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こんな例もあります。
国立大学：信州大学
地方銀行：八十二銀行
地方新聞：信濃毎日新聞
県内最初の民間放送局：信越放送
いずれも県を代表する機関で，たいていの県ではこういう機関は県名か
県庁所在地名が使用されることが多いのですが， 長野県では，あえて「信濃」「信州」が使われています。
ほかにも，信濃教育会，信濃博物会などなど（ただし，信越放送の場合は，当初のエリアに
新潟県南部の上越地方が含まれていたせいもあるようです）。
つまり，多くの機関は県庁のある長野に本部を置いているのですが，
そこで「長野」を名のることを松本が決して許さない雰囲気があるのです。
信州大学の場合，旧制・松本高等学校が中心母胎となって発足したので
本部は松本にあるのですが，ここで「松本大学」と名のることを今度は長野が許さないでしょう。
前身校の歴史からすれば，大正年間に開校した松本高校よりも 明治初年開校の長野師範学校の方が遥かに長いのだから。
結局この大学は旧国名を名のるしかなく， 発足後５０年をへた現在に至るまでに実現したキャンパスの統合がたった３例，
松本にあった教育学部分校が長野の教育学部に統合されたのと，
松本高等学校の校舎をそのまま使っていた文理学部（現：人文・経済・理学部）が
医学部（旧：松本医学専門学校，松本医科大学）の隣りの敷地に移転し
（これが現在の松本・旭町キャンパス），そしてこの旭町キャンパスに
教養部（１年次）が統合されただけの タコ足大学のままなのです
（そのせいかどうか，国立大学の教養部が廃止された現在も，
信州大学では教養部を共通教育センターに改組して，
どの学部の学生についても１年次の教育は旭町キャンパスで行っています）。