【俺妹】高坂桐乃 定180兄ちゃんの隣【祝誕生日決定】at ANICHARA2
【俺妹】高坂桐乃 定180兄ちゃんの隣【祝誕生日決定】 - 暇つぶし2ch552:メンズバレンタインデー(京介視点)
16/09/15 00:24:29.51 U+eSu0Cb0.net
─9月14日夕刻 高坂家台所
秋雨の音だけが静かに部屋に満ちる中、俺は台所の冷蔵庫から麦茶を取り出して飲んでいた。
リビングでは俺の妹である桐乃がソファーに寝そべってスマホをいじっている。
冷戦状態だったあいつから「人生相談」を受けて以来、お互いに口をきくようにはなった。
とはいえこいつは俺に対しては未だに可愛げのない態度をとることが多い。…容姿は文句なしに可愛いんだけどな。
などと考えながら麦茶を飲んでいたら桐乃がぽつりとつぶやいた。
桐乃「へー、今日ってメンズバレンタインデーなんだ」
…なんだそりゃ。初めて聞くぞそんなもの。
京介「…普通のバレンタインもそうだけどよ、そういうのってどうせお菓子屋がチョコ売りたいだけの口実作りだろ?」
世間なんてそんなもんだ。俺が小さい頃なんてハロウィンも恵方巻きもマイナーだった訳だしな。
冷めた俺の言葉にあいつの憮然とした声が返ってくる。
桐乃「うわー…あんた夢もロマンも無いわねー。だからバレンタインにチョコ貰えないのよ」
京介「ほっとけ」
…ああ、これが可愛げのない俺の妹とのいつも通りのやり取りだよ。
桐乃の悪態にふいっと顔を逸らして、俺はそのままリビングを後にした。
─同日夜9時頃 台所
秋雨が降り始めてからエアコンの無い俺の部屋でも過ごしやすい日が続いている。
もう9月の半ばということもあるが、薄着では寒さすら感じるくらいだ。
そんなわけで暖かい飲み物を求めて台所を物色していた俺の目にあるものが留まる。
京介「お、これは…」
インスタントココアだ。コーヒーが苦手な俺には冬場の必需品となっている。
一応賞味期限をチェックしたが去年の繰り越しということは無く、つい最近のものだ。
早速1杯作って口にする。
京介「あー…暖けぇ…」
暖かさと甘さが幸福感を生んでくれる。久々に飲むココアがこんなに旨く感じるとは。
京介「…桐乃にも持ってってやるかな…」
他意は無いぞ?今日がメンズバレンタインデーとやらだからと言って全く関係無いからな?
原料が同じでもこれはチョコレートじゃないからな?
─数分後 桐乃の部屋
俺は桐乃の部屋にホットココアを差し入れに行った。…普通にあいつの部屋に入れてもらえるようになったんだよな。
などという俺の感慨をよそに、桐乃は実に満足げな表情で時折息をつきながら、ゆっくりココアを飲み干すとマグカップを俺に返した。
桐乃「ごちそうさま。おいしかったし暖まったわ」
京介「…そうか。ならよかった」
喜んでもらえたようで少し安心した。…ほんとに笑顔は可愛いもんだな。
なんて事を考えていたら、いたずらっぽい目で桐乃が口を開いた。
桐乃「…ねえ、ココアの原料ってチョコレートと同じカカオの実なのよね」
不意に掛けられた言葉に一瞬ぎくりとなる。桐乃はさらに言葉を続ける。
「夕方言ったけど、今日ってメンズバレンタインデーなのよね。…このココアって、そういう意味だと解釈していいの?」
思わずびくっとしてしまった。そんな俺の反応を桐乃はニヤニヤしながら見ている。
京介「しっ、知らねえよそんなの!」
と言い残して逃げるように部屋を出た。耳が赤くなっているのが自分でもわかる。
ココアの甘さとは全く違う、甘酸っぱい気まずさを味わった秋の夜だった…


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