原子軌道・混成軌道についてat BAKE
原子軌道・混成軌道について - 暇つぶし2ch307:あるケミストさん
21/11/07 18:34:33.70 .net
436 :あるケミストさん:02/11/30 01:04
おい!お前らどんな本で勉強しましたか?漏れはJJサクライ読んでるが、難しいので全然進みません。
438 :あるケミストさん:02/11/30 11:55
わーい!すごいスレ発見!『はじめて学ぶ量子化学』と『基本の16章』とかを参考に勉強してますよ~
439 :あるケミストさん:02/11/30 13:30
A.ザボの新しい量子化学ってどうなんですか?
440 :あるケミストさん:02/12/02 03:20
>>439量子化学を大雑把に理解するには適当かと。Gaussian とか使いたい実験屋さんが読むとか、量子化学の初学者が読む分にはいいんじゃないでしょうか。ただ、厳密性はある程度はしょってるので、そのあたりは別の本で補完するのがいいかと。例えば、ブラケットと波動関数は本当は別物ですよ!あと、Green 関数の章はオマケみたいなもんだそうです。
441 :あるケミストさん:02/12/02 03:24
あと、Slater行列式をまともに考えるより第2量子化使った方が慣れると遥かに分かり易いので、ある程度分かってきたらそのあたりも勉強するといいかと。ザボの第2量子化は紹介程度なので、あんまり役に立ちません。
442 :あるケミストさん:02/12/02 08:45
>>440本当の初学者にはお薦めできないと思うが…。量子化学というよりは、どっちかというと計算化学の本だし。
443 :あるケミストさん:02/12/02 08:48
Lecture Notes in Quantum Chemistry, Lecture Notes in Quantum Chemistry II
444 :あるケミストさん:02/12/02 14:50
ザボはどうかと聞く人は、計算化学を要求してると思うがね。
445 :あるケミストさん:02/12/08 09:16
おまいら、米澤他「量子化学入門(上、下)」は読まんの?
446 :あるケミストさん:02/12/08 09:25
>>439RHF, UHF, CI, MCSCF, CC, MP2 とかって何だよ?と思うが教科書は日本語しか読めないヤシには薦められる。
>>442計算化学というよりは、量子化学計算の本だな。計算化学はもっと広い。

308:あるケミストさん
21/11/07 18:35:08.28 .net
450 :あるケミストさん:02/12/19 01:10
Hartree-Fock法
 波動関数を1電子軌道(分子軌道)を使った単一Slater行列式で表現し、
 厳密なハミルトニアンを使ってエネルギーを求める。
 そのエネルギーを最小化するように分子軌道を最適化する。
 単一Slater行列式を使うため、
 ハミルトニアンは厳密でも結果は厳密ではない。
密度汎関数法
 エネルギーを密度の汎関数で表現し、
 密度を最適化することでエネルギーを求める。
 しかし、正確な形は分からないので、
 エネルギーの形は近似せざるを得ない。
 厳密には基底状態にしか適用できない。
 密度汎関数法を分子軌道法ライクにしたのがKohn-Sham方程式。
 Slater行列式から得られる密度を使い、
 軌道を最適化することで状態を得る。
出発点は全く違うが、
Hartree-Fockも密度を最適化していると表現できるので、
密度汎関数法の一部と見做すこともできる。
が、普通はHartree-Fockでは得られない効果を含めたものを
密度汎関数法と呼ぶ。

309:あるケミストさん
21/11/07 18:36:58.15 .net
525 :あるケミストさん:03/02/10 11:30
量子化学or量子力学をいちから勉強しようと
思っているのですが、いい教科書はないでしょうか?
526 :あるケミストさん:03/02/10 12:46
僕はほんと馬鹿だったので、物理学の入門コースとかの量子力学も
全然理解できなかったんですが、ポーリングの「量子化学序論」で
かなり目覚めることができました。参考までに>>525
527 :あるケミストさん:03/02/10 13:18
>>525
小出の1と2
これだけで十分

310:あるケミストさん
21/11/07 18:38:10.89 .net
580 :あるケミストさん:03/03/31 19:40
学部生ですー。
四月からGaussian98を使って構造とかエネルギー計算とかをやるっぽいのですが、量子化学などの知識はどのくらい要るんでしょうか?
研究室も専門でないので1からのスタートです。
今アトキンズを使ってるのですがこれで大丈夫ですか?
581 :あるケミストさん:03/03/31 20:18
マッカーリでやり直せ。
582 :あるケミストさん:03/04/01 08:13
>>580
分子軌道法 計算化学シリーズ
講談社

311:あるケミストさん
21/11/07 18:39:13.80 .net
588 :あるケミストさん:03/04/09 01:27
>>584
MCSCF についてこれでもかというくらい詳しく書いて下さい。
おながいします。
590 :584:03/04/11 22:08
>>588 とりあえず次の四つでも読んどけ。
J Olsen, DL Yeager, P Jorgensen, Adv Chem Phys 54 (1983) 1.
H-J Werner, Adv Chem Phys 69 (1987) 1
R Shepard, Adv Chem Phys 69 (1987) 63
BO Roos, Adv Chem Phys 69 (1987) 399
593 :あるケミストさん:03/04/13 20:16
M.W. Schmidt and M.S. Gordon, Ann. Rev. Phys. Chem. 49, 233 (1998)
"The Construction and Interpretation of MCSCF Wavefunctions"
のことか?

312:あるケミストさん
21/11/07 18:40:52.10 .net
648 :あるケミストさん:03/05/29 17:19
すみません、物理板の者ですが、場の量子論から始まる量子化学の書籍いいのありませんか?
649 :あるケミストさん:03/05/29 19:29
>>648
分子科学講座5「分子の電子状態」-分子理論の展開-第5~11章(青野茂行)共立出版(1986)
がいいでしょう。古い本なので、図書館で探してください。
651 :あるケミストさん:03/05/29 20:47
>>649
絶版のようですが、Amazonで目次を見ることができました。今から20年近くも以前に、場の理論の方法を取り入れた
そんな良さそうな本があったんですね。Green関数の方法がどんなふうに応用されているのか興味のあるところです。ぜひ図書館で探してみます。ありがとうございました!
652 :あるケミストさん:03/05/29 20:49
J Linderberg and Y Ohrn, Propagators in Quantum Chemistry, Academic Press 1973
というのもあるな。
653 :あるケミストさん:03/05/29 21:17
>>652
実に魅力的な題名ですね。30年も前の出版とは思えません。しかし、似たようなアプローチで最近の書籍はないですかね?

313:あるケミストさん
21/11/07 18:44:46.73 .net
866 :あるケミストさん:03/11/03 00:33
量子化学勉強しようと思うけど難しすぎ
散々このスレでも参考書はどれがいいかというレスがなされてるけど
やっぱ難しいっていう証拠なんだね。。
で、1からはじめる人に向いてる本を教えてくらはい。。
一応まとめとして。。
867 :あるケミストさん:03/11/03 05:06
>>866
量子化学ってこーいうもんかーって全体像をすばやく理解できるのは
「講談社サイエンティフィック 入門分子軌道法」
じゃないかなー。たいてい図書館においてあるよ。
881 :あるケミストさん:03/11/07 00:08
ココで紹介されてた簡単そうな本読んだけど
ワカラネーヨ
シュレディんがーが出てくるあたりで?ってかんじ
微分とかも記号の羅列でサパーリ
ヽ(`Д´)ノウワァァァン
883 :あるケミストさん:03/11/07 05:08
>>881
>>867+「物理入門コース. 10 物理のための数学. 和達 三樹著」だなー

314:あるケミストさん
21/11/07 18:45:49.19 .net
890 :あるケミストさん:03/11/08 13:17
「量子化学入門」(上)と(下)化学同人発行って本は
ムチャ難しい (ToT)
毎週の勉強会で強制的に読まされている
日本語が書いてあるハズなのに、日本語じゃないみたい
だよ
891 :あるケミストさん:03/11/08 22:45
>>890
それはひょっとして「三訂」?
「入門」とは付いていますが、あれは入門書ではないですよ。
893 :890:03/11/09 15:40
>>891
そうそう、「三訂」です
894 :あるケミストさん:03/11/09 18:27
>>893
量子の先生は若い頃やってたりするので、やったほうがいいかもね。

315:あるケミストさん
21/11/07 18:47:18.11 .net
897 :あるケミストさん:03/11/11 08:00
>>896
GAMESSの使い方の本を出したら(学術書としては)そこそこ売れる
んじゃないか、とは前から思ってたけどね。
使われてるわりには、日本語文書はそろってないね。
898 :あるケミストさん:03/11/11 12:59
>>897
本を出すからには、マニュアルをただ訳しただけでなく「計算科学ガイドブック」
なみの濃さを要求されるからなー
もしかしたら
「計算科学シリーズ 分子軌道法」 木原、内田、生田
講談社サイエンティフィック, 1994, 212頁, \2500
にげーむすの使い方ものっているかもしんねーな。「計算科学ガイドブック」より
新しい本だから。これも町の図書館にあったりする。
ネットで検索すると、「 GAMESS(日本語マニュアル) GAMESSの紹介とマニュアル。
三重大学の小関史郎さんの作ったページです。 」なんてのがあるけど、卒業した
のか消されとる。
URLリンク(w3.kinjo.ac.jp)
なんか親切だけど、入力ファイルはわからんな。
900 :あるケミストさん:03/11/11 15:34
小関先生は学生じゃないぞ。GAMESSの開発にも関与していたはず。大阪方面の大学に移ったと思う。
ただし、GAMESSのマニュアルを訳していたのは学生だろう。ところどころおかしかった。

316:あるケミストさん
21/11/07 18:53:06.19 .net
12 : :01/09/20 17:06
すばらしいスレだ!量子化学を知りたいっす!
どんなことやってんのか教えてくれ!
ところでDFTって何?Hartree-Fockの基底の種類?
Gaussian はそのまま基底っぽいけど…?
略語がわからん…
14 :あるケミストさん:01/09/20 17:16
>>12
たとえばもう大昔の本だけど、
Parr, Yang "Density-Funtional Theory of Atoms and Molecules", Oxford
でもみてみるとか。
この本って、古いせいか例えばスピン多重度あたりのことが、
教科書としては、はっきりとしてないような気がする。
もっと新しい、しかもしっかりした本は無いですかね?
16 :8=10:01/09/20 17:39
>>14
初心者にパーやんは厳しいでしょう。とはいえ、確かにDFTの(化学よりの)いい教科書はないですねえ。

317:あるケミストさん
21/11/07 18:57:20.59 .net
44 :あるケミストさん:01/09/23 10:52
HFとDFTは本来全然違うものです。HFなどの手法がSchrodinger方程式からスタートするのに対して、DFTではHohenberg-Kohn式からスタートしています。
前者は波動関数に関する方程式ですが、後者は電子密度関数に関する方程式です。また、相関交換をポテンシャルの形で与えてる点も後者の特徴でしょう。
ただ、実際の計算の際にHohenberg-Kohn式をKohn-Sham式という一電子密度関数を使った式に変換するので、結局「電子密度」を用いていた式が「電子」を用いた式のようになって、HFとDFTが似たような形になっています。
というところですが、私もDFTはあまり詳しくないので、間違いがあれば指摘して下さい。
45 :あるケミストさん:01/09/23 11:34
>>44
Hohenberg-Kohnの定理は、鉄壁だとおもう。しかし、Kohn-Sham方程式へ行く時、仮定が入っているけどあまり本(Parrのやつとか)には、露に書いていないように思う。
このあたりから、個人的には理解が弱くなっている。(なんだかDFTが胡散臭く思えてくる。)
50 :あるケミストさん:01/09/23 18:52
Hohenberg-Kohnの第一定理は“基底状態において(v表示可能な)電子密度と波動関数には一対一の対応関係がある”ことを保証しているだけです。
一方、Kohn-Sham方程式は全エネルギーを直行化の束縛条件のもとで変分してでてくる方程式なのでべつものです。(外部有効ポテンシャルveffの中でN個の電子が互いに相互作用なく活動する系を仮定していますが)

318:あるケミストさん
21/11/07 19:00:00.75 .net
48 :あるケミストさん:01/09/23 14:06
HFの相関については、確か「電子相関」という用語自体が電子間相互作用のうちでHFに含まれていないもの、という定義だったと思うので、HFには電子相関は含まれてないのではないか?

