21/02/21 20:47:07.91 .net
さて、自然という「不変のもの」を基準に置いて、人間のことを考えてみたい。
人間は--くり返すようだが--自然によって生かされてきた。
古代でも中世でも自然こそ神々であるとした。このことは、少しも誤っていないのである。
歴史の中の人々は、自然をおそれ、その力をあがめ、自分たちの上にあるものとして身をつつしんできた。
この態度は、近代や現代に入って少しゆらいだ。
--人間こそ、いちばんえらい存在だ。
という、思いあがった考えが頭をもたげた。
二十世紀という現代は、ある意味では、自然へのおそれがうすくなった時代といっていい。
同時に、人間は決しておろかではない。思いあがるということとはおよそ逆のこともあわせ考えた。
つまり、私ども人間とは自然の一部にすぎない、というすなおな考えである。