24/08/06 07:27:26.03 ukeerjoV.net
前橋レポート全文
■ 前橋レポートとは?
1990年前半にインフルエンザの集団予防接種が廃止されるきっかけとなった報告書です。
かつて日本では、小学生などを対象に、世界でも珍しいインフルエンザの集団予防接種が強制的に行われていました。感染拡大の源である学校さえ押さえれば、流行拡大は阻止できるのではないかという「学童防波堤論」を根拠としたものです。しかし、どんなに予防接種を打っても、インフルエンザは毎年決まって大流行しました。
こうしたなか、1979年の初冬、群馬県の前橋市医師会が集団予防接種の中止に踏み切りました。直接の引き金は予防接種後に起きた痙攣発作の副作用でしたが、この伏線には、以前から予防接種の効果に強い不信感を抱いていたことがあったのです。そして、ただ中止しただけではありませんでした。予防接種の中止によって、インフルエンザ流行に一体どのような変化が現れるのか、開業医が中心になって詳細な調査を始めました。予防接種中止の決断は正しかったのか、あるいは間違っていたのかを検証するためです。
そして、5年に及んだ調査は、前橋市医師会の判断が正しかったことを裏付ける結果となりました。つまり、ワクチンを接種してもしなくても、インフルエンザの流行状況には何の変化も見られなかったのです。この調査をきっかけに、集団予防接種を中止する動きが全国に広がり、最終的に、インフルエンザ予防接種は1994年に任意接種に切え替わりました。
■公開までの経緯
1994年に任意接種に変わったのを境に、インフルエンザの予防接種者は激減しました。しかし、2000年ごろから、再び接種者が急激に増えていきました。インフルエンザの流行状況やワクチンの性能は、20年前から何も変わっていないはずです。また、予防接種者がゼロに近かった1994年から1998年の間も、インフルエンザ流行の様子は、他の年と大きな違いがありませんでした。それなのに、厚生労働省やマスコミは、さかんに「インフルエンザ予防接種は必要」と喧伝しています。
そんな疑問を抱いたとき、私たちは前橋レポートに出会いました。なぜ、前橋市ではインフルエンザ予防接種の再開を見合わせたのか? なぜ、集団接種中止の動きが全国に広がっていったのか? 前橋レポートの調査結果は、厚生労働省のインフルエンザ対策キャンペーンなどに比べて、はるかに納得のできる内容でした。
ただ残念なことに、前橋レポートは、専門誌に投稿されたわけではなく、発行部数も少なかったため、忘れ去られるのを待つばかりの状態になっていました。そこで、前橋レポートをもっと広く知ってもらおうと、カンガエルーネットで全文掲載をすることになったのです。