12/01/04 16:06:56.22 kjm+KE3y0
私にとってcoco壱番屋は特別な日に行く贅沢なレストラン。
普段は牛丼屋通い年収200万の私でもちょっと背伸びしてがんばった自分へのご褒美。
もちろん、ノーネクタイのラフな格好でいいし、
店内は私と同じひとりぼっちの中年肉体労働者しかいないので気軽に入店できる。
店に入ったら人差し指を立ていつものカウンター席へつきメニューを手に取る。
すると直ぐにお冷と同時に注文を聞いてくるのでメニューを戻し顔の前で手を組み、
「そうですね、ビーフカレーに手仕込ササミカツ、ほうれん草、チーズトッピングにしましょう。」
手仕込はマイスターが店内で衣をつけたとびきり贅沢なトッピング、ササミカツは毎年この時期しか食べれないレアメニュー、それに定番のほうれん草とチーズを組み合わせる。
しかし、注文はまだ終わりではない。
「ご飯と辛さの方はどのようにいたしましょう?」
「そうだね、400gの3辛でお願いしましょうか」
このソムリエとの会話を楽しむような感覚で、きめ細かいオーダーをしていくのが心地よい。
静かな店内にオーダーの復唱が響くと店員がキビキビと動き出す。
私は顔の前で手を組んだまま、ササミに衣を付け揚げる姿や小鍋でカレーをかき回す職人芸を眺めながら待つ。
そして待つこと数分、私の前に私オリジナルの究極のカレーが姿を見せる。
フンワリ分厚く衣が付けられたササミカツは予想よりも小ぶりで上品、
ほうれん草とチーズもまばらに散りばめられ彩りも美しい。
最後に仕上げとして私の手で福神漬けをふりかける。
この福神漬けはカウンターでかき回され長期熟成した逸品だ。
そして、いよいよ実食。
余計な具を入れず旨みを抑えたカレーソースは上品かつ繊細、
油をたっぷり吸った手仕込の衣は上品なカレーソースと小ぶりなササミに油の旨みを追加、
スパイスを抑えてあるので日本人の舌に合うし、甘み香りを抑えたライスとの相性もバツグン、
これらが口の中で混ざり合いなんともいえない至福の小宇宙となる。
値段は1500円とちょっと高めだが、こんな贅沢たまになら許される。
なーに、また明日からがんばればいいさ。