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NHK戦争証言アーカイブス
自動車第三十四連隊
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それでまあ、いちばん日本で強いのは6師団なんだよ、熊本の。
それでね熊本の6師団はここへ赤いマークを付けてるんだ。だからあたしなんかが行ったときには6師団がこの警備をやってたわけ。だからあまり敵もこなかったわけよ。
敵はもう、師団を聞いただけで寄り付かないからね。もう6師団なんつったら、「うわーっ」ともう、敵はまず寄って来ない。
ところが、これ、関西の師団と交代したんだよ。で、交代してここへあれを付けたけども、それがね、その言葉が違うから。「あきまへんわ」ってやってるから。
だから、それを敵に読まれるようになったら、さあ大変だよ。
もう「あきまへん」でもって入ってきちゃうわけだよ、敵が。それで、やつらもそれを追っ払いに行くんだけどもね。
もう、それをね、こっちは自動車隊だから迎えに行ったり、その戦場の近くまで乗っけていったり、なにかするでしょ。
そうするともう途中、地雷やられたり敵襲やられたりなにかして、散々にやられるよ。
ほいでも目的地へ着いて、1週間か十日討伐して、相当やられて帰ってくると、「敵情どうだった?」と聞くと、
「あー、敵さん、ぎょうさんいまっせ。ほんまにかなわんわ」なんつって、もうボロボロになって帰ってきますよ。
それが関西の兵隊。
うちの部隊にも何名か大阪の、大阪人がいましたよ。もうこんな、「ぜえろく(贅六)」っていってみんなから蹴(け)飛ばされてたけどね。
(坂本さん・自動車第34連隊)