22/07/19 08:58:19 qV5X2PZJ0.net
>>82
タイトルなし:25話
シャンシャンと小雅ちゃんは、背中あわせで座っています。
またケンカしましたか?いいえ、そういうわけではないのです。
「シャンちゃん、もう書いた?」
「かきまちたー!」
ふたりは七夕のお願いごとを書いていました。内容はお互いに内緒です。
短冊を胸にあてて隠して顔を見合わせて、ふたりはうふふと笑いました。
「パンダちゃんたち、短冊は私たちが吊るしてあげるよ」
日が暮れて外へ出てきたアイアイたちが、笹の飾りつけをしてくれています。
シャンシャンと小雅ちゃんちゃんは、アイアイのお姉さんに短冊を渡しました。
「お願いします」
「おねがいしましゅ」
「はーい、ちょっと待っててね」
お姉さんはスルスルと笹のてっぺんまで登り、すぐにスルスルと降りてきました。
「見えるかしら?あそこに吊るしたわよ」
「いっちばんたかいところでしゅね」
「ふたりの同じお願いが叶うように、お星さまに一番近いところにしたわ」
「ええっ?」
「あいっ?」
もしも毛に血が通っていたとしたら、顔が真っ赤になっていることでしょう。
顔を見合わせるのは恥ずかしく、ふたりは笹のてっぺんを見上げたままです。
「ゆかた、あちゅくるしいでしゅねえ…」
「そうだね…暑苦しいね…」
不忍池から柔らかな風が吹き、笹の葉