18/01/03 03:06:54.38 .net
「混成AO」は実在するか?
いくつかの分子の例を挙げます。
CH4 正4面体形 (∠HCH = 109.47° C-H = 0.10870 nm)
NH3 3回対称形 (∠HNH = 107.8° N-H = 0.1017 nm)
OH2 く の字形・への字形 (∠HOH = 104.45° O-H = 0.09584 nm)
FH 直線形 (F-H = 0.0917 nm)
これらの分子構造は、分光測定(振動回転準位)などから得られたものです。
これを説明するため、昔むかしポーリングは
2s軌道と(2p)^3 軌道が混成して、等エネルギーの「sp^3 混成AO」4個が生じ
そのうち何個かが水素AO(1s)と共有結合する、
という考えを出しました(VB理論*)。
孤立電子対は共有電子よりエネルギーが高いことを考慮して、
VB理論では、電子準位のエネルギーは下のようになるでしょう。
CH4 4重
NH3 1+3
OH2 2+2
FH 3+1
(←高エネルギー、 低エネルギー→)
* L.ポーリング "The nature of the chemical bond"(1939)