少年疾駆は確実に突き抜けるat WCOMIC
少年疾駆は確実に突き抜ける - 暇つぶし2ch129:ZERO
11/12/28 18:21:58.08 6F2zbXnD0
   笛の調べ    Flotenspie 

 夜もふけて、茂みと木立ちの間に

 あかあかと窓の輝く一軒の家、

 そこに、見えない部屋の中に、

 笛ふく人が立って吹いていた。


 古いなじみの歌であった。

 しみじみと闇の中に流れた。

 どの国もがふるさとであるかのように、

 どの道もが完結されでもしたかのように。


 この世の秘められた意味が

 彼の呼吸の中にあらわれていた。

 そして心はいそいそと浸りきっていた。

 そしてすべての時が現在となった。


130:ZERO
11/12/28 18:22:26.09 6F2zbXnD0

Seifenblasen

長い長い年月の研究と思想の中から
遅くなって一老人が晩年の著作を
蒸留させる。そのもつれたつるの中に
彼は戯れつつ甘い知恵を紡ぎこんだ。

溢れる情熱に駆られて、ひとりの熱心な学生が
功名心に燃え、図書館や文庫を
しきりとあさりまわって
天才的な深さのこもった青春の著作を編んだ

ひとりの少年が腰かけて、わらの中に吹きこむ。
彼はシャボンの泡に息を満たす。
泡の一つ一つがきらびやかに賛美歌のようにたたえる。
少年は心のありたけをこめて吹く。

老人も少年も学生も三人とも
現世の幻の泡の中から
不思議な夢をつくる。それ自体は無価値だが、
その中で永遠の光がほほえみつつ
みずからを知り、ひとしおたのしげに燃え立つ。


131:日本は前を向いて原子力マフィア復活、福島を裏で切捨てます
11/12/31 18:24:57.68 j7OYRWj50
♪世の中はいつも、変わっているから  頑固者だけが、悲しい思いをする
  変わらないものを、何かにたとえて  その度崩れちゃ、そいつのせいにする

  シュプレイヒコールの波、通り過ぎてゆく  変わらない夢を、流れに求めて
  時の流れを止めて、変わらない夢を  見たがる者たちと、戦うため

  世の中はとても、臆病な猫だから  他愛のない嘘を、いつもついている
  包帯のような嘘を、見破ることで  学者は世間を、見たような気になる

  シュプレイヒコールの波、通り過ぎてゆく  変わらない夢を、流れに求めて
  時の流れを止めて、変わらない夢を  見たがる者たちと、戦うため

  シュプレイヒコールの波、通り過ぎてゆく  変わらない夢を、流れに求めて
  時の流れを止めて、変わらない夢を  見たがる者たちと、戦うため

  シュプレイヒコールの波、通り過ぎてゆく  変わらない夢を、流れに求めて
  時の流れを止めて、変わらない夢を  見たがる者たちと、戦うため♪


132:ZERO
11/12/31 23:52:06.30 j7OYRWj50

  清められし秋
               

 ちからづよく、こうして年は終わる
 金色の葡萄と園の稔りをともなって。
 あたりの森はふかしぎにおし黙り
 孤独な者の伴侶となる。

 そのとき農夫は言う―これでよし。
 おまえら晩鐘はながくしずかに
 ひびき終えてなお、はれやかな気持ちを与え
 飛びゆく鳥の列があいさつをよこす。

 これは愛のおだやかな季節(とき)。
 青い流れを小舟でくだりゆけば
 なんと美しくかたちにかたちが並び
 すべては安らぎと沈黙のうちに沈みゆく。




133:ZERO
12/01/01 00:01:50.92 l01RxBc20

       Dover Beach

今夜の海は実に静かだ。
潮が満ち、月が煌々と海峡を照らしている。
フランスの海岸では、燈火がが明滅しており、イングランドの巨大な断崖は白く輝き、
穏やかな湾内を見下ろし、佇立している。
君も、窓際にきて、この爽やかな夜風に当るといい。
海原が月光の下に白く浮かび上がった陸地と接し、飛沫が延々と続いている、ほら、あの辺りから、
小石の擦れ合うざわめきが聞えてこないかい?
あの音は、波が引くとき運び去り、打ちよせては岸辺の奥へと、運んでくる小石の奏でる音だ、―そうだ、あれは。
ゆるやかに篩えるような音響を響かせながら、大きくなっては静まり、静まっては大きくなり、―永劫にやむことの無い、
悲しみの調べを奏でているのだ。

かつては、信仰が、いや信仰の海が、この海原と同じように、漫々と水を湛え
きらめく帯の襞さながらに、地球の岸辺をくまなく取り囲んでいた。
だが、私が今耳にしているのは、ただ、その海の愁いをおび、陰にこもった長い唸り声に過ぎない、―
それは、夜風の息吹きとまざり合い、この世界の荒涼無残な極限の彼方へ、―裸の小石が
空しく群がっているあたりへと、流れていく声なのだ。

ああ、君、せめてわれわれだけでも、
お互いに忠実であろうではないか!なぜなら
多彩で流麗で溌剌たる夢を孕むもののように、
われわれの眼前に横たわっているこの世界も、
その実は、喜びもなく、愛もなく、光もなく、
確かさもなく、平和もなく、苦痛を癒す力も無い世界なのだ。
われわれは、今、夜陰に乗じて衝突する無知の軍勢が上げる、
闘争と壊走の阿鼻叫喚の声に呑まれ、なすすべもなく、
暮れなずむ荒野に佇んでいるのだ・・・。


134:名無しさんの次レスにご期待下さい
12/01/02 21:15:23.32 OJckBcHX0



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