろぉが!」
よほど呼称にこだわりがあるのか、再び綾芽を怒鳴りつける玉城。
視線は神楽耶の横に座るライを見つめたまま。
しかし、ライは平然と剣呑そうな相手の視線を見つめ返した。
気の弱い人間ならば身が竦んだかもしれないが、玉城の実体をしっているライからすればガンつけにビビる理由もない。
それが面白くなかったのか、軽く舌打ちした玉城は神楽耶のほうに顔を向けた。
「神楽耶様、コイツとはどんな関係なんスか?」
「ちょっ……」
無礼千万としか言いようがない店主の態度に綾芽があたふたと慌てだす。
が、少女の混乱する表情には僅かな期待が浮かんでいた。
実のところ、先程彼女が聞きたそうにしていたのは正にそのことだったのだ。
(マズイな……)
外面では冷静そのものといった状態を崩さないライだったが、その実内心では滝のような汗を流していた。
まさか知り合いがいる場所に連れて来られるとは思ってもいなかったので、そのあたりの言い訳は全く考えていなかったのだ。
何度も言ったことだが、神楽耶は日本最後の皇族でいわゆるVIPである。
そんな人物が連れている人間がただの男であるはずがない。
それに、あまり至近距離で見られ続けるといい加減正体がバレないとも限らない。
どう答えたものか。
悩むライを尻目に、しかし神楽耶はあっさりと爆弾発言を口にした。
「ハルトは、私の婚約者ですわ」
時が止まった。
勿論比喩表現ではあるが、その時神楽耶の台詞を聞いた三人は確かに時の停止を感じていた。
無言、痛いほどの無言の静寂が場に訪れる。
ここで三人の内誰か一人でも「やだなぁ、冗談きついですよ」とでもいえばよかったのだろう。
だが、あまりの衝撃に誰一人として口を開くことすらできない。
神楽耶も自分から冗談だと言うつもりはないのか、ニコニコと微笑んでいるだけだった。
一分経過。
ここでようやく正気を取り戻したライは、咄嗟に否定の言葉を吐こうとし。
280:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 12:14:35 UBhCZu0h
支 援
281:年下専門 ◆BheL.TnbIA
08/11/23 12:15:54 LSxRtnyg
「なんだ、そうだったのかよ! いや、こいつはめでてぇ!」
「ゲホッ!?」
背中を玉城に平手で強かに叩かれた。
最悪のタイミングでの衝撃にむせてしまったライはケホケホと咳き込みながら涙目になってしまう。
「だ、大丈夫ですか青月さん!?」
「だいじょ……ケホッ」
「玉城さん、強く叩きすぎですわ!」
慌ててライに駆け寄る綾芽と背中をさする神楽耶。
玉城は悪びれた様子もなく「ワリイワリイ」と手を振って謝罪の意を示す。
この瞬間、ライの脳裏にヒゲ抜きの刑という文字が過ぎったが詳しいことは割愛しておく。
「いやぁさっきは悪かったな! お前さんが嫌味なブリキ野郎にしか見えなかったからついな!
けど神楽耶様の婚約者だっていうんだなら話は別だ。よく見れば結構良い面してんじゃねえか、俺には劣るけどな!」
コイツ、一度殴っておくべきか?
ハハハッと調子よく馬鹿笑いするチンピラ風マスターに対し、ライは拳を握りかける。
が、次の瞬間、少年の怒気を代弁するように玉城の頭上に金属製のお盆が容赦なく振り下ろされた――縦向きに。
「おご!?」
ガツン!
硬いもの同士がぶつかり合う鈍い音が広くはない店内で響いた。
「いてて……一体俺が何したっていうんだよ」
「自業自得です」
頭にできたたんこぶを押さえながら買ってきた荷物を整理する玉城に綾芽の冷たい視線が飛ぶ。
そんな二人の掛け合いを見ながら、ライは流れ出る汗を止められないでいた。
あの後、ドタバタのうちに結局自分は神楽耶の婚約者ということになってしまったのである。
今からでもさっきのは嘘なんだと声を大にしていいたいのが本音だ。
しかし玉城と綾芽はすっかり神楽耶の嘘を信じ込んでしまっていてとても今更嘘と言い出せる雰囲気ではない。
平然と嘘をついた当の本人は何が楽しいのか鼻歌を歌いながら椅子の下で足をぶらぶらさせている始末。
最後に会ってから一年以上の時が流れているというのに相変わらず子供っぽい人だ。
そんな本人が聞けば怒り出すこと間違いなしな感想を抱きながら、ライはとりあえず現実逃避代わりにメニューを手に取るのだった。
(あれ? そういえば料理はまさか玉城が作るのか?)
282:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 12:16:23 yEUIJpqz
支援!
283:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 12:16:26 UBhCZu0h
支援
284:年下専門 ◆BheL.TnbIA
08/11/23 12:17:46 LSxRtnyg
おまけ(その頃の色んな人たち)
・とある女官部屋
オレンジ「リリーシャ、久しぶりだな! 元気にしていたか? ところで妹よ、見合いをする気はないか?
うむ、写真は持ってきてある……この男はライといってな、なかなかの好青年だぞ?」
・とあるサミット会議室
実妹溺愛「ええい扇め、所詮決まったことを話し合うだけのサミットだというのにどもってどうする、それでも元教師か!
見ろ、お前が詰まったせいでナナリーが困っているではないか!」
人生勝組(ヒイィィ……ま、まただ! 奴の……ルルーシュの声がする! 昨日除霊してもらったばかりなのにっ)
幼女忠誠(む? 会議中だというのに天子様はどこを見ていらっしゃるのだ? あちらの方角には何もないはずなのだが……)
中華幼女(なにか黒いのが浮いてる……)
・とある銀髪少年の部屋の前
3「な、なあノネット。アーニャの機嫌が悪いように見えるんだが気のせいか?」
9「うん、あれは正に『彼氏に突然デートの約束をすっぽかされた恋する乙女』といった感じだな」
6「……ライ、どこへ行ったの」
・とあるパーティーの時くらいは大人しくしようと考えている紅の乙女の部屋
猫かぶり「このジノが選んだドレス……動きにくい。これじゃ蹴りが出しにくいし、走るのも難しいわね。短くしようかしら」
・とあるサミット会議室の天井裏
腐メイド「今のところ異常なし、ですね」
285:年下専門 ◆BheL.TnbIA
08/11/23 12:19:49 LSxRtnyg
投下終了、支援感謝です。
あと、本文3レスめの最後の行なんですが、掲載の際は
「あ、先輩なら今買い出しに――」
に変更していただけると幸いです、お手数かけて申し訳ありません。
286:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 12:20:59 UBhCZu0h
支 援
287:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 12:47:29 UBhCZu0h
>>285
投下お疲れ様です。
今回も面白かった!
前回の引きで、どんな罵声が飛んでくるかとはらはらしてましたが
まったく意表を突く玉城クォリティ。
…やっぱり客商売向いてませんでしたか。あやめさんの苦労が偲ばれます。ガンバ。
おまけの皆さんも楽しかったです。
ひとりひとり突っ込みが必要ですコレ。
新着を読めて幸せです。
次回を拝見出来る日を楽しみに。ありがとうございました!
288:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 13:26:40 9+ttrIT7
>>285 いつもお疲れ様です!
今回も楽しませていただきました
玉城はたしかに自分の呼び方とかうるさそうですよね
それにしてもおまけがおもしろすぎたwww
289:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 13:28:16 yEUIJpqz
>>285
年下専門卿、GJでした!
玉城の行動にニヤニヤしながら読んでました。
さっすが玉城、どう見てもチンピラ!
そこにシビれる! アコガれない!
神楽邪の冗談?は波乱を呼びそうですね。
天子様にはゼロが見えてるのかwww
ジェレミア卿、貴方はまた炎にガソリン注ぐようなことをwww
メイドさん、何やってんのwww
貴公の次の投下を全力で待たせていただきます!
290:匿名希望
08/11/23 14:42:59 iKeBYAoh
支援
291:保管者トーマス ◆HERMA.XREY
08/11/23 20:07:47 WCm4SV+H
>>285
修正いたしました。
移転の議論についての告知を本日中に保管庫に載せる予定です。
292:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 22:16:04 WCm4SV+H
>>291の告知は延期になりました。議論スレのリアクション待ちです。
293:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 23:42:37 OHVsEF// BE:736426073-2BP(0)
55分から投下したいと思います。
よろしければ支援ください。
294:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 23:51:24 iw9r/PfX
支援
295:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 23:56:21 pJJDrUJl
支援します
296:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/23 23:57:17 OHVsEF// BE:701358645-2BP(0)
俺式ロスカラ続編~騎士団カレンルート~ 6話
一応このシリーズとしてはシリアス系なんだけど、今回はそこまでシリアスじゃないつもり
騎士団カレンルートで特区日本の失敗ifからの続き。
かぷは もちろんライ×カレです
それでわ・・・・
今、僕の目の前には信じられない光景が広がっている。
カレンがルルーシュの上に四つん這いになり
顔がくっついているのか、ギリギリ離れているのか、わからないような近さにある。
キスしてましたと言われれば簡単に納得でき、キスしてませんと言われても
簡単に納得できないような状態。
なぜ、彼女が………
こうなった原因は何だろうか………
と僕は考えを巡らせる。真実はとても簡単なものなのに。
今から二週間くらい前に、カレンは新宿でルルーシュを見つけ出したらしい。
その時に何があったのかはわからないが、その時からの彼女は
昔学園で猫を被っていた時よりも、守ってあげたいオーラ全開で僕の膝の上に頭をのせ甘えてきた事や、
一緒に寝たまではよかったものの、目覚め方が彼女に腹を思い切りきつく抱き締められた事による激痛でだった。
無理に解こうとしても「いっちゃいや」と余計にきつく締めつけるだけ。
あの数日の間 どうして寝ている人間にここまで力が出せるのだろうか疑問に思わなかった朝は無い。
結局はカレンが起きるまでは動けなかった事は記憶に新しい。
この時 本人は長い間会えなかったから、その分の埋め合わせだと言っていたが
あの時のカレンの甘え様の原因はルルーシュと何か関係していたのだろうか。
297:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/23 23:58:51 pJJDrUJl
支援
298:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/23 23:58:54 OHVsEF// BE:946834439-2BP(0)
けれど、蓬莱島に移るまでの数日間しか僕はカレンと接していない。
行政特区日本で移住した百万の人が住む蓬莱島これらの手配に伴い、
書類仕事はあらかじめある程度は済ましてあったが
扇さんたちと残っていた書類仕事を早急に済ませなければならなかった。
そのため、寝る時間すらあまり取れないほど忙しくカレンがわざわざ訪ねてきても
やらねばならなかった仕事のため、追い返さざるを得なかった場合が多々あった。
彼女はそれに拗ねたのだろうか。
しかしゼロであるルルーシュにも書類仕事はあり、僕と同じくらい忙しいはずである。
正体を知ってるとは言え、ゼロを尊敬していたカレンなら邪魔をしないように気を利かすだろう。
などと考えていると、ピザをほおばっていた魔女から聞きたくない言葉を聞かされた。
「お前が女心も解らず、ほっといたから欲求不満に陥ってしまったようだぞ。」
―そんな………カレン………嘘だろ………
僕は、胃を鷲掴みにされたような感覚を初めて味わった。
「「C.C.!」」
魔女にしてやられた二人は同時に彼女を睨みながら叫ぶ。
これ以上誤解を生まないために。
「ライ、外にいくならタバスコを頼む。ここにはラー油しかないからな。」
カレンとルルーシュがライのいた場所に視線を戻した時には既にライの姿はなかった。
299:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/24 00:00:37 OHVsEF// BE:561086382-2BP(0)
「ねぇライ、私がもし、慰めてっていったらどうする?」
「ん~話聞きながら頭なでてあげるかな。」
カレンの表情からは僕の答えに対する満足は見つけられない。
まぁこんな聞き方ならこういう言葉が返ってくるのは仕方がないだろう。
しかしカレンが聞きたい『慰め』の意味は精神へむけた抽象的な慰めではなく、身体に向けた具体的なものである。
