17/06/04 16:19:42.22 hHrkzR+50.net
バカにされることもあるが、僕には全てをかけられる夢がある。
挑戦する人の分だけそれぞれのエベレストがあるし、スタイルや哲学がある。
自然と個人が向き合うチャレンジに誰かがとやかく言う権利は無い。
C2で無線で最新の天気予報を入手する。
24日の登頂を目指していたが、23日西風が最も強く25日が最も弱くなる。
西稜は西風の影響を受けやすい。
25日の登頂。そこに標準を合わせて、23日にC2を出発することにした。朝、C2から一人西稜に向かっていく。
ザック、ザックとアイゼンの爪を食い込ませていく。時折、スノーシャワーが降り注ぐ。
傾斜はきつくはないが、時々ブルーアイスが出てきた。
雪が張り付いているかなとグローブで触ると厚さ3センチほどの雪が張りついているだけ。
ピッケルを一回、二回、三回とようやく三回目できまり、足を上げていく。
結局、稜線手前の傾斜緩くなるところまで、カリカリの氷を登っていった。
稜線手前にはバリバリのアイスバーンの斜面もあり、岩のテラスにテントを張ることにした。
今回、新しく入手したテントは500gの最軽量。
今夜はこのテントで一夜を過ごす。寝袋は300g(+8℃まで)の普通なら寒くて耐えられないが、重ね着の着方と呼吸法でそれでも充分耐えられるよう
になっていた。
ただ、C3に到着前に気になることが一つあった。
それは妙な吐き気だった。若干熱もある。
高山病かなと思っていたが、順応はすでにできるし、体内酸素濃度はこの7100m以上で80もある。無酸素で挑戦できる数字だ。
頭痛もなく、ただ胃がムカムカとしていた。
夜、そばがきとシリアル、パワープロダクション(glicoプロテイン)を混ぜた少量の食事を取り、就寝。
しかし、風が強くポールがグニャグニャと左右に揺れ、時折下から突き上げる風がまるで地震ように左右に揺れていた。
何度か強風でテントポールが折れた経験のある僕はこの場合はどうするか。