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謎の浮遊体に仙台騒然、関係機関も正体分からず
「気球にドローン」専門家指摘も
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宮城県上空などで17日に目撃された気球のような白い物体を巡り、仙台市科学館や仙台管区気象台には市民から問い合わせが相次いだ。
関係機関も正体は分からず、専門家からは「小型無人機ドローンと組み合わせた気象観測用気球では」との指摘もあった。
市科学館には17日、市民から「空に浮かんでいるものは何か」、「他に聞いても分からないので教えてほしい」など10件以上の問い合わせがあった。
職員が午前9時から望遠鏡で観察したが、2時間ほどで見えなくなった。
担当者は「どのようなものか分からなかった」と話した。
管区気象台にも市民から多くの問い合わせが寄せられた。
気象庁が気球を使って気象観測する場合もあるが、東北では秋田県内だけで実施しており、気球の形状も異なるという。
河北新報社にも電話や会員制交流サイト(SNS)を通じて情報提供があった。
栃木県で気球関連の装置などを製造する仁平製作所の仁平悦雄社長は「自律飛行しており、明らかにドローンで制御している」と指摘した。
仙台市内では多くの市民が早朝から空を見つめた。
太白区の主婦河野尚枝さん(70)は「動かない様子だったので不思議に思った。一体何なのだろう」と話した。
宮城上空などで確認された浮遊体について、気球を使った観測に詳しい福岡大理学部の林政彦教授(大気科学)は「気象観測用の気球にアルミフレームをつり下げ、ドローンを付けたのではないか」と推測。
専門的な技術で制御されている可能性を指摘した。
林教授は、気球のような物体に十字形の構造物とプロペラのようなものが付いている点に着目した。
一般的な気球であれば上昇後、風に流され、最後は破裂して観測機器がパラシュートで降下してくるという。
上空でとどまっていたとみられる点について「気球の浮力を小さめにしてドローンの重さとバランスを取り、衛星利用測位システム(GPS)で制御しているからでは」とし、「専門的な知識と技術力が必要だ」と述べた。
今回、国土交通省に事前の届け出はなく、無届けの観測・実験だったとの見方もある。
林教授は「気球はいずれ割れる。ドローンだけでも重さが1~2キロあり、街中で飛ばすのは危険だ。仮に実験するなら、届け出をした上で海上など安全が確保できる場所で行うべきだ」と語った。