しかしながら、うまくごまかしの利いた言葉でその意図を口から紡ぐ事は非常に難しく彼女にはできなかったのだ。
分かるように唇を近づけてこっちの『慰める』だと言いたかったが、ライは観察力と洞察力に優れている男である。
ルルーシュの事を知られたくなかったカレンは、それ以降その事について話すのをやめた。
ルルーシュに迫られた事は もう許したし、私には別にライ慰めて欲しい事なんてない。
けれど、口には言えないが褒めて欲しい事は沢山あった。
寂しい思いもたくさんした。
だから、あの時 私は彼に思いっきり甘えることにしたのだ
はぁ………
今、私 紅月カレンは 黒の騎士団の戦闘隊長、皇ライの部屋の前にいる。
今のため息は、先程 恋人であるライに、事故とはいえ、別の男に自分が覆い被さっていた所を目撃されてしまったのだ。
つい先日、私はライの部屋に行った。
その日の仕事は自分の機体、紅蓮可翔式の最終チェックだけだったので、これといってする事がなく、時間を持て余していた。
どうしようか考えながらあるいても、体は正直なもので、気づかないうちにライの部屋の前に立っていた。
もちろん、彼が忙しいのは百も承知。
戦場で彼をKMFに乗せれば、敵をバッタバッタなぎ倒すだけではなく
味方への指示も的確で、戦場で彼を司令部に置いても、少ない損害で多くの敵をなぎ倒す。
その上、机に座らせてもその働き様は群をぬいており
戦場で敵をなぎ倒すかのごとく机上の書類や会議での異議をなぎ倒してゆく。
そんな彼の行き過ぎたポテンシャルは、恋人として誇らしいと同時に、自分が不釣り合いに思えるほどである。
300:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 00:00:38 KKbN+Alc
支援。
301:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/24 00:01:43 OHVsEF// BE:210408023-2BP(0)
今回の蓬莱島の件でも、彼の能力ゆえに任される仕事は非常に多く
そしてそのどれもが私に手伝えるようなものではなかった。
そんな尽くしてくれる彼に、誤解とはいえ恩を仇で返すような事をしまった。
それに、事故といいながら直ぐに退こうとしなかったのも事実。
憂鬱だ……… わたしは今更ながら彼と再会してからというもの、迷惑しかかけてない事に気づいたから。
もし、自分がライの立場なら、多分 紅月カレンという女にはとっくに幻滅していただろう。
意を決して部屋をノックすると、返事は返ってこなかった。
恐る恐るドアをあけてもなかなかライは見当たらなかった。
ベッドをみてみると、白い枕の上に同系色である、きれいな白銀の頭がうつ伏せに置いてあった。
どうやら、あの後ふてくされて寝てしまったのだろう。
彼の肩は規則的に動き、小さな声で呼んでも反応はなかった。
彼は掛け布団の上からうつ伏せになっていたので、私は自分の部屋の毛布を彼にかけるため部屋をでようとした次の瞬間
「…レ…ン……カ……レン……謝るから………行か…ない…で……」
寝言ではっきりとした発音ではないが、私にははっきりと聞こえた。
それと同時に、彼への愛おしさと自分への情けなさの入り混じった複雑な感情を感じた。
悪いのは全て私なのに、それを責めるどころか自分の非を謝っている。
そんな優しすぎる彼がふてくされているなどと勝手に決めつけ、どうやって誤解を解くかを考えていた自分を心底恥ずかしいと思ったと同時に
彼へのどうしようもない位の愛おしさが、体の奥底から溢れるのを感じたのだ。
ライの部屋にあったタオルケットと上着で、簡易ながら掛け布団をつくり、自分も横になりながら彼を包み込むように抱きしめ
「私はどこにも行かないわ」
すると 彼の寝顔からは負の感情は消え、綺麗な顔にどこか幼さを漂わせている顔は
見ている者にめ安らぎと幸福を与えてくれそうなほど。
彼の綺麗な寝顔を見れば見るほど、どうしよもないくらいの彼への好きという感情が込み上がってくる。
私は彼が起きるまで彼を見つめていたが、それは自分の時を止められたような感覚で、
彼が起きてから部屋の時計を見た時は時計が壊れたと思ったくらいだ。
302:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 00:02:31 KKbN+Alc
ちょっと投下ペース早いかも。支援
303:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/24 00:03:22 lMdpiJvV BE:701358645-2BP(0)
「あれ、カレン………どうしたの?」
ライはまだ寝ぼけたように尋ねてきた。目の焦点が定まってないし口もきちんと回っていない。
「さっきのこと謝りたくて………」
一瞬、何のこと?と聞かんばかりの顔を向けてきたが、すぐに思い出したのか彼の顔は一気に変わった。
「あ、あのね。さっきのルルーシュとのあれは事故なの、C.C.が言ってたのはデタラメだから。」
「本当に?」
とライは首をかしげ、淡い青色を宿している綺麗な眼差しを向ける。
彼の仕草はどうして、こうまで私の心を捕らえるのだろうか。
「当たり前じゃない あんな頭でっかち、何とも思ってないんだから。」
「なんだそれ。C.C.じゃあるまいし。」
と言いながら、彼は私に向けた顔を笑顔にかえた。
「久しぶりに笑ったんじゃない?」
「えっ」
「あなたがそういう風に笑ったの、随分見てなかったきがするもの」
ここ最近、彼と会う機会は少なかったがこれは事実だ。
それに、会ったとしても彼との会話は仕事の内容しかなかった。
「ごめん………」
「謝らないでよ。こっちが謝りに来たんだから。」
彼の優しさに、ついつい出鼻をくじかれそうになりながら、私はつづけた。
「その、さっきはごめんなさい。私が新宿でルルーシュを見つけたとき、
ルルーシュ ゼロを辞めようとか考えるくらい落ち込んでたから…それで、その時の事…」
「もう気にしてないよ。」
とライは私の言葉を遮ってきた。
「僕も、仕事が忙しかったからついカリカリしちゃって………でも、明日には仕事が全部片付く可能性があるから
そしたら食事でも一緒に食べに行かないか?こっちに長い間いただけあって、色々いい店とか知ってるんだ。
あ、カレンにも仕事があるだろうから無理にとは言わないよ?」
「ううん 大丈夫!」
304:sage
08/11/24 00:04:15 KKbN+Alc
支援
305:B.B.ペースおとしますね;
08/11/24 00:06:04 lMdpiJvV BE:1718327677-2BP(0)
「美味しかったわね~。」
僕とカレンは今日一日中のオフをもらった。
中華連邦にいたときに予めしていた準備のおかげで、仕事が予定より1日早く終わったのだ。
玉城の担当部署がまだだったので、つい同情してしまい手伝いを申し出たが、ゼロや扇さんたちに却下された。
それどころか、半日もらえればいいなと思っていた休みが
今まで頑張ってくれた褒美として丸1日の休暇をカレンと一緒にもらったのである。
みんながまだ働いている中で、僕たちだけオフをもらうのはどこか気が引けたが
みんなから是非休みをとってほしいとまで言われてしまい、ありがたく頂くことにしたのだ。
「でしょ!カレンにも前から食べさせてあげたいと思ってたんだ!!」
「全く、わたしやC.C.が苦労してる中 あなたはこんな贅沢してたのね。」
カレンはため息をつきながらそっぽを向いてしまっが、あわててごめんと謝ると、悪戯な笑みで冗談と訂正してくれた。
僕らはベイエリアから景色を楽しんでいた。
蓬莱島から本土へ渡る際に使った小舟を停泊させておいた場所で、人の行き来は少ない。
その上コンテナなどが山のように積まれていて上るのには少し苦労がかかるが、
頂上からは蓬莱島の人々がまだ働いている思われる灯りと、市街地の綺麗な夜景が見れる。
「カレン、僕らの戦いが終わったら一緒に学園に戻ろう。」
しばらく話さずに夜景を楽しんでいたが、僕は自ら沈黙を破った。
「それ、ルルーシュにも言われたわ。」
くすりと笑われてしまった。
言葉は違うけど、同じニュアンスの言葉をルルーシュに言ったのはぼくなのに…
306:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 00:09:42 KKbN+Alc
2分半ごとなら猿にひっかからないそうですよ。支援。
307:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/24 00:09:47 lMdpiJvV BE:701358454-2BP(0)
「学園かぁ~」
と カレンは呟き遠くをみつめる。
彼女が心配していることは理解できた。
「大丈夫だよカレン、あそこも………学園の生徒会も、僕らの居場所だから」
学園は僕らのはじまりの場所。素性を隠して生活していたとしてもあの頃の僕たちの笑顔に偽りはないと信じている。
スザクだって、最後まで君のことを言うような事はしなかった。ニーナとだって、いつか必ず分かり合えると思う。
他のみんなも、以前の様に学校のクラブハウスで笑いあいたいと思っている事を知ってる。
「それでもだめなら、これからは僕がカレンの居場所になる。」
黙ったままの彼女を見て、つい口から出てしまった言葉の意味を
よくよく考えてみると恥ずかしさに顔が赤くなるのを感じた。
けれど、カレンはこの言葉にとても喜んでくれたみたいだ。
308:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 00:10:19 x7peESG4
支援
309:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 00:12:06 KKbN+Alc
支援
310:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 00:12:49 7iKHIfos
支援
311:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/24 00:13:25 lMdpiJvV BE:1227376875-2BP(0)
「ありがと。それってプロポーズ?」
カレンは僕の胸板に頭を立てかけ、小さな声で囁いた。
彼女の表情は分からない。
僕は“そうだ”と言ってみたいのに、実際には言うことの出来ない自分へのジレンマで
「えっと」や「その」という言葉を連発してしまう。
もちろん、声だけで彼女の表情を想像する余裕など全くない。
そうこうしているうちに、パニックになっている僕を見るのに満足したのか
カレンは また「冗談よ」といって人差し指を僕の唇にあてがった。
「ルルーシュのところのピザ娘に似てきたんじゃないかい?」
「そうかしら? まぁ一年もあの女と一緒に生活してましたからね。」
と言ってカレンはまた笑う。
なんか悔しい。
けれど楽しい。
こんな日がいつまでも続けばいいな という僕の願いは、はたして叶うのだろうか。
戦いが終わったら、今さっき言えなかったことを僕は言えるのだろうか。
312:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 00:16:07 KKbN+Alc
支援。
313:B.B. ◆lpNb5xIsIU
08/11/24 00:18:17 lMdpiJvV BE:561087528-2BP(0)
以上です。支援ありがとうございました。
次の話は短いんで、火曜日あたりにまた投下しに来ます。
クロノトリガーもクリアしたし
ss作る妨害も無くなったんで、残り何話になるかわかりませんが
最後まで皆さんとおつきあいできたら幸いです。
314:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 00:29:26 KKbN+Alc
>>313
乙&GJ!
ライの台詞はどうみてもプロポーズです。本当に(ry
甘いライカレでごっつぁんです。
途中カレン視点に移るところが混乱していたのがちょっと残念です。
果たして彼らが学園に戻れるのか、先の展開も楽しみにしています!
315:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 00:48:18 aB17ntfq
B.B.卿乙でした!
うなされるライをそっと労るカレンの描写に心が癒されました。
また次回も期待です。
316:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 01:06:51 x7peESG4
>>313
クリア早いよ、俺まだ買ってすらいないよ!
……という個人的事情は置いといて。
B.B.卿、GJでした!
ライ、あらゆるものをなぎ倒してるwww
誤解が解ける早さと、その後の二人の会話が良いものでした。
ライの願いは叶うのか、戦いが終わる頃には二人はどうなっているのか。
展開が非常に楽しみです!
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
317:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 01:52:30 C7j7bTtO
>>313
なんだかほっとする一編。
不貞寝するライの様子が可愛くてたまらないです。
ずっとカヤの外に置かれているだろうルルーシュが不憫w
この先、本物のプロポーズすることができるんでしょうか。
BBさんのロスカラ世界、今後どう展開するか
楽しみにお待ちしています。ありがとうございました!
