14/04/28 07:41:45.88 IBZy2wIs0
223夜「誓い」
あおり「出会った頃の記憶…!」
シバ「アルバ…。みんな一緒に寝るの…?」
アル「そうだよ。場所があまりないからね。家族と一緒みたいなものだから、寂しくないよ。
シバも時々はお父さんやお母さんと一緒に寝たりするだろう?」
シバ「一度も…。生まれてすぐに教会の前に捨てられてたって聞いたわ…」
アル「おいで、シバ。そんなに緊張しなくていいよ」
シバ(そしてアルバは優しく私の頭を撫でてくれた。嬉しかった。お母さんやお父さんがいたら、こんな気持ちなのかしら?
そんな事を考えていた。アルバとソロモンはいい人。皆のお父さんとお母さんみたい。
大きくなったら、私もこんな風になりたい。二人みたいに、みんなお互いを思いやりあい、尊敬しあっている。
私もこんな人になりたい!そう思っていたのに…)
シバ「なんでこんな風になっちゃったのかしら…?ねえファーラン。どうしてソロモンじゃなくワヒードを選んだの?」
ファ「え?妥協アル」
シバ「え!?」
ワヒ「えええええ!?」
ファ「嘘アル」
シバ「よかった…」
ワヒ「わしもよかった…」
ファ「単純に、最終的に一番好きになったのが、食う事とおっぱいの事しか考えてない単純で陽気なこの役立たずだっただけの事アル」
ワヒ「わしの悪口を言いすぎじゃろう、クソ女!」
ファ「褒めてるアル!お前の息子まで産んだアルよ!一生添い遂げる覚悟アル!だからシバ、出来るだけ早くソロモンの子供を産むアル」
シバ「え!?こ、子供!?」
シバ「ファーランは無茶苦茶言うんだから…」
ウゴ「おかえりソロモン、アルバ!…え?ソロモンはどうしたんだい?機嫌が良くなさそうだけど」
アル「うん…。原因は他種族なんだ。ソロモンを尊敬してくれるのはいいんだけど、彼を崇拝する像を建てているのを見つけて…」
ウゴ「ああ…。ソロモンはそういう事が大嫌いだもんね…」
ソロ「馬鹿げた話はやめようぜ。ウーゴ、もっと大事な話だ。例の研究の進み具合は?」
ウゴ「あ、ああ!」
アル「と、ところで~。他種族がまた私達を不思議がったんだよ」
ウゴ「え、何について?」
アル「『どうして魔導士には老人と子供が少ないんですか?』って聞かれたんだ」
ウゴ「ああ…またか」
セタ「僕達魔導士は老化を抑制できる。強力な魔導士なら数百年も生きられる。年を取らないなら、急いで子孫を残す必要もない」
アル「800年前、人間は一年中発情していて、いつも子作りしてたみたいだよ。元気だね~」
シバ「は、発情とか言わないでよ!」
アル「あはは。シバはまだ子供だね」
イス「アルバは俺達の中で一番年上だからな。考え方が俺達とはだいぶ違ってる」
ソロ「いや、当時50年以上生きる人間はわずかしかいなかったんだ。切羽詰って繁殖してたんだろう」
ワヒ「切羽詰っていたからだけじゃないと思うがのう!愛する女との間の子供を持つのはいいぞ。お前も作れ、ソロモン!」
ソロ「え~ああ。俺には200年早いかな…」
ワヒ「冷たい事を言うのう!」
ソロ「その通りだ。とても冷たい。他種族に家族愛を語ってはいても、俺自身は経験した事がない。
俺には兄弟もいない。親子間の愛情の思い出も一つもない」
皆「ソロモン…」
ソロ「だから、イスナーン、セッタ、ワヒード、ファーラン。お前らを見てるとすごく羨ましいんだ。同時に尊敬もしてる。
お前らは、俺にはない、家族に対する愛情を持ってる。お前らが真剣に人間のやり方を示してくれて、
俺が他種族に同じやり方を示してる。だからこそあいつらは俺を信じてくれる。
本当は、俺達が解放した異種族は、俺じゃなくお前達に着いてきたんだと言えるな。
だから今後も…、俺に欠けた物を見つけたら、俺は冷たい奴だって教えてくれよ」
ワヒ「熱い事も言うのう?」
ソロ「ところで、子供か…はあ…」(ジー)
シバ「な、なに!?」
ファ「作る気になったアルか!?」
ソロ「ガキが必要なら、もうここに一人いる。もう十分だろ?ははは!」
シバ(ソロモンにとっては、私はアルバとの仲を邪魔するただのガキなんだわ。昔はそれでもよかったけど、今は…)