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2012年、世界の最高峰エベレストへ夏季シーズンを過ぎた難しい気候条件の下、単独無酸素登頂に、後援活動を生業とする会社経営の日本人が
自らの事業の起死回生のPRも兼ねて挑戦した。元々山は大嫌いでアイスクライミング初心者講習にその年はじめて参加した程度の技量だった
その男は、マスコミに少しばかり取り上げらたばかりに自分を登山家で人気者も実力も兼ね備えていると勘違いしてしまい、準備不足にも関わらず、
大観衆に見守られていると思い込んで期限ぎりぎりに出発した。
晴天が続いていたときはバスローブでBCに滞在していた男の無線での報告は順調であり、なんとホーンバインクロワールの直下に到達する勢いだった。
しかし、最後の無線連絡の後、数時間音沙汰の無いまま、彼は9本の指が凍傷でビバークキャンプの中で単独下山不可能な状態にあるところを発見された。彼の指が汚い字で書き残した走り書きには、無線で虚偽の報告を行っていたこと、
自分の修理のため酸素を吸ったこと、ただ7300m辺りを横に漂っていたこと、最後には精神異常をきたした様子などが綴られていた。