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NO4165『IS(ISIL)バグダーデイの少年兵の未来』 [2016年06月19日(Sun)]
URLリンク(blog.canpan.info)
アラブの新聞が『バグダーデイの少年兵』という記事を掲載した。延々とこの子供たちが
受ける、軍事訓練や参加した作戦について、述べられている。このバグダーデイの
少年兵は、15歳前後のまさに子供たちなのだ。
彼らはバスに乗せられ、『勝利の歌』や『天国への道』など、軍歌を歌いながら、モースル
から1時間の距離にある、テル・アファルのオマル・ビン・アブドッラー軍事学校に到着する。
そこでの訓練は相当厳しいもののようだ。まずファジュルの礼拝(未明の礼拝)に始まり、
軍事訓練を受け、その後に朝食、少しの休憩の後、軍事訓練が行われ、その後、昼食と
なっている。
午後の教科は教室での授業だが、主にシャリーア(イスラム法)の講義を受ける。もちろん、
そのシャリーアはイスラム原理主義のシャリーアだ。訓練期間中に20ページの、コーランの
暗記が義務付けられているが、あまり暗記に苦労はしないようで、それ以上のページを、
暗記する者が少なくない。
約1ヶ月から2ヶ月の訓練を受けた後、彼らには携帯電話が与えられ、軍服も支給され、
短い期間の帰宅が許される。彼らに支給される月給は50ドルから120ドルで、能力に応じて
支給額が異なるようだ。また、給料以外に物資の支給も受けているが、それは家族に
送られるのであろう。
これで少年兵は立派に通用する、イスラム原理主義の兵士になるわけだが、問題は彼らの
思考が、完全にイスラム原理主義に、洗脳されてしまうことだ。やがては、IS(ISIL)がイラクや
シリアから、追放されるときが来るであろうが、彼ら少年兵の脳に刻まれた、イスラム原理
主義の思想、価値観からは、抜け難いであろう。
言ってみれば、IS(ISIL)が行っている少年兵の訓練は、戦闘に参加させることも目的では
あるが、同時に時限爆弾の効果を、持つということだ。数年が経過して、イラクやシリアが
安定化したときに、彼ら脳裏に生め込まれた記憶は、彼らをして一匹狼の、テロリストに
蘇らせるのだ。