318: ◆1kC3aaXjik
08/11/24 02:20:49 C7j7bTtO
このスレッドが立ち上がって以降、外部板(>>55,>>205)にて意見交換がされていた
当ロスカラSSスレの移転問題について、以下のとおりお知らせします。
ご理解の上、ご協力をお願いいたします。
**********
●●当ロスカラSSスレ移転の是非を問う投票のお願い●●
先日から、外部板避難所(>>55)にて意見交換されている
ロスカラSSスレ板移転問題ですが、当スレ利用者の皆さんに
改めて移転の是非を問いたく、以下に併記する問題の経緯を参照の上
下記日程・方法にて移転の賛成・反対の投票をお願いいたします。
投票日:11月29日(土)0:00~24:00
場所:避難所(>>55)内投票所スレッド(まだ立っていません。)
29日0時より24時間の間に、避難所内に設けられた投票所スレッドにて
各自一票、ロスカラSSスレッドの移転について賛成・反対をレスしてください。
30日になった時点で締め切り、集計します。
(投票所スレッドは、投票時間に合わせて避難所内(>>55)に新しく立てます。
期日に際して改めてこちらに投票所アドレス等誘導する予定です。)
※当ロスカラSSスレ32が立てられるにあたり、>>5にて前触れなく
移転について触れる内容が加えられ、混乱の原因となりましたが、
改めて移転問題を運ぶにあたり、こちらの内容を撤回することとします。
319:2/3 ◆1kC3aaXjik
08/11/24 02:22:56 C7j7bTtO
●移転問題の経緯・概要●
現在使用しているギャルゲー板は連続投稿や過剰投稿などの規制が厳しく、
また過日のコードギアスのアニメ本編の終了よりスレッド利用者が減少し
十分な支援が確保できないことも多くなったため、作品投下に支障が出る状態になっていました。
これらの問題を回避すべく提案されたのが、文化カテゴリ「創作発表板」への移転です。
(創作発表板の主なスペック→スレリンク(gal板:803番))
移転に関する主なポイントは以下の点です。
* 創作発表板のメリット
・ 一レスで投稿できる文章量が増え、投下にかかる時間が減少
・ 投稿に関する規制がゆるく、連投・過剰投稿規制にかかりにくい。(「さる」回避)
支援がなくても長文投稿が可能になる
* 移転のデメリット
・ 板移転で離れていく利用者、迷子になる帰還者が出る
その他、詳細は避難所(>>55)議論用スレで交わされている意見を参照してください。
気になる点や意見等ありましたら、引き続き、投票日まで意見交換をお願いします。
※また、ロスカラSSスレッドの創作発表板への移転が決まり実行されることとなる場合、
移転の体裁についても話し合うこととなります。
今回の投票は「板移転の是非」についてのみ行うものですが、
移転方法についても気になる点やご意見等ありましたら(>>55)議論用スレにご参加ください。
320:3/3 ◆1kC3aaXjik
08/11/24 02:26:14 C7j7bTtO
●移転問題の詳細、気になる点や意見等はこちらへ●
コードギアス反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ避難所(仮):
(PC用) URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
(携帯用) URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
上記避難所内議論用スレ:
(PC用) URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
(携帯用) URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
**********
以上になります。(>>318にて通し番号乗せ忘れました。1/3になります。)
何か気になる点等ありましたら、避難所議論スレにご参加いただければ幸いです。
321:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/24 09:59:05 nKUwzsuf
>>261-262
これだから自分の都合しか考えない輩は
322:保管者トーマス ◆HERMA.XREY
08/11/24 22:49:15 soJ5jZvL
移転問題に関する事について、議論や投票の場所のリンクとお知らせなどを
保管庫のNewsにて掲載しました。(318からの文言を許可を得た上で丸写し)
323:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/25 02:10:07 PyyS+QhH
乙です
324:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/25 11:39:02 0CSkjDUA
>>322
いつもながら乙です。二律背反的な希望があって大変とお察しします。
325:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/26 00:03:05 XJn8XB9g
こんばんは、B.B.です
でましたよ…………
<アクセス規制中です!!>
しばらくは投下無理くさいかも………
326:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/26 01:43:08 R94JM7P0
規制は本当に困りますよね……
避難所で代理投下をお願いするという方法もありますよ?と言ってみるテスト
327:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/26 07:26:05 jNgI7Lmk
トーマス卿にメールで送る手も有りますよ
と、言ってみる。
328:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/26 19:20:40 JH4kz7BC
本編終わって投下数とコメが減ってきているのが寂しいので、シチュエーションとかお題みたいなリクエスト関係も、やってみたらどうだろうと言ってみるテスト。
329:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/26 20:36:06 NbQT9dXj
やってみたいな。
これくらい緩やかならできそうな気も
330:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/26 20:43:57 JtPcjd4e
お題 ライのクリスマス
雰囲気 学園編風
シチュエーション
クリスマスが近付き忙しない学園。
いまいちクリスマスという概念を理解できないライに間違ったクリスマスを吹き込む生徒会の面々だが………。
間違ったクリスマスのイメージを吹き込む役はC.C.でもいい
かも試練。
こうですか? わかりません><
331:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/27 07:08:39 rpflgRI5
>>330 そうそう、こんな感じで。
職人の皆さん、どうでしょう?
332:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/27 09:12:25 TEuyw0pp
心では無く、魂で理解出来た!
SSを書きたいと思った時…既に行動は終了しているんだ!
333:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 00:08:58 jC8qM9zF
移転の話が出たとたん過疎ったな
終わりかな…このSSスレも
334:ライ×C万歳
08/11/28 00:24:55 GdurH3J+
こんばんわライ×C万歳です。
短編が出来ました。
タイトル:野菜ジュース
カップリング:ライ×C.C.です。
二十分で書いたんで字の分少なめで短いです。
投下してよろしいでしょうか?
335:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 00:26:44 3JjwDlH4
待ち構えております。
336:ライ×C万歳
08/11/28 00:31:24 GdurH3J+
いきます
野菜ジュース
「はい、C.C.。」
ライは仁王立ちしながら、今日も自室のベッドの上でピザを食べているC.C.に、コップに入った赤い液体を差し出した。
「!?…何だそれは?」
C.C.は何か不気味な物でも見たような目でコップの中の液体を見た。
「ほら、最近CMでやってる、「一日分の緑黄色野菜」だよ。一杯飲めば一日分の野菜と同じ栄養素が取れるっていう野菜ジュースさ。」
「ああ…あれか…」
C.C.は、今人気のグラビアアイドルがメイド服を着て「ご主人様!これ飲むと、一日分の野菜を食べたのと同じ栄養素が取れるんですよ!萌え~♪」と言いながら、野菜ジュースを飲んでいるCMを思い出した。
「で、これをどうするんだ?」
「飲むんだよ。」
「誰が?」
「C.C.が。」
「嫌だ。」
C.C.は即答で野菜ジュースを飲むことを拒む。
「我侭言わないでよ。C.C.は野菜食べてないんだから。」
「ピザに入っている野菜を食べている。」
「それじゃ足りないよ。ほら、飲む。」
「…」
C.C.は観念したのか、コップを受け取り、一口飲む。
だが一口飲んだだけで顔を歪ませ、ライにコップを返してしまった。
337:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 00:32:12 3JjwDlH4
必要かな。支援
338:ライ×C万歳
08/11/28 00:33:18 GdurH3J+
「苦い。」
「まぁ、一日分の野菜を凝縮してるからね。」
「お前は、将来を約束した相手にこんなものを飲ませるつもりか?」
「将来を約束した相手だからこそだよ。C.C.の体のこと、心配してるんだよ。」
「じゃあ、頼みを聞いてくれたら飲んでやる。」
「何?ピザは駄目だよ。」
「お前が半分飲んでくれ。」
「は?それじゃコップ一杯にならな…」
「…」
C.C.は少し悲しそうな目でライを見つめる。
その表情から、「私の頼みを聞けないのか?」という心の声がライの耳に届いた気がした。
「う…分かったよ。飲むよ。」
ライはコップに口をつけ、野菜ジュースを一気に半分まで飲んだ。
確かに苦かったが、先に一杯飲んでいたライは、嫌悪感なく飲むことができた。
339:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 00:33:38 3JjwDlH4
支援
340:ライ×C万歳
08/11/28 00:34:06 GdurH3J+
「(あ…)」
それよりもライは、飲み終えたときにあることに気付き、開いている左手の人差し指で自分の唇を押さえた。
「(これって…間接キス…)」
ライは少し頬を染め、僅かな羞恥を感じた。
C.C.はそれを見てニヤリと笑うと、ライの右手からコップを取り、残った半分を飲んだ。
「うん…少し甘くなったな…これならなんとか飲める。だが…まだ苦いから、口直しが必要だな。」
「え?」
C.C.はベッドから立ち上がると、ライと向き合った。
そして…
「ん…!」
ライの唇に自分の唇を強引に押し付けた。
「これで口直し完了だ。」
341:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 00:34:58 3JjwDlH4
支援
342:ライ×C万歳
08/11/28 00:38:16 GdurH3J+
投下完了。
これだけです。
たまには短くて薄味なライC物を書きたかったんで。
ちなみにこのライはブルームーン編をイメージしてるんでC.C.が不死と言うことは知りません。
私も野菜ジュース飲んでるんですがやっぱ生野菜食べたほうがいいのかな?
343:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 00:53:31 3JjwDlH4
>342
ライ×C万歳さん良い仕事ですね。
間接キスを気にするライが乙女のようで可笑しくなりました。
口移しで飲ませてしまえw けしかけたいです。
この季節は温かな鍋などの煮野菜もおいしそうですね。
CCの偏食を気にするライがあの手この手の野菜攻めというのもいいな
344:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 01:13:16 HRBNgO1g
>>342
ライ×C万歳卿、乙でした!
間接キスを気にする……うぶだw
不死でも栄養をとった方がいい……のかなぁ?
薄めの甘さ、いただきました。
貴公の次の投下を全力で待たせていただきます!
345:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 01:32:29 yuPRILR+
GJでした!
緩くて甘い話は大好きです
天然ライにしては珍しく間接キスに気付いたようでw
またの投下をお待ちしてます
346:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 17:34:26 Qm+RKwRU
45分頃に投下しても大丈夫でしょうか?
