19/01/12 17:20:00.27 KrYDUdNq0.net
【夏目漱石 道楽と職業】
開化の潮流が進めば進むほど、また職業の性質が分れれば分れるほど、
我々は片輪(かたわ)な人間になってしまうという妙な現象が起るのであります。
言い換えると自分の商売がしだいに専門的に傾いてくる上に、生存競争のために、
人一倍の仕事で済んだものが二倍三倍乃至四倍とだんだん速力を早めておいつかなければならないから、
その方だけに時間と根気を費しがちであると同時に、
お隣りの事や一軒おいたお隣りの事が皆目分らなくなってしまうのであります。