12/03/25 01:13:40.80 tm6Qcp/A0
「目を覚まして、歩美」
―携帯で録音した桂馬の声を再生するちひろ。
『もう歩美の好感度は十分上がってる!!』 『あとは一つ、大きなイベントがあれば攻略できる!!』 『歩美の攻略が一番重要だ!!』
「桂木は歩美をゲームのように攻略しているのよ!!」
――廊下で京に押さえつけられている桂馬。
「ぬおおおお・・・」 「ちょっと!おとなしくしてよ! 二人が今着替えてんだから」 「ちひろ・・・一体何をしているんだ!? くそ!聞こえない!!」
――ちひろの言葉に困惑する歩美。
「え? で、でも・・・」
「歩美が入ってところを狙わずに、桂木が風呂を覗けると思う?」
「!! ど、どーしてそれを知ってんの!?」
「私、見てたから。桂木とはずっと一緒に居たし」
「川に呼び出したのも、公園に行ったのも全部計画通りなのよ!!私の目の前で、桂木は自分の計画に自信満々な様子だったわ!!
あいつはゲームをしているだけ・・・ゲームのように今夜歩美を攻略するのよ!!」
――京を振り切り、部屋に飛び込んできた桂馬。
「ちひろ・・・一体何をしてるんだ!?」
「あんたには悪いけど、あんたの計画をぶっ壊してやったから」
「桂木・・・・説明してくれない?」
「歩美、それは・・・」
「桂木はいっつもあいまい。それも桂木のテクニックだよね」
「ウソを吐いたの?」
「歩美・・・」
「あんた、歩美に下着返した? 風呂場から盗んだあれ」
「ちひろ! お前と関係ないだろ!!」
「なによ? 全部事実でしょ。 こんな男に騙されるなんて歩美、あんたバカだよ・・・そして私も」
――歩美に殴られる桂馬。
――寺田家から飛び出していく歩美。
「ノーラ!歩美が出てったわ! ヴィンテージに見つかる前に彼女を止めて!」
「待て、ハクア!!
まだ手の内を歩美には晒さない! 気付かれないようにガードしてくれ!」
――ハクアからの連絡を受けるノーラ。
「解ったわハクア。やってみるけど、約束はできないわよ」
――ちひろを引き連れて部屋を出ようとする桂馬を止める京。
「ちょっとお、部屋を片付けていってよね!!」
――部屋の片付けをする桂馬、ちひろ、京。
「ちひろ・・・一体何のつもりなんだ? 状況、解っているのか?」
『あの三人、何なの? もしかして痴話ゲンカ?』
「もし歩美を攻略できなかったら、ハクアが言ったように恐ろしいことが起こるってことを解ってるのか!?」
「じゃあ、桂木こそ、どうして真面目にならないのよ?私・・・あんたのやり口、大っ嫌い!!歩美はまっすぐに突き進むようにしか考えられないのよ!!
だから今、歩美は困惑しているの。歩美にウソを吐くのはは止めて!!もしあんたが歩美を攻略したいのなら、歩美と本気で恋をしなさいよ!!」