14/05/21 23:00:08.45 l1JpRTC80.net
デビほむ世界の中では、SGは濁ることもなく
魔法少女は戦う相手もなく、平和な日常を過ごしていた
美樹さやかはミタキハラ中学に通う普通の女子中学生
幸せな家庭に育ち、両親はとても優しく接してくれる
いつ頃からか、どんな理由だったか覚えていないが、同級生の佐倉杏子が居候している
杏子はさやかにとって、とても大切な存在なのだが、その理由はわからない
学業は平均的なさやかだが、スポーツは得意
実のところ得意などという水準になく、うっかりすると教師が記録をためらうような数字をはじき出してしまう
全力で走れば車より速く走れてしまいそうだし、転んだとしても怪我は一瞬で治ってしまう
ひとっ跳びでマンションの屋上にも上がれそうな気がするし、飛び降りることに恐怖を感じない
むしろ他人にそんな能力を知られることの方が恐ろしい
何故自分にそんな力があるのかわからないが、左手中指の決して外せない指輪のせいだろうと思うことにしていた
そんなさやかの力を唯一受け止めてくれるのが杏子だ
人間離れした力は孤独をもたらす
杏子の存在はそれから救ってくれる
ただ、さやかは彼女に対して申し訳ないことをしたような気持ちになることがある
申し訳ないと言えば、両親に対してもそんな感覚がある
学校から帰宅したとき、夕飯を食べているとき
お休みなさいを言うとき、同時にゴメンナサイと言いたくなってしまうのだ
さやかを見詰める母の目も潤んでいるような気がする