03/05/26 18:07 X3CDyFCa.net
今日は早めに定期的カキコ
これからトップページつくり。どっか参考にしながらやってみます。
谷沢永一『大人の国語』PHP 読了
いわゆる文章読本。ただし六百ページ近い大著です。
内容で気になった部分を抜粋。
「・・・・司馬遼太郎の作品は小説であってなおかつ小説以上の存在である。
赤手空拳、一作家の身を以て時代思潮の偏向を正すという驚くべき壮挙
をなしとげたのだから。戦後のいわゆる進歩的文化人が、日本の過去を
隅から隅まで暗く黒く塗りつぶし、暗黒史観、罪悪史観をはびこらせたの
に対し、敢然として立ってその暗雲を吹き飛ばしたのである。」
司馬遼太郎の一連の長編小説は、現実の政治に対応してテーマが選ばれ
ているそうです。『坂の上の雲』『菜の花の沖』、内容はロシア、『飛ぶが如く』
は朝鮮半島=征韓論=西郷、『竜馬がゆく』は明治維新。すべて谷沢永一
のいう進歩的文化人が暗黒史観、罪悪史観で埋め尽くそうとした部分です。
特にロシア関係はちょうど対ロシア外交、北方領土問題が持ち上がっていた
ときだったとか。司馬が『菜の花の沖」を書こうとしたとき、産経の編集者が
「またロシアか・・」と思ったそうです。どうも編集者はわからなかったみたいで。