55 :馬鹿博士と呼ばれてはや1年(w:01/09/24 22:08
>>48さん
 HFでの相関「エネルギー」の定義は、真の全エネルギー値とHFで得られた全エネルギー値の差だったと思います
 HF法は、N電子系波動関数を1電子波動関数の積(Slater行列式)で書けると「近似」していて、さらに電子間に働くクーロン相互作用も無理やりSlater行列式で書いてしまっており、定義そのものから近似的・・・という理解をしていました。
 Kohn-Sham法に関しては、仮にこの世の中に「電子間相互作用がない」とすれば、Kohn-Sham有効ポテンシャルのつくる場の中でひとつひとつの電子軌道は「独立に存在する」ものと見なすことが出来、したがって「近似」ではなく"exact"になる・・・という理解をしていましたが・・・これで合ってます?どなたかご指摘くださいませ。

319:あるケミストさん
21/11/07 19:07:07.65 .net
24 :12:01/09/21 21:09
DFTって密度汎関数法だったのね。いろいろ想像してしまった…HFとはやっぱり違うのか…
でも、HFもHamiltnianを密度の関数で表現してそれで変分してるよね?(つーか、そういうふうにも計算できるよね)
HFと何が違うかというと、ポテンシャルをより経験的?に与えているってことで理解していい?
それと、Dirac方程式でやったら結構評価高いです?それともそんな程度は問題外
29 :あるケミストさん:01/09/22 00:10
>>24
交換項って密度でちゃんと求められたっけ?求められたら DFT で苦労して近似する必要もないと思うんだけど。俺が知らんだけ?
軽原子ばかりの分子なら、Dirac のずれは些細なもんで、ずれがある場合でも他の要因ずれの方が圧倒的に大きい。重原子が入ってくる系だと重要になるみたい。前に見たのは金原子の計算結果だったけど、結果に結構差があった。
Schroedinger のレベルでは、重原子に対してはECP(有効クーロンポテンシャル)近似した基底関数を使う。内殻電子をポテンシャルで近似してしまうというもんだったはず。でも、内殻電子のエネルギーが求められないとか、それがどこまで有効なのかとか、いろいろ問題もある。まだまだ素人なので違うところあったらスマソ。

36 :12=24:01/09/22 10:33
>>29
できると思ったけど…まずHFとDFTの違いを理解したいね。だれか簡単にでも説明できん?
不思議だねーそうなんだ。重くなると相対論的な効果が結構出てくるのか。SchroedingerにはL・S項(に対応するもの)が入ってるんでしょ?その辺が電子が多くなるとうまく記述できていないとか
43 :29:01/09/23 07:37
>>36
重原子は核の電荷が大きくなるから、軌道半径が小さくなって電子が速くなる。そのために相対論的な効果が重要になってくる。そうでないときも確かに補正になると思うけど、それ以外のずれの方が(多分)大きくてあんまり意味がない(はず)。合った合ったといっても、実際結構ずれることも多いしね。Dirac 使うよりも、別の改善を行った方がいいということかな?
実際に計算はしてないので、もしかしたら Dirac がかなりの補正になるのかも知れないんですけど...とりあえず今まで問題になったことがないので多分大丈夫なんでしょう

320:あるケミストさん
21/11/07 19:07:29.30 .net
55 :馬鹿博士と呼ばれてはや1年(w:01/09/24 22:08
>>15, 29さん
 学生のときの研究では貴金属を扱いましたのでコメントさせて頂きますと・・・ずばり、Auよりもやや軽い貴金属でも、elativistic correctionは効いてきました。1996年あたりの、確かJPCあたりにPd, Pt, Auあたりの計算を相対論効果の補正あり・なしで比較した研究例があったと思います。自分の印象でも、Pdよりちょっと手前あたりからは補正を入れておいたほうが、他のペーパーの結果とも比較しやすかったという感じでした。
69 :12=24=36:01/09/26 01:45
HFは理解できているつもりなんです。Slaterを使う限りにおいて、HFが最良の結果を与えることは変分法によって証明されます。また、HFはFeynman diagramによってどの相関が考慮されているのかも明白なため、拡張もしやすいと思います。(例えば拾われていないdiagramを加えてiterationする、など。計算はかなり大変になると思うけど)
DFTについての書き込みを見ての理解は、Hohenberg-Kohnの定理によってSlaterにとどまらない電子密度による多粒子系の理論を与えてくれること、しかしながら、3体系でも厳密に解ける方法がないように、Kohn-Shamの近似を使うことによって計算が可能になるってこと…でいい?
>>50、55さんの「電子相関がない」として一体ポテンシャルを解くのはHFでもおこなっています。やっぱり一体ポテンシャルの違いなんじゃ…?
>>43、55
Relative correctionの話、なるほどです。
83 :あるケミストさん:01/09/27 13:34
>>69
これはHartree-FockとKohn-Shamを比較した場合ですよね。それは大体正しいと思います。電子間の相互作用(「電子相関」という用語は誤解を招きます)がないとして作った一電子方程式の中に、半ば別枠としてクーロン項と交換相関項を入れたのがKohn-Shamになります。HFも同様に一電子方程式からなりますが、55さんも書いていらっしゃる通りそれらが全てSlater行列式に納められています。その意味でDFTのほうがexactかつsemiempirical的ともいえます。ただ、どちらも多体→一体という点では同じです。DFTがHFと大きく違っているような気がするのは、ab initioかsemiempiricalかがこの分野では非常に重視されるためではないかな、と思っています。

321:あるケミストさん
21/11/07 19:07:45.87 .net
84 :馬鹿博士と呼ばれてはや1年(w:01/09/27 22:17
>>83さん
 55です。大変参考になりました! 自分も、ab initioなのかsemi-empiricalなのかという点について悩みました。学生のときはこのことが原因でチクリとやられたこともあります(学会などでの発表で)。しかし今となっては、より使いやすくかつ低コストな方法に興味がでてきました(苦笑)
85 :69:01/09/28 00:54
>>83
オッケーっす!なんとなく「そうかな~」って思っていたとおりでした。ありがとうございました。
86 :あるケミストさん:01/09/28 22:05
83のおっしゃるように交換相関項がすべてだね。HFはいかにfull CIに少ない計算量で近似していくかを模索しているのにたいしDFTは 交換相関項をひたすら改善していくという方向がとられているね。

322:あるケミストさん
21/11/07 19:13:13.83 .net
「メタンの MO は混成なんかしてない」というのは間違い。sp3 混成で各結合に局在した軌道ができるが、それを基底にして
a1対称とt2対称の分子軌道をつくればいいのです。分子軌道が混成軌道から構成されていることになります。そういう意味ではベンゼンもメタンも違いがありません。閉殻基底状態の化学結合を語るのにカノニカル軌道を使う必然性はありません。もちろん、電荷移動、光励起、イオン化など電子を閉殻から抜くようなケースでは、軌道概念やHOMO-LUMO理論が近似理論として利用できます。分子軌道というのは観測量ではないことに注意して下さい。
154 :あるケミストさん:01/10/02 19:32
>>151Koopmansの定理からそれなりに実験と対応がついてるんじゃないの?
156 :あるケミストさん:01/10/03 00:31
>>154 もっと量子化学を研究して下さい。イオン化で観測される量はN電子系からN-1電子系へ変化する際の差であって、Koopmansの定理が適用できるカノニカル軌道のことではない。分子軌道が観測できるというのは大きな誤解。
159 :あるケミストさん:01/10/03 12:22
>>156まだ、よくわからないです。結局言ってることは、電子相関とか緩和の効果が入ってないから厳密にはKoopmansの定理が成り立たないと言いたい?
160 :あるケミストさん:01/10/03 12:27
>>159書いてる事がおかしいなあ。えーと、結局言ってることは、電子相関とか緩和の効果が入ってないからKoopmansの定理は近似だと言いたいの?
161 :あるケミストさん:01/10/03 13:23
KoopmansってもともとはHFだけだよね? もちろん緩和もないし、近似であることは確かなのでは。あと、あれはエネルギーについて語っているのであって、軌道について語っているわけではないように思うのだが。
162 :154=159=160:01/10/03 15:11
>>161その通りだと思う。あえて、”分子軌道というのは観測量ではないことに注意して下さい。”と書いてるから、なんか特別なことがあるのかなあと思って。
163 :154=159=160:01/10/03 15:17
そうだね、軌道が観測できないということを言いたかったんだね。軌道で議論する事自体を否定してるように誤解してしまった。よく前のカキコみたらちゃんと書いてましたね。お騒がせしてスマソ。

323:あるケミストさん
21/11/07 19:15:56.51 .net
168 :あるケミストさん:01/10/03 23:06
「Koopmansの定理はエネルギーについて語っているのであって、 軌道について語っているわけではないように思うのだが。」
藤永茂先生の「分子軌道論」を読んで勉強して下さい。N電子系をHF近似で記述したときに占有空間の中だけでN-1電子系を最適化したときに1電子軌道とエネルギーが得られるわけです。これがKoopmans定理の語るところです。よって励起状態には適した軌道にはなっていません。そのため、励起状態の軌道はnatural orbitalなどで定義するわけです。もちろん、natiral orbitalも観測量ではありません。
169 :あるケミストさん:01/10/03 23:44
>>168
ごめん、マジでわからないんだけど、>N-1電子系を最適化したときに
KoopmansってN-1電子軌道の最適化したっけ?HFで得られた結果から、そのまま電子一個(という表現が適切かどうかはわからないが)取るだけじゃなかった?「占有空間の中だけで」というのを見ると、軌道は最適化してないのだろうか。それならわかるけど、そうすると今度は何を最適化しているのかわからなくなる。あと、得られる1電子軌道というのは、どれのこと?
MOやNOが観測量じゃないというのはわかるんだけど、その辺がどうも。私の勉強不足か理解力不足で申し訳ないが、教えて欲しい。
170 :あるケミストさん:01/10/04 00:16
N電子系(閉殻)の占有空間の中で軌道はどのように選ぼうと自由。適当に局在化した軌道でもよいし、適当な演算子を対角化する軌道でもよい。系のエネルギーは変わらないし電子密度も変わらない。N-1電子系のFock演算子を作ってそれを占有空間の中で対角化するのがKoopmansの定理の正しい理解。単に軌道のエネルギーの逆符号がイオン化エネルギーになるというのではない。軌道をN-1電子系向きに最適化しないとKoopmansの定理ではない。CIを知っている人ならN電子系にはN/2個の軌道があるがN/2個の軌道(局在化軌道でもよいし定義はどうでもよい)から電子を抜いた2重項の電子配置はN/2個できる。その間でCIをしてnatural orbitalを求めればKoopmansの定理で求まったすべての1電子軌道と同じになる。

