少年疾駆は確実に突き抜けるat WCOMIC
少年疾駆は確実に突き抜ける - 暇つぶし2ch273:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/07/03 NY:AN:NY.AN 9/sH8Zqb0


274:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/07/04 NY:AN:NY.AN d4U3DoUQ0
 
 極から極をおおうこの地獄のような暗闇の

 わが身をつつむこの闇の奥より

 わたしはなべて神なるものに感謝を奉げる

 この不屈の魂をさずけてくれたことに

275:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/07/08 NY:AN:NY.AN VjT7N+ZS0
    ズライカ (東風の歌)


 風のこのそよぎは何を意味するのでしょうか。
 東風はうれしい便りを持ってくるのでしょうか。
 風の翼のさわやかな動きは
 心の深い傷をひやしてくれます。

 風は愛撫するように道のほこりをもてあそび
 かりたてて、軽いちぎれ雲にします。
 戯れる小さい虫の群れを
 安らかなブドウの葉のかげに吹き寄せます。

 東風は、照りつける夕日をやさしくやわらげ
 私の熱いほほをひやしてくれ
 畑や丘に照りはえるブドウに
 吹き過ぎながら口づけします。

 そのかすかなささやきは私に
 あの方のねんごろなことばを伝えます。
 丘がまだ暗くならないうちに
 千たびもの口づけが私をよみがえらせるでしょう


 では、風よ、吹いて行くがよい!
 友だちや悲しんでいる人を慰めておあげ
 高い城壁が夕日に赤く輝いてあすこで
 私はまもなく、いとしい人に会えるのです。

 ああ、ほんとの心の便りを
 愛の息吹を、よみがえった命を
 あの方の口づけだけが、あの方の息吹だけが
 私に与えて下さるのです。

276:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/07/15 NY:AN:NY.AN qTBi0z2m0
     Verzuckubg    陶酔    


酔いしれた夜の中で
森と遠方が私の方にからだを曲げる。
私は青空と冷たい星と
夢の傷ついた華麗さを呼吸する

おお、そうすると、酔った世界が、
女のように私の胸に横たわり
うっとりとした苦痛のうちにあかあかと燃え、
その叫びは、かん高く幻惑させる。
遥か遠い深みからくる
けもののうめきと羽ばたき、
海辺で過ごした青春時代の
跡形もなくなった日々の余韻、
いけにえの叫びと人間の血、
火あぶりの死と修道院の僧房、

すべては私の血の波、
すべては神聖でよい!

何ものも外になく、何ものも内になく、
何ものも下になく、何ものも上になく、
すべての固いものは消滅しようとし、
すべての限界は飛散した。

星は私の胸の中を巡り、
ためいきは空に没し、
すべての生命の心と喜びとが、
一層うっとりと燃え、一層はなやかにゆらぐ。
あらゆる陶酔が私には好ましく、
私はあらゆる苦痛に胸を開き、
祈りつつ流れこみ、
世界を心臓に引き入れられる。

277:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/07/16 NY:AN:NY.AN qDm+wgMG0
109 番組の途中ですが名無しです New! 2006/05/11(木) 01:25:50 ID:ytWEIMoo0


この世界が君のために存在すると思ってはいけない。
世界は君を入れる容器ではない。


世界と君は、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、
それぞれまっすぐに立っている。
君は自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。
世界の方はあまり君のことを考えていないかもしれない。

でも、外に立つ世界とは別に、君の中にも、一つの世界がある。
君は自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。

君の意識は二つの世界の境界の上にいる。


大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、
君の中にある広い世界との間に連絡をつけること、
一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。

たとえば、星を見るとかして。

二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過ごすのはずっと楽になる。
心の力をよけいなことに使う必要がなくなる。
水の味がわかり、人を怒らせることが少なくなる。
星を正しく見るのはむずかしいが、上手になればそれだけの効果があがるだろう。
星ではなく、せせらぎや、セミ時雨でもいいのだけれども。

278:07/12
13/07/16 NY:AN:NY.AN qDm+wgMG0
    宇宙的なものの歌


 詩神はいった、さあ
 どんな詩人もまだ歌わなかった歌を、私にうたってくれたまえ、
 宇宙的なものについて、私に歌ってくれたまえ。


 我々のこの広漠たる地球の中に、
 私たちはこの無限大の粗笨と鉱滓のただ中に、その中央核心のなかに包まれて、安全に、
 完全な種子が静かに横たわっている。


 全ての生命には、ある役割、多少なりとも役割がある、
 何もまだ生まれていないが、それだけは生まれており、
 覆い隠され、または露出したままで、その種子は待っている



 それは夢なのだろうか。
 否、それの欠けていることこそ夢なのだ、
 そしてそれがなくては、生の教訓も、富も、一場の夢に過ぎない
 そしてその全世界も、ただの一炊の夢にすぎないのだ

279:7月15日
13/07/23 NY:AN:NY.AN YHs3/UKT0
           Heraclitus    


 ヘラクレイトスよ、人の噂によれば君は死んだとのこと、
 この辛い報せを聞いて僕はなんど辛い涙を流したことか。
 君と僕は終日、そうだ、太陽が辟易して沈むまで、いくたび、
 談笑の時をすごしたことか! そのことを思い、僕は泣いた。

 ヘラクレイトスよ、カリアから来た友よ、君が一握りの灰と
 化し、永遠の眠りについてから、長い歳月がたった、―だが、
 今でも、君の快い、夜鳴鶯のような声が響いている。死は、
 一切を奪い去るが、君の声を奪い去ることはできないのだ

280:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/07/30 NY:AN:NY.AN qYHt8n2C0
  オジマンディアス


 古い国からやって来た旅人はいった―ー
 砂漠に 巨大な 胴のない 石の脚が二本
 立っている―近くの砂漠には 壊れた顔が
 半ば埋もれている そのいかめしい顔 皺の寄った唇
 尊大な嘲笑は これを彫った人が これらの
 性情を よく知っていたことを語っている

 それはいのちのない石に刻まれて それを模した手や
 それを育てた心よりも いまなお長く 残っている
 そして台座に こんな言葉がみられる―

 「わが名は 王の王たるオジマンディアス
  全能の神々よ わが行いし業をみそなわせ 絶望せよ!」

 このほか何ひとつ残っていない 巨大な 荒れはてた
 この廃墟のまわりを 茫々と さえぎるものもなく
 さびしい 平らな砂漠 はてしなくはるかにつづいている

281:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/07/30 NY:AN:NY.AN qYHt8n2C0
 kloge

 
 われらには存在は与えられない。われらは流れに過ぎない。
 われらは喜んであらゆる形に流れ込む。
 昼に、夜に、洞穴に、寺院に。
 われらは突き進む。存在への渇望がわれらを駆る。

