22/07/14 09:24:34 GRCZS/Xc0.net
前スレ980の続き
タイトルなし:18話
シャンシャンへの手紙を書き終え、小雅ちゃんは本日2杯目の麦茶を飲みました。
もう便せんを見なくても暗唱できるくらい、チェックを重ねに重ねたお手紙です。
丁寧に折りたたんだ便せんを丁寧に封筒におさめ、丁寧にシールで封をしました。
それを愛用のポシェットにしまって、ようやくホッと一息ついたのがお昼でした。
いつもは小雅ちゃんが母ちゃんにお弁当を届けていますが、今日ばかりは逆です。
今日は小雅ちゃんに母ちゃんがお弁当を作って、冷蔵庫へ入れてくれていました。
ご飯は小雅ちゃんの大好きな、梅くずしと大葉としらす干しの混ぜご飯です。
おかずは昨日の晩ご飯の煮物に加えて、ふわふわのたまご焼きも入っています。
「ありがとう母ちゃん、いただきます」
レンジでチンしたお弁当をもくもくと食べます。梅の酸っぱさが嬉しいです。
余談ではありますが、梅くずしの梅干しは自家製です。やや塩辛い梅干しです。
食後は眠くなるのがジャイアントパンダですが、今日の小雅ちゃんは違います。
お弁当を片づけてちゃぶ台を拭きあげて、いよいよ工作に取りかかります。
ふたつ折りにしておいた画用紙を束ね、「わ」の部分をガムテープで綴じ。
既にお気づきのことと思いますが、小雅ちゃん絵本を作ろうとしています。
「シャンちゃん読んでくれるかな、喜んでくれるかな」
お手紙ほどの緊張感はありません。すらすらさらさらと鉛筆で下書きします。
ふたりのぱんだちゃんが、ホットケーキの材料を探しにゆく冒険の物語です。
「お菓子の家の屋根は…」
「ここで魔女が出てきて…」
「女神さまが出てきて…」
「ふたりはおうちへかえり、ホットケーキを焼きました」
「めでたし、めでたし」
16色のクレヨンを駆使して、小雅ちゃんは一冊の童話をかきあげました。
小雅ちゃんが読んできた数々の童話のオマージュ、というべき作品です。