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「エベレスト?ライジング(秋季エベレスト西稜登頂まであと6日)」
「お前は人生の3合目で終わる気か?」大学3年の時にある先生から言われた言葉でした。
それは単独でマッキンリーを行こうとした時に「お前にできるはずはない」という応援ではない否定の言葉でした。
思えば、高校生の頃も大学生の頃も同じような言葉を言われ続けてきました。
そしてその言葉は本当にそうなのかと心の疑問は消えることはなく、気がつくと、単身、千歳空港を出発していました。
マッキンリーの山頂に立った時、自分の心の壁は取り除かれ、無限の力を感じていました。
大人達が作ったと感じた壁は、実は自分で作ったものであり、その壁は幻想であるということに気付いたのです。
それから山を登る度に壁にぶつかり、壁を越え、また新たな壁が出てくる。
次々と越えていく楽しさを感じられるようになっていきました。
最近では学校での講演にも呼ばれるようになり、沢山の子供達との出会う機会があります。
そこには、あの頃の自分のように夢を否定され、大人達の否定に疑問を感じている子供達の姿でした。
「こんな普通のお兄ちゃんでもできるんだよ。」と彼らに伝え、後日、感想文をもらうと、
自分の中にしまっていた夢や想いが書かれていました。
確かに、夢にチャレンジすることは難しいです。全てが叶うとは限りません。それでも人は、
挑戦を通して多くの学びと出会いを糧にし、そこから新しい挑戦が生まれます。
成功も失敗も何も知らないで生きていくのではなく、様々な経験をしながら人は生きてゆくのだと、
多くの子供たちに感じてもらいたいと思います。
4度目の秋季のエベレスト。中には、「栗城には無理だよ」という否定的な言葉が飛び交うこともあります。
それでも挑戦を続けるのは、そんな否定的な壁を取り除き、自分の中にある壁も越えたいからです。
そして今回、「冒険の共有」が最後に目指す目標は、多くの子供達の心の壁を取り除くことです。
そのために、夢を実現していく過程を初めてドキュメンタリー映画として記録し、全国の学校で無料上映を実施したいと思っています。
僕の一歩がどこまで伝えられるのか。一歩一歩を噛み締めて、この想いを伝えられたらと思います。そして、山頂へ。
それでは、山登りの始まりです。いってきます!