 こうしてわれらは休みなく形をつぎつぎと満たす。
 しかしどの形もわれらの故郷、幸福、仮借ない運命にはならない。
 われらは常に途上にあり、常に客である。
 畠もすきもわれらを呼ばず、われらのためにパンは生えない。

 神がわれらをどうおぼしめしているか、われらは知らない。
 神はその掌中の粘土なるわれらをもてあそぶ。
 この粘土は無言で意のままになり、笑いも泣きもしない。
 こねられはするが、焼いて固められはしない。

 いつかは石に硬化し、永続すること!
 そういうあこがれがわれらの胸中に永遠に働いている。
 だが、不安な戦慄が永遠に残るばかりである。
 そしてわれらの途上において休息となることはない。

282:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/08/06 NY:AN:NY.AN M8uFhz0v0
  Sehnsucht    

  金色に星はかがやき
 わたしはひとり窓辺にたった、
 しずかな野のかなたより
 きこえくる郵便馬車の角笛ひとつ。
 身体のうちに心は燃え立ち
 ひそかにわたしは思った、
 ああ、だれかともに旅する者はいないか
 このすばらしい夏の夜に!

  若者がふたり
 山坂をゆき
 静寂の地に歩きながら
 歌うのが聞こえる、
 かすかにざわめく森の
 めくるめく巌の谷のこと、
 崖の裂けよりたぎり落ち
 森の夜に吸われゆく水のこと。

  大理石の像を歌い、
 岩をおおう小暗い葉陰に
 荒れすさぶ苑を歌い、
 月光のはえる館を歌う、
 館では娘らが窓辺に耳を澄ます、
 立琴のひびきがめざめ
 ものうい噴泉がさざめくとき、
 すばらしい夏の夜に―

283:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/08/13 NY:AN:NY.AN 6RwoQTXP0


284:8月13日
13/08/14 NY:AN:NY.AN zpNKQL+i0
汚れっちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる

汚れっちまった悲しみは
たとえば狐の革裘(かわごろも)
汚れっちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる

汚れっちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れっちまった悲しみは
懈怠(けだい)のうちに死を夢(ゆめ)む

汚れっちまった悲しみに
いたいたしくも怖気(おじけ)づき
汚れっちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる……

285:トニー・スコット
13/08/21 NY:AN:NY.AN kHMmHW8c0
     兵士  

もし僕が死んだら、これだけは忘れないでほしい、―
  それは、そこだけは永久にイギリスだという、ある一隅が
異国の戦場にあるということだ。豊かな大地のその一隅には、
  さらに豊かな一握りの土が隠されているということだ。
その土は、イギリスに生をうけ、物心を与えられ、かつては
  その花を愛し、その路を闊歩した若者の土なのだ。
そうだ、イギリスの空気を吸い、その川で身をそそぎ、その
  太陽を心ゆくばかり味わった、イギリスの若者の土なのだ。


また、――もし僕の心が罪を清められ永遠者の脈うつ心に溶け
  こめるならば、感謝の念をこめて、故国によって育まれた
  数々の想いを故国に伝えるであろうことを、――
故国の姿や調べを、幸福な日々の幸福な夢を、友から学んだ
  笑いを、祖国の大空の下で平和な者の心に宿った
  あの優しさを、故国に伝えるだろうということを。

286:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/08/27 NY:AN:NY.AN ZotxrJhO0
   八月の終わり     

もう諦めていたのに、夏は
もう一度力をとりもどした。
夏はだんだん短くなる日に凝り固まったように輝く、
雲もなく焼きつく太陽を誇りの顔に。

このように人も一生の努力の終りに、
失望してもう引っ込んでしまってから
もう一度いきなり大波に身を任せ
一生の残りを賭して見ることがあろう。

はかない恋に身をこがすにせよ
遅まきの仕事に取り掛かるにせよ
彼の行いと欲望の中に、終りについての
秋のように澄んだ深い悟りがひびく。

287:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/09/03 08:48:22.04 6wcmtznd0
  September     九 月


 庭が悲しんでいる、
 冷たく花の中に雨が沈む。
 夏がそっと身ぶるいする、
 その終りに向かって。

 金色のしずくとなった木の葉が一枚一枚、
 高いアカシアの木から落ちる。
 夏は驚き疲れて
 死に行く庭の夢の中にほほえむ。

 まだ長い間バラのもとに
 夏はとどまり、休らいを慕い
 おもむろに、大きな
 疲れた目を閉じる。

288:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/09/10 06:28:20.24 cqIzlnjN0
奴隷は、奴隷の境遇に慣れ過ぎると、驚いた事に
自分の足を繋いでいる鎖の自慢をお互いに始める。
どっちの鎖が光ってて重そうで高価か、などと。

そして鎖に繋がれていない自由人を嘲笑さえする。

だが奴隷達を繋いでいるのは実は同じたった1本の鎖に過ぎない。

そして奴隷はどこまでも奴隷に過ぎない。

過去の奴隷は、自由人が力によって征服され、やむなく奴隷に身を落とした。
彼らは、一部の甘やかされた特権者を除けば、奴隷になっても決してその

精神の自由までをも譲り渡すことはなかった。

その血族の誇り、父祖の文明の偉大さを忘れず、隙あらば逃亡し、あるいは
反乱を起こして、労働に鍛え抜かれた肉体によって、肥え太った主人を
血祭りにあげた。

現代の奴隷は、自ら進んで奴隷の衣服を着、首に屈辱のヒモを巻き付ける。

そして、何より驚くべきことに、現代の奴隷は、自らが奴隷であることに
気付いてすらいない。

それどころか彼らは、奴隷であることの中に自らの
唯一の誇りを見い出しさえしている。

             (リロイ・ジョーンズ 1968年、NYハーレムにて)

289:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/09/13 15:57:30.03 4cxlerlJ0
age

290:誕生日か
13/09/13 19:10:32.04 2SHgIr/w0
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..- -―::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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   (:::   )                    
   /   つ                           
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291:ZERO
13/09/13 19:17:42.29 2SHgIr/w0
'To fight aloud,is very brave'

大声をあげて戦うことは、とても勇ましい―
だが思う、さらに雄々しいのは、
心の中で攻撃をする
悲哀の騎兵隊―
 
勝利を得ても、国民は気がつかぬ―
倒れても、誰も注意を払わない―
その死にゆく目を、どの国も
愛国者への愛をもって見つめない―

わたしたちは信じる、羽根で身を飾って
そういう人のために、天使は行進すると―
つぎつぎと列を組み、足並みそろえ―
雪の制服を身につけて。

292:ZERO
13/09/13 19:18:29.61 2SHgIr/w0
 The Scholar

私は多くの故人に囲まれて毎日の生活を送っている。
あたりを何気なく見回しただけで、
忽ち彼らの姿が目に付く。
いずれも大昔の先達で
親しい、信頼のおける人たちばかりだ。
私は毎日彼らと話を交わしながら暮らしている。