324:あるケミストさん
21/11/07 19:16:24.16 .net
171 :あるケミストさん:01/10/04 01:22
Koopmans の定理は「HF占有軌道のエネルギーの逆符号がイオン化エネルギーになる」ってのじゃなかったっけ?
N電子のMOを使ってN-1電子状態を近似して、そこから計算していくとそうなるとかだったと思う。電子相関と緩和の効果が微妙に相殺しあってなんかそこそこの値を与えるという感じで。N-1まで最適化したら delta SCF になるのでは?HFでやると電子相関が入らないから、微妙な相殺が消えて値が悪くなるという。
172 :171:01/10/04 01:25
追加。Koopmans の定理の中には仮想軌道のエネルギーが電子親和力に対応する、というのも入ってるけど、
これは電子相関と緩和の効果が同符号に効いて使い物にならない。
173 :あるケミストさん:01/10/04 01:36
>>171, 172
いや、例えばB-O近似みたいに、普段使ってるときに漠然と考えていることと、その定理(近似)の本質とが違っている例もあるから、ひょっとすると原論文ではそこまで論じてるのかもよ。B-O近似って、「核は(常に)止まっていると見なす近似」だと思ってなかった?俺だけか?M1のころ、none B-Oの人の話を聞いて感動した覚えがある。

325:あるケミストさん
21/11/07 19:16:59.91 .net
174 :171:01/10/04 02:19
>>173
うーん。確かにそれもあるかも知れませんね。ところで、本当の BO 近似は何個か摂動も取り込むんでしたっけ?(うろ覚え)
175 :軌道理論教授:01/10/04 11:16
もし皆さんが理論化学者、量子化学者のはしくれならKoopmansの原論文を読まなくてもよいから、藤永先生の「分子軌道法」(丸善)を読むように。軌道理論が判っていない方が多すぎます。
×「N-1まで最適化したら delta SCF 」
○ Koopmans の定理では占有空間の中だけで最適化するのがミソ
△「電子親和力に対応するKoopmans の定理は使い物にならない」
○ 使い物になる場合もあるので、使いようです。例えば、NOラジカルの
  π*電子の励起の議論にはπ*電子を取ったNO+の空軌道が有用
176 :あるケミストさん:01/10/04 12:43
>>173
面白そうな話しですね。もう少し御願いします。

326:あるケミストさん
21/11/07 19:17:46.89 .net
177 :あるケミストさん:01/10/04 12:46
うちには藤永先生の本は「入門分子軌道法」(講談社)と「分子軌道法」(岩波書店・絶版)しかないけど、後者の5.4節に、
「Koopmansの定理の近似度について,後に残る電子の軌道が‘固定’されている点がしばしば言及されるが,これは始めから固定してかかったわけでは決してなく,{ψi}の中での変換(5.4.29)をやってみても,元のN電子系の正準軌道が最良の選択として
残るということである」とあった。この(5.4.29)の変換が175のいう「占有空間の中だけでの最適化」だね。つまるところ、確かに固定されてはいるけど、最初からそう仮定していたわけではない、ということかな。
しかし、175がこれまでの人と同一かどうかはわからないし、本当に教授かどうかもわからないけど、ここまで辛抱強く付き合ってくれる教官がいてくれたらいいね。
178 :177:01/10/04 12:55
しかし、藤永先生はさすがに文系の著作もあるだけのことはあって、文章がわかりやすい。ただ、Szaboあたりが教科書として使われていて(もちろんSzaboもいい本ではあるが)、藤永先生の本は入手困難なのが問題だな。実際、SzaboだとKoopmansの定理をここまでは書いてないからね。藤永先生の本でも、「入門」のほうは「固定」に対して問題を提起していないし。入門だから当たり前だが。
179 :あるケミストさん:01/10/04 15:03
DFTの軌道エネルギーはどれくらい使い物になるのだろう?
180 :あるケミストさん:01/10/04 22:43
もし皆さんが理論化学者、量子化学者のはしくれなら使い物という結果オーライの議論ではなく、軌道エネルギーと軌道関数の
定義に戻るのが筋でしょう。DFTが必ずしも信用されてるわけでないのは理屈はどうであれ結果オーライの世界という認識があるからでしょう。DFTの結果が実測と合わなかったときに次にどうするかという理論もないしね。

327:あるケミストさん
21/11/07 19:19:28.19 .net
181 :あるケミストさん:01/10/04 23:54
>>180
DFTの場合実用上のスタートのKSから結果オーライ的な部分があるからね。KSの(原理的な意味での)責任ではないけど。
ただ、有機実験系の人から未だにAM1が支持されていたり、それどころか原子電荷の計算には「なんとなくあうから」という理由でMNDO(最初聞いたときは信じられなかった)が使われていることを考えると、結果オーライの世界を否定するのも狭量すぎはしないか?量子化学・理論化学、そしてなにより計算化学の人間が結果オーライの世界を捨ててしまうと、それこそ「詳しくないけど使っている」という人たちがどこへ行ってしまうかわからないよ。彼らが計算に求めていることのうち、一つは確実に「結果オーライ」なんだから。率直に言って、象牙の塔にこもる人間が一人もいない分野もダメだと思うし、象牙の塔にこもる人間ばかりの分野もダメだと思うけどな。そのへんは、偉い先生方でも議論がわかれていることなので、あまりアジテートしないほうがよくないかな。もしかすると、正体がばれるかもね(笑)
187 :あるケミストさん:01/10/05 16:08
>>181
Hohenberg-Kohnは、Shroedinger方程式から仮定無に導けるけど、Kohn-Shamは仮説が入っているような気がする。全然間違っていますか?Parr-Yangの本の導出だと、そんな気がするんですけど。もっとわかりやすい文献があったら教えてください。
188 :あるケミストさん:01/10/05 17:13
>>180
DFTに対する姿勢に関する話しはいいですから、結局のところDFTの軌道エネルギーはどんな問題点があるのでしょうか。軌道エネルギーと軌道関数の定義とかについてもうちょっと詳しく話してもらいたいです。
189 :あるケミストさん:01/10/05 23:19
DFTは”分子軌道”法ではないということに尽きるのですが、GAUSSIANなどに組み込まれているので、誤解されてしまっています。GAUSSIANのdefaultではHF計算でも分子軌道の情報はあまり得ることはできませんので、GAUSSIANとしては首尾一貫しているのかも知れませんが。

328:あるケミストさん
21/11/07 19:20:45.79 .net
193 :188:01/10/07 09:11
>>188
誰も答えてくれないのでとりあえず、自分で少し書こう。
Koopmans定理のあたるものはDFTでは成り立たない。よって、近似的にでも軌道を使って議論する正当性あまりないように見える。Exで自己相互作用の部分をきちんと取り除いてやれば、近似的にKoopmans定理は成立する。(Ecは無しね)これは、昔Perdewとかが研究を行っている。HOMO-LUMOギャップに関しては、LDAで60%の過小評価、HFはかなり大きく見積もる、といわれている。B3LYPを使うと、合ってしまう。まあ、当たり前にも見えなくはない。
194 :188:01/10/07 11:44
>>187
Hohenberg-Kohnの定理が成り立つのはv-Rep条件が満たされているときだけとParrの本に書いてあると思います。この条件は正確には知られていません。いまも、Kohnのグループの人とかが研究してたりします。

329:あるケミストさん
21/11/07 19:23:42.56 .net
456 :??:02/12/21 20:30
初歩的な質問ですが、ガウシアンって完全系をはっていないのになぜ基底関数につかってもOKなんですか?
458 :あるケミストさん:02/12/22 05:45
>>456
非直交基底の線形結合から規格化直交基底を作ることができるからです。
非直交基底を φ_i(r) と、行列 S を
 S_ij = ∫dr φ_i^*(r) φ_j(r)
として、規格化直交基底を
 φ'_i(r) = Σ_j X_ji φ_j(r)
とできるすると、
 ∫dr φ'_i^*(r) φ'_j(r)
  = Σ_kl X_ki^* X_lj ∫dr φ_k^*(r) φ_l(r)
  = Σ_kl X_ki^* S_kl X_lj
よって、
 X^† S X = 1
なる行列 X が存在すればよい。例えば
 X = S^(-1/2)
を使えば、S のエルミート性から
 [S^(-1/2)]^† S S^(-1/2) = S^(-1/2) S^(1/2) = 1
となる。あとは X に右からユニタリー行列をかけても
 (XU)^† S (XU) = U^† (X^† S X) U = U^† U = 1
となるので、一般に
 X = S^(-1/2) U
は規格化直交基底への変換行列となる。
実際は重なり積分を対角化して、
 s = U^† S U
 X = S^(-1/2) U = (U s^(-1/2) U^†) U = U s^(-1/2)
としたものを使うことが多いです。

330:あるケミストさん
21/11/07 19:24:15.58 .net
463 :458:02/12/24 17:52
>>461
変換後の規格化直交基底は、
その基底を使って表現できる、ヒルベルト空間の「部分空間」内で
完全系を張ってるわけです。
無限基底は実際に計算する上では使えないので
(係数が解析関数になるわけではないので、
 各基底に対する係数をそれぞれ保存しないといけないのです)、
仕方なしに部分空間内で計算するのです。
仰る通り基底関数を上手に決めないとpoorな結果しか与えてくれないので、
水素原子の厳密解であるSlater関数(計算量が多い)か、
それにによく似たGaussian関数の線形結合(比較的計算量が少ない)をよく使います。
どの幅のGaussian関数にどの異方性をつけてどう線形結合するかによって
STO-3G, 6-311G(2p,2d), aug-cc-pVTZ, MIDIなど、いろんな名前がついてます。
どれを使うかは、計算量と要求される計算精度から経験的に決めます。
>>462
本なら、上にあるザボとか。
本は疎いのでこれ以上は勘弁。
多分標準的な量子化学の教科書なら何にでも書いてあるのでは?

331:あるケミストさん
21/11/07 19:24:35.20 .net
464 :456:02/12/25 01:14
>>463
詳しくかいてくれてありがとう。おっしゃるところの部分空間がどういうもので、
なぜその空間で考えれば経験的にもうまくいくのかピンときませんが、話の大筋
が見渡せました。

465 :456:02/12/25 02:30
>>464
について自己フォロー。有限個の基底という意味での部分空間というところ
を読み飛ばしていました。464は無視してください。とすると、話は
戻ってしまって恐縮ですが、規格直交基底がガウス関数で展開できるという
仮定がなぜ正当化できるのかが浅学で理解できません。

332:あるケミストさん
21/11/07 19:24:48.57 .net
466 :458:02/12/25 03:15
>>465
規格化直交基底に変換することのできる条件は、
変換行列 X が存在するということです。
S^(-1/2) U が存在すればそれは X の要求される性質を満たすので、
即ち S^(-1/2) が存在すれば必ず変換できるわけです。
(これだけでは必要条件しか示せてませんが、勘弁)
S^(-1/2) が存在する条件というのは、
即ち S が正則(逆行列が存在すること)であることです。
S の逆行列は S のエルミート性を使えば(>>458を参照)
 S^(-1) = U s^(-1) U^†
求められるので、要するに S がゼロ固有値を持たなければ正則なわけです。
S がゼロ固有値を持つというのは、
非直交基底関数が線形従属だということに他なりません。
結論としては、非直交でも線形独立ならば
X で1次変換を行うことによって
直交基底に変換することができるというわけです。
実際には s が非ゼロでも小さくなりすぎると
対角化の場合の数値誤差のせいで使い物にならなくなります。
原子間距離が狭くなりすぎるとそういう状態になりますが、
普通の結合距離程度ではそれ程問題にはなりません。

333:あるケミストさん
21/11/07 19:25:01.53 .net
467 :458:02/12/25 03:38
補足。
2次元平面で考えてみると分かりやすいと思います。
平面は平行でない非直交な2つのベクトルの線形結合で張ることができます。
で、そのベクトルの適当な線形結合2つを選べば、
直交する2つのベクトルも表現できるはずですよね?
そういうことです。
直交基底が完全系を成すことはわかりますよね?
また、最初に選んだベクトルが平行(線形従属)な場合は
1次元直線しか表現できなくなってしまうわけです。
この場合は2次元平面の完全系を成さなくなってしまうのです。