前書き・本文・後書き合わせての15レスです
347:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 17:48:23 35V9fe4f
支援します
348:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 17:50:06 Qm+RKwRU
危うく後日にしようかとしてしまいました
支援ありがとうございます
感謝のエールを送りたいです
前回のと合わせると長い1話になっちゃいました
タイトル:コードギアス 反逆のルルーシュR2 RADIANT WORLD
カップリング:特になし
ジャンル:シリアス・長編
備考:ギアス篇&黒の騎士団篇の合いの子ルートの
ギアス篇ENDからスタートしています
R2の豪快なifルート&オリジナルKMFが登場するので
苦手な方には本当に申し訳ないです
今回の話数は前回の続きですので第8.5話
349:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 17:51:31 35V9fe4f
支援
350:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 17:53:01 Qm+RKwRU
【コイバナ】
蓬莱島に来てからというもの、C.C.はピザから遠ざかっていた。
最近で食したのは日本に潜伏していた偽装船の中に居た時だけ。
しかし、ここで食べようにもルルーシュは学園での準備があり今はここにはいない。
となればライなのだが、当の本人は部屋におらず彼女は探す羽目になる。
そうしてそこそこ広い蓬莱島を放浪してやっと見つけたのだが、どうやらカレンと言い合いをしているようだ。
だが、彼女が遠慮などする筈も無く間に割って入っていく。
「こんな所にいたのか。ライ、ピザを食―――」
「C.C.は黙ってて! じゃあ言わせて貰いますけどライだって無茶するじゃない!」
「僕はカレンみたいな無茶はしない。大体、無茶は無茶でも君と同じじゃないだろ?」
「だからピ―――」
「後にしなさいよ!」
流石のC.C.もカレンの剣幕にたじろいでしまう、彼女の怒りは相当らしい。
終わるのを待つしかないと思ったのか、C.C.はシミュレータのデータの閲覧をはじめた。
そこに表示された二人のリザルトを見て原因が読めた彼女はすぐさまちょっかいを出す事に決める。
「カレン」
「なによ!」
「諦めろ。お前ではライには勝てん、ゼロからの信頼も含めてな」
「なんですってー!」
「C.C.、火に油を注ぐ真似をするな……カレンもいい加減に落ち着いてくれ」
「落ち着けるわけないでしょ! それともパートナーよりC.C.の肩を持つ気なの!?」
「なんでそういう話になるんだ……」
351:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 17:53:10 A2Bt8ldo
支援
352:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 17:54:30 35V9fe4f
支援
353:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 17:56:01 Qm+RKwRU
喧嘩を尻目に椅子に腰を下ろして二人の痴話喧嘩を聞きながらリザルトログを眺めている彼女に声をかけてきた人物がいた。
見慣れない三人の女性。名乗りを聞けば新人のオペレーターなようだ。
どうやら黒の騎士団の戦闘空母となる斑鳩のブリッジに配属されたらしい。
そこで挨拶も兼ねてKMF隊の総隊長とゼロの親衛隊隊長である二人に挨拶しに来たそうだ。
だが肝心の二人はKMFやら態度の違いやらの喧嘩の真っ最中である。
そこへおずおずと話しかけてくる巻き毛の少女、双葉綾芽はC.C.に素直な疑問をぶつけた。
「あの……お二人は恋人なんでしょうか?」
瞬間、場は静寂に包まれた。まるで聞いてはいけない事を聞いてしまったかの様な空気だ。
その中でC.C.は面白おかしく答えてやろうと口を開こうとしたその時。
『違う!』
当の本人達からの否定の言葉で目論見はあっさりと破られた。
その否定を不思議そうな顔で受け止める双葉の横から眼鏡をかけたポニーテールの少女、日向いちじくが口を突っ込む。
「それじゃあ総隊長の恋人はC.C.さんなんですか?」
「そういう噂があるのかどうかは知らないけど、C.C.とだけは噂でも御免だな」
「おいっ、今のは聞き捨ててはやれんな。まさか私の愛人では不服とでも言いたいのか?」
「誰が愛人だ。そうやって面白半分で誤解の輪を広げるな」
喧嘩の火種が移行していき話題を振った二人がオロオロする中。
綺麗なセミロングヘアーの少女、水無瀬むつきはカレンに狙いを変えていた。
「でも、お二人ってお似合いだと思うんですけど?」
「そういうのはやめてよ。それに興味がないわ」
「カレン、嘘を言うな。男勝りだとは思っていたが総領事館で―――」
「あれは誤解だって言ったでしょ!」
354:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 17:57:40 35V9fe4f
支援
355:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 17:59:00 Qm+RKwRU
喧嘩は明後日の方向へ飛んでいき、女性陣は恋やあれやと話が二転三転している。
そんな中で一人仲間外れになったライは途方に暮れていた。
これでは模擬戦どころではないのもあり、少し考えてこの場を後にする事に決める。
「カレン、言い方が悪かったのはすまない。ただ、気には留めておいてくれ」
「あ、え、うん……」
肩を軽く叩いて去っていくライを見つめているカレンを四人の女性陣はにんまりと見ている。
紅月カレン、戦闘ではエースでも人生のエースにはまだまだ遠かった。
【LIES TOO CLOSE】
シャワーを浴び終えて髪を拭きながら、ライは茶化されてからはじめて真面目に考えていた。
異性への愛情についてなのだがどうにもそういう事には関心が向かない様子だ。
過去の自分を振り返っても、心に余裕がなかったなとしか思い出せないでいる。
そう、彼にはそんな事よりも守らなくてはいけないモノがあった。
だから気にもかけず武道や政治の勉学に勤しんでいた。母や妹を守る為に。
ギアスを手に入れたある時、彼は怒りと衝動に駆られ父と兄達を殺した。
王の座に就いた時も縁談の話はあったが断り続けていた、隣国からの攻撃でそれ所ではなかったから。
その結末は蛮族の全ての命を奪ったが、その代償は大切だった母と妹の命。
悲嘆に暮れたが自分に恋人の様な存在がいなかったのは僅かな救いだったのだろうか。
そう思いながらも母と妹と全国民を殺した自分が生きているのは救いではなく罰なのではないか。
その事実にすら目を背けたくて自身の死を願ったが、彼にギアスを与えた人物は彼に望まない答えを告げた。
『―――願いを叶えるまでは駄目。それを果たせる時が来るまで、おやすみ』
356:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:01:56 35V9fe4f
支援
357:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:02:01 Qm+RKwRU
ギアスによる記憶の封印と当時は自暴自棄だったのもあり、詳細な言葉は思い出せない。
タオルを洗濯籠に入れて自室のシャワールームを後にする。
他人との友愛は二度目の目覚めの折に知ったが、その時も記憶を取り戻す事で手一杯だった。
ゼロとの邂逅。C.C.が教えた世界。カレンが預けた信頼。ナナリーとの穏やかな時間。生徒会メンバーとの交流。黒の騎士団での戦い。
そこで知ったのは世界の優しさ。それが彼を―――
「ぁぅ……」
「なぁに、ボウヤも大胆ね」
俯きながら斑鳩にあるゼロの自室に向かおうと外観にある階段を上っていたライの目の前が急に見えなくなる。
どうやら階段を下りて来ていたラクシャータにぶつかった様だ。
問題は彼の頭が彼女の胸に埋まってしまった事だろう。
「こっちの不注意ですまない……」
「別にいいわよ。今更恥ずかしがる年でもないし」
体を一歩引いて距離を取ってから彼女の顔を見ると何やら不思議そうな顔しているのが気になる。
自分の顔を凝視しながら思い出したかの様に口を開いた。
「あんたってさ、恋人でもいたの?」
「唐突な上に突拍子な質問だな……今まで一度もいた事はないよ」
「ふぅん。ホントに変わった子ね」
キセルをクルクル回していたのをピタッと止めて彼女は言葉を続けた。
『自分と合う者に出会えないなら孤独に生き、愚か者を道連れにしない。愚か者と道連れするな』
彼女の言葉に耳を傾けていた彼の頭の中に言葉の続きが思い浮かんでくる。
『孤独で歩め、悪をなさず。求めるところは少なくとも。林の中の象のように』
「よく知ってたわね。感興の言葉の一節よ」
「ブッダだったかな……急にどうしたんだ?」
「ん~忠告って所かしらね」
358:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:04:14 35V9fe4f
支援
359:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:05:01 Qm+RKwRU
この先の会話に興味が無いのか彼女は階段を下りていく。
それを黙って見送るだけの彼に付け加える言葉を思い出したのか振り返って彼を見据えた。
「それじゃカレンちゃんの面倒はよろしくね~」
「そういう事はゼロに言ってくれ、僕がするべき事じゃないだろ?」
「なぁに、あんた達ってそういう関係じゃなかったの?」
「違う、ただのパートナーだ。なんでラクシャータにまで勘違いされているんだ……」
頭を抱える彼を見据えたまま思い違いだったのがわかったのか、彼女は彼に謝罪をしてその場を後にしていく。
彼も部屋に向かおうと階段を上りきった所で卜部と仙波に出会ったのだが卜部の表情が少々怪しい。
羨ましそうな表情をしているのが気になったのだが仙波に気にしなくて良いと言われてその場で別れた。
今日も騒がしい日常だなと思いながら二人を見送っていると玉城がこちらに向かってくる。
「玉城、またサボったのか?」
「いいじゃねえかよ、細かい話は無しだぜ戦友」
「どうなっても知らないからな……」
肩をバシバシ叩きながらいつもの調子で話す玉城にライは何を言えばいいのか思いつかなかった。
そこで先程まで考えていた事はなんだったのかを思い出そうとしたのだが、玉城が急に真面目な顔になる。
「ところでよ、一つ言っておくぜ」
「ん、なんだ?」
「お前みたいな野郎は何でも自分で抱え込むからな、これからは無茶とかすんなよ」
「急にどうしたんだ? 大体、僕がいなくなった所で―――」
「んな事を軽く言うんじゃねえ。それによ、お前になんかあったらあのゼロやカレンでも悲しむだろうぜ。だから死に急ぐんじゃねえぞ」
自分の存在価値。それは少なからずあると言う玉城の言葉に彼は内心驚いていた。
その時、同じ言葉をかけられた一年前を思い出した彼は玉城の変わらない人柄に感謝した。
変わってしまったものもあるが、変わっていないものもあるという事も含めて。
360:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:07:11 35V9fe4f
支援
361:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:08:01 Qm+RKwRU
「……わかった、これからは気をつけるよ」
「わかりゃいいんだよ。後よ、そうやって笑えるんなら普段から少しは笑えよな」
「ん、笑っていたか?」
「無自覚かよ……」
そのまま好き勝手に捲し立てて玉城はどこかへと消えていく。
そこで彼は気が付いた。玉城を訓練に戻さなくてはいけなかった事を。
今更止めようにも何処へ向かったのかがわからず姿も見当たらない。
結局、玉城の事は諦めてルルーシュの自室に入り新型KMF蜃気楼のマニュアルに目を通しはじめる。
ウィークポイント等の思案を続けている彼の頭の中に先程まで悩んでいた愛情の問題を思い出す。
だが、その問題にすぐ蓋をしてしまう。まるで考えるだけ無駄だという様に。
(人間は概ね自分で思っている程幸福でも不幸でもない、か……)
あるフランス作家の言葉を彼は思い浮かべた。
咎人である自分が優しさを知れただけでも幸福だと彼は思っている。
思い出がある限り彼はいつまでも幸せだ。だから戦っていられる、守りたい場所があるから。
その過程で優しさを教えてくれた人達からの責め苦を負っても彼は後悔しないだろう。
彼が望むのは他者の幸福と未来であり自身はそこに入っていない。
しかし、作家の言葉の続きにはこうある。
『肝心なのは、望んだり生きたりする事に飽きない事だ』
一年前、大切な人達を悲しませたくないからと彼は自らの忘却を望み眠りについた。
だが、目覚めを迎えた彼が見たのは悲しい結末だけだった。
362:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:09:14 35V9fe4f
支援
363:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:11:00 Qm+RKwRU
それを知った時、彼はもう一度生きる事を。戦う事を決意した。望み託した未来を残す為に。
確かに望んで生きてはいる。しかし、その為に不幸になるのは幸福と呼べるのだろうか。
今の彼が心に抱えている幸せのカケラ。今も傷ついている願いを癒したい衝動。
それはまるで嘘を重ねて作りあげた砂上の楼閣の如く空虚で曖昧だった。
【PLATINA SOUL】
からかいから逃げ出したカレンはシャワーを浴びようと斑鳩に用意されている自室に戻っていた。
団員服の上着とパイロットスーツをベッドに脱ぎ捨てて彼女はバスルームに入っていく。
蛇口を捻りシャワーを浴びながら考えていた、先程から頭に引っかかっていた事。
正確に言えば前々からだろう、ルルーシュとゼロの真実についてを。
『そうだ、俺がゼロだ』
神根島で暴かれたギアスによる日本人の虐殺とブラック・リベリオンの思惑。
『こいつはルルーシュだ! 日本人を、君を利用した男だ! そんな男を守りたいのか、君は!?』
壁に体を預けながらゆっくりと目蓋を閉じて彼女は自分に問いかける。
ゼロがいたから日本開放の夢は広がった、その広がった夢を壊したのもルルーシュだ。
自分の兄と同じ位に信じていたのに、結局は利用されていただけの関係。
『自分の心が浮ついて懇意の男に顔向けができない。と言ったところだ』
懇意にはしていたかもしれない、だが相手はそう思ってはいない。
あの時の言葉は本心だったのかを聞こうにも既に一年の月日が過ぎた。
そして二度目の同じ言葉を投げかけた彼の言葉の続きは隷属ではなく選択だった。
『あくまで君達自身の意思で選んでもらいたい。私に出来るのは旗印になる事だけだ』
364:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:13:04 35V9fe4f
支援
365:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:14:00 Qm+RKwRU