嬉しい時には、彼らと喜びを分かち合い、
悲しい時には、彼らに慰めてもらえる。
この人たちにどれほど自分が
お世話になっていることかと、しみじみ思うにつけ、
深い感謝の念が胸に込み上げてきて、
いつのまにか、頬に涙が流れてくることもしばしばだ。


私はこれら故人と思いをともにし
永い間一緒に暮らして今日に及んでいる。
私は彼らの美徳を愛し、彼らの弱さを不憫に思い
その希望や不安を我が事のように感じ
それらの教訓から、人生いかに生くべきかについて、
敬虔な思いをこめて学んでいる。


私はこれら故人と希望をともにしている、そして
もうすぐ近いうちに、彼らの仲間になれると思う。
そしたら、一緒に長い旅に出て、あの
永遠の未来へと行けそうな気がしている。
だが、たとえ私が墓の下の土と化しても、
神に嘉される一つの名前を後に残せたら、と思っている。

293:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/09/21 00:19:32.52 Liz65J6Z0


294:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/09/21 01:43:49.55 lPzCWkiU0
   秋の色

 その名は「秋」
 その色は血
 丘の上の動脈、
 道に沿う静脈、


 こみちの中の大きな水玉、
 そしておお、染料の驟雨、

 風が盥をくつがえし
 緋色の雨をこぼすとき!


 それは遙か下の婦人帽を濡らし、
 赤い水たまりを集め、
 それから朱色の車輪に乗って
 薔薇のようにうずまき遠ざかる 

295:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/09/28 17:09:08.64 nFOqzrP30
  Der Blinde   

ごらん 彼が歩いて 自分の暗いところのない
都市を中断していくのを
それはまるで明るい茶碗を横ぎって
ひとすじの暗い亀裂が走っていくようだ  そして一枚のかみの上にのように

かれのうえには事物の反射がえがかれているが
彼はそれを自分の中へ受け入れはしない
ただ 自分の触覚だけが動いている
まるで世界を―静けさや 抵抗を

小刻みな波のうちに捉えているかのように―
彼は待ちながら 誰かを選ぼうとしているかのように見える
そして身を奉げたように 片手をあげる
ほとんど厳かに まるで結婚するかのように

296:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/10/04 21:06:16.67 SL/wjgDB0
Chanson d’automne       秋の歌

 秋の日の
 ヴァイオリンの
   ながいすすり泣きに
 こころ痛み
 単調な
   もの悲しさを誘われる。

 時の鐘
 鳴りわたるとき
   息つまり、青ざめて
 むかしの日々を
 思い出し
   涙ぐむ。

 まことわたしは
 吹き荒れる
   風のままに
 ここ かしこ
 飛び散らう
   落葉の身の上。

297:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/10/11 01:13:00.63 qo+e7+6l0
   省察            


ああ、人は何を願うべきなのか
じっとしていた方がよいか。
しっかり自分を守っていた方がよいか。
それとも活動する方がよいか。
ささやかながら自分の家を建てるべきか。
それともテントの下に住むべきか。
岩をたのみとすべきか
かたい岩でさえゆらぐものを。

一つのことがだれにでもあてはまりはしない。
めいめい自分のすることに注意せよ。
めいめい自分のいるところに注意せよ。
立っている者は倒れないように注意せよ。

298:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/10/14 12:58:56.13 tsL2UTQF0
 

299:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/10/18 20:26:04.79 rNrvfA2C0
       
  Harte Menschen

 なぜに君たちの目はそんなにつれないのか。
 なんでもみな石にしてしまおうとする。

 いささかな夢もその中にはない。

 すべてが冷たい現在だ。

 君たちの心の中には一体
 太陽は輝いていないのか。

 君たちはついぞ子供でなかったことを
 悲しんで泣かなくてもよいのか。

300:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/10/22 11:51:53.12 g3s2y4xn0
300

301:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/10/23 02:50:05.81 O5rhi6Qu0
  Grodek   グロデク


 夕ぐれの秋めく森にこだまして
 死を呼ぶ火筒が鳴りひびく、黄金の平地が
 青い湖水が。その上を太陽は
 ひとしお陰鬱にころがってゆく。彼は
 瀕死の戦士を包み 傷ついた彼らの口の
 あらあらしい訴えを包んでいる。
 とはいえ 柳の谷底に
 怒れる神の住む赤いむら雲がひそやかに寄りつどう
 そそぎこぼされた血が 月の冷たさが。
 路はみな黒い腐敗へみちびいて尽き
 金いろの夜の枝組みと星のもとで
 英雄の霊たちに 血をながすその顔々に会釈しようと
 妹の影は沈黙の森を抜けてゆく。
 するとひくく、葦間がくれに秋のフルートが鳴り響いている。

302:十月二七日永眠
13/10/29 19:44:08.13 bfTSd13L0
   The Woodspurge   

 風がざわめき、風がしずまった―
 林と丘を吹き抜け、急に死んだようにやんだのだ。
 私は風の命ずるままに、歩き通してきたのだが、
 やっとの思いで腰を下ろした、―風が静まったから。

 両膝に間に顔をうずめてじっとしていた、―
 堅く結んだ口からは、悲しみの言葉も出なかった。
 垂れ下がった髪が草の上にかぶさり、
 鋭くなった耳には、陽射しが過ぎてゆくのが聞こえた。

 目を大きく見開くと、ずっと向こうまで?がった、
 十本ばかりの雑草がはっきりと眼に映った。
 光を避けるようにして生えていた数本雑草の中に
 燈台草が花を付けていた、―一つの花に三つの萼。


 悲しみが極まれば、分別がどう、
 況や思い出がどう、といった事は問題にならない。
 その時、私が知り、今でも記憶に残ってることは唯一つ、―
 燈台草の花には三つの萼があるということ……。

303:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/04 09:29:57.93 ChbYyZri0
 

304:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/06 17:26:29.77 OkccA9SyO
        ノ´⌒ヽ,
    γ⌒´      ヽ,
   // ⌒""⌒\  )
    i /  (・ )` ´( ・) i/
    !゙    (__人_)  |
    |     |┬{   |  この週漫板を荒らしている† 蒼い閃光 †◆VKIF8WZmG6及び† 大魔王ゾーマ † ◆VKIF8WZmG6(笑)とかいう厨二病丸出しな糞コテも仕分けしないといけませんなあ
   \    `ー'  /
    /       |

305:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/07 06:18:10.94 FXEOzOq80
Chant d’automne       秋の歌

              Ⅰ

 まもなく私たちは沈むのだ 冷え冷えとした闇の底に。
 お別れだ、まぶしい光よ、私たちの夏は短すぎた!
 早くも聞こえてくるではないか、陰惨な衝撃とともに
 中庭の敷石にたきぎの落ちて鳴る音が。