で、変換後の基底が完全系を成すのに元の非直交基底は完全系を成さないのか?
ということですが、元の非直交基底は
ある計量を持った歪んだ完全系を成しています。
規格化直交基底の完備性条件はブラケット記法を使うなら
 Σ_i |ψ_i><ψ_i|=1
ですが、歪んでいる場合は
 Σ_ij |φ_i> M_ij <φ_j|=1
となります。
基底関数
 φ_i(r) ≡ <r|φ_i>/√K (K は基底の数)
を導入すれば
 1 = <r|1|r> = ∫Σ_ij <r|φ_i> M_ij <φ_j|r>
 1 = Σ_ij M_ij ∫φ_j^*(r) φ_i(r) / K
  = Σ_ij M_ij S_ji / K
  = Tr(MS)/K
となるので、M = S^(-1) であることが分かります。
(相変わらず必要条件ですが、勘弁)

334:あるケミストさん
21/11/07 19:25:15.62 .net
468 :456:02/12/26 01:46
>>466,467
なるほど。適当なガウス関数を複数とってきたら、よほど変なことしないかぎり
線形独立にはなるので、御説明通り直交基底はほぼ表現できますね。
クリアな説明ありがとう。
469 :あるケミストさん:02/12/26 02:51
誤植
× φ_i(r) ≡ <r|φ_i>/√K
○ φ_i(r)/√K ≡ <r|φ_i>

335:あるケミストさん
21/11/07 19:26:06.42 .net
410 :あるケミストさん:02/10/17 22:02
摂動法について教えてください。
1次の証明は簡単ですけど2次以上になるとわけわかりません。
というか2次以上やったことないんですが・・・・。
413 :あるケミストさん:02/10/19 04:07
>>412
先ず、ハミルトニアンを
 H=H0+λV
ってするよ。
H0は運動エネルギーと外場との相互作用(1粒子演算子)の和で、
Vは電子同士の相互作用(2粒子演算子)の部分ね。
λはそうだね、次数を表すための目印のようなもんだね。
摂動次数っていうんだけど。
で、ケットとエネルギーを展開するのね。
 |Φ>=|Φ0>+λ|Φ1>+λ^2|Φ2>+λ^3|Φ3>+…
 E=E0+λE1+λ^2E2+λ^3E3+…
|Φ1>,|Φ2>,…とかE1,E2,…は順に小さくなってくと思ってね。
そう。|Φ1>,E1は1次の効果、|Φ2>,E2は2次の効果ってね。
あぁ、|Φ0>とE0はH0の固有状態と固有エネルギーね。
 H0|Φ0>=E0|Φ0>
それから、|Φ>と|Φ0>の間に
 <Φ|Φ0>=1
っていう条件を加えるのね。
これ、中間規格化。
これから分かるように、|Φ1>以降は全部|Φ0>と直交するのね。

336:あるケミストさん
21/11/07 19:26:20.57 .net
414 :あるケミストさん:02/10/19 04:08
で、あとはこれを固有値方程式に放りこむ、と。
 H|Φ> = E|Φ>
 (H0+λV)(Σ[n=0,∞]λ^n|Φn>) = (Σ[n,m=0,∞]λ^mλ^nEm|Φn>)
 Σ[n=0,∞]λ^nH0|Φn> + Σ[n=0,∞]λ^(n+1)V|Φn> = Σ[n=0,∞]λ^n(Σ[m=0,n]En-m|Φm>)
 E0|Φ0> + Σ[n=1,∞]λ^n(H0|Φn> + V|Φn-1>) = E0|Φ0> + Σ[n=1,∞]λ^n(Σ[m=0,n]En-m|Φm>)
 Σ[n=1,∞]λ^n(H0|Φn> + V|Φn-1>) = Σ[n=1,∞]λ^n(Σ[m=0,n]En-m|Φm>)
で、これをλに関する恒等式と見なして、
 H0|Φn>+V|Φn-1>=Σ[m=0,n]En-m|Φm>
ってするわけ。
摂動次数ごとに方程式を分けるってことね。
これに<Φ0|をかけると、|Φm>と|Φ0>の直交性から簡単になるわけ。
 <Φ0|H0|Φn>+<Φ0|V|Φn-1>=En
 =E0<Φ0|Φn>+<Φ0|V|Φn-1>
∴En=<Φ0|V|Φn-1>  [n=1,∞]
で、実際のハミルトニアンはλ=1なわけでしょ?
そういうことで、MPnのエネルギーは
 E=Σ[n=0,∞]λ^nEn=Σ[n=0,∞]En
  =E0+Σ[n=1,∞]<Φ0|V|Φn-1>
  =E0+Σ[n=0,∞]<Φ0|V|Φn>
って訳。Are you okey?

337:あるケミストさん
21/11/07 19:26:37.70 .net
415 :あるケミストさん:02/10/19 04:12
> 順に小さくなってくと思ってね。
もちろん、この部分はそうなると保証される訳じゃぁない。
そう仮定すると上の話は成り立つけど、
そうなってないと摂動法は破綻するのね。
いつまでたっても収束しない。

338:あるケミストさん
21/11/07 19:27:29.55 .net
484 :あるケミストさん:03/01/26 23:50
量子化学の話題から少しそれますが、固体の電子論なんかで
kベクトル(波動ベクトル)って出てきますよね。
あのkベクトルの意味するところがよく分かりません。
具体的に言うと、バンド計算で出てくるブリルアンゾーン内の
エネルギーの分散関係をどのように解釈すればいいのかが分からないんです。
直感的にどういう理解をすればいいのか、教えてください。

485 :あるケミストさん:03/01/27 09:38
kベクトルはそのまま空間座標のフーリエ変換=運動量と
考えればいいんでないかい?
んで、多分分散関係からフェルミレベルとかがわかるっしょ?
答えになってる?

339:あるケミストさん
21/11/07 19:35:06.52 .net
49 :あるケミストさん:03/12/16 20:13
MO を~占有軌道同士、仮想軌道同士でユニタリー変換しても~エネルギーは変わらないよ~ラララ~
でも NO は~縮退してなければ~ユニタリー変換するとエネルギーが変わっちゃうよ~ラララ~
52 :あるケミストさん:03/12/16 23:36
>>50
正準軌道にどこまで意味を持たせられるかというのは深遠な問題。
「ユニタリー変換すりゃ色んな形に変えられるじゃないか、
 そんなもんのある1つの形を見て何がうれしいんだ? けしからん!」
という考えの人もいるし、
「CASCI とかそれなりにいい描像が得られるし、
 正準軌道も全く意味が無いわけじゃないんじゃない?
 軌道エネルギーとも対応させられ、
 その軌道エネルギーも HF なら意味づけできるし」
という考えの人もいる。
俺は
「HF レベルの MO なんか、複雑な系だと電子相関足りなさすぎて
 ホンマに当てになるんかいな。
 でも、素性のいい系なら後者の意見に賛成かな」
DFT については
「密度しか保証しないのに MO にどれだけ意味づけできるんだ?
 そりゃ危険だろ」
という意見。
NO は縮退さえしてなければ唯一に決まるので、NO に関しては気にしない
(NO だけで全てを語れるかどうかはまた別問題)。
fractional な占有数出すには高精度計算が必要だから
精度の方もそれなりにあるし。
まぁ、UHF でも出るけど、その NO をどれだけ信じれるかってのは正直分からん。
これは UHF の精度と、手法自体のぁゃιさを許容できるかという問題だな。

340:あるケミストさん
21/11/07 19:45:00.23 .net
20 :あるケミストさん:04/05/03 15:36
マリケンポピュレーション解析(デフォルト)とNBOポピュレーション解析はどのように使い分けるのでしょうか?
22 :あるケミストさん:04/05/03 16:58
>>5
MP2/3-21G見て、どんな感じする?

23 :あるケミストさん:04/05/03 18:48
>>20共に糞AIM、使え。
26 :あるケミストさん:04/05/03 19:18
>>23
いろいろな方法あるけど、絶対良い方法なんかあるわけない。電荷は、量子力学では観測不可能な物理量だから。
たとえば、どこまでをその原子の領域に加えるかで、値が変わるから。
NaClの場合でも、領域の取り方によって、極端なこといえばNaの電荷は0になることだってありえる。
個人的には、MPAでも十分な場合が多い。NPAもいい。CPUがほとんどかからない。diffuseの影響もない。
AIMはCPUがものすごくかかる。すこし大きい分子でさえ、エラーで終了した。
CHELP,Merz-kollman,CHELPGなどもあまりCPUかからない。分子によってきわめて有用な場合と全然駄目な場合がある。
RISM-SCFもこれらの方法を使ってる。
NPAとAIMの開発者はいい研究者です。NPAの開発者に質問したら、返事くださり、その上新しいバージョンを無料提供しますと書いてありました。
AIMの開発者もプログラムをMTで無料で提供して下さりました。
28 :あるケミストさん:04/05/03 19:22
>>23,>>20
確かに、方法論的には、AIMが一番いいと思う。だけど、それにもかかわらず、炭化水素で水素の方が陰性になったりして、数値的にはダメだというのはよく知られた話ではないのかな?個人的には、NBOの方が使えると思ってるんですが。

341:あるケミストさん
21/11/07 20:00:42.71 .net
130 :あるケミストさん:04/05/15 18:00
LCAO近似って大丈夫なんでしょうか?ポテンシャルがクーロン力なのに、電子同士のクーロン力は無視しても良いんでしょうか?仕方ないんでしょうか?
131 :あるケミストさん:04/05/15 18:15
無視しているわけではなくて、未知の波動関数(つまり厳密な波動関数)を既知の解(つまり1電子原子オービタル)の一次結合で表現しよう、としているわけ。この方法には変分原理という裏づけもあります。教科書をよく読んで勉強してください。
132 :あるケミストさん:04/05/15 18:21
>>131
つまり、一次結合で模倣しているわけでしょうか?
133 :あるケミストさん:04/05/15 18:54
模倣 の意味をちゃんと言ってくれないと堂々巡りだけど…
134 :あるケミストさん:04/05/15 20:13
>>130,132
無限展開できるなら、LCAO近似でもまったく問題なし。現実は、無限展開できませんが。しかし、普通の計算で不都合は感じませんが。特に、大きな基底関数使えば問題ないのでは。量子化学入門ではじめてLCAOを見たとき、違和感感じました。しかし、だんだん良さがわかりだしました。

342:あるケミストさん
21/11/07 20:01:11.84 .net
135 :あるケミストさん:04/05/16 01:38
計算コスト上、出来るだけ少ない基底関数で波動関数を表現する必要がある。水素様原子では S, P, D, ... 軌道になることが分かってるので、それを利用してやればいいだろう、というのが LCAO 近似の肝。多少表現力が乏しいなら、diffuse やら polarize やら加えてやれば、その不足分も補えるだろう、ということ。
138 :あるケミストさん:04/05/16 02:24
>無視しているわけではなくて、未知の波動関数(つまり厳密な波動関数)を
>既知の解(つまり1電子原子オービタル)の一次結合で表現しよう、としているわけ
それって大丈夫なんでしょうか?って素朴に思ってるんですが。
水素分子イオンさえ、e/r12の項を無視して手計算してるのになーっておもいまして。

139 :あるケミストさん:04/05/16 02:26
水素分子イオンは電子1個だからe/r12の項なんてないよ。
140 :あるケミストさん:04/05/16 03:12
サイモンとマッカリーを読めば具体的にこの近似のときこのくらいずれますよというのが書いてあるのでわかりやちゅいでちゅよ
141 :あるケミストさん:04/05/16 10:59
水素分子のかなり精度のよい計算はW. Kolos と L. Wolniewicz によってやられている。LCAO 近似 + CI での計算とこれを比べてみるといいよ。

