22/05/31 19:16:06 wQphrPGU.net
外国のローカル線を紐解いてゆくと、色々面白い記述にぶつかる。
ドイツ南部の歴史ある電化鉄道線が、戦時色がますます強まる1939年に電気運転を取りやめて蒸気機関車による運行となっている。
その理由が凄くて、新たに開設した空軍基地の滑走路から飛び立つ飛行機の邪魔だから。
・・・・いや、電化された線路を避けて場所探すでしょ?普通は・・・・。
という疑問を解決するため、現地を確かめようとすると大変なのが、ストリートビューが使い難い事。
ドイツはストビューに冷たい国で、住人が写っては駄目ということらしい。
幸いなことに検閲済みらしいストビュー付道路があり、大まかな地形は把握できた。
困ったことに基地が見当たらない。
未舗装の滑走路を持つ小さな空港が営まれているが、昔の軍用飛行場とは別の場所にある別のものらしい。
この昔の飛行場が、どんな検索ワードを駆使しても当時のドイツ空軍のリストから見つからない。
地名から写真が何枚かヒットしたが、戦闘機は草むらの中に駐機している。
つまり、舗装され整えられた滑走路はなかったのではないか。
前線の野戦飛行場を意識した訓練用のフィールドのようなもので、とても部隊を常駐させることなどできない。
これが飛行場リストに含まれない原因だろうか。
そして舗装された滑走路を持たないからこそ、隣接地を通る電化鉄道の架線が脅威となったのではないか。
飛行機は「あのあたりの平らなところ」へと降りてゆくわけで、離陸だって降りた場所から好き放題だろう。
そういう広場の端に電化鉄道があるというのは、問題だろう。
推測だが、開場して何度か離着陸して初めて、飛行士から架線が危険だという指摘があったんじゃないかな。
鉄道は基地との共存は許された。しかし、架線が邪魔ということは離着陸中に列車が通っても危ないという事だ。
しかし架線と異なり、日に何度か通るだけの列車は、遅いので機上から目視して避けられるという事かな。
展開したのは小型の戦闘機ばかり、Bf109という奴でしょう。演習用の基地に珍しい機体はやってこない。
引き込み式の脚が架線スレスレを通り過ぎてゆく有様を想像してしまうんである。
HOスケールの模型はある筈だ。メルクリンの貨車の積み荷になってるんじゃないか。
基地は無くなっても鉄道は今日も運行を続けている。
車両はなんとシーメンスの「デジロ」という豪華な奴で、毎時二本もあるというが本当だろうか。