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クマの丘のリレークッキング 10話
「エゾフタゴに罰で配達させようかと思ったんだけどねえ」
「彼らが行くと、受け取る側が罰になっちゃうんだよなあ」
「大丈夫よキョウコママ、配達は私たちに安心して任せて」
これから東園と西園とでルートを分けて、コロッケセットの配達に出発です。
東園はシャンシャンとリーさん親子、西園は小雅ちゃんとウタさんペアです。
「パパ、ひがしのみちはおぼえてましゅか？」
「覚えてるよ、懐かしくてウキウキするなあ」
「小雅ちゃん、のぼり坂では後ろから押してくれる？」
「うん！いそっぷ橋はゆっくり気をつけて行こうね！」
「じゃあ気をつけて、西園は池の様子を見に行かないようにと伝えてね」
「行ってきまーす！」
お家の中では、小Ｙさんとクーさんがシャオレイのお世話をしていました。
シャオレイをがっちりガードして、ぐりとぐらの続きを読み聞かせています。
叱られたエゾフタゴたちは、大きな身体で小さくなって正座をしています。
リヤカー隊を笑顔で見送ったキョウコさんが、スッ…と真顔になりました。
「で。あんたたち」
「ごめんってばキョウコママ！今後は気をつけます！」
「だからシャオくんレイちゃんと遊ばせてください！」
「…どうしようかしらねえ？」
「ていうか俺らさあ、そもそもあれを持ってきたのよ」
ポンくんが段ボール箱を指さしました。クール便のシールが貼ってあります。
「俺らの里からチーズとかチハルのグッズとか届いて」
「そんでキョウコママに何か作ってもらおうと思って」
段ボール箱の中には、数種類のチーズや新鮮な野菜が詰まっていました。
ポンくんポロくんの故郷である北の大地は、素敵な食材の宝庫なのです。
「そしたら旨そうな匂いがするじゃん？」
「シャオくんレイちゃんがいるじゃん？」
「……」
ポンくんポロくんへのバツは、台所の後片づけと掃除に決まりました。
「終わったら、おチビちゃんたちに絵本を読んであげてちょうだいね」
「キョウコママ…！」
（明日以降へ続く。皆さんありがとうございます）