16/09/18 14:41:14.04 yiOgVoKX0.net
◆兄シャツ
これは小学校二年生の頃の話。
下級生ができて「おねえさん」になったばかりのあたしは積極的にお母さんのお手伝いをしていた。
よく乾いた洗濯物を一緒にたたみながら
「きれいに乾いた洗濯物はお日様の匂いがするのよ」なんてお母さんは言っていた。
早速あたしはたたみかけの兄貴のシャツの匂いをかいでみる。確かに暖かく柔らかい匂いがした。
でもあたしには物足りなかった。と言うより寂しささえ感じた。
それは洗剤の香料の香りばっかりで兄貴の匂いがしなかったから。
その日の夜、あたしは兄貴と一緒にお風呂に入る時に、
あいつが脱いだばかりのシャツを手に取って匂いをかいでみた。
あたしの知ってる匂い、あたしの安心できる優しい匂いがそこにあった。
「おっ、おいきりの！なにやってんだよ！そんなことしたらばっちいって！」
「ばっちくないもん！おにいちゃんのいいにおいがするもん！」