343:あるケミストさん
21/11/07 20:03:04.33 .net
249 :あるケミストさん:04/06/23 14:18
実験化学講座12計算化学は、なかなか便利。最近の教科書としてはオススメできる。

344:あるケミストさん
21/11/07 20:16:15.50 .net
773 :あるケミストさん:04/11/06 17:59:54
>>767
> 結晶の電子状態計算(分子軌道計算)で最も優れた方法って何ですか?
「最も優れた手法」は分かりませんが、量子化学計算は大別してHF(Hartree-Fock)系と、DF(Density-Functional)系の2つがあり、結晶=固体と考えるとDFT(密度汎関数理論)を適用することになるでしょう。
この理由は、このDFTが元々固体内の電子をガスとして捉え、この電子ガスの密度の汎関数(関数の関数、つまり写像関数)が系のエネルギー表すという理論より由来します。
767さんがDFTを結晶計算に適用する場合の本としては「密度汎関数法とその応用」(里子,大西)講談社サイエンティフィックがあります ※大西氏担当の偶数章はすっきりしない記述が多いですが・・・。
古いDFT(←平たい表現)といわれるDV-Xα法を記述し、プログラムCD-ROMを同封した書籍に、「はじめての電子状態計算」(大和田 他)三共出版 があります。プログラムはWin3.1でも動作するので、試しにこれから始められては?
>>>> 続きは下に
774 :773:04/11/06 18:04:11
上の続き
> ググってたら,Elongation法っていうのが引っかかるんですけど,
Elongation法は(文献の言葉を引用すると)非周期系の高分子鎖に威力を発揮するといわれる手法です(季刊化学総説 No.46 (2000) 高精度分子設計と新素材開発 p198~)。
担当の今村氏はどっかの大学の学長になってた気が・・・。
> とても高速な計算ができるそうで
確かに計算速度は魅力ですが、(676で書きましたが)精度も重要です。また、量子化学計算では環分子の場合は、10原子程度の比較的小さな分子でもテコの原理が働き、収束が困難になります。最近のプログラムでは改良がなさ
れ収束しやすくなっていますが、系と計算手法によってはダミー原子(数学上のみの仮の点)を使うなどする必要があります。
> 私は,量子化学が専門ではないので,恥ずかしい質問をしているかもしれません.
本で勉強する以外に、実際にプログラムを動かすときの入門として、WinMOPACの試用版付き書籍「計算化学実験」(堀,山崎)丸善 があります。

345:あるケミストさん
21/11/07 20:16:55.19 .net
775 :あるケミストさん:04/11/06 22:13:31
>>774
>また、量子化学計算では環分子の場合は、10原子程度の比較的小さな分子で
>もテコの原理が働き、収束が困難になります。
テコの原理? もう少し詳しく解説お願いできませんでしょうか?
776 :773&774:04/11/06 23:28:33
>>環状分子のテコの原理
上では「テコの原理」と書きましたが、正しくは「梃子効果」で、シーソーのよう
な動きとは少し違います(「計算化学ガイドブック」(丸善)大澤 他,p324)。
例えばベンゼンを構造最適化する場合、ある炭素原子Aを少し動かしたとします。
すると隣の炭素原子Bは最適な距離を保つため、また少し動きます。これが隣-隣
で連鎖すると、結局最初の炭素Aも動かしてしまい、いつまでも堂々巡りで最適な
位置が決まりません(つまり基準を定めたのに、その基準が動く)。
そこで適当な所にダミー原子(通常表記:X)を置き、それを数学上の固定点とみ
なし計算します。
ダミー原子は半経験法における直線分子計算にも用いられます。WinMOPACでは座標
系にデフォルトでZ-matrixを使用しており、この場合では直線分子は計算不可にな
ります。このときダミー原子を使うと、その点が関わる角度が定義できるので計算が
可能になります。
※最近のプログラムはアルゴリズムの改良により、環分子でもダミー原子を使わず
に多くの場合、計算が収束します。

346:あるケミストさん
21/11/07 20:22:14.29 .net
78 :あるケミストさん:05/02/02 08:00:07
シュレヂンガー方程式もexactに解けるようになったらしいですね。
もちろん、まだ極々極々限られた物までですけど。
80 :あるケミストさん:05/02/02 10:08:11
N先生の仕事しらないらしいな。
83 :あるケミストさん:05/02/02 12:07:04
>>78
exact じゃないよ。Free ICI は。「ほぼ」exact だよ。
発表聞いた限りでは、良い基底関数を効率よく生成して、それから CI を行うという手法みたいね。
波動関数は原理的には無限級数になる...筈だからどんだけ続けても「ほぼ」exact にしかならない。
ただ、He とかだと 30 桁くらいの精度があったと思うから、exact と言いたくなる気持ちも分からんでもないが。
ここまでくると、対角化の精度とかも気になってくるね。
しかし、あれだけの桁を合わせても結局近似が入ってるんだよね(非相対論だとか BO 近似とかその辺り)。
今の所は手法の有効性のチェックに過ぎないんだろうけど、そろそろ H2 や dtμ の Non-BO 計算とかしてみて欲しいな。
84 :あるケミストさん:05/02/02 12:52:16
そう?CIよりもクラスター展開に似てない?発表聞いてないのでわからないけど。
85 :あるケミストさん:05/02/02 13:24:48
>>83
数値解析な時点でexactじゃないだろ
86 :あるケミストさん:05/02/02 16:23:06
>>85
だから exact でないとゆうとるに...。
87 :あるケミストさん:05/02/02 23:32:04
>>83
non-BO計算には興味持っているので、いろいろと論文読んでいるですがなかなか難しいですね。理論自体も難しいし、プログラムをいっぱい作らないといけないし。
でも、gasphaseのスペクトルと計算があわないところが結構あるので、この分野は開拓の余地がいっぱいありそうです。

347:あるケミストさん
21/11/07 20:24:07.65 .net
195 :おばかです:05/02/26 08:19:11
ψ(e)= 2φB1s-φA1s-φC1s
    ↑
この2って何?どうやって求めるの?
H3(三角形三水素)のとことでつまずいた。
ここらへんの分野よくわからないんだよね。
結構やばいかな。
よろしくお願いします。
196 :あるケミストさん:05/02/26 11:33:55
普通に Hueckel ハミルトニアン
αββ
βαβ
ββα
を対角化すれば出てくるよ。
202 :あるケミストさん:05/02/26 23:25:50
195です。
お返事ありがとうございます。
はっきりいって・・・?????です。
無機化学(シュライバー)を初めからやっていてここでつまずきました。
なんだかさっぱです。
線形結合を考えていてなんとなくやってたら突然係数でつまずきました。
これはどのような分野で調べればよいでしょうか?
NH3の2重縮重の考えのことでも出てきますよね!?
本当の量子初心者です。
よろしくお願いします。

348:あるケミストさん
21/11/07 20:24:23.69 .net
205 :あるケミストさん:05/02/27 11:22:35
>>195
よくわからないけど、
 B
A  C
という構造かな?
ψ(e)= 2φB1s-φA1s-φC1s を変形すると
ψ(e)= (B1s-φA1s)+(B1s-φC1s)
です。この式が意味する事は、
第1項からBとAが反結合。なぜなら、B-Aになってるから。(-ということは、反結合)
同じく、第2項からBとCが反結合。なぜなら、B-Cになってるから。
電子の数が良くわかりませんが、それぞれの水素に電子が1つあるのなら、このような反結合が生じる事はありえると
思います。
第一項をY,第2項をZと定義すると、
ψ(e) = Y + Z
になります。
当然、構造からYとZの線形結合でも不思議ではありません。
ところが、AとCの相互作用がこの式にないことがわかります。
無機化学の教科書レベルでは、荒っぽく直感的に書いてるからだと推測できます。
教科書読んでなかなかわからない場合は、その部分をパスして読み続けたらいいです。
そのうち、わからない部分が自然とわかるときもありますから。

349:あるケミストさん
21/11/07 20:24:51.95 .net
206 :あるケミストさん:05/02/28 16:46:34
この分子の場合、Huckel MO は
ψ1=(φA+φB+φC)/√3
ψ2=(2φB-φA-φC)/√6
ψ3=(φA-φC)/√2
となる。
問題の軌道はψ2なんだが、
実はこのψ2とψ3は縮退している。
>荒っぽく直感的に書いてるからだと推測できます
というのは間違いで、残りの A-C は単にψ3にあるというだけの話だ。
207 :あるケミストさん:05/02/28 17:10:24
そうでしたか。
ちょっとわからないのですが、
Huckel MOは、パイ電子に使うのでは?

208 :あるケミストさん:05/02/28 17:45:03
C三員環のHuckel近似もH三員環も殆ど同じだよ。

350:あるケミストさん
21/11/07 20:25:09.88 .net
210 :さまよえる分子軌道:05/02/28 20:48:06
なんだかさらに難しくなっている
本当に皆さん返事ありがとうございます。
204さんみたいにうちも授業がちょっと・・・なので独学なんです。
無機はシュライバー、物化はアトキンスを買い揃えました。(うちは教科書までしょぼい)
分子軌道をH2からはじめてなんとなく結合性、半結合性、(時にはH3なんかで非結合性)を考えて進めていきました。
無機を初めにやったからこんな状態になったのでしょうね。
これまで感覚的に進んでいました。
ψとφの違いすら危ういです。
(ψは原子軌道、φは分子軌道だと思うのですが、
両教科書でWalshダイアグラムのとこ見ると無機はψとφ、物化はψだけになっていいたりしています。
他には同じ教科書内で混在していたりと見るたびにわからなくなります)
C1,C2等の係数がよくわからないんです。たとえば、水素(ψ=CAφA+CBφB)はCA=CBって説明は同じ原子なのでわかります。(同じだから簡単に消えてしまう!?)
それで上で聞いたH3の三角形水素のψ(e)の"2"なんかがそうですが、
これば直線のH3になると、下記のようなψ(1σ)とψ(3σ)にある√2なんかもわかりません。
ψ(1σ)=φA1s+√2φB1s+φC1s
ψ(2σ)=φA1s-φC1s
ψ(3σ)=φA1s-√2φB1s+φC1s
もしアトキンスで書いてあるのであればどこらへんか教えてもらえますか?
多分この先異核2原子分子とかも出てきそうなので。
一応一通り見たのですが、もしかしたら数字や公式がいっぱいあったところなのかもしれません。
わけわからないので飛ばしちゃいました。
どうかご伝授お願いします。

351:あるケミストさん
21/11/07 20:25:34.77 .net
212 :あるケミストさん:05/02/28 21:54:37
>>210
> ψは原子軌道、φは分子軌道だと思うのですが
志村、逆! 逆!
ま、単に記号をどう定義するかって問題なだけではあるけど。
係数はハミルトニアン書いて、実際に対角化すれば自然に出てくる。
直線・環状分子であれば、一電子近似&最近接近似すれば解析的に解ける。
例えば H_3 の MO は別の形で書けば
ψ1 = (φA + φB + φC) / √3
ψ2 = (φA cos(-π/3) + φB cos(0) + φC cos(π/3)) * √(2/3)
ψ3 = (φA sin(-π/3) + φB sin(0) + φC sin(π/3)) * √(2/3)
だったりするわけで、
奇数員環 H_n に一般化した形もそれなりに推測できるんじゃないかと。
π電子を使った話がアトキンスの上巻14.10で説明されてるけど、
s 軌道が p 軌道になっただけで、それ以外は H_n の場合と全く一緒。
別の考え方をすると、こういう係数は分子の対称性から出てくる。
群論を使った話が上巻15章に書いてある。
ただ、こういう細かい係数の話よりも、
ノードの数の方が重要なんじゃないかな。
H_3 だと、ψ1の係数は全部符号が一緒、
ψ2の係数はBとA-Cの間で符号が変わる、
ψ3の係数はそれに直交するA-Cの間で符号が変わる、と。
直線分子ではノード0、1、2、... の軌道ができる。

