13/08/02 08:10:09.68
--母さん、僕のあの指さん、どうしたでせうね?
ええ、C3からC4へ行くみちで
凍傷で落としたあの指さんですよ
母さん、あれは好きな家族でしたよ
僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。
そして再生しようとしてずいぶん骨折りましたっけね。
だけどとうとう駄目だった。
なにしろ深い凍傷で、それに壊死が第二関節ぐらい伸びていたんですもの。
--母さん、そして、きっと今頃は、--今夜あたりは、あの山に、静かに雪が降りつもっているでせう。
昔、提供して頂いた、あの仏蘭西の手袋と、
その裏に僕が書いたN・Kという頭叉字を埋めるように、静かに、寂しく。