16/04/25 23:26:52.66 2TmDQhSQ.net
酉忘れてました
ラストです
○月26日
日付は変わって午前2時頃。さすがに駐輪場には誰もいない。
ぐったりした灰色をトートバッグに入れて、川に架かっている橋までやってきた。
灰色を掴んでバッグから引き出す。全く抵抗しない。
そして灰色を掴んだ手を橋から伸ばし、川の真上でぶら下げる状態にした。
 
状況に気付いた灰色、虚ろな目を開いて「ナアッ・・・?ナオオッ・・・?」と鳴きながらもぞもぞと動き出した。
ちなみに、川から橋までは5m以上の高さがある。
さすがの無気力な灰色でも身の危険を感じ取ったのだろう。「ナアア~~ッ・・・・・・・・・ナアオ~~ッ・・・・・・・・・」
最後の力を振り絞って命乞いする灰色。
しかし、ひどいツラになったなあ。
最初は割と愛嬌のある顔してたのに。俺は最後に灰色のしけた顔に唾を吐きかけ、手を離した。――ドボーーーン灰色が水没するところを見届け、俺はその場を後にした。
「ナッ・・・!ナァッ・・・・・・!」と僅かな鳴き声が遠のいていくのを耳にしながら。