352:あるケミストさん
21/11/07 20:26:27.21 .net
241 :あるケミストさん:05/03/17 11:55:49
>>195
等核三員環をヒュッケル法で解く。[>>196]より
|a,b,b|
|b,a,b| = H.
|b,b,a|
固有方程式は
 |xI-H| = (x-a)^3 -3(x-a)b^2 -2b^3 = (x-a-2b)(x-a+b)^2.
これを解くと[>>206]
 A: x = a+2b, ψ1 = (φA+φB+φC)/√3.
 E: x = a-b, ψ2 = (2φB-φA-φC)/√6, ψ3 = (φA-φC)/√2.
分からない香具師は↓へ
 スレリンク(math板)
>>212
 ψ2 = (φA cos(-2π/3) + φB cos(0) + φC cos(2π/3)) * √(2/3)
 ψ3 = (φA sin(-2π/3) + φB sin(0) + φC sin(2π/3)) * √(2/3)

353:あるケミストさん
21/11/07 20:26:44.75 .net
242 :あるケミストさん:05/03/17 12:09:01
>210
線状分子のときは
|a, b1, 0|
|b1,a ',b2| = H.
|0, b2, a|
固有方程式は
|xI-H| = (x-a ')(x-a)^2 -(x-a)(b1^2 +b2^2) = (x-a){(x-a)(x-a ') -2b^2}.
b = √{(b1^2 +b2^2)/2}.
これを解いて
A: x = (a '+a)/2 + b√(2 +δ^2), ψ1 = {φA +k(+)φB +φC} / √[2+k(+)^2].
B: x = a, ψ2 = (φA -φC)/√2.
A: x = (a '+a)/2 - b√(2 +δ^2), ψ3 = {φA +k(-)φB +φC} / √[2+k(-)^2].
縮退がない。
k(±) ≡ δ ± √(2+δ^2), δ≡(a'-a)/2b. 等核のときはδ=0, k=±√2.
分からない香具師は↓へ
 スレリンク(math板)
243 :あるケミストさん:05/03/17 14:20:52
>>241
> 2π/3
ごぬん。ミスってた。
まぁ、さらに正確に言えば 4π/3 ね。
H3 だと関係ないけど、Hn に拡張する時に重要。

354:あるケミストさん
21/11/07 20:27:10.63 .net
246 :あるケミストさん:05/03/19 19:39:58
フロンティア電子密度の計算で
永年方程式がいきなりドンとでてきたり
分子軌道計算のでてくるパラメーターがさっぱり

247 :あるケミストさん:05/03/19 20:05:21
>>246
高校数学でわかるシュレディンガー方程式 量子力学を学びたい人、ほんとうに理解したい人へ
URLリンク(www.7andy.jp)

355:あるケミストさん
21/11/07 20:28:13.71 .net
303 :あるケミストさん:2005/05/27(金) 01:46:52
フェルミディラック分布を考える上でわからないところがあります。
1) 各々の電子は区別できない。 
2) 一つの座席には一つの電子しか入れない( Pauliの原理 )。
このような条件で座席を占める粒子が熱平衡状態でとるエネルギー分布
<--- 全電子数一定,全エネルギー一定のもとでの最確分布
の最確分布の意味がわかりません。テキストには最確分布を求めるのに
全エネルギーでの座席を占める粒子の仕方の総数Wの極地を求めればいい・・・
と書いてあるんですが、何でそうなるのかさっぱりです。
最確分布について教えてください
304 :あるケミストさん:2005/05/30(月) 10:54:13
そのテキストの説明で何で分からないのかさっぱりですよ。
305 :あるケミストさん:2005/05/30(月) 15:44:08
すげースレ違いっぽいんだが。。
要するにエネルギーさえ同じならば
どのような配置も等確率で実現するというのが
統計力学の考え方なわけで、
ならば見かけ上区別のつかないような状態が
(実は本質的に区別がつかないのだという補正が(N!)^-1)
一番多いのはどのような分布の仕方なのか求めよう、
っていう構図はこれまでとずっと変わらない。
式の意味に気を配りながらもう一度ボルツマン分布の
ところを復習してみたら自然と分かってくるんじゃない?

356:あるケミストさん
21/11/07 20:53:18.67 .net
438 :あるケミストさん:2007/12/09(日) 15:17:04
Rydberg軌道 空軌道 反結合性軌道 の違いが分かりません。
どれも電子が存在していない軌道だと理解しているのですが・・・
440 :あるケミストさん:2007/12/14(金) 14:10:55
>>438
まず空軌道は,文字通り電子の入っていない軌道.
反結合性軌道は,もとの原子軌道よりもエネルギー準位が高い軌道と
考えればよいでしょう.(正確には,電子をつめることによって結合が
弱まる軌道)電子が入っていないことが多いですが,空軌道とは別の
概念です.実際,たとえば酸素分子の2つの反結合性π軌道には電子が
1個ずつ入っています.
リュードベリ軌道はそれが属する分子が点とみなせる程度に大きく広がっ
た軌道で,そこに1電子励起されると,その電子以外の部分が水素原子核
と同様の点電荷とみなせるので,水素原子スペクトルに似た励起スペクト
ルが得られるものです.通常考える結合性軌道やその少し上の反結合性
軌道よりもずっとエネルギー準位の高い分子軌道と考えても良いでしょう.

357:あるケミストさん
21/11/07 20:54:36.68 .net
461 :あるケミストさん:2007/12/24(月) 11:54:00
Q2:Natural Bond Orbital の自然軌道とはどういう軌道なのでしょうか?(新しい概念
のAO?,MO?)。何と対比して「自然な軌道」なのか分かりません。
462 :440:2007/12/25(火) 09:44:00
Q2:分子軌道は分子全体をポテンシャルの井戸と考えて解かれた固有関数
のようなものなので,個々の軌道は分子全体に広がっています.そこで,
化学者の直感するところのπ軌道はおおむねそのまま分子軌道として表現
されるのですが,σ軌道は分子軌道としては表現されません.
そこで,(やや荒っぽい言い方ですが)原子軌道の線形結合で表される
分子軌道を混成軌道の線形結合に書き換えたものにすれば,「σ軌道」が
目に見える形で表されるわけです.これがNBO解析です.
数学的なトリックですが,直感的に理解しやすくなるだけでなく,超共役
などの説明を定量的に行える利点があります.古典的な有機電子論を定量
化した方法と言うことも出来るでしょう.

358:あるケミストさん
21/11/07 20:56:27.98 .net
549 :あるケミストさん:2008/02/12(火) 20:35:57
すいません…
僕はいま大学2回生でgaussian03を使っているんですけど基底関数の
CEPとかB3LYP、6-311G(d)、6-311++G(d)とかって一体何ですか???
6-311Gと比べてどう違うんでしょうか???
どなたか知識を授けてください…
551 :あるケミストさん:2008/02/12(火) 21:28:22
>>549
オンラインマニュアル嫁!!!!
…といいたいところだけど、つい半年前まで僕も悩んでいたので、役立ちそうなURLを張ってみるとする
URLリンク(www.hpc.co.jp)
URLリンク(www.hpc.co.jp)
それから、大学生だったら大学図書館あるよね?
大学図書館に『電子構造論による化学の探求(ガウシアン社)』っていう本があったら是非借りるべき
ISBNは0-9636769-8-9
これのP96-P126くらいまできっちり読めば理解できる
それから余裕があったら、上述してある『すぐできる量子化学計算ビギナーズマニュアル(講談社サイエンティフィック)』も読んでみるべき
ISBNは4-06-154330-X
これは端から端まで読んだらいい。もしくは目次から探すべし
長文になってしまったけど、役に立つことを祈ってます
552 :あるケミストさん:2008/02/12(火) 21:30:51
あ、蛇足で悪いけど
B3LYPと6-311G(d)だったら種類が違うから
URL見てくれたら分かるけど、B3LYPはDFT(密度汎関数法)の一種で、化学モデルの1つ
6-311G(d)とか6-311++G(d)とか、6-311Gは基底関数系と呼ばれるものの一種

359:あるケミストさん
21/11/07 21:01:49.33 .net
981 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:52:56
レベルの低そうな話で恐縮なのですが、メチル分子についての質問です。教科書に「メチル分子は平面である。」とあったのですが、なぜ平坦なのかがわかりません。三つの水素のうちの二つが90°をなすのは分かるのですが、なぜ炭素原子の2s軌道と結合する水素原子が、この平面になければならないのですか。s軌道は球対称だからどこでもよいのではないですか?
983 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:34:52
なんの教科書?
984 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:44:26
>>981
混成軌道の概念を使っちゃ駄目か?炭素のsp2混成軌道と3つの水素が結合して平面の分子を形成
985 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:04:51
>>984
そりゃだめだろう平面だからsp2混成、が本来の使い方なのにsp2混成だから平面、だったら堂々巡りになるじゃないか
986 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:45:23
>>985
そ、そうなのか?だったら、例えばエチレンが平面である理由も混成軌道で説明できていない事になると思うんだが・・・
988 :あるケミストさん:2009/08/30(日) 20:17:13
>>986
そうだけど?そもそも混成軌道は、メタンが正四面体形の分子構造なのにs, p軌道だけではうまく正四面体形が作れない…というところから生み出されたものである分子がどんな分子構造をしているのか決定するものではない構造が決まれば混成軌道が決まるのであって、その逆ではない。分子構造を推定したいなら、原子価結合法では原子価殻電子対反発則(VSEPR則)を使う必要がある。

360:あるケミストさん
21/11/07 21:02:06.97 .net
989 :あるケミストさん:2009/08/30(日) 20:30:19
>>988
へえ~そうだったんだ
990 :あるケミストさん:2009/08/30(日) 22:14:02
> s, p軌道だけではうまく正四面体形が作れない
まじで?
991 :あるケミストさん:2009/08/30(日) 22:42:40
混合しないとってことだろ
992 :あるケミストさん:2009/08/31(月) 02:31:48
アフォな >>988 の大嘘にあっさり騙されとるなw通常は組成と電子数から確からしい混成は決まるだろ
993 :あるケミストさん:2009/08/31(月) 02:50:41
それは無理だろC6H12がシクロヘキサンかヘキセンか、どうやって区別するの
994 :あるケミストさん:2009/08/31(月) 03:15:06
だからその二通りが確からしい混成なんだよ
995 :あるケミストさん:2009/08/31(月) 07:20:03
実際に両方あるわけだかんね
996 :988:2009/08/31(月) 09:19:25
>>992
そうやって軌道の数や電子配置から構造を予測するのがVSEPR則だよ
997 :あるケミストさん:2009/08/31(月) 15:12:22
>>983
ピメンテル、化学結合、東京化学同人です。なにとぞよろしくお願いします。

361:あるケミストさん
21/11/07 21:31:49.27 .net
122 :あるケミストさん:2010/06/28(月) 13:39:48
入門書で最近出たものでは化学同人の量子化学―基礎からのアプローチという本が秀逸だと思う。
123 :あるケミストさん:2010/06/28(月) 22:17:58
どんなところが?
立ち読みした限りでは平凡な本だったけど
124 :あるケミストさん:2010/06/29(火) 10:41:55
>>123
かなり基礎的なところから説明していて好感が持てた。
内容も基本的なものに絞っているし、式の誘導や図が親切だった。
補足的な欄外の説明も親切だし、ボール物理化学の説明より分かりやすかった。
まあ深くやりたい人にはもの足りないと思うけど。

