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168 :あるケミストさん:01/10/03 23:06
「Koopmansの定理はエネルギーについて語っているのであって、 軌道について語っているわけではないように思うのだが。」
藤永茂先生の「分子軌道論」を読んで勉強して下さい。N電子系をHF近似で記述したときに占有空間の中だけでN-1電子系を最適化したときに1電子軌道とエネルギーが得られるわけです。これがKoopmans定理の語るところです。よって励起状態には適した軌道にはなっていません。そのため、励起状態の軌道はnatural orbitalなどで定義するわけです。もちろん、natiral orbitalも観測量ではありません。
169 :あるケミストさん:01/10/03 23:44
>>168
ごめん、マジでわからないんだけど、>N-1電子系を最適化したときに
KoopmansってN-1電子軌道の最適化したっけ?HFで得られた結果から、そのまま電子一個(という表現が適切かどうかはわからないが)取るだけじゃなかった?「占有空間の中だけで」というのを見ると、軌道は最適化してないのだろうか。それならわかるけど、そうすると今度は何を最適化しているのかわからなくなる。あと、得られる1電子軌道というのは、どれのこと?
MOやNOが観測量じゃないというのはわかるんだけど、その辺がどうも。私の勉強不足か理解力不足で申し訳ないが、教えて欲しい。
170 :あるケミストさん:01/10/04 00:16
N電子系(閉殻)の占有空間の中で軌道はどのように選ぼうと自由。適当に局在化した軌道でもよいし、適当な演算子を対角化する軌道でもよい。系のエネルギーは変わらないし電子密度も変わらない。N-1電子系のFock演算子を作ってそれを占有空間の中で対角化するのがKoopmansの定理の正しい理解。単に軌道のエネルギーの逆符号がイオン化エネルギーになるというのではない。軌道をN-1電子系向きに最適化しないとKoopmansの定理ではない。CIを知っている人ならN電子系にはN/2個の軌道があるがN/2個の軌道(局在化軌道でもよいし定義はどうでもよい)から電子を抜いた2重項の電子配置はN/2個できる。その間でCIをしてnatural orbitalを求めればKoopmansの定理で求まったすべての1電子軌道と同じになる。