15/05/05 22:09:39.47 Zx4njWmS.net
>>258-269
自分のおぼろげな記憶によると、ケンタは老夫婦がまだ若い頃（恐らく戦時中）にとうに
死んでおり、仏壇に飾ってあるケンタの写真も白黒で、かなり古かった。ケンちゃんが
その遺影に気付いた際のピアノ音の演出は抜群だった。で、老夫婦は遺影に「さあケンタ、
今日もシュークリームとケーキを買ってきてあげたよ。たんとお上がり」と話し掛けて
いた。多分老夫婦はケンタの生前にはそういうものを食べさせてあげることが出来なかった
のだろう。
ケンちゃんは塀によじ登ったまま、指一本動かせなかった。家に帰ったケンちゃんは、両親に
一部始終を告げ、帽子を顔に押し当てて泣いていた。ラスト場面は翌日のお店内の様子。その
日もおじいさんは買いにきてくれ、ケンちゃんは平静を装って接客していた。そこにケンちゃんの
モノローグ「そのおじいさんは、いつしかお店にきてくれなくなった」でエンド