15/10/03 20:34:11.56 My3+Pw2Wp.net
もののあはれ、か(*^_^*)
折節のうつり變るこそ、物毎に哀れなれ。
物の哀れは秋こそまされと、人毎にいふめれど、それも然るものにて、今一きは心もうきたつものは、春の景色にこそあめれ。
鳥の聲などもことの外に春めきて、のどやかなる日かげに、垣根の草萌え出づる頃より、やゝ春ふかく霞みわたりて、花もやうやう氣色だつほどこそあれ、
をりしも雨風うちつゞきて、心あわたゞしく散りすぎぬ。
青葉になりゆくまで、萬に唯心をのみぞなやます。
花橘は名にこそおへれ、なほ梅のにほひにぞ、いにしへの事も立ちかへり戀しう思ひ出でらるゝ。
山吹のきよげに、藤のおぼつかなき樣したる、すべて思ひすて難きことおほし。