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柳沢、沈痛 目うつろ 好機にFW金縛り
日本―クロアチア 後半、決定的なシュートを外し顔を覆う柳沢(AP=共同)
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声はか細く、目はうつろ。柳沢は試合後、沈痛な面持ちで、この日最大の決定機を振り返った。
「ぼくのシュートチャンスはあの一本だけだった。急にボールが来たので。
足の内側でければよかったが、外側でけってしまった」
悔やんでも悔やみきれない。後半6分、加地が右サイドから送った低いセンタリングを痛恨のシュートミス。
目前にあったゴールの枠さえとらえることもできず、ボールは力無く右へそれた。日本の決定力のなさを象徴するシーンだった。
好機はありながら、初戦に続き頼みの2トップが沈黙。柳沢とコンビを組んだ高原は、それでも気丈に言った。
「チームとして何回かいい形ができた。全体的にミドルシュートを打ったし、クロスもあった。
初戦も良かったが、それが90分できなかった」
しかし、展開がどうあれ、わずかなチャンスに賭け、それを生かすのがFW本来の職責だろう。
1回のミスが命取りになる守備陣に比べ、90分の間に1点でも決めれば御の字。
ストライカーという高度に専門化されたポジションでは、こうした独善的な思考が気持ちの余裕を生む。
W杯に集結した世界トップクラスのFWを見れば分かる。襲い来る敵の動きを逆手に取ったり、
GKのタイミングをずらしたり。人を食ったようなふてぶてしさと冷静さを併せ持つ。
ジーコ監督就任後の4年間、練習で最も力を注いだのがシュートだったが、
相変わらず「早く足を振り抜きたい」という焦りは収まらない。
「なかなか落ち着いてプレーできなかった」。柳沢の嘆きに触れ、世界との歴然とした格差を思い知った。 (小杉敏之)
(2006年06月19日)中日新聞 URLリンク(www.chunichi.co.jp)
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