 冬のすべてが私の中に立ち戻る。怒り、
 憎しみ、おののき、怖れ、逃げられぬつらい労働、

 そして、極北の地獄に閉ざされた太陽に似て、
 私の心も、赤く凍ったかたまりにすぎなくなろう。

 落ちるたきぎの一つ一つにふるえながら聞き入れば、
 死刑台を建てるにもこれほど鈍いこだまはすまい。
 私の精神は崩れ去る塔にそっくりだ。
 城攻めの重い大槌をひっきりなしにに打ち当てられて。

 あの単調な衝撃に揺られていると、気のせいか、
 どこかで慌しく棺桶に釘でも打っているようだ。
 誰の棺桶?―昨日は夏だった、今は秋!
 この不思議な物音は別離の合図のように鳴り渡る。

306:!ninja
13/11/07 10:13:08.20 /mvpTozpP
テスト

307:!ninja !nanja
13/11/07 10:14:31.10 /mvpTozpP
ん?忍法帖壊れてるのかな

308:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/13 19:19:04.24 8rAiEYa/0
  タイヤ交換

 ぼくは道端にしゃがみ、
 運転手はタイヤを換える。
 出て来たところにもいたくはない。
 今から行くところにもいたくもない。
 ならどうしてタイヤ交換を見ているのだろう。
 いらいらしながら。

309:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/14 00:51:24.07 CEnpf0qX0
   「貧困と死の巻」
 

 なぜなら 主よ 大都会は
 失われたもの そして分解したもの
 最も大きな都会は焔からの潰走に似てます―
 そして都会を慰め得る慰めは何ひとつなく
 その区々たる時が流れ去ってゆきます


 そこで人々はあわれな苦しい生活をし
 深い部屋の中で 身振りも気遣わしげに
 初めて生まれた獣の仔の群にもまして怯えています

 そして戸外であなたの大地が目覚めて息づいているのを
 人々は生きながらもはや知りません


 そこで子供たちはいつも同じ陰影の中にある
 窓際の会談のところで育ち
 遠方と幸福と風にみちた日へ
 戸外で花が呼びかけているのも知らず―

 しかも子供でなければならない宿命のもとに
 悲しい子供となっています


 そこで娘たちは見知らぬ者のために花咲きながら
 子供の頃の安らぎを慕っています
 しかし そのために彼女たちが燃え上がったものがいないので
 ふるえながら また身を閉じ
 蔽いかくされた奥の部屋で
 幻滅の母性の日々を
 意思のない啜り泣きの長い夜々を
 
闘いも力もない冷たい年々を送っています
 そしてまったく闇のなかに死の床が横たわっており
 彼女たちはおもむろにそれに憧れています
 
 そしてまるで鎖につながれているように永くかかって死に
 女乞食のように息が絶えてゆくのです

310:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/14 00:52:44.74 CEnpf0qX0
 The Dream Songs   夢の歌
  
 人生とは、諸君、退屈なものだ。だがそれを言ってはいけない。
  
 何しろ空はきらめき、大いなる海は思い焦がれ、
 ぼくら自身もきらめき焦がれ、
 
 その上、子どものころ母さんから(何度も何度も)
 聞かされたが、「仮にも退屈を認めるというのは、
 自分に何も

 才覚がないということ」。してみると、ぼくには何も
 才覚がないらしい、死ぬほど退屈だから。

 どこの国の人間も退屈、
 文学も退屈(特に大学が)、
 ヘンリーも退屈―いつもアキレスみたいな苦境に立って、
 不平たらたら、

 人々を愛し、立派な芸術を愛し―それがまた退屈だ。
 そして静かな丘も、ジンも、およそ退屈に見え、
 なぜか一匹の犬が
 自分と尻尾をはるかに遠い遠い
 山か海か空かへ運んでいってしまい、あとには


 おどけ者の、ぼくひとり、ぴくぴく。

311:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/14 00:54:18.21 CEnpf0qX0
    I am

 私は生きている。だが、私のことを誰も構ってくれない、
   忘れてしまったのか、友達は見向きもしてくれない。

 私は悲しみで自分の命を縮めている人間なのだ、―
   悲しみが過去の亡霊のように群れをなして出没する、
 あるものは忘れ去った懐かしい影、そして死の影。

 だが、私はまだ生きている、まわりに纏わりつく亡霊と共に
 生きている、そしてやがて侮りと罵りのない世界へ消えてゆき、
   白日夢のどよめく海原へと去ってゆこうとしてる。

 そこには生けるしるしもなく喜びもなく、あるのは、私が
   生涯を通じて築いた名声の難破した姿かも知れぬ。

親しかった者たちも、―かつて私が心から愛した者たちも、
今では私に冷たい、いや、他人以上に冷たい・・・

312:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/14 00:55:02.41 CEnpf0qX0
  SPLEEN   脾臓   


 私はまるで、雨ばかり降る国の王のようだ、

 富みながら、不能、若いくせにすっかり老いて
 師博たちが平身低頭するのを蔑み、

 犬、またはどんな動物を相手にも退屈している王。

 何ものも王を楽しませはせぬ、狩りの獲物も、追う鷹も、
 露台の真向で死んでゆく人民の姿も。
 
 お気に入りの道化師の、グロテスクな歌物語も、
 もはやこの残忍な病人の気を晴らしはしない。


 百合の花模様の寝台も、墓となり変り
 王者ならばすべて美男子と心得る化粧係り侍女たちも
 この年若い骸骨から、微笑みひとつ引き出すための、
 淫らな装いを考え出そうとしてもはや空しい。

 王のために黄金を作り出す学者も、王の身体から、
 腐敗の要素をえぐり取ることはできなかったし、
 
 世の権力ある人々が、老いの日々に思い出すのを常とする、
 古代ローマ人からわれわれに伝わる、かの血浴みの法を用いても、
 この麻痺した屍をあたためることはできなかった
 
 そこは血の代りに、<忘却の河>の緑の水が流れているものゆえ

313:ZERO
13/11/15 10:51:56.75 HSw0wBHR0
  死よ、驕るなかれ    


死よ、驕るなかれ、たとえ連中がお前を強大で恐るべき者と
  呼んだとしてもだ―お前はそんな者では全然ない。
  お前が亡ぼしたと自惚れている相手にしても、
死んでなんかいない、―私だってお前に殺せはしないのだ。


お前とよく似た休息と眠りからでも、喜びが溢れ出ている、
  とすれば、お前からはもっと多くの喜びが溢れ出るはずだ。
  敬虔な人たちが喜んでお前と共に旅立つのも当然な話だ、
お前が肉体を休めてくれ、魂を解放してくれるからだ。