それを迫られる前から彼女は選んでいる。
特区に参加した多くの人間の命を奪ったルルーシュだが、そのルルーシュにしか状況の打破は出来ない。
この一年間で思い知らされたその事実。日本の独立の為にはゼロは必要不可欠である事。
彼女が慕っていた井上や仲間だった吉田や永田といった命を失っただけで何も変えられないまま終わるなど出来る筈がない。
様々な悲劇で散った命を無駄にしない為にも戦い続けるには彼はまだ必要だった。
(勝ち取ってみせる。みんなや紅蓮と一緒ならきっと……)
彼女自身、既に引き金は引いてしまっている。その過程で学園での知人の父親の命を奪ってしまった事もある。
ここで止めてしまえば彼女は奪うだけ奪っただけの略奪者に成り下がってしまう。
それは彼女の中に半分流れているブリタニア人がしてきた事と同じでしかない。
彼女は決意を固めるかの様にシャワーを止めてからバスルームを後にしてバスタオル一枚の姿になる。
ハンドタオルで髪を拭きながらベッドに腰を下ろした彼女は机に置いてある物に視線を移していく。
青色のストラップと繋がっている紅蓮の起動キーへと。
(私と同じハーフ、か。不思議な感じね)
ふと、彼女は自分と同じ日本人とブリタニア人のハーフの少年のライを思い浮かべた。
彼女がはじめて会った時、彼を信用できなかった。どうみてもブリタニア人にしか見えなかったからだ。
『彼は信用できる人物だ』
だが、人を駒だと言い切ったルルーシュがバベルタワーでは信用できるとまで言い切った。
ルルーシュだけではない、C.C.も同じ様な態度だった。
真実の一部しか知らない彼女だったが、その二人からの全幅の信頼を寄せられる。
つまり、それだけ真実に近くにいて頼られているという証だった。
それがわかった時、彼女は益々彼を信用できなくなった。
自分の知らない人間が全幅の信頼を寄せられている事。自分よりもKMFの扱いに長けている事。
366:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:16:07 35V9fe4f
支援
367:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:17:00 Qm+RKwRU
感情論寄りではあったがルルーシュの裏切りもあり信用できると言われては逆にできない。
そう思っていた彼女だったのだが彼と話し合うと確かに信用できる人柄だった。
無表情で口数は多くないが義務感は強く他人への思いやりもある。
(ルルーシュとライ……似てるけど……)
二人に漂う雰囲気が似ている事、それも彼女が信用できなかった理由の一つだ。
しかし、それはライの言葉と行動と共に不信感は消えたが違う悩みを浮き彫りにした。
記憶の彼方にある安心感、一年前にはあって今まで無かった感情。
二人の明確な違い。二人の明確な変化。それは彼女の心の中で影を落としていた。
(やっぱりゼロの事を……違う……ルルーシュの事もよね……)
記憶の檻に閉じ込められた日々。あの戦いの中で確かに感じていた気持ち。
指導者として。仲間として。背中を預けるという命を託す行為。
ルルーシュと似ているライとの出会いは彼女の心を揺らした。
嫌っている人間と同じ空気を持った相手に出会って痛感したのは―――
(そういうのは柄じゃないか。そんな事より日本の事からよね)
気持ちに蓋はしたが彼女の心は傾いていた。ルルーシュという存在に。
許す事を出来ない相手に抱く好意、それが彼女の心を衝いていた。
団員服に袖を通しながらその考えにシャットダウンをして彼女は視線を違う物へと移していく。
キーの側に置いてあるフォトフレームに入った家族と写っている写真へと。
兄が掴もうとした未来、母という守りたい存在。
彼女もまた守りたい者の為、そして願いの為に戦っている。
しかし、彼女自身が見つけた戦う理由はまだ無かった。
【魔女はかく語りき】
からかう対象に逃げられ目的も果たせなかったC.C.は斑鳩のルルーシュの自室に戻ってきた。
368:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:19:04 35V9fe4f
支援
369:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:20:01 Qm+RKwRU
部屋に入ると明かりがついており不思議に思ったがデスクチェアーに腰掛けたライを見てすぐに理解する。
ライも彼女を一瞥するだけでなにかの作業へと戻ってしまう。
団員服を脱ぎ散らかして彼女はソファーに置いてあるチーズ君の人形を抱きしめて寝転がる。
視線はライに向けていたが言葉も無くただ沈黙が漂っているだけだった。
「ライ―――」
「ピザならさっき手配した。明日には届くよ」
彼女は彼の返答に思わず目を丸くしてしまう。
あの口喧嘩の最中でもこちらの言葉には耳を傾けていた事に。
それと同時に彼の表情の僅かな変化も見て取れた。
「……模擬戦をしていたそうだが、カレンを使うつもりか?」
沈黙が再び漂う中、彼は深呼吸をして彼女の眼を見据えた。
そうして彼女が見た彼の蒼い眼には決意しか見えない。
「今は断言できないな。ただ、必要なら―――」
その先の言葉は聞かなくても彼女にはわかっていた。
この男がどこまでも愚直で頑固だという事を。
慰めも称賛もされないその選択は止めるべきだと彼女は理解している。
しかし、彼女にはどうやってするべきかわからなかった。
今止めればルルーシュは力に飲まれて彼女は彼を失ってしまう。
(自分勝手なものだな……それに過ぎた願いとでもいった所か……)
一年前に彼へ託したささやかな願い。次に目覚める世界が彼に優しくあるようにと。
だが、再び目覚めて彼が知ったのは世界の歪んだカタチだった。
370:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:22:05 35V9fe4f
支援
371:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:23:01 Qm+RKwRU
「……怨んでいるか、私の事を?」
「怨む? なぜC.C.を怨む必要があるんだ?」
彼の当然といった返答に彼女も困惑してしまう。
彼女の気紛れにも似た行動、世界の在り方と捉え方を教えた事。
「むしろ感謝しているよ。世界に興味を持てなかったのに―――」
「それ以上は言うな。あれは気紛れでした事だ、感謝される謂れはない」
彼の感謝の言葉は彼女の心を抉り傷つけた。
彼にも咎があるように彼女にも咎がある。
そんな自分が感謝される程、今の彼女は自分を許せていない。
そして彼の変化にも憤りを覚えた。
「お前は変わったよ……悲しませない為だと言いながら悲しませる道を選ぶなど……」
「ロバが旅に出ても馬になって帰ってくるとは限らないだろ」
「言葉で心を隠すな。誰もお前に―――」
「望まれても頼まれてもいない。でも、これが僕の願いだ」
彼の決意、それに綻びでもできればと彼女は思ったが彼の心は貝の様に固く閉ざされていた。
ただ、それは学園の人間や団員達の所為ではない。勿論彼女にも責はない。
彼は彼なりに守ろうとしているだけだ、この世界に訪れる明日を。
「怨まれるだけだぞ、それでも―――」
「構わない。みんなが笑っていてくれる明日が来るなら……それでも……」
彼の想いは純粋だと彼女にもわかっている。
しかし、誰も彼に手を差し伸べない現実を彼女は知っていた。
彼が世界にかけたギアスは彼から救いを取り上げたという事を。
372:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:25:05 35V9fe4f
支援
373:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:26:01 Qm+RKwRU
(これも力を手に入れ、使った代償か……)
作業を終えたのか、ファイルを片手に彼が部屋から立ち去ろうとした時。
彼の膝が折れてその場に跪いてしまう。
「ちっ……おい、しっかりしろ」
彼が手で抑えている指の隙間から覗かせた眼を見るとギアスが明滅している。
彼女には原因がわかっていたがそれでどうにかできる物でもない。
そんな中で背中を摩りながら彼に声をかける彼女の表情は悲しそうだった。
「息をしっかり吸え、ゆっくりと深くだ」
ギアスの明滅は収まりつつあったが呼吸は荒く彼はまだ跪いている。
「高亥に使ってからか、それとも以前からか?」
「目覚めてから……時折だよ……間隔も不定期だ……最近は大丈夫だったんだが……」
心配をかけまいとしているのだろうが彼女にはどうみても辛そうにしか見えない。
だが、彼女は慰めるという選択肢は選べなかった。それをするのは自分ではないと。
彼女も己の願いの為に傍観者に徹するしかなかった。
「……もう大丈夫だ……すまない……」
彼女の肩に手を乗せながらなんとか立ち上がる彼の姿は一年前より儚いと彼女は思えた。
そうしたのは自分でもあり世界でもあり彼自身でもある。
『王の力は人を孤独にする』
それを痛感しているからこそ彼女はここにいる。
しかし、無力でしかないのも事実だった。
「ライ、打ち克てよ。運命に。選択に。その行動の結果に」
「C.C.も傲慢だな……」
「なんだ。もう忘れたのか、私はC.C.だぞ?」
374:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:27:47 c2605Nls
支援
375:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:28:39 35V9fe4f
支援
376:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:29:00 Qm+RKwRU
ふらふらした足取りでドアに向かっていた彼が立ち止まり彼女を再度見据える。
彼女の記憶の中にある彼の髪の色より少し薄くなってしまったのを見て彼女はルルーシュの未来を案じてしまう。
これもルルーシュの進む道の成れの果ての一つなのかと。
「お前は私の過去を知っている、それでも望むのか?」
「駄目か?」
「いや……望むのは自由だ。だが―――」
「人は変わる、変われる。僕もそうだった、それに君も少し変わったよ」
それだけを言い残して彼は部屋を出て行ってしまう。
拒絶を残しながらも彼女の行動を許容しているその行動に彼女は苛立ちにも似た戸惑いを感じる。
「人間は面白いが……儚く物悲しいものだな……」
彼女の願いは誰かの犠牲無しには叶わない。
しかし、今の彼女はその願いを叶えていいのかを迷いはじめていた。
「マオ……シスター……」
彼女は人である事を忘れてしまった。
闇を抱えて。真実を奥底に沈ませて。心を痛ませて。
そうして魔女はかくも言葉を語っている。
故に人としてかくも心を語らなかった。
377:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:29:52 c2605Nls
支援
378:ぷにぷに ◆/uQUf4aJ4k
08/11/28 18:30:32 Qm+RKwRU
以上です
色々と方向がぶっ飛んできてアレな感じですね
ギアスと関係ない曲をテーマに選ぶと色々大変だ…
次回のキーワードは『ライがアップをはじめました』
>>177
確かに身体能力だけならスザクと表現するべきなのですが
あくまでナイトメア戦を指しているのでランスロットと表現しました
でも、ややこしいと言えばややこしいですね。申し訳ないです
色んな漫画やゲームを買ったのはいいんですが消化する暇が無い…
でも感想が増えて嬉しいので古参の方や新人さんに劣らない為にもSSをまず頑張ります
では、失礼しました
379:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 18:37:56 35V9fe4f
ぷにぷに卿、GJ!!!
乙でした。
支援できて光栄です。
ライ…幸せになってくれよ。
次回も楽しみに待っています。
380:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 21:00:29 Rj2zS+P6
>>378
GJでした!!
ライは自分より他人を心配するタイプですからね。
そういった部分も彼の魅力の一つですが、このライを見ていると色々と心配になってしまいますね。
果たして、ライを含めてみんなが笑いあえる日が来るのでしょうか!?
次回の投下を楽しみにお待ちしております!!
381:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/28 21:58:16 HRBNgO1g
>>378
ぷにぷに卿、GJでした!
人の為に自分をないがしろにしがちなライ、今は救いの無いその道の先
それでも、幸せになって欲しいと思いますね。
複雑な思いを抱えるカレン、そしていい人な玉城……皆に頼ることが出来れば良いのに。
綾芽の言葉にダブル○ーの、ですぅ娘を幻視。
貴公の次の投下を全力を挙げて待っております!
382: ◆1kC3aaXjik
08/11/29 00:12:26 It6J73Ty
●●ロスカラSSスレ移転の是非を問う投票のお願い●●
ロスカラSSスレ板移転問題についての投票を開始しました。
投票期間:11月29日(土)24:00まで
場所:避難所内投票所スレッド
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
29日24時までの間に、上記投票所スレッドにて各自一票、
ロスカラSSスレッドの移転について賛成・反対をレスしてください。
30日になった時点で締め切り、集計します。
※投票所は、投票時間を過ぎた時点で板管理人の方によりスレッドストップされます。
ギリギリの投票は出来るだけ控えて下さい。
・・・・・・・
それでは、よろしくお願いいたします。
383: ◆1kC3aaXjik
08/11/30 01:24:40 ETRrKOPI
●●ロスカラSSスレ移転の是非を問う投票●●
ロスカラSSスレ板移転問題についての投票が終了しました。
賛成 46票
反対 2票
(投票総数49票、無効票1票)
賛成多数により、今後、ロスカラSSスレは創作発表板に移転することとなります。
移転の方法などについて、引き続き意見交換が必要になりますので
避難所議論スレへの参加、動向の確認をお願いいたします。
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
・・・・・・・
みなさん、ご協力をありがとうございました。
384:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 14:51:29 b+tfdbhC
静か過ぎる……
多くの作家さんがここから離れてしまったんじゃないか?と不安だ。
385:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 15:09:30 /8vUdLkI
寂しいなあ
386:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 18:29:41 oCTQrA0y
俺は信じてる
きっと帰ってくる
みんな投下をしに戻ってくる
とくに青い運命卿!
ぷりーづかむばっく!あおちゃん愛してる!!
387:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 18:53:18 T+c770zB
みんな受験とかで忙しいのさ
あとアクセス規制も厳しいみたいだしね
388:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 19:57:19 a61PEx8E
どうも、二週間ぶりです。
今から続きを投下します。
全部で16レス(予定)です
389:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:00:29 a61PEx8E
○シーン9『気持ちの問題』Cパート
「終わったぁ」
ロイは背もたれに体を預けて大きく背伸びをした。
行政特区失敗からちょうど九日。ようやくロイはラウンズとしてのその後処理全般を終えた。もっともだからと言って、通常の業務が減ったりはしないが、少なくともこれで一週間以上の徹夜からは解放されるだろう。
「お疲れ様です。キャンベル卿」
そのそばからアルフレッドが紅茶を差し出した。ロイはお礼を言って、自分と同じく目の下にクマを作っている副官を見上げた。
「いや、お疲れ様。こんなに早く終わったのは、君が手伝いにきてくれたからだよ」
ロイは副官にひとしきり感謝の言葉を並べた後、紅茶を口に含んだ。疲れている頭に、いつもより甘めに作ってある紅茶は良く染み渡った。
「うまい」
「恐縮です」
アルフレッドは軽く頭を下げた。
「それにしても、正直、ここまで忙しいとは思いませんでした」
そう言う青年士官の顔には明らかな疲労の色があった。この数日、副官としてロイの殺人的な業務の一部を任されていたアルフレッドは、充分にその能力を発揮し、ロイを助けていた。
「まぁ、君の場合は今回の着任の時期が悪かった」
ロイはそう言って悪戯っぽく笑って見せた。
「なにせ、あの規模の式典が失敗に終わった直後だからね。その後に計画されていた企画は全部キャンセルだし、企画がキャンセルされればそれにしたがって、その企画に動員するはずだった人員、資材もろもろ不要になるから。大変だよ」
ロイは人事のように述べて、そのまま疲れを吐き出すように深く息を吐いた。そして、手元にある書類を机の上でトントンと揃え、それをアルフレッドに差し出した。
「アルフレッド。これをローマイヤさんの所へ。その後はもう直帰で構わない」
「イエス・マイ・ロード。では、今日の所はこれで」
アルフレッドは書類を受け取ると、丁寧な敬礼して、部屋を出ていった。その後ろ姿が少しフラついているのを見て、ロイは心の中で、おつかれさま、と呟いた。
「さて、僕は少し寝ようかな……」
ロイはもう一度大きく背伸びをした。
390:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:03:12 a61PEx8E
時間は夜の七時過ぎだった。いつもならまだ元気に仕事をしている時間だが、ここ数日、ずっと徹夜で眠いのだ。形式上では業務時間内でもあるが、これだけ残業手当が付かない徹夜を繰り返したのだ。ささやかな睡眠ぐらい許されてもいいだろう。
ロイは大きなあくびを一つして瞼を拭うと、執務室と繋がっている私室に足を向けた。
その時、執務室に来訪者を知らせるブザーが鳴った。
「んっ、どうぞ?」
ロイは足を執務室に戻して、睡魔に犯され始めた表情を引き締めた。
それから数秒後、空気の抜けるような音がして、入り口のドアが横に開いた。すると、
「こんばんは、ロイさん」
現れたのは、ロイの上官であり、このエリアの総督であるナナリーだった。
「ナナリー総督?」
ロイは早足で駆け寄り、いつも通り彼女に合わせて身を屈めた。
「申し訳ありません。総督に頼まれた件につきましては、まだ調査もしておらず―」
ナナリーがルルーシュという人間の捜査状況の確認に来たと思ったロイは、そう素直に謝った。
別に、まだウラが取れていないから教えないわけではなく、本当にここ数日はそんな事を調べる暇もなかったのだ。
「あ、いえ、そういう事では無いのです。ロイさんの忙しさは、知っているつもりですから」
ナナリーは手を出して、それを顔の前で左右に振りながら、ロイの懸念を否定した。
ロイは顔を上げ、分厚いレンズ越しにナナリーを眺めて「では」と聞き返した。
「どのような御用でしょうか?」
「あの、わたくし……」
ナナリーは肩を落として、ついでに顔も伏せた。
「……」
ロイもこの可憐な上官と付き合いだして一年以上が経過している。なので、ロイがその表情から、またナナリー総督は何か重いものを背負っているな、と判断するのはそれほど難しくは無かった。
「失礼しました。とにかく、席にお連れします。実は今さっき仕事が終わったばかりでして、よろしければお茶をご一緒していただきませんか?」
しかし、目の前の少女はその誘いを素直に応じなかった。
「……あの、それは本当ですか?」
ナナリーは何やら神妙な面持ちで聞き返してきた。
「はい? 何がですか?」
ロイが驚いて尋ねると、ナナリーは少し迷って、
391:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:06:41 a61PEx8E
「ロイさんは、私が訪ねるといつもそうおっしゃて下さるので、本当は無理をしているのでは無いかと……」
「そんな事はありませんよ」
ロイは、内心ドキリとしたが、表面上は少し吹き出して笑って見せた。
○
温い紅茶と、熱い上に、通常より相当濃いブラックコーヒーが置かれたテーブルを挟んで、ナイトオブゼロとエリア11の総督は何かを話し合っていた。
「私は、何のお役にも立てなくて……」
そう言ったナナリーの言葉には、自分自身を卑下する響きがあった。
ロイは返答に困った。
「……」
今まで、ロイがナナリーから聞いていた話はこうだった。
ナナリーは今回の行政特区日本失敗の責任を感じている。そして、その後始末のお手伝いをしたいと切に望んでいた。しかし、何もできなかった。
文官に、私に何かできる事はありますか? と尋ねても、「いえ、総督の手を煩わせる事は何もございません」という言葉の連続。口調は優しいがその実、「忙しいからあっち行っててください」という意図がナナリーには感じられたそうだ。
(ふむ……)
ロイはそんなナナリーに内心、同情した。しかし、ナナリーを冷たくあしらった文官たちの気持ちも理解できるロイだった。
ロイもそうだったが、行政特区日本が終わって今日まで、ある程度の立場を有する軍人、文官は皆、行政特区の殺人的な後処理に追われていた。
正直、あまりそういう後処理の能力に長けていないナナリー総督の面倒まで見切れないというのは、当然とは言わないまでも仕方の無い反応と言えるだろう。
しかし、そのせいでナナリーの自信が大きく失われてしまったのも事実だった。そして、ここ数日の精力的なイレブン施設への訪問やマスコミへの顔出し等は、ナナリーの話から、ローマイヤがナナリーの心境を察して、無理やり組んだものだと言うのも分かった。
おそらく、ローマイヤとしては、ナナリーに暇を持て余させるより、何かしらの仕事をやらせた方がナナリーにとっても良い、と考えたのだろう。
しかし、ナナリーの方からしてみれば、そのローマイヤの行動は自分を仕事の邪魔者としてみている、だから外に回す、という風に映ったようだった。
392:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:08:40 a61PEx8E
ちなみに、ナナリーは自分をそのように見なしたローマイヤを怒ってはいない。ナナリーは自分の力量と幼さを良く認識している上に、むしろそのような気遣いをしてくれたローマイヤに感謝すらしている。
だが、自身の能力の無さを情けなく思う気持ちに歯止めが効くものではい。
ロイは、そんなナナリーを見つめ、困った顔をした。なんとか慰めてあげてさしあげたいものだが、その手段が思い浮かばないのだ。
だが、ロイはふいにある事を思いついた。
「総督の部屋に行きましょう」
「?」
急にロイが椅子から立ち上がって告げると、ナナリーが下に向けていた顔を上げた。
その顔に、ロイは自信に満ちた微笑を向けた。
○
ナナリーの車椅子を引いて総督の執務室に入ったロイは、すぐに目当てのものを見つけた。
「あったあった」
ロイは車椅子を押し、二人でその目当てのものに近付くと言った。
「総督。やはり、まだ続けていらしたんですね」
何を問われているのかに気付いたナナリーは、微笑んで小さく頷いた。
「はい。昔に比べてやれる時間は減ってしまいましたが、それでも、少しずつにでも続けていこうかと思いまして」
そう言ってナナリーはその細い腕をスッと前に伸ばした。目は見えなくても、部屋に入った後に動いた歩幅や距離等から、手を伸ばせばそこにはそれがある事を知っているようだった。
ナナリーの手にカサリと乾いたものが触れた。
それは鶴だった。正確には折り鶴の大群だった。ぱっと見ただけでも百や二百ではきかない数が、糸に吊るされていた。
日本の伝統、千羽鶴というものだった。これをナナリーは各イレブンの福祉施設に、訪問と共にプレゼントして回っているのだ。
今までナナリーが贈呈した千羽鶴は三つ。目の前にあるのが四つ目だ。どこに贈呈されるかは決まっていないが、市役所の福祉課か、児童施設か、老人ホームのどれかになるだろう。
「あと、どのくらいで完成なのですか?」
ロイが尋ねると、ナナリーは弾んだ声で答えた。
「あと、100羽ほどで完成します。そういえば、今まで作った中で、これが一番早く出来上がりそう」
ナナリーは鶴に触れていた手を下ろして、瞼が閉じられたままの瞳をロイに向けた。
393:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:10:36 a61PEx8E
「ロイさん。実は、先日カリーヌ姉さまが300羽ほど、鶴を送ってくださったんです」
嬉しそうに言うナナリーを見ていると、ロイは自分の顔は笑顔にしか表情を変えられないのではないかと、思わず勘違いしてしまうような錯覚に囚われた。ロイはナナリーの嬉しそうな姿を見るのが好きだった。
「カリーヌ様がですか?」
「はい」
本当に嬉しそうにカリーヌの名前を出すナナリー。
ロイは鶴の群の中に、少々見栄えの悪い鶴が紛れているのを見つけた。おそらく、それがカリーヌの折った鶴だろう。
「それは、ようございました」
ロイは本心からそう言った。
カリーヌは元々鶴の折り方など知らなかったはずだった。にも係わらず折り鶴を折り300羽も送ってくる。そこから導き出される答えは簡単だ。
ナナリーが教えたのだ。カリーヌに鶴の折り方を。それは、過去の彼女たちの関係を知るロイにとっては、とても素晴らしい事のように感じられた。
姉妹が鶴を折り合う姿は実に微笑ましいものだったのだろう。と、ロイはその様子を思い浮かべ、心が温かくなっていくのを感じた。
「本当に。これもロイさんのお陰です」
ナナリーは感謝の言葉を述べた。だが本人は謙虚に答えた。
「いえ、僕はきっかけを作ったにすぎません。実際に仲良くなられたのはナナリー総督と、カリーヌ様です」
「ロイさん……」
ナナリーはしばしロイを瞼の奥から見上げていたが、やがて頬を軽く染めて顔を横に背けてしまった。
「総督?」
「あ、いえ。何でもないんです……。それよりロイさん。なぜ、この部屋に来ようなどと?」
「ああ、それはですね」
「それは?」
「一緒に、総督と千羽鶴を完成させようと思ったからですよ」
そう言ってロイは、鶴の群れの傍に置いてあった折り紙を手に取った。
「えっ? 鶴をですか?」
なぜ今、鶴を折ろうなどど? という疑問がナナリーの顔に浮かんでいた。
「いいから、折りましょうよ」
ロイは笑顔でそう言って、ナナリーに折り紙を一束手渡した。そして多少強引に、でもナナリーが驚かないように丁寧に車椅子を押して、テーブルまで連れて行った。
そして二人は、残りの100羽を折り始めた。
○
394:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:12:04 Ca3Fy2BW
支援
395:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:12:49 a61PEx8E
「唐突ですが、千羽鶴とは、千羽集まって初めて願いが叶うんですよね」
鶴を折り始めて約一時間。千羽まで残り一桁を切った所で、ロイは鶴を折る手を止めずにナナリーに言葉をかけた。
「はい、千羽折って初めて願いが叶うと言われています」
ナナリーも鶴を折る手を止めずに答えた。その手の動きは、目が見えていないにも関わらず、滑らかに動いている。流石に作業の速さはロイの方が一枚上手だが、完成度だけで言えば明らかにナナリーの方が上手だった。その事にロイは軽く感心した。
しかし、ロイはナナリーに鶴を折ることの上手さを褒める前に、彼女に伝えたい事があった。
「あなたの理想も同じではないですか」
そのロイのセリフがあまりにも自然に出されたので、ナナリーがそれを自分に向けられた言葉だと認識するのに数秒を要した。
「えっ……」
ナナリーは動かしていた手をピタリと止めて、瞼と形の良いまつげに閉じられた瞳をロイに向けた。
「千羽鶴。それは九百九十九羽までそれはただの鶴の塊に過ぎません。最後の一羽を完成させてそれは初めて意味を持つのです」
ロイは鶴を折り終え、また新しい折り紙に手を伸ばした。それは、ちょうど千羽目の折り紙だった。
「あの日。僕が始めて総督とお会いしたあの日です。協力をお願いされてから、僕はずっと思ってました。あなたの理想は素晴らしい。と」
幸せな世界。それがナナリーの理想だった。
それは一見、単純だが、その内容は複雑で、そこに至るまでの過程は困難を極めていた。
しかし、ナナリーはそれを承知で、それでも理想をかなえようとしている。それが、皇帝陛下に運命を委ねられて、スラムの貧困から脱出し、自分自身が生きるためだけに今の仕事を始めたロイには、とても眩しいものに映ったのだ。
ロイは、ナナリーの能力とか、可愛さとか、可憐さとかに魅力を感じて協力しているのではない。もちろん、理想の共感というのもあるが、それ以上にその理想を本気で追いかけている一途さに美を感じたから協力しているのだ。