362:あるケミストさん
21/11/07 21:32:12.71 .net
5 :あるケミストさん:2010/12/20(月) 23:15:54
俺、バリバリの合成屋なんだけどさ
エネルギーとか構造最適化とか計算してみたいんだよ
なんかオススメの入門書ないですか?
量子化学は学部でやったくらいであまり覚えてない
6 :あるケミストさん:2010/12/21(火) 01:02:48
合成にどっぷりつかってる人が入門書であっても量子化学の本が読めるのだろうか?
煽りじゃなく純粋にそう思うのだが。
7 :あるケミストさん:2010/12/21(火) 02:58:20
エネルギーとか構造最適化とか計算してみたいだけならば
量子化学の本なんて読まなくてもダイジョウブw
8 :あるケミストさん:2010/12/21(火) 21:40:12
ごめんなさい
量子化学の本じゃなくて、
「++の計算のときには波動関数を###にして、基底関数が***」みたいな知識が欲しいです
原理はそこそこで実用メインなのありませんか?
『gaussianプログラムで学ぶ情報化学』ってのがあまりにも内容端折りすぎてよく分からん

363:あるケミストさん
21/11/07 21:32:26.74 .net
>>6
合成屋といっても学部やら院やらで一通りはやってるはずですからね
みんなそれなりに理解できるんじゃないでしょうか
俺はノート引っ張り出して睨めっこすることになりそうですがw
9 :あるケミストさん:2010/12/22(水) 12:59:02
量子力学も量子化学も理解してないであろう学部1回生がGaussianを
使って計算してるの見たことある(研究下請けで)。
知り合いに使い方教えてもらう、講習会に行く、でどうにかなるのでは?

10 :あるケミストさん:2010/12/24(金) 01:52:23
合成屋だったら、B3LYP/6-31G(d,p)またはcc-pVDZだけで足りるだろw
11 :あるケミストさん:2010/12/26(日) 17:37:41
>>5
すぐできる 量子化学計算ビギナーズマニュアル

364:あるケミストさん
21/11/07 21:32:53.19 .net
436 :あるケミストさん:2012/11/13(火) 22:44:07.31
初めまして。
Gaussianで、ナトリウムイオンNa+とクラスターイオンNa+(H2O)n、(n=1~6)の
エネルギー安定性を比較する方法を教えていただけないでしょうか?
お願いします。
437 :あるケミストさん:2012/11/14(水) 16:59:56.31
>>436
Na+とH2Oを計算しておいて、さらにクラスターを計算して、
E(Na+(H2O)n) - E(Na+) - n * E(H2O)とやると、
クラスターを作ることによって得られる安定化エネルギーっぽいのが出てくると思われる。
あとは適当に熱力学補正でも加えておいてください。

365:あるケミストさん
21/11/07 21:33:02.25 .net
438 :あるケミストさん:2012/11/15(木) 00:29:35.30
>>437
ありがとうございます。
熱力学補正と何なのでしょうか?
それは、構造最適化と振動解析を行えば、
Gaussianのlogファイルに出力されますか?
また、最終結果はΔHやΔGに変換できるのでしょうか?
質問ばかりで申しわけありません。
439 :あるケミストさん:2012/11/15(木) 16:02:43.58
>>438
ここらへん参考にするといいのでは
URLリンク(www2.itc.nagoya-u.ac.jp)
440 :あるケミストさん:2012/11/15(木) 22:39:58.56
>>439
ありがとうございます。
参考にして、取り組んでいきます。

366:あるケミストさん
21/11/07 21:35:33.10 .net
554 :あるケミストさん:2013/12/20(金) 02:16:57.85
虚の振動数の意味について詳しい人教えてください 
基底状態だと0とか
遷移状態の計算だと1個あるとか意味が分からん
588 :あるケミストさん:2014/04/16(水) 18:59:54.41
>>554
定性的な説明をする。
エネルギー的に極小な状態にある分子の各原子はそれぞれ
平衡結合長、つまりエネルギーが極小になる位置にある。
だからある結合長を変えようとするとエネルギーが上昇する。
このエネルギーの変化は大雑把には調和振動子で近似できる。
そうするとそこから量子力学の基礎的な知識で振動数が導出できる。
じゃあ、遷移状態にある分子ではどうか?
遷移状態の分子の場合、これから生成or解離する結合がある。
この結合が生成or解離すると原系あるいは生成系に向かって分子は
変化する。遷移状態は反応時のエネルギーの極大点だから、
この結合の結合長の変化に伴うエネルギーは遷移状態で極大、
そこから離れるほど小さくなるという調和振動子をひっくり返したような
エネルギー曲線を描くはず。このエネルギー曲線から先ほどの
調和振動子の方法で振動数を導くと、振動数は虚数になる。
これを計算ソフトでは普通負数で表す。
普通の振動数は負にはならないから、それでも問題は起こらない。
でも反応とは関係ない結合については、遷移状態でもやはり平衡結合長に
あるから正の振動数を持つ。
よって遷移状態ではただ一つの虚数の振動数があり、その振動は反応で
生成or解離する結合に関するものになる。

367:あるケミストさん
21/11/07 21:35:51.20 .net
590 :あるケミストさん:2014/04/22(火) 02:51:20.22
なんで一つしかないの?
591 :あるケミストさん:2014/04/22(火) 11:46:00.51
これから生成もしくは切断される結合に対して一つってことじゃない?
592 :あるケミストさん:2014/04/25(金) 00:19:17.55
それを含めていいけど、一つである必然性ってあるの?
593 :あるケミストさん:2014/04/25(金) 11:40:48.99
一気に多くの結合が生成または切断されるならともかく、一つの結合の生成か切断の遷移状態が計算で出てきてるんだろ
594 :あるケミストさん:2014/04/30(水) 02:30:43.20
別に結合の生成や切断に限らない構造変化が関与していいと思うけど?
595 :あるケミストさん:2014/04/30(水) 08:29:31.25
できるだけエネルギーの低いところを通っていこうとしたら、極大になる変数は1つなのが一番妥当ってことでしょ。
596 :あるケミストさん:2014/04/30(水) 13:06:58.46
厳密に一つとは限らない?

368:あるケミストさん
21/11/07 21:36:08.83 .net
598 :あるケミストさん:2014/05/05(月) 15:47:48.65
>>594
関与しても良いけど,それはエネルギー極大じゃないってだけ
普通に考えてみても単なる配座変換(の一環)よりも結合の切断・生成の方が高エネルギーでしょ
599 :あるケミストさん:2014/05/11(日) 22:33:49.42
頭わるいのかな。
結合の切断や生成方向に極大になっているのはいいとして、
その点で他の自由度方向に極小になっている必然性はあるのかってこと。
600 :あるケミストさん:2014/05/12(月) 00:10:44.42
単にできるだけエネルギーの低い経路をたどるってだけだろ
どんな状況であろうがエネルギーは低ければ低いほど望ましいわけで、
反応を進める都合上ある方向では極大になるのは仕方がないとしても、
それ以外の部分ではエネルギーが低い状態であることが現実的なだけ

369:あるケミストさん
21/11/07 21:36:49.01 .net
602 :あるケミストさん:2014/05/15(木) 17:03:40.08
>>599
二つ以上でもいいだろ常識的に
603 :あるケミストさん:2014/05/16(金) 08:27:17.56
「必然性」って言葉が出てくる理由がわからんな
なぜそういう経路が正しいとされているのかがわからない、ってことなのかな
だとしたら>>600だろう
というか、そんなこともわからない奴が他人に向かって「頭わるいのかな」とか言っちゃうんだw
604 :あるケミストさん:2014/05/16(金) 08:40:17.19
>>588
>よって遷移状態ではただ一つの虚数の振動数があり、その振動は反応で
これが重解もあり得るのではって意味かと

370:あるケミストさん
21/11/07 21:36:58.31 .net
605 :あるケミストさん:2014/05/16(金) 08:43:52.98
違うか
>>594が質問で
必然性はなく、>>600が答えか
606 :あるケミストさん:2014/05/16(金) 08:47:23.26
>>603
結合の生成と切断しか考えてないように読めたんでしょw
実際は配座の違いも全部含まれてる
607 :あるケミストさん:2014/05/16(金) 13:30:34.44
なるほどね
>599は読解力も理解力も足りないのに人に頭悪いとか言ってるってことね

371:あるケミストさん
21/11/07 21:37:27.96 .net
615 :あるケミストさん:2014/06/07(土) 23:23:25.26
ちょっと話がずれるけど、
> 「ただ一つの虚数の振動数」の存在を必然のごとく述べている
という表現にすごく違和感がある
もしかして、それが「遷移状態」の(実用的な意味での)定義だと気付いてないのかも
>>588は注意深く「遷移状態では」と注釈を入れてる
煽るわけではないが、>>600の意味はわかったのだろうか
616 :あるケミストさん:2014/06/07(土) 23:53:27.07
ずれてないよ。
じゃあ、reaction pathがbifurcateするときはどうなるの?

372:あるケミストさん
21/11/07 21:37:42.62 .net
619 :あるケミストさん:2014/06/08(日) 01:17:29.33
>>616
bifurcateするんだから、違う座標軸で表現されることになるのでは
それぞれ別の軸上の極大点で、虚数の振動数はやっぱり1個じゃないの
620 :あるケミストさん:2014/06/08(日) 22:26:26.50
>>615
そんなものは実用的な意味でも「遷移状態」の定義ではない。
自分の都合で定義を捏造するのは頭の善し悪しの問題ではなくもはや犯罪的だな。
621 :あるケミストさん:2014/06/09(月) 03:41:15.62
遷移状態と鞍点まちがえてねーか。エネルギーの極大じゃねえぞ。

373:あるケミストさん
21/11/07 21:42:41.04 .net
656 :あるケミストさん:2014/07/01(火) 21:50:03.13
暇そうな連中が多そうなので
量子化学のマーカス理論について説明をお願いしたい。
電荷の移動速度論(酸化還元)を量子化学理論の立場から
理論的に導いてノーベル化学書をとったくらいは
誰でも知ってる。
知りたいのは
トンネル遷移項の計算方法
FC項の計算方法
若干不完全であいまいに思えるんだが、
これについて明確に説明してもらえないか?
これだけで論文も書けるぞ。
665 :あるケミストさん:2014/07/21(月) 01:57:28.90
>>656だが、
ペンタセンやアントラセンなどは半導体の性質を持っている
これをMarcus理論を使って反応速度Kctを解く
それからホッピング移動度の計算をすると
実測よりもUnder Estimateになってしまう。
Marcus反応速度式のTransfer Integral項の計算方法は、
<ini|Hks|fin>=1/2*(EL+1-EL) or 1/2*(EH-EH-1) [Koopmans]
となっているが、この計算方法は正しいのか?
量子化学計算はクラスター計算でありバンド理論を使わないと
正確な電気伝導は表せないのではないのか?
電気陰性度まがいのTransfer積分1/2*(EL+1-EL) or 1/2*(EH-EH-1)は正しいのか?
こんな蓋然性を残したMarcus理論で化学分野はノーベル賞に値するのか?
このMarcus理論の信憑性と厳密な計算式を量子化学分野で
是非解き明かしてもらいたい。

374:あるケミストさん
21/11/07 21:43:01.10 .net
666 :あるケミストさん:2014/07/23(水) 06:39:08.63
マーカス理論に限らず反応速度はかなり誤差でるものでは。
667 :あるケミストさん:2014/07/23(水) 13:43:19.44
とりあえずdirect法を調べてみては?
669 :あるケミストさん:2014/07/24(木) 23:47:49.66
今どき有機半導体の伝導を純粋なホッピングで議論してる時点でダメなんじゃ…
一昔前のTroisiあたりの仕事で,有機結晶のきれいな系の伝導についてはあらかた説明出来てる気がするけどね。
もっとも,高移動度のOFETの主流はDA型高分子の汚い系に移ってしまった感があるけど。
あと,そもそもきれいな移動度が実測出来てる系って少ない気がするのだけどね。多分アントラセンもペンタセンもきれいな測定は出来てないと思う。ルブレンの単結晶の値は信用してる。
670 :あるケミストさん:2014/07/26(土) 21:26:57.82
ホッピングで議論するなら、分散力を考えないといけないですね。
ベンゼンやナフタレンサイズなら、MP2/aug-cc-pVTZで結構いい値が出ました。
KS-HをDとAの軌道係数で挟んで直積取るだけだから簡単です。
HやLの分裂幅から求めるのは、あくまで目安ですね。
ちょっと頑張るのなら、ペンタセンなら三量体以上を考えた方がいいですよ。
空間的な距離のあるキャリア移動はなかなか難しいです。

バンド計算だと、有機物の殆どのバンドギャップはΓ点であり、
有効質量に問題があり、得られる移動度はゴミみたいな感じの事が多く、
どうしたものかと困っていたこともありました。
ここ数年、バンドギャップがΓ点以外というものを探しているのですが、
まだ数例しか見つけれていません。(何かいい系ないですかね?)