お前は、運命や偶然や王侯や絶望した人間のしがない奴隷、
  そして、毒薬や戦争や病気のしがない同居人にすぎない。

  眠るだけならケシの実や呪いに頼る手もある、―しかも、
お前の一撃よりも効目がある。だから威張るのはよすがいい。


ほんの束の間の仮眠から目覚めれば、永遠の命がやってくる。
つまり死は無くなる。死よ、お前は死んでしまうのだ。

314:描き続けたものへ
13/11/15 10:53:32.43 HSw0wBHR0
   Das  Gottliche   神  性

 人間は気高くあれ、情け深くやさしくあれ!
 その事だけが、 我らの知っている
 一切のものと  人間とを区別する。

 我ら知らずして ただほのかに感ずる
 より高きものに幸あれ!
 人間はその高きものに似よ
 人間の実際の振る舞いが
 それを信じさせるようであれ

 自然は 無感覚なり。
 太陽は 善をも悪をも照らし、
 月と星は 罪人にもこの上ない善人にも
 同様に光り輝く。

 風と溢るる流れと 雷鳴のあられとは
 ざわめきつつ進み、だれ彼となく捕えては
 急ぎ通り過ぎる。

 同じように運命も
 人々の中に探りの手を入れ、
 少年のけがれない
 巻き毛を捕えるかと見れば
 罪を犯せる
 はげ頭をも捕える

 永劫不変の 大法則に従い
 我らはみな 我らの生存の
 環をまっとうしなければならぬ。

 ただ人間だけが
 不可能なことをなし得る。
 人間は区別し
 選びかつ裁く。
 人間は瞬間を
 永遠なものにすることもできる。

 人間だけが
 善人にむくい、
 罪人を罰し
 癒し救うことができる。
 またすべての惑いさまよえる者を、
 結びつけ役立たせる。

 我らはあがめる
 不滅なものたちを。
 彼らも人間であって
 最上の人間が小さい形で
 なし、あるいは欲することを
 大きい形でなすかのように。

 気高い人間よ、 情けぶかくやさしくあれ!
 うまずたゆまず、 益あるもの正しきものをつくれ。
 そしてほのかに感ぜられた
 より高きもののひな型ともなれ!

315:われら
13/11/15 10:55:20.04 HSw0wBHR0
 われら 音楽の創造者

 われら 夢見るもの

 波浪砕ける寂しい波打ちぎわをさまよい

 干あがった川辺に腰をおろす


 世界を見失ったもののうえにも

 世界に見すてられたもののうえにも


 青白き月の光はふり注ぐ

 けれども・・・

316:われら
13/11/15 10:57:56.77 HSw0wBHR0
 けれども、われらは
 
 この世界を永遠に揺り動かすもの

 この世界に偉大なる都市を築きあげ

 神話から帝國の栄光をつむぎあげる

 心に夢をいだくものよ

 歩を進めて王冠をこそかちとるべし

 新たな歌の調べを知るものが三人いれば

 帝國を斃(たおす)も可なり



 われら年老いて

 地中に埋もれた過去に横たわるも

 吐息をもてニネヴェを興し

 陽気なざわめきもてバベルの塔を築かん

317:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/15 11:00:33.24 HSw0wBHR0
 おお、この身とこの命よ!

 いくたびも思い悩むこの疑問

 信仰のないものが長蛇の列をなし

 都会は愚者であふれんばかり

 どこに美点があるというのか?


 おお、この身とこの命よ! 

 答はひとつ

 きみがそこにいるということ

 命が息づき、この身がまさしく存在するということ

 壮麗な芝居がつづけられ

 きみもそこに一篇の詩を寄せることができるということ



 「きみもそこに一篇の詩を寄せることができるということ」


 「諸君の”一篇の詩”はどんなものになるのだろう?」

318:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/21 11:51:13.62 exNcJf3v0
あさきちゃん可愛い

319:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/21 13:48:13.51 UtMyk6lY0
 

320:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/21 15:08:25.08 a36UuQ030
ある一つの言葉


余りにもしばしば冒とくされているので、私までが
  冒?するのは憚られる、ある一つの言葉がある。
余りにも誤って軽蔑されているので、貴女までが
  軽蔑するとも思えぬ、一つの感情がある。
余りにも絶望に似ているので、世間的配慮から
  私が圧殺するまでもない、一つの希望がある。
もし貴女が私のに一掬の憐れみを示してくれれば、
  他の女の示す憐れみよりもどんなに有難いことか。
私は、いわゆる愛という言葉を貴女に送ることは出来ない。
  だが、私が真心からささげ、天に許されるはずもない、
貴女に対する崇拝の思いを、貴女に受け入れてもらうことは
  果たしてできないものであろうか。私のその思いは、
天上の星を慕い求める蛾の願いであり、
  黎明を待ちわびる夜の願いなのだ。
いや人間の悲しみの世界の遥か彼方の、
  ある何ものかに憧れる思いなのだが…

321:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/27 11:54:49.19 hvmIdzEp0
黄昏の白いバラ   


悲しげにお前は顔を
葉の上にもたせかける、死に身にまかせて。
お前は幽霊のような光を呼吸し
あおざめた夢をただよわせる


だが、お前のなつかしい香りは
まだ一晩じゅう部屋の中に
最後のかすかな光の中で
歌のようにしみじみとただよう。


お前の小さい魂は
憂わしげに、名のないものに手を差しのべる。
そしてお前の魂はほほえみながら死ぬ、
私の胸で、姉妹なるバラよ。

322:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/11/28 16:44:09.71 LCIYbxTd0
 

323:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/12/05 02:45:38.86 P7B2jwsY0
 Er ging im Dunkel  

彼は、黒い木立のかさなる影が
彼の夢を冷すやみの中を好んで歩いた

だが、彼の胸の中には、光へ、光へと
こがれる願いが捕えられて悩んでいた。

彼の上に、清い銀の星のこぼれる
晴れた空のあることを、彼は忘れていた。

324:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/12/05 02:48:48.47 P7B2jwsY0
地球最後の世紀にアメリカ人が学んだように
情報の自由な流通こそ専制政治に対抗しうる唯一の手段である。

支配者が情報を制御できなくなった途端、それまで虐げられてきた人々の
自由と活気がみなぎることだろう。

しかし今、自由を掲げてきた国が次第に情報に対する統制を強め、専制政治への
道を歩みはじめた。

情報へのアクセスを拒否する者に注意せよ。
その者はあなたを支配することを夢見ているからだ。

-理事長 プラヴィン・ラル”国連人権宣言”-
シド・マイヤー製作「アルファ・ケンタウリ」

325:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/12/07 15:37:48.11 GEboAcHt0
 

326:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/12/10 14:14:25.81 eNepXaD90
 

327:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/12/14 00:04:10.33 qvOy2wVB0
  白い雲

おお見よ、白い雲はまた
忘れられた美しい歌の
かすかなメロディーのように
青い空をかなたへ漂っていく!

