12/12/01 06:21:39.94 3XLSKjEF0
>>540
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時は1914年、第一次世界大戦真っ只中
フランス・イープルで無人地帯を挟んでドイツ軍とイギリス軍が塹壕にこもって睨み合っていた
時折激しい砲撃の雨が降っては、士官の笛と共に機関銃と鉄条網に無謀な突撃を
繰り返しては空白の領地に死体を積み上げる過酷な日常だった
しかし、12月23日クリスマスイブ前日のことである
深夜ドイツ軍陣地を見張っていた英兵の目におかしな物が写った
塹壕から突然ぼうっとした光の柱が立ち上がったのだ
よく目を凝らしてみれば、それは樅の木の形であった
それは戦場でもクリスマスを迎えるに当たってドイツ兵が立ち上げたクリスマスツリーだった
これを見た英軍は軍使を送り、クリスマスの間だけ休戦が成立したのだった
普段なら砲弾が降り注ぎ、機関銃でなぎ倒された兵が骸を晒して
地を朱に染める無人地帯に両軍の兵士が集まった
彼らはそれぞれ拙い言葉で語り合い、円陣を組んで煙草を回した
そして、一人の兵士があるものを取り出した
サッカーボールであった
両軍入り乱れた混成チームが組織され、戦場でサッカー試合が始まった
結果はボールが鉄条網に取られてしまいノーゲームであったが、
確かに両軍の兵士たちが戦争を忘れて楽しんだのだった
結果この休戦は多くの戦線に伝播し、一部では元旦まで休戦という状況も見受けられたそうだ