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◆運転期間延長→規制委は楽観せず
福島事故後の2013年、原発の運転期間を原則40年と定め、1回に限り20年間延長できる法改正がされた。改正当初は「異例」とされた運転延長は、4基が原子力規制委員会から認可され、そのうち関西電力美浜3号機(福井県)が再稼働した。
再延長を意味する60年超の運転となれば再び法改正が必要になる可能性も。規制委の更田豊志委員長は24日の記者会見で「技術的に詳細な議論が必要」。米国では80年の運転が認められているが、更田氏は「日本は地震が多く、海外に引きずられるべきではない」とくぎを刺した。
◆新たに7基再稼働→テロ対策、避難計画の不備が足かせに
さらに、政府は、原発の新規制基準に適合したものの、再稼働にこぎつけていない5原発7基について来年夏から冬以降に再稼働させる目標を設定した。
そのうち東電柏崎刈羽原発(新潟県)は、侵入検知器の故障を放置した問題で、規制委が昨年4月に事実上の運転禁止を命令。改善された状態と認められるまで命令は解除されず、その検査が続いたままだ。
さらに、新潟県は独自の検証作業を再稼働に同意するかどうかの条件としており、作業終了は「見通せない」(県原子力安全対策課)。テロ対策の不備を受け、原発推進に前向きな自民党の県議からも「東電に運転してほしくない」との声が漏れ、不信感は根強い。
日本原子力発電東海第二原発(茨城県)は、避難計画の策定が義務づけられる30キロ圏内に全国最多の90万人超が住み、計画作りが難航を極める。県のほかに策定できたのは、14市町村のうち5市町にとどまる。その上、水戸地裁は昨年3月、避難計画の実効性に問題があるとして運転差し止めを命じた。
政府目標の1年余りのうちに、両原発が稼働できる可能性はほぼない。
東京新聞 2022年8月25日 06時00分
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