長い旅路にあって
さすらいの悲しみと喜びを
味わいつくしたものでなければ
あの雲の心はわからない。

私は太陽や海や風のように
白いもの、定めないものが好きだ。
それは、ふるさとを離れたさすらい人の
姉妹であり天使であるのだから。

328:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/12/20 13:40:17.26 pRHqAvYG0
  
   時は身をかたむけて     

 時は身をかたむけて、わたしにふれる、
 あかるい金属のひびきをたてて。
 感官はふるえる、わたしは自分の可能性を感じ―
 そして造形の昼をつかむ。

 わたしが観るまでは、何ひとつ完成していなかった、

 あらゆる生成がしずかに停まっていた。
 いまこそわたしの眼差しは熟し、そのひとつひとつに
 望むものがくる、花嫁のように。

 わたしにとって小さすぎるものはなく、しかもわたしはそれらを愛し、

 金地のうえに大きく描く、
 そしてたかだかとささげ、そうしてそれが
 だれのたましいを解き放つのかを知らない・・・・

329:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/12/22 19:30:16.76 80em2v+E0
 

330:ある勇気ある女性に
13/12/24 11:20:23.31 c7U+kwRm0
   あるひとに   


 やさしい歌声が消えたとて
 調べは思い出の中にふるえ―
 かわいいスミレがしぼんだとて
 香りは呼び覚まされた感覚のうちに生きる

 バラは枯れたとて バラの花びらは
 恋人の寝床に敷かれる
 あなたが去ったとて あなたへの想いに
 愛はやすらかにねむるであろう

331:すまん使うぞ
13/12/24 11:22:01.86 c7U+kwRm0
 
   このなきがらを葬る
     <黒人霊歌>

私は知っている、月の出る時、星の出る時―
 このなきがらを葬るのだ。
わたしは歩く、月明かりを、星明りを
 このなきがらを葬るために。

わたしは歩く、墓地の中を、墓地中を、
 このなきがらを葬るために。
わたしは草の中に横たわり両腕をのばす―
 このなきがらを葬るのだ。

わたしはその夜、審判をうける、
 このなきがらを葬る日の夜。
そしてわたしの魂はあなたの魂と会う
 このなきがらを葬るその日に。

332:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/12/30 11:21:55.71 +fTK9to/0
  誠実な人間  

誠実な人間とは
  その心が清潔で、
曲がったことをせず、
  虚栄心とは無縁な人のこと。


そういう人は、ただ黙々と、
  純粋無垢な日々をおくり、
希望にも心惑わされず、
  悲しみにも乱されはしない。


そういう人は、城壁や鎧で
  自分の身を守る必要もなく、
晴天から降ってくる禍を避けるため
  秘密の地下室を設ける必要もない。


そういう人は、いや、そういう人だけが、
  深遠から迫ってくる恐怖も、
大空から襲ってくる脅威も、
  臆することなく見据えることができるのだ。


そして、運、不運のもたらす
  苦悩を超然と直視し
天を仰いでそこに神意を読み、
  敬虔な思いこそわが知恵と考えるのだ。


さらにまた、善き思いをわが友とし、
  満ちたれる老齢をわが財産と見なし、
この土地の生を静かな旅の宿と見、
  自らを静かにそこに宿る旅人と考えるのだ。

333:名無しさんの次レスにご期待下さい
13/12/31 09:06:19.15 YD6UZFry0
    暗 い 丘
   

 夕ぐれどき西方の暗い丘、

 そこには日没が、地下の兵士の古い骨を

 休ませるために歌うたった

 黄金の角笛の音のようにただよう。

 太陽の軍団が輝いている所、

 旗の立っているあたりから今は遠く離れて


 お前は消え去る。あたかも終りの日々が

 消えて行き、すべての戦いがなされてしまったように。

334:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/01/01 00:33:02.83 B41gfWeb0
       Dover Beach

今夜の海は実に静かだ。
潮が満ち、月が煌々と海峡を照らしている。
フランスの海岸では、燈火がが明滅しており、イングランドの巨大な断崖は白く輝き、
穏やかな湾内を見下ろし、佇立している。
君も、窓際にきて、この爽やかな夜風に当るといい。
海原が月光の下に白く浮かび上がった陸地と接し、飛沫が延々と続いている、ほら、あの辺りから、
小石の擦れ合うざわめきが聞えてこないかい?
あの音は、波が引くとき運び去り、打ちよせては岸辺の奥へと、運んでくる小石の奏でる音だ、―そうだ、あれは。
ゆるやかに篩えるような音響を響かせながら、大きくなっては静まり、静まっては大きくなり、―永劫にやむことの無い、
悲しみの調べを奏でているのだ。

かつては、信仰が、いや信仰の海が、この海原と同じように、漫々と水を湛え
きらめく帯の襞さながらに、地球の岸辺をくまなく取り囲んでいた。
だが、私が今耳にしているのは、ただ、その海の愁いをおび、陰にこもった長い唸り声に過ぎない、―
それは、夜風の息吹きとまざり合い、この世界の荒涼無残な極限の彼方へ、―裸の小石が
空しく群がっているあたりへと、流れていく声なのだ。

ああ、君、せめてわれわれだけでも、
お互いに忠実であろうではないか!なぜなら
多彩で流麗で溌剌たる夢を孕むもののように、
われわれの眼前に横たわっているこの世界も、
その実は、喜びもなく、愛もなく、光もなく、
確かさもなく、平和もなく、苦痛を癒す力も無い世界なのだ。
われわれは、今、夜陰に乗じて衝突する無知の軍勢が上げる、
闘争と壊走の阿鼻叫喚の声に呑まれ、なすすべもなく、
暮れなずむ荒野に佇んでいるのだ・・・。

335:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/01/02 17:20:30.69 Ajo/68R70
 

336:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/01/07 13:17:07.04 gNUwLaPJ0
   家に帰る     

 長い旅からもどって来、
 冷たい部屋に、待ちうけている郵便を見つける。
 腰をおろして、重苦しい気持ちで手紙を開き、
 息苦しい寒気の中に白い息を吐く。


 ああ、君たちははなんと色々な手紙をくれることだろう。
 見知らぬ人や、私と同じ巡礼や求道者は!?
 ―ものみなのかげに夜と秘密が眠っていなかったら、
 生活はどんなにか荒涼とすさまじいことだろう!


 君たちの手紙を私は黒い暖炉積み上げる。
 君たちのたずねることに対し、私は答えを知らない―
 ぎらぎらと燃え上がる焔で私と共に暖まれ、
 あすはまたあすの日の明けるのを私と共に喜べ!


 世界は冷たく、私たちのまわりに敵意ある壁をめぐらしている。
 私たちの心だけは太陽で、楽しむ事が出来る―
 おお、世界の数々の幻よりも生きながらえる
 内気な火花が、私たちの胸の中でなんとふるえることよ!  

337:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/01/13 14:01:09.41 dcLcuvLC0
問題に口を閉ざした時から終わりが近づくのだ

マーティン・ルーサー・キング牧師

私は同胞達に伝えたい。今日の、そして明日の困難に直面してはいても、私にはなお夢がある。
それはアメリカン・ドリームに深く根ざした夢なのだ。
つまり将来、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等である」というこの国の信条を真実にする日が来るという夢なのだ。
私には夢がある。ジョージアの赤色の丘の上で、かつての奴隷の子孫とかつての奴隷を所有した者の子孫が同胞として同じテーブルにつく日が来るという夢が

私には夢がある。
今、差別と抑圧の熱がうずまくミシシッピー州でさえ、自由と正義のオアシスに生まれ変わり得る日が来るという夢が。
私には夢がある。
私の四人の小さい子ども達が、肌の色ではなく内なる人格で評価される国に住める日がいつか来るという夢が。

私には今夢がある!

いつの日にかすべての谷は隆起し、丘や山は低地となる。荒地は平らになり、歪んだ地もまっすぐになる日が来ると。「そして神の栄光が現れ、すべての人々が共にその栄光を見るだろう。」

これが私達の希望なのだ。
この信仰をもって私は南部へ戻って行く。
この信仰をもってこそ絶望の山からも希望の石を切り出すことが出来るのだ。
この信仰をもってこそ私達は祖国にうずまく不協和音を人類愛のすばらしい交響曲に昇華することが出来るのだ。
この信仰をもってこそ、自由がいつか来るのだということを信じながら、私達は共に働き、共に祈り、共に苦しみ、共に投獄され、共に自由のために立ちあがることが出来るのだ。
そしてその日が来れば、その日が来れば神の民はみなおしなべて、新しい意味をこめて歌えるのだ。
「我が祖国よ、美しい自由の国をたたえ私は歌う。父が骨を埋めた国、開拓者の誇りとする国。すべての山々から、自由よ鳴り響け」と。

真にアメリカが偉大な国となるためには、これが実現しなければならない。

338:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/01/20 18:36:42.02 ++UjLmic0
estntzte Eiche

カシの木よ、お前はなんと切り詰められたことよ!
なんとお前は異様に奇妙に立っている事よ!
お前はなんと度々苦しめられた事だろう!
とうとうお前の中にあるものは反抗と意志だけになってしまった。
私もお前と同じように、切り詰められ、
悩まされても、生活と絶縁せず、
毎日むごい仕打ちを散々なめながらも、
光に向かってひたいを上げるのだ。

私の中にあった優しいもの柔らかいものを
世間が嘲って息の根をとめてしまった。

だが、私というものは金剛不壊だ
私は満足し、和解し
根気よく新しい葉を枝からだす、
いくど引き裂かれても。

そしてどんな悲しみにも逆らい、
私は狂った世間を愛しつづける。

339:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/01/23 21:23:42.03 OtQX84ys0
 

340:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/01/27 19:16:11.94 z2vMr55p0
        L'Astre roung    赤い星
               天空の深遠には、サヒールなる大きく
               赤き星あらむ。  アベン=エズラ師
              

 死んだ「諸大陸」にかぶさる昏睡状態の大波、
 そこに一世界の臨終の戦慄が走ったその大波が、
 沈黙と無辺の広がりのうちに、膨れ上がる。
 そして赤いサヒールは、悲劇の夜々の奥底から、
 ひとり燃え上がり、血に染まる眼差しをその波に投げる。

 むきだしの孤独の、はてしない空間を通して、
 この、無気力で、鈍重で、空虚で、虚無さながらの深遠、
 サヒール、無上の証人、海をいっそうどんよりさせ
 天をいっそう暗くする陰性の太陽が、
 万物の睡りを、血みどろな眼で、いとしげに眺めている。

 天才、愛情。苦痛、絶望、憎悪、羨望も、
 人が夢みるもの、人が崇めるもの、人をだますものも、
 「天」も「地」も、往古の「瞬間」に属するものは、もう何もない。
 「人間」と「生命」の忘れられた夢の上で
 サヒールの赤い「眼」は永遠に血を流す。

341:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/02/03 19:46:42.84 DBsNHKSd0
     Verzuckubg      


酔いしれた夜の中で
森と遠方が私の方にからだを曲げる。
私は青空と冷たい星と
夢の傷ついた華麗さを呼吸する

おお、そうすると、酔った世界が、
女のように私の胸に横たわり
うっとりとした苦痛のうちにあかあかと燃え、
その叫びは、かん高く幻惑させる。
遥か遠い深みからくる
けもののうめきと羽ばたき、
海辺で過ごした青春時代の
跡形もなくなった日々の余韻、
いけにえの叫びと人間の血、
火あぶりの死と修道院の僧房、

すべては私の血の波、
すべては神聖でよい!

何ものも外になく、何ものも内になく、
何ものも下になく、何ものも上になく、
すべての固いものは消滅しようとし、
すべての限界は飛散した。

星は私の胸の中を巡り、
ためいきは空に没し、
すべての生命の心と喜びとが、
一層うっとりと燃え、一層はなやかにゆらぐ。
あらゆる陶酔が私には好ましく、
私はあらゆる苦痛に胸を開き、
祈りつつ流れこみ、
世界を心臓に引き入れられる。

342:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/02/08 11:00:57.72 K0X0Ne1Q0
   冬の日


おお、なんと麗しく、きょうは
雪の中で光が冷めることよ!
おお、なんと優しくバラ色の遠空が火花を散らす事よ!
だが、夏、夏ではない。

ひと時も休まず、私の歌はあなたに話しかける、
遥かな花嫁の姿よ。
おお、なんと優しくあなたの情けは私に話しかけることよ!
だが、愛、愛ではない。

長い間、情けの月光は照らなければならない。
長い間、私は雪の中に立たなければならない。
いつの日か、あなたと空と山と湖とが
深い愛の夏の炎熱の中でやけるまで

343:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/02/14 15:23:20.40 bSP+sNtG0
 

344:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/02/14 19:18:08.79 FTZL5Dcv0
         スキーの休息


  高い斜面で滑り降りる身がまえをして、
  私はストックにもたれ、しばしば休息する


  そしてまぶしく、広々としたあたりの
  世界が青く、また白く輝いているのを見る。

  上の方には黙々と峰をつらね
  山々が寂しく凍えているのを見る。

  下の方にはまぶしい輝きの中でかすみ、
  谷を貫き谷をめぐって、それらしい小みちが急降下している

 

  私は、孤独と静寂に圧倒され
  しばしばぼんやりとたたずむ


 
  それから下に向かって斜面にそい、
  谷の方にまっすぐに息もつかず滑る。

345:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/02/25 04:40:23.49 l2IqpoUF0
I

346:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/02/25 04:45:46.74 l2IqpoUF0
    色 彩      
             

 雪白の雪の上はとても青く

 緑の樅の木々はとても黒く

 静かに駆けていく鹿が

 どうしても断ち切れない悲しみのように

 灰色にみえる



 雪の調べに足音がぎしぎしとまじる

 風が白いヴェールをかぶった木々に

 雪片を吹きもどす

 ベンチが夢のようにたたずんでいる



 光たちが落ち 影とたわむれる―

 果てしのない輪舞

 遠くの灯火が雪明りから借りた

 くすんだ光をまたたいている

347:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/02/26 20:16:13.97 JGmpkdsj0
 

348:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/03/03 22:05:36.25 n1ylbZTs0
 

349:名無しさんの次レスにご期待下さい
14/03/04 00:05:19.99 U5r93iWJ0
    月 の 光 に

 月の光に海は凪ぎて
 波のささやく声もひくし。
 ここの重き愁い涌きて
 古きしらべをわれは思う。

 古きしらべはわれに語る、
 海に沈みし古き街より
 鐘と祈りのひびき鳴りて
 海の底より聞こえ来ると。

350:名無しさんの次レスにご期待下さい@転載禁止
14/03/09 20:30:47.32 dKam/BiH0
最古スレはここかな?

351:名無しさんの次レスにご期待下さい@転載禁止
14/03/10 18:47:34.27 APAzTtJI0
むき出しの真実

私にはよく解る

絶望は翼を持たぬ、
愛もまたしかり、
どの顔も
語らず
私は身じろぎもせず、
見つめることもせず、
語りかけもしない
でも、愛と絶望のある限り生きている.


苦悩の首都

352:名無しさんの次レスにご期待下さい@転載禁止
14/03/14 02:55:01.22 cNBPbV7V0
   Rondeau    


 季節(とき)がマントを脱ぎ捨てた
 風と寒さのマント、
 そして縫い取りを身につけた
 澄んで輝く日ざしの縫い取り。

 獣も鳥も声を揃えて
 それぞれの言葉で歌い叫ぶ。
 季節(とき)がマントを脱ぎ捨てた!と。

 川も、泉も、せせらぎも
 綺麗なお揃いのお仕着せか、
 水滴の銀の細工を身にまとい、
 誰もが衣を改める。
 季節(とき)がマントを脱ぎ捨てた。

353:名無しさんの次レスにご期待下さい@転載禁止
14/03/16 17:32:47.34 mHG+D7EB0
 

354:名無しさんの次レスにご期待下さい@転載禁止
14/03/19 13:18:52.16 Xg71A6b30
    Youth .

 青春とは人生のある期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ
 優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦をも却ける勇猛心、
 安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ

   年を重ねただけで人は老いない 理想を失うときに初めて老いが来る
歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ
   苦悶や狐疑や、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く
人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう

   年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か
曰く、驚異への愛慕心、空にきらめく星晨、その輝きにも似たる事物や
思想に対する欽仰、事に処する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心

人生への歓喜と興味
人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く  失望と共に老い朽ちる

   大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、そして偉力の霊感を受ける
限り、人の若さは失われない これらの霊感が絶え、

悲嘆の白雪が 人の心の奥までも蔽いつくし、

皮肉の厚氷がこれを堅くとざすに至れば、

この時にこそ人は全く老いて、神の憐れみを乞うる他はなくなる

355:クラークへ@転載禁止
14/03/19 13:21:00.08 Xg71A6b30
年老いたものに新時代の価値を予言して

彼らを打ち滅ぼさん

ひとつの時代とは死にゆく夢の謂なれば

生まれいずる夢の謂なれば

356:計劃@転載禁止
14/03/20 08:53:19.62 Ni7DCzH/0
     イタリアを望む     

湖のかなたに、バラ色の山の後ろに、
イタリアが横たわっている、私の青春の賛仰の国が、
私の夢になじんだ故郷が!
赤い木立ちは秋を語っている。

私の一生の秋の始めにのぞんで
私はひとりすわって、
世界の美しいむごい目をのぞきこみ、
愛の色を選んで、描く。

この世界は私をあんなにも度々欺いたが、
私はやっぱり世界をいつもいつも愛している。

愛と孤独、
愛と、満たされぬあこがれ、
それが芸術の母だ。
私の一生の秋にもまだ、
それらは私の手を引いて導いてくれる。

そのあこがれの歌が
湖と山々と、別れを告げる美しい世界に
不思議な力で輝きをひろげる。

357:名無しさんの次レスにご期待下さい@転載禁止
14/03/24 06:35:22.85 aAbCaKQC0
    春 

 
 太陽。溶け始めた、僅かに残る雪。
 すべての屋根から滴る水。
 こつこつとひびく靴の踵。
 濡れてきらきら光る道。
 高い柵のうしろにある、
 なかば追いたてられた鹿のような草・・・・・・


 空。降り下る、緩やかな、暖かい雨。
 わけもなく吠えたてる犬。
 ふわふわと風になびくコート
 笑い声のような、薄い服。
 子どもの手のなかに、少し湿った雪。
 目のなかに、最初のクローバへの憧れ・・・・・・


 春。木々は今ようやくすべての葉を落とし、
 どの潅木も新しい幸福の使者として、
 やさしく鳴りひびいているよう。
 そして、明日は燕も戻ってくる。

358:名無しさんの次レスにご期待下さい@転載禁止
14/03/31 21:59:11.87 YlwOdntf0
!

359:合格だ@転載禁止
14/03/31 22:15:55.11 YlwOdntf0
  
     星の光


 夜がきた、だが早すぎたのではない、
 そして静かに沈んで、
 まったく静かに、小さい月が
 空のうしろに落ちて行く。

 地上にも天上にも光とては
 ただ冷たい 星の光だけだ。
 そして最初の夜番は
 赤い惑星の火星(マルス)に当てられる。

 
 それはやさしい愛の星か?
 愛と夢との星なのか?
 おお、違う! 空のあの青いテントから、
 勇士の鎧がきらめいている。

 するとまじめな思想が私の心にわきおこる、
 夕日に懸けられた
 あの赤い星の盾を
 遠くに私が眺める時に。
 ああ、力の星よ! 私は見る、君が立って
 私の苦痛をみてほほえんでいるのを。
 君が鎖甲をした手でさしまねくと、
 私はふたたび強くなるのだ。

 私の胸のうちにある光とては、
 ただ冷たい、星の光だけだ、
 私は最初の夜番を
 赤い惑星の火星(マルス)に当てる。


 不屈の意志の星、
 かれは私の胸の中に昇る、
 穏やかに、決然と、そして静々と、
 そして平然と、落ち着いて。


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