ブリタニアの皇族でありながら、戦争に疑問を感じ、立場の弱い民の身を案じる。一部の者達はそのナナリーの思想を民への点数稼ぎの偽善と言うが、ほとんどの皇族はその点数稼ぎすらしないのだ。
396:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:15:03 a61PEx8E
そしてロイはナナリーのその願いが点数稼ぎなどではなく純粋なものだと知っていた。いや、正確にはそれを感じ取り、確信していた。
理想の共感。純粋な上官。美を感じさせる少女。とりあえず、これだけ揃っていれば、ロイが皇帝陛下に対する忠誠と共に並んで、それを捧げる相手となるのには充分足りた。
「総督、行政特区日本の件、心中お察しします。ですが途中で諦めては駄目です。でも、この問題にすぐに成果を求めてもいけません。あなたは、まだ」
ロイは慣れた手つきで鶴を完成させ、それを少し掲げて細部を修正すると、にっこりと笑った。
「鶴を折りはじめたばかりではありませんか」
そして、ロイは折り上がった最後の鶴をナナリーに手渡した。
「……」
鶴を受け取ったナナリーはハッと顔を上げた後、閉じた瞳でジッとロイを見ていた。
ロイはそんなナナリーの手を、少々ゴツゴツとした自分の両手で包んだ。
もう言葉はいらなかった。そう思ってロイは年上らしく落ち着いた笑顔をナナリーに向けた。
だが、次にナナリーが起こした行動に、流石のロイも年上の余裕顔を破顔して驚かずにはいられなかった。
「総督?」
少女から、小さく鼻をすする音がした。
「す、すいませ……私……」
総督はロイから顔を背けた。軽くウェーブのかかった髪が、ロイからナナリーの表情を隠した。
「こんな優しい言葉……。かけていただけるの……お兄さま……いなくなって……久々で……だから……」
ロイが包んだ細い指は、小さく震え始めていた。
「すみません……。嬉しいんです……でも……涙が、止まらなくて……」
「……ナナリー総督」
ロイは黙って立ち上がると、失礼だとは思いつつも車椅子に座る少女の体を優しく抱きしめた。そうする必要があると思った。
ナナリーは最初小さく上半身を震わしたが、やがて、あふれ出る涙もそのままに、ロイの胸に向き直り、服を濡らし続けた。
ロイは、ナナリーを抱きしめながら優しくその頭を撫でた。そのロイの動作は、まるでわが子を撫でる母親のように優しげで、父親のように頼もしかった。
しかし、
ある意味暖かい心がロイの心を侵食していく中で、そのある一角では、同時に激しいものが湧き上がっていった。
(スザク。君は一体何をしているんだ)
397:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:15:13 yOBYSGZx
支援
398:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:15:51 qnCHlb7q BE:1262445449-2BP(0)
sien
399:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:17:08 a61PEx8E
ロイは友に、親友であるスザクに強い歯痒さを感じた。それは、人間の感情で言えば怒りに近かった。いや、事実ロイは怒っていた。
(ユーフェミア様の仇を討ちたいという気持ちは分かる。分かるよ。でも……)
ロイの歯は悔しげに軋みの音を立てた。
(今、この場で、この傷ついた少女を励ますのは君の役目だろ……)
ロイは嗚咽の混じる呼吸を至近距離で聞きながら、言い様の無い感情を実感していた。
ロイは、スザクにナナリーの傍にいてほしかった。それが何よりナナリーが喜ぶ事なのだ。
しかし、スザクが中華連邦に行き、ロイがエリア11に残る。それは全く効率的であり、軍人として非難のしようも無ければ、スザクは非難を浴びせられる道理も無い。ロイとて一時は、その効率に目を瞑りスザクに中華連邦行きを譲ったのだ。
しかし、この涙を見た今、ロイは、
道理が何だ!
と軍人ながらに思ってしまうのだった。
ロイはナナリーの頭を優しく撫で続けた。
思想、総督という地位、百万人の裏切り、本国と日本人からの冷笑、それらが寄ってかかってナナリーの心を蝕んでいた。
ロイは、溜めていた重い感情を吐き出し続ける少女を、黙って受け止め続けていた。
(スザク、ナナリー総督はまだ乙女なんだ。それに比べて、背負っているものの重さは半端ではないんだ。笑っていてもこんなに溜め込んでいるんだ。そんな事にも気付かないのか……)
スザクは今、ナナリーを見ていない。それは仕方の無い事とも思えるが、それでも……例え残酷な言い方でも、死んだ人間より生きた人間を見ろ! とロイは友人を怒鳴りたくて仕方が無かった。
この時、ロイはせめてスザクがナナリーの本当の支えとなるまで、自分はそれを代替わりしようと改めて誓った。いや、そうしなければいけなかった。そうしなければ、あまりに大きなものを背負いすぎたこの少女はそう遠くない将来に潰れてしまうように思えた。
同時に、ロイは今回の中華連邦の件が片付いたら、折を見てスザクと二人で話し合う場を作る事も決めた。もはやロイは本人に直接、色々言ってやらなければ気がすまない、と感じるようになっていた。
そう思っていたロイの背後で、小さな風切り音が鳴って扉が開き、来訪者を受け入れた。
「失礼します総督。すこしお話が―」
400:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/30 20:18:13 CqHQfeNN
PS2のゲームカセットで2人プレー
が出来て自由にナイトメアを選んでバトルしたり
朱雀のストーリーが出来るカセット(PS2)
はありますか??
401:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:18:32 QZxdF7j1
シエーン
402:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:20:01 a61PEx8E
入ってきたのはローマイヤだった。彼女は最初、いつも通りの淡々とした表情で入室してきたのだが、それは扉をくぐって三歩目で崩壊した。
「!」
ローマイヤは入室して、場の惨状を目撃すると、手に持った数枚の書類をパサリと落とした。
その気配に気付いたロイはナナリーから体を離して振り返る。
そして、ロイが離れて、今までナイトオブラウンズの白い軍服で隠れていたナナリーの姿を確認すると、ローマイヤは雷が直撃したかのように身を震わせた。
ナナリーは泣いていた。そして、それに抱きつくナイトオブゼロ。
その意味を解釈したローマイヤの瞳が驚きから戸惑いになり、やがて怒りになって、その肩はワナワナと震えた。
みるみる内に表情が変わっていくローマイヤにロイは気の抜けた声をかけた。
「ど、どーしたのローマイヤ?」
ローマイヤは、過去のの好意的? な視線から180度変化させて侮蔑と軽蔑をごった煮にして煮詰めて、さらに悪意をブレンドしたような瞳でロイを睨みつけ、怒鳴りつけた。
「見損ないましたキャンベル卿!!」
「?」
「そ、そ、そ、総督に手を―」
「手を?」
「手を出すなんて!」
「………………はい?」
ロイはローマイヤの言っている意味を理解できず、呆然と聞き返した。それとは対照的に、ローマイヤは素早く身を翻して、部屋の壁に付いている防犯ベルのスイッチをポチッと押した。
ジリリリリリリリリリリ!
政庁に割れんばかりのベルが鳴り響いた。
○
ローマイヤが鳴らしたベルは政庁全体に響き渡った。
「ナナリー総督の部屋からです!」
政庁の警備を担当する部署では、それを確認した兵が、上官に顔を向けると同時に言った。
「なんだと!?」
その報告を受け取った中年の上司は目を剥いた。そして、彼の頭の中にある考えがよぎった。
(まさか、黒の騎士団か!?)
ありえない話ではなかった。いくらゼロと黒の騎士団の大部分が中華連邦に亡命したといっても、その全てが亡命したわけではないのだ。
黒の騎士団は中華連邦に亡命したと思わせて、エリア11の政庁の警戒を緩ませ、それに乗じて潜伏させていた工作員に総督を襲わせる。
現実味のある推測だ! と、少なくともこの上司は思った。
「おのれ!」
403:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:20:30 Ca3Fy2BW
>>400
誤爆?支援
404:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:23:38 a61PEx8E
黒の騎士団が絡んでいるとあらば、事態は急を要する。万が一黒の騎士団に総督になんらかの危害を加えられては政庁内の警備を仕切る自身の進退にも関わるからだ。
「警備は至急、総督の部屋に急行せよ!」
上司の命令を受け取った部下は、「イエス・マイロード!」と頷き、マイクに向き直った。
「政庁全警備隊に通達! 総督の執務室に異常が発生、至急急行せよ! 繰り返す、至急急行せよ! これは訓練ではない。繰り返す。これは訓練ではない……」
○
「何だ?」
ローマイヤに書類を手渡し、帰宅の途中にあった元グラストンナイツ、現ナイトオブゼロの副官であるアルフレッドは、鳴り響いたベルを聞いて、不審半分、驚き半分で立ち止まった。
火事か? という予想が彼の頭をよぎったが、じきに聞こえてきた放送がそれを否定した。
『政庁全警備隊に通達! 総督の執務室に異常が発生、至急急行せよ! 繰り返す、至急急行せよ! これは訓練ではない。繰り返す。これは訓練ではない……』
アルフレッドが放送に驚くと、廊下の向こうから兄弟のエドガーが走ってきた。彼も私服姿で後ろにリュックサックを背負っている所をみると帰宅途中だったようだ。
「アルフレッド! 今の放送聞いたか!?」
「ああ、聞いた」
慌てる兄弟に比べて、アルフレッドはいくらか理性的な口調で言った。
「どうやら一大事みたいだな」
「何を落ち着いているんだ。今すぐ総督の部屋に向かおう!」
「いや、待て」
アルフレッドは、身を翻したエドガーの肩に手を置いて止めた。
「何だ?」
「もしかしたら黒の騎士団かもしれない。お前たちは他のKMF部隊を率いて出撃し、政庁周辺の警戒にあたれ。俺はキャンベル卿の所に戻る」
『警備隊には特例A項の装備を許可する。繰り返す警備隊には特例A項の装備を―』
その時、特例A項―テロリストが政庁内に侵入した場合の、実弾装備の携帯許可―の命令が政庁内に響いた。
○
405:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:25:55 VXgSzaWS
支援
406:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:26:43 /8vUdLkI
支援
407:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:27:44 x9YW2a0J
十分かもしれんが一応支援
408:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:31:31 UzmfNF2a
書き込みテスト
409:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:34:29 UzmfNF2a
40分ごろから投下をします。10レス程度ありますので宜しければ支援をお願いします。
410:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:35:40 a61PEx8E
事態は素早く、だが確実に大事になっていった。
ローマイヤがベルを鳴らしてから一分で、警備隊は総督室の扉の前をこじ開けて中になだれ込んだ。また、すでに政庁の外にはベルを聞いて数機のKMFが出撃し、政庁の警戒にあたっている。外のKMFの数は、一分ごとにどんどん増えそうだった。
一方、政庁内の兵士は二分で装備を整え、それぞれの隊長の元に集い、指示を受けている。
この政庁に駐留している騎士や兵士はそのほとんどが戦女神と称えられたコーネリア隊の者達だった。それだけに行動は素早く、動きも洗練されたものであった。だが、今回の事に限って言えば、その優秀さがアダとなって、かえって被害が拡大したとも言える。
「総督のお命が最優先である!」
ローマイヤがベルを鳴らしてから45秒後。総督執務室のドアの前で、警備隊長は緊迫した面持ちで告げた。部下たちは無言で頷いた。
さすがに、総督執務室に一番近い場所で警備を担当している者達なだけあって、その表情には緊張はあっても焦りや、扉のむこうの未知のものに対する恐怖は微塵も無かった。
警備隊長は、それらの部下の顔を見回して満足そうにもう一度頷いた。
「ドアを開けろ!」
隊長が命令すると、兵士の一人が力強くドアを蹴飛ばして中になだれ込む。警備隊の仲間もそれに続いた。ドアを蹴破って四分の一秒後。二十を越える銃口が総督執務室の全てをその射程に収めた。
「総督!」
「総督!」
「総督! ご無事で!?」
しかし、彼らが見たのは、
エリア11の総督と、
実質的現エリア11在留軍司令官と、
総督主席文官の姿だけであり“敵”の姿などどこにも無かった。
「ナイトオブゼロ様。これはいったい」
中年の警備隊長が自分の上司であるナイトオブゼロに尋ねる。しかし、答えたのはローマイヤだった。
「キャンベル卿を捕らえなさい!」
「?」
数十人の何割かは首を傾げた。ローマイヤは珍しく興奮した様子で言葉を続けた。
「不忠にもこの男。(オオカミ的な意味で)皇女殿下に襲い掛かった!」
「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
多くの驚愕と戸惑いが、勇敢な警備隊隊員達の顔に表れた。
しかし、次の瞬間ほとんどの警備兵がそのローマイヤの言葉を信じた。
411:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:36:24 Ca3Fy2BW
ちょい待ち、まだ投下中では?
412:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:37:18 /8vUdLkI
今投下中だぞ。支援
413:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:37:47 UzmfNF2a
リロードし忘れてたすいません。KOUSEI卿、どうぞ続きを!
414:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/30 20:38:44 CqHQfeNN
PS2で2人プレーが出来るゲームカセット
はありますか??
あと自由にナイトメアを選んでバトルが出来て
朱雀のストーリーができるコードギアスのカセットは
ありますか??(PS2)
415:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:40:16 a61PEx8E
涙を流す総督―しかも、ロイに泣き崩れたはずみで、衣類が少し乱れていた―。その隣で相変わらず呆然としているエリア11の軍司令官。そして、その司令官を指して怒っている主席文官。
それらの状況もあったが、なにより警備兵の判断を確定させたのは、ロイのブリタニアでのある噂が原因だった。
ブリタニアでのロイ・キャンベルに対する噂。それは、
カリーヌ皇女殿下に好かれている。ナイトオブシックスのアーニャに懐かれている。ナナリー皇女殿下と仲が良い。つまり……。
悲しいかな、ブリタニア内で、ナイトオブゼロは年下好みがすでに定説だった。
「全員。銃を置け!」
警備隊長がたくましい腕を振り上げ、決意を込めた太い口調で命令すると。部下の警備兵達は命令に従って一斉に銃を床に置いた。
流石に、不敬罪だとしてもナイトオブラウンズの一人をいきなり射殺するわけにもいかなかった。どんな理由があれ、彼らの生死与奪の権利は皇帝陛下が握っているのだ。
「へっ?」
ナイトオブゼロ、いや、変態―と彼らは見なした―は、後ずさった。
「構え!」
隊長の命令が飛ぶ。隊員達は同じタイミングで足を一歩前に踏み出し、ファイティングポーズを取った。
「ち、ちょっと」
変態がさらに後ずさった。
「確保ぉぉぉぉ!」
隊長が、腕を振り下ろしながら告げた。それが引き金だった。
瞬間。たくましい男たちの“津波”が『うおおおおおおお!!』という咆哮と共に許されざる変態に襲い掛かった。
「えっ、ちょ!?」
ロイは反射的に身構え、飛び掛ってくる男たちの何人かを投げ飛ばそうとした。だが、本当に投げ飛ばすわけにはいかないと判断したのか、彼は自分の手を瞬時に引っ込めた。だから、簡単な答えとして、彼は津波に呑まれた。
結局。彼は警備員たちに組み伏せられて、頬を床に打ち、殴打され、揉みくちゃにされた。
狼が取り押さえられていく一方。ローマイヤがナナリーに駆け寄った。鋭利な瞳に困惑の色を浮かべた主席文官はその少女の乱れた服装を直しながら声をかけた。
「総督、お怪我は!?」
「あの、ローマイヤさん。一体何が起きているのですか? あと何ですか、この男性の雄たけびは??」
416:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:41:21 oNxsEd0U
支援ついでに言っておく。
>>414
そのようなゲームは存在してません。
417:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:41:24 /8vUdLkI
支援
418:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:43:05 a61PEx8E
当然、怪我など無いナナリーは、自分の副官的立場にある女性に向けて、困惑した表情を向けるだけだった。彼女はこの部屋で繰り広げられている事の成り行きを理解していなかった。無知とは罪である。
「ご安心下さい。総督を襲った男は取り押さえました」
「襲う?」
ナナリーは目は見えないのだが、それでも、状況を理解するために少しでも情報を得ようと顔を部屋に巡らせた。
「何をするんだ!? 放してくれ!」
「お黙りください! 皇女殿下に対して欲望あらわに襲い掛かるナイトオブラウンズなど前代未聞ですぞ! 恥をお知り下さい!」
「な、何を訳の分からない事を、って痛たたた!」
その、ロイの情けない悲鳴を聞き取ったナナリーは、不意に事態を理解した。
「って、ええ!? 違います!」
ナナリーは顔を真っ赤にして、叫ばん限りに全員に告げた。
「違うんです。誤解なんです! というか、何でそんな事になったのですか!?」
ナナリーの悲鳴にも似た訴えで、数十人の男は動きを止めて、目を丸くしたのだった。
ちなみに、今、この瞬間にも外ではKMFが出撃しつづけ、歩兵は列を成して敷地内を警戒し、ベルは鳴り響き、外のライトは全て政庁に向けて点灯し、地域の住人は政庁のただならぬ雰囲気を察知して道路にぞろぞろと集まりだしていた。
○
『と、いう事があった』
夜。ロイは中華連邦で天子とオデュッセウスの婚約祝いのパーティーに出席していたアーニャから、定時連絡を受けていた。そして、その連絡の内容に興味深げに頷いた。
「……なるほど、ゼロがシュナイゼル殿下とチェスをね。あとで勝負の映像を送ってくれないかな?」
しかし、アーニャはその件に関して返答せず、ただジッとロイを見つめていた。
「んっ? どうしたのアーニャ」
返答には時間がかかった。
『ロイ。疲れてる?』
今度がロイが返答に時間をかける番だった。ロイは腕を組み、大きく息を吐くと、力ない口調で言った。
「……まぁね。疲れてると言えば疲れてる」
アーニャはしばし迷った顔をして、
『どうしたの。その顔……』
と、ロイの顔を指して言った。
419:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:45:41 /8vUdLkI
支援
420:名無しさん@お腹いっぱい。
08/11/30 20:45:52 CqHQfeNN
PS2で2人プレーが出来るゲームカセット
はありますか??
あと自由にナイトメアを選んでバトル
ができて朱雀のストーリーが出来るカセットは
ありますか??
421:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:46:06 a61PEx8E
今、ロイの顔はとんでも無い事になっていた。何度も床に叩きつけられたせいで顔は腫れ、押しつぶされたせいで体中のあちこちがアザになっている。一言で言うならボロボロだった。
もっとも、かけていた眼鏡が無事だったのと、大切なマントを羽織っていなかったので、それが汚れなかったのが不幸中の幸いとも言えた。
「……」
ロイは今日起きた一連の騒動をアーニャに報告するのには抵抗があった。というか、勘違いとはいえ、そもそも自分がそんな事をしかねないと判断された事に、ロイは海より深く傷ついていた。
「……聞かないでくれるかい」
『……』
この世の終わり、もしくは燃え尽きたボクサーみたいなロイの表情に何かを感じ取ったのだろう、アーニャは静かに頷いた。
『分かった。聞かない』
ロイはホッとして、新しい会話を切り出そうとした。
「他に変わった事は」
『伝達事項は以上……ああ、あとジノが鼻の下を伸ばしてた』
アーニャはその光景を思い出したのか、多少呆れ気味に首を振った。
『よりにもよってあんな女が良いとか。趣味が悪い』
ロイは内心で軽く驚いた。アーニャがこうも人を堂々とけなすのは珍しい事だった。
「はは、趣味が悪い、か。で、その人はどんな人だったんだい?」
『ロイも知ってるはず。紅月カレン。黒の騎士団のエース。ジノが、彼女が手配書よりずっと可愛いとかで……見る?』
画面の中のアーニャが何やら操作すると、しばらくしてロイの携帯電話が着信を訴えた。携帯電話に動画が送られてきたのだ。
ロイが送られてきた映像を見ると、そこには二人の少女が映っていた。
一人は黒髪の少女で、恐らくは皇家の当主だろう。そして、もう一人はまさしく紅月カレンだった。
ロイは軽く笑って、ジノの行動に納得した。そして無意識に言った。
「なるほど、確かに美人だ。手配書なんかよりずっといい―」
これは明らかな失言だった、とロイが気付いたのは、アーニャがモニターの中で眉間に深い溝を作っているのを見たからだった。
『……ロイも大きい方が好きなの?』
ロイはアーニャの聞きたい事を悟った。アーニャが色々小さい事を気にしているのをロイは知っていたのだ。
「あ~……」
ロイはどう答えるか迷って、結局おどけて見せた。
「な、何の話かな?」
422:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:48:22 VXgSzaWS
支援
423:名無しくん、、、好きです。。。
08/11/30 20:48:25 /8vUdLkI
荒らし出たか?支援
424:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/11/30 20:48:25 a61PEx8E
『……真剣に聞いてるのに、そういう不誠実な態度は嫌い』
ロイの打算は、キレた“ランスロット”の前に立ち塞がる“無頼”の如く易々と粉砕された。
ロイはお手上げ、といった心境だった。しかし、ブリタニアと覇権を争う中華連邦やEUに対してですら許される白旗も、ことアーニャ・アールストレイムに対しては通用し無い事をロイは良く知っていた。
「大小は関係無いよ」
ロイは慌てて舌を回した。
「僕が女性にそういう魅力を感じるとするならば、それは心の輝きだろうね」
咄嗟の事とはいえ、我ながら馬鹿な事を言い出した。とロイは思ったが、だからと言って止めるわけにもいかなかった。
もう毒食わば皿までという心境だった。
「これは持論だけどね。美しく輝く心を持つ女性はそれに伴って、外見も美しくなるさ」
と、ここでロイは思いついたように付け加えた。
「そう、アーニャのようにね」
『……本当?』
すると、奇跡がおきてモニターの中のアーニャの機嫌が直ったようだった。とりあえずロイは安心した。
女性が怒り出したらとりあえず褒める。これは、ロイがこの一年間様々な女性関係に悩まされた結果考え出した、自己防衛術だった。
「もちろんさ」
ロイはトドメとして計算しつくした笑顔を浮かべた。顔の腫れた部分がモニターから見えないように顔と体位の位置を変え、大げさにならないように控えめに顔を緩める。
相手の視界を計算して自分の表情をコントロールするのは交渉術における基本中の基本であり、ロイの得意分野でもあった。
ちなみに、もろもろの技術を用いた事に罪悪感は無かった。アーニャが美しいと思う気持ち自体に嘘は無いのだ。
それからやたら上機嫌になったアーニャ―少なくとも、ロイからはそう見えた―と、取り留めの無い会話を交わし、通信を終えた。
「さて……」
ロイは立ち上がろうとして、机に置かれた自分の携帯がふと目に入った。
「……」
ロイは特に理由無くその携帯を持ち上げ、先ほど送られてきた映像を見直した。
紅月カレン。先の大アヴァロン攻防戦で自分に痛手を与えた女性。本来ならロイはこの少女を憎む立場ではあったが。
「君の心の輝きはさぞ美しいんだろうね」