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【次代へ 平成から令和】ひきこもり中年息子と暮らす79歳母
真新しいスーツに身を包む新入社員が、はつらつと行き交う春のオフィス街。家族に知られないようにと取材場所に指定された福岡市中心部のビルの一室で、白髪交じりの女性(79)はため息をついた。
「私が生きているうち、何とか息子を社会につなげないと…」
女性は自宅で、50歳近くになった息子と暮らしている。息子は定職に就いておらず、生活の頼りは両親の年金だ。
息子は幼少時から引っ込み思案で、人付き合いが苦手だった。学校で孤立し、いじめられることもあった。高校で不登校になり、受験に失敗してからは家族との会話も減った。
浪人して私立大に進学した後も、サークル活動やアルバイトはせず、キャンパスと自宅を往復するばかりだった。
卒業当時は、平成初期のバブル崩壊を機に始まった就職氷河期の真っただ中。息子は気後れして、企業の説明会に行くこともできなかった。
弟が先に就職した春。家族が喜んでいると、家中に「ガー」とうめき声が響いた。2階の部屋で布団にうずくまり、震える息子が叫んでいた。父や他の兄弟は有名国立大出身で、プレッシャーや負い目があったのかもしれない。
「気持ちを分かってあげられず、ごめんね」。女性は息子に寄り添い、涙ながらに謝った。
それから20年ほどの間、息子は仕事に就かず「ひきこもり」となった。知人のつてで携わった事務の仕事は、人間関係をこじらせて1年余りで辞めた。近所に買い物で外出しても、家族以外との交流はほとんどない。
「兄弟には迷惑をかけられない。息子が1人で生きられるようにするのが、親の最後の責任です」。女性は支援団体に通い、相談を続けている。
平成の終わり、ひきこもりの中高年化が叫ばれるようになった。80代の親がひきこもりの50代の子を養う状況も増え、「8050問題」と呼ばれる。
内閣府は3月末、初めて40~64歳を対象にしたひきこもりに関する調査結果を公表。
ひきこもり状態にある中高年の人が全国で61万3千人いると推計した。
専門家は言う。「実際には、200万人を超えている可能性がある」-。
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