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墜落機背に最後の写真
尼崎の鷲野さんの遺品 日付入り、悲しい笑み ~運命の「8・12」くっきり~
日航ジャンボ機墜落事故で死亡した兵庫県尼崎市、銀行員鷲野恵子さん(19)ら「仲良し3人娘」が搭乗直前に羽田空港でジャンボ機のタラップの前などで記念撮影しあった「85・8・12」の日付入りカラーフィルムが遺品の中から見つかり、
遺族に引き渡されていたことが24日、分かった。
写真にはジャンボ機に乗り込む乗客をバックに微笑むカメラの持ち主の鷲野さんや友人二人の姿、問題の尾翼も写ったジャンボ機の全景スナップ写真もあった。
しかし機内の様子は写っていなかった。
この三人は鷲野さんと同市、短大生森明子さん(19)、同市、会社員田村美穂子さん(19)で、高校時代一緒にバトントワラ―の部活動をしていた。
夏休みを利用して二泊三日の東京ディズニーランド見物を計画。
旅行の数日前になってやっと切符が手に入り、初めての飛行機旅行に鷲野さんらは大喜びしていた。
愛用のコンパクトカメラを携えて10日早朝東京へ旅立ち、帰途、事故に遭った。
鷲野さんら三人の遺体は18日までに全員確認されたが、カメラとフィルム二本は遺体と離れてバラバラに機外に放り出されていたため、発見が遅れた。
現地対策本部が山中で見つけて現像、写っていた顔写真から鷲野さんの遺品と分かった。
フィルムの一本はディズニーランドの中のスナップ、もう一本はフラッシュ部分が壊れたカメラの中に入ったままで、うち8枚が搭乗直前、旅の思い出として三人が代わる代わる撮り合ったものや、墜落したジャンボ機の全景写真だった。
ジャンボ機を背景にしてセカンドバッグを胸にポーズを取る赤いワンピース姿の鷲野さんの後ろには、青いシャツにスラックス姿の女性や紺色ワンピースを着た女性など、タラップを上ろうとする乗客十数人の最後の後ろ姿も写っていた。
写真の一枚一枚には運命の日「85・8・12」の日付がくっきりとオレンジ色で刻まれていた。
( 昭和60年8月25日付け:中日新聞 )