しろまてat DENPAしろまて - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト50:名無しちゃん…電波届いた? 14/01/22 17:51:04.36 .net ●アイドル伝説エリナ1 「みなさん、こんにちは!今度写真集を発売させていただいたエリナですっ!よろしくお願いします!」 短く切り詰めた短いスカート。大きく胸元を強調したノースリーブ。 露出度の極めて高いステージ衣装を着用し、エリナはステージの上で愛想を振りまいていた。 新人グラビアアイドル、エリナ。18歳になったばかりの、初々しい魅力に溢れた美少女アイドルだ。 今日は新しい写真集の販売促進のためにファンイベントだ。 決して広くは無い特設イベントの部屋。だがそこには、既にむさ苦しいヲタたちがひしめき合っている。 露出の高い胸元や、スカートの裾から伸びる健康的な脚線美は、彼らの熱い視線を捕らえて離さない。 自分の体を貫かんばかりの、欲情に満ちた視線。その視線を全身に浴びながら、エリナは怖気がした。 そんな己を喚起するかのように、エリナは必死に笑顔を作る。気持ち悪いのを我慢して。 作り笑いの笑顔が、少し不自然かも、と脳裏に過ぎる。だが、客席の男たちは、そんな笑顔でもわいわいと沸き立つ。 エリナは受け入れがたい欺瞞を感じた。うその作り笑いで、彼らをだましているような、そんな気分だ。 虚構の世界だ、とわかっていても、やはりその気持ちは抑えられない。 エリナはステージの横をチラリと見た。そこにはマネージャーの美穂がいる。 美穂は満足げな微笑んでいた。エリナはその笑顔をみて、少し安心できた。 大丈夫、私はやれる、そう自分に言い聞かせて・・・。 マネージャーの美穂さんは、凄く素敵な大人の女性だ。 昔はアイドルグループの一員として活躍したらしいが、今は知的でクールで(抜群に美人の)キャリアウーマンって感じ。 スタイリッシュなスーツと、切りそろえた短髪、シンプルなメイクでも十分綺麗な面立ち。 颯爽としたそんな美穂は、エリナにとって憧れの存在でもある。 いつかあんな素敵な女性になりたい、美穂はエリナにとって、そんな女性だった・・・。 「・・・ご苦労さまエリナ。今日のイベント、うまくいったわね。」 握手会を終え控え室に帰ると、美穂は労うように声を掛けてきた。 正直言って、イベントは決して楽しいものではなかった。 好きでもない相手に愛嬌を振りまく自分に、どこか嫌悪を覚えているのも確かだ。 でも、美穂さんのこうした一言で、そうした悩みも吹き飛んでしまう。 この人が支えてくれるから、私は頑張れる、エリナはそう思っていた。 「でもねエリナ、まだちょっと躊躇があるみたいね」 美穂はそう付け加える。その一言は、喜んでいたエリナの心に、チクリと刺さった。 もしかしたら、見抜かれているのかもしれない。美穂さんくらい賢い人なら、それくらい分かってしまうかも。 「まあ大丈夫よエリナ、慣れの問題だから。プロの水に馴染むまでは気合入れて・・・ねっ!」 美穂はそう言うと、エリナに微笑みかけた。端正で怜悧でクールな美穂さんが時折見せる、抜群の笑顔。 その笑顔は、不安げなエリナの心を解きほぐす。 だが、美穂の眼鏡の奥の瞳は笑ってはいなかった。笑顔の奥で、エリナのことを冷徹に見つめるその瞳。 エリナは、その冷ややかな視線に、全く気づくことはなかった・・・。 「エリナ、今日はこれから打ち合わせがあるの・・・大丈夫よね?」 タクシーに乗り込み、美穂が運転手に行き先を告げると、そう言った。 「打ち合わせ、ですか?」 事務所を出発するときに確認した限りでは、今日はこれで終わりのはずだった。 久しぶりのオフ・・・少し部屋の掃除でもしようかな、と思っていたのだが。 エリナは美穂の顔を見る。携帯を覗き込む美穂の横顔・・・その端正な横顔を、窓から差し込む夕日が照りつける。 細身の眼鏡のレンズが、日差しを反射して茜色に輝く・・・素敵な人だな、とエリナは思った。 「あのね、急遽決まっちゃったの・・・突然なんだけど、何か用事でもあったの?」 美穂は携帯のメールをチェックしながらたずねてくる。 用事、といっても別に大したことはなかった。何の問題もない。 「いえ、特にありません。大丈夫です・・・ところで何の打ち合わせなんで・・・」 エリナがそう聞き返すと、その言葉を遮るように、 「そう、よかった空いてるのね・・・ありがと」 美穂は有無を言わさずそう答えると、どこかにメールを打ち始めた。 その美穂の冷たさが、エリナは気になった。どこかおかしい、と・・・。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch