22/07/08 00:32:21.19 vlpqj4fJ0.net
>>753
タイトルなし:12話
夜になりました。シャンシャンのお部屋から、すうすうと寝息が聞こえます。
その寝息はシャンシャンではなく、シャオシャオとレイレイのものでした。
「ねえねとねんねしましゅ!」
双子たちから熱望された時には、絶望していたシャンシャンでしたが。
「じゃいあんとぱんだのこでしゅね…よくねてましゅ…」
こてっと寝てしまった弟と妹の間で、シャンシャンも寝転がりました。
見慣れない天井をぼんやりと眺めながら、ママの言葉を思い出します。
シャンシャンが赤ちゃんの頃、小雅ちゃんがお世話してくれたという話。
そう言われてみれば、うっすらと記憶があるような。ないような。
「ん~んん…」
シャオシャオの小さな声が聞こえて、シャンシャンは起きあがりました。
「どうちまちた?」
「ん…んんんん」
うなされているのではなく、どうやら寝返りが上手くいかないようです。
シャンシャンはシャオシャオの背中を軽く押して、手伝ってあげました。
「ふえ、ふえぇぇん…」
今度はレイレイです。泣いてはいませんが、こちらはうなされています。
「どうちまちた?」
「ふえぇ…んん…」
シャンシャンが撫でてあげると、眠りながらその手を抱きしめてきました。
レイレイは再び静かな寝息をたて始め、表情も穏やかになってきました。
「シャンも、こんなだったんでしゅかね…」
こんなふうに、小雅ちゃんが添い寝してくれたことがあった気がします。
そう言えば小雅ちゃんとは、いつ頃からお友だちだったのでしょうか?
公園で出会った子?いいえ、あの子はマレーバクのコトちゃんでした。
小雅ちゃんとは、はじめましてのご挨拶をした覚えはありません。
「こまさちゃんは、さいしょからいてくれまちた」
シャンシャンはむくりと起きあがり、カメラに向かって手を振りました。
「やぶんにすみまちぇん、ゴワゴワをかしてくだしゃい…」
寒いの?と聞かれて、首を振って否定するのが精一杯シャンシャンでした。