375:あるケミストさん
21/11/07 21:43:35.93 .net
671 :あるケミストさん:2014/07/26(土) 22:34:04.80
バンドギャップがΓ点以外って,電荷移動錯体以外に可能性あるの?
672 :あるケミストさん:2014/07/27(日) 01:54:30.15
錯体かー

683 :あるケミストさん:2014/07/28(月) 17:12:26.48
>>670
具体的なご指摘ありがとうございます。
量子化学のスレが進んでいて、なんだか嬉しいです。
私は半導体DFT計算専門ですが、エネルギー計算は必ず分散力を入れています。
そうしないとエネルギー準位が正確に出ません。
Marcus理論のトランスファ積分は解釈が難しく、D/N/Aの生成エネルギーから電荷遷移準位ε(+/0)、ε(0/-)を計算し
EC-ε(0/-)/ε(+/0)-EVを電荷遷移積分項とみなして計算を試みています。
バンドギャップがΓ点以外の間接遷移型結晶の代表ならシリコン結晶が挙げられます。
空間的なバンド構造を持つ場合は量子化学計算では限界があり、どうしても平面波を使った周期的バンド計算が必要となります。
量子化学計算も水素終端の代わりに周期的境界条件が使えるようになれば大変有り難いです。
分子性結晶も空間群で議論しなければならず、周期的境界条件を考慮して量子化学計算を行わないと
正しいホッピング伝導は導けないのではないかと考えています。
マーカス理論のホッピング伝導速度=トランスファ積分因子XFC因子は美しすぎるくらい素晴らしいです。
今後ナノエレクトロニクス時代に進み、医療化学分野だけでなくエレクトロニクス産業でも有機半導体が重要になりつつあります。
これからもご指導宜しくお願いします。

376:あるケミストさん
21/11/07 21:44:26.30 .net
743 :あるケミストさん:2015/12/01(火) 21:04:01.72
項の記号の決め方がよくわかりません
理解する上でおすすめの本ありますか
744 :あるケミストさん:2015/12/08(火) 00:53:17.08
スレリンク(math板:395番)
       ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 
745 :あるケミストさん:2015/12/08(火) 19:25:21.91
>>743
原子の?学部で使う基本的な教科書じゃダメ?アトキンスとかバーローとか。
理論計算で使いたいんなら、自分で考えるよりNISTにある原子ごとのデータリスト見た方が良いよ。
746 :あるケミストさん:2016/01/04(月) 00:03:43.23
データ見ろとかのクソレスは無視して
ランダウとかアトキンス・フリードマンとかで勉強しましょう
角運動量の合成から怪しいのならそれなりの量子力学教科書から

377:あるケミストさん
21/11/07 21:45:18.57 .net
756 :あるケミストさん:2016/05/24(火) 17:20:26.36
密度汎関数法はLCAO法より使えますか?
757 :あるケミストさん:2016/05/24(火) 22:56:39.42
>>756
LCAO法が水素原子のシュレーデインガー方程式の解 = Atomic orbital
の線形結合をそのまま使うという意味なら、遷移金属を含む計算なんかは
この方法では普通のPCじゃ計算コスト的にできないし、やってもあまり精度はよくない
これはあくまで水素原子の解をもとにしていることに原因がある。
DFTは計算原理がそもそも違うけど、いろいろな電子間効果を加味して構成した汎関数
を使うから、系によるけど適切な汎関数を選べれば、うまくいくことが多い
しかし、そのために密度汎関数法は恣意的になる危険性もある。
非専門家なので詳細は専門家さんよろしく

378:あるケミストさん
21/11/07 21:45:28.42 .net
758 :あるケミストさん:2016/05/25(水) 11:47:21.83
ありがとうございます。
解析するとき恣意的に選んでやらなければならないことがあるなんて、
使いにくい理論ですね。
それでは話をもっと一般化して、
ハートリー・フォック法のような一電子近似理論一般と比べると、
密度汎関数法は使える理論なのですか?
760 :あるケミストさん:2016/05/25(水) 21:32:12.98
>>758
恣意性がどうのうこうのは主観的な判断だから、各種理論の利点と欠点は使用者が理解してから判断する。
「○○論は使えますか?」という質問には意味が無い。

379:あるケミストさん
21/11/07 21:45:54.44 .net
762 :あるケミストさん:2016/05/26(木) 02:03:38.81
>>758
錯体やらπ共役系とかを評価してる論文だと、実際DFTが強いね…
MP2とかHFもぼちぼち見ることはあるけど
系が大きい場合(金属タンパクとか大型の錯体、溶媒和を扱うとき)なんかだと、
活性中心だけ高精度DFTで、中心から遠いところは平均場近似でポテンシャルに差し替えたり、
あるいは、分子動力学を使うこともある(ONIOM法)
>>760
のいう通り、月並みではあるけど、手法の長短特性を理解して適切に使い分ければ、
計算コストを節約しつつ良い計算ができるということだと思う
763 :あるケミストさん:2016/05/27(金) 11:49:42.90
どうもありがとうございました。
DFTを勉強することにします。

380:あるケミストさん
21/11/07 21:47:38.66 .net
>>358
773 :あるケミストさん:2016/07/06(水) 20:05:39.81
すぐできる量子化学計算ビギナーズマニュアル
D章の反応速度定数の求め方て計算間違いじゃないか?
正誤表出てる?
776 :あるケミストさん:2016/07/07(木) 21:31:59.31
>>773
本当だな
アボガドロ数がマイナス乗になってる
あと単位換算でm3にしてるのに答えはcm3で書いてるから
記載通り計算しても合わないんだと思う
778 :あるケミストさん:2016/07/09(土) 14:24:22.72
>>776
ありがとうございます
新版出てるけどそっちじゃ訂正してある?
779 :あるケミストさん:2016/07/16(土) 21:47:08.84
>>778
新版は訂正してあるね

381:あるケミストさん
21/11/07 21:54:54.82 .net
979あるケミストさん2020/09/12(土) 03:00:57.05
バンド計算について語るスットレ
URLリンク(web.archive.org)URLリンク(unkar.org)
バンド計算やってる人いる?

382:あるケミストさん
21/11/07 21:57:16.34 .net
↑関連スレ11

383:関連スレ12
21/11/07 21:57:35.31 .net
物理化学の教科書でお勧めは?その5
スレリンク(bake板)

384:関連スレ13
21/11/07 21:57:50.54 .net
物理化学の教科書でお勧めは?その4
スレリンク(bake板)

385:関連スレ14
21/11/07 21:58:10.64 .net
物理化学の教科書でお勧めは?その3
スレリンク(bake板)

386:関連スレ14
21/11/07 21:58:50.94 .net
物理化学の教科書でお勧めは?その2
スレリンク(bake板)

387:あるケミストさん
21/11/07 21:59:16.97 .net
↑14じゃない15だった

388:関連スレ16
21/11/07 21:59:36.91 .net
物理化学の教科書でお勧めは?
スレリンク(bake板)

389:あるケミストさん
21/11/07 22:00:13.16 .net
11あるケミストさん2018/09/26(水) 01:34:47.43
なんだかんだ言ってアトキンス4版が一番良くできてる

分光屋さんが作った物理化学の教科書っていう意味で
寺嶋正秀、馬場正昭、松本吉泰
現代物理化学
化学同人 (2015/12/18)
978-4-75981-809-3
が面白い
12あるケミストさん2018/09/26(水) 01:43:58.30
David J. Tannor著、山下晃一ほか訳
入門量子ダイナミクス 時間依存の量子力学を中心に(上・下)
化学同人
上978-4-75981-459-0
下978-4-75981-460-6
フェムト秒パルス列による化学反応制御はノーベル化学賞に
ノミネートされていると思うんだけれどなぁ

390:あるケミストさん
21/11/07 22:00:28.18 .net
14あるケミストさん2018/09/26(水) 01:47:48.61
G. C. Schatz, M. A. Ratner著、佐藤伸、山下晃一訳
大学院講義 反応量子化学 時間依存系の理解のために
化学同人 978-4-75980-809-4
15あるケミストさん2018/09/26(水) 01:51:26.30
あとは大阪大学出版会が出した
物性物理100問集
物質科学100問集
は問題が簡単だからサクサク解けていい。

391:あるケミストさん
21/11/07 22:00:47.57 .net
35あるケミストさん2018/10/04(木) 19:25:07.89
点群の入門的な解説でおすすめはないでしょうか
とりあえず定性的にわかればよいです
36あるケミストさん2018/10/04(木) 19:30:59.24
今野「物質の対称性と群論」
これに勝るテキストはない
37あるケミストさん2018/10/04(木) 22:10:24.40
藤永,成田 『化学や物理のためのやさしい群論入門』
一見分厚いが、線形代数を初歩から説明するのにページを取っているだけで、1回生の数学の授業を取ったなら読み飛ばせる
38あるケミストさん2018/10/05(金) 00:25:05.41
藤永のやさしいっていうのは易しいじゃなくて優しいって意味だから内容は結構高度だよね
とりあえず定性的に分かればいいってレベルだったら量子化学屋の藤永よりも材料屋の今野の方がとっつきやすさはあると思う
逆に藤永よりもさらに詳しい本だと何がいいだろうか?
小野寺「物性物理学、物性化学のための群論入門」か犬井、田辺、小野寺「応用群論」あたりかな?
後者の著者の田辺は田辺・菅野ダイヤグラムの田辺行人で、かの名著「配位子場理論とその応用」を読みこなすにはこのくらいの群論の知識を使いこなせないといけない

392:あるケミストさん
21/11/07 22:01:33.36 .net
54あるケミストさん2018/10/06(土) 22:20:01.99
量子化学
大岩:初学者向けの古典的名著。
原田:古くから読み継がれる名著。数式の扱いが良い。学部レベルの標準か。
ピメンテル:文章中心の解説。定性的に分かりやすいという人もいれば数式が少なすぎてわかりにくいという人も。
米沢:詳しい。有機化学への応用も。
大野(量子物理化学):厳密すぎて凡人には読めないらしい。
大学院講義:分光などの応用主体。名の通り大学院レベル。
ザボ:量子化学というより計算化学?新しいとタイトルにあるが既に古典か。
熱力、反応速度論は誰か書いてくれ


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