15/11/24 14:29:24.97 2h9Y/jOQ.net
冠茂
さて少し話題を変えます。メジャー誌とマイナー誌についてです。
私が昔、サンデーはメジャー誌、と書いた時に「部数が下がってるくせに偉そうだ」という意見をいただいたことがあったのですが、それでもサンデーはメジャー誌なんです。部数が今後半分になったとしてもです。どういうことでしょうか？
実はメジャー誌かマイナー誌かの区分けに部数は関係ありません。ターゲットがメジャーかマイナーかの違いなわけです。
少年誌と青年誌の区分けと同じですね。メジャー誌の方がマイナー誌より優秀というわけでもありません。月刊のマイナー誌の多くは編集者も少ないためコストが安く、利益率だけ見れば
マイナー誌の方がメジャー誌よりも効率よく稼いでいる場合もあるんです。
で、ここで問題になるのが引き抜きです。十数年前から、マイナー誌で活躍する天才作家を、売れるからといってメジャー誌に引き抜いてしまう現象が起き始めました。私は個人的にこれが大きな失敗につながっていると思います。
名前は出せませんが、とある有名作家〇〇〇〇という方がいます。
そして、出版業界にはその「〇〇〇〇が入ると雑誌が潰れる」という格言があります。これはその〇〇〇〇さんの世界観などがコアすぎて単行本は売れるけれども、メジャー誌では一般人に嫌悪感を生んでしまうという考え方です。
実際その格言が生まれた通り、〇〇〇〇さんはメジャーでも活躍しましたが雑誌の部数は急減しました。で、何が言いたいかといいますと結局、そういう作家は〇〇〇〇さんだけに限らないということです。
売れるからといって、節操なくメジャー誌がマイナー誌から作家を引き抜いてはいけないんです。
少子化だしスマホの時代だしメジャー誌はもう滅ぶんだ、的な考え方はよく耳にします。しかし、それであるならば少なくとも週刊の看板は下ろすべきです
お気づきかと思いますが、ほとんどの場合、週刊誌＝メジャー誌なんですね。メジャーだから週刊にしても売れるということなわけです。にもかかわらず
雑誌が売れなくなればなるほど、マイナーの手法を使って稼ごうとします。
で、中途半端な誰も読まない雑誌ができあがり、さらに部数の悪化を加速させるわけですね。様々な週刊雑誌の部数の下落傾向を比較するとこれは顕著に出ている傾向でして、一目瞭然なわけです。
要するに「何事も中途半端はよくない」ということです(笑)
しかし、もともとメジャー誌だったものを完全にマイナーに切り替えるという方針まで打ち出せる編集長も少ないですし、逆に単行本は売れなくてもいいから雑誌だけでいい、とはっきり言える編集長も少ないんですね
マイナー誌で成功するような天才作家は宗教でいえばカルト的、一般の人には拒否感があるんですね。
で、ここで面白いのは、実は編集者も、マイナー向きなのか、メジャー向きなのか、ハッキリしないで異動させてしまうとめちゃくちゃなことになるわけです。私のことじゃないですよ、私は希望通りですから
マイナーで活躍した編集がメジャーに行くと、どんどん変わった作家を連れてきて大変なことになり、メジャーの優秀な編集がマイナーに行くと、よくわからないまま作家を選んで味が薄まる。
これは出版社を問わずよくある話ですので、編集が誰か気にして漫画読んでるような方は楽しめると思いますねｗ