12/02/25 21:12:41.48
夏の東丹沢なんてもうそこかしこが「蛭の絨毯」だよ
落ち葉が敷き詰められた地面だと思って一歩足を踏み出す
その瞬間、その落ち葉が一斉にゆらっと陽炎のように揺れるんだ
何だと思ってよく見ると、落ち葉の上にびっしりとうごめく蛭がいて
「獲物」の出現に気づいて立ち上がり、向かってくるのさ
たった数秒だな、まず足元にいたやつらがあっと言う間に靴を這い登り
あのいやらしい吸盤で靴の布地に食いついて血を吸おうとし始める
「やめろお」叫びながらはねのけようとしたって簡単に離れるようなやつらじゃない
次から次へと押し寄せる圧倒的な蛭の波に君は恐怖で声を失うだろう
後はもうひたすら悲鳴を上げながら逃げ出すだけさ
やがてどうやら蛭がいない場所に避難してほっと一息した君は気付く
靴下が真っ赤に染まり、そこかしこに何匹もの蛭が皮膚に吸いついたまま
どんどん丸々と太っていくのをね、そう、「もう遅かった」んだ
それが丹沢のヤマビルだよ、想像を絶する圧倒的な個体数
獰猛なまでの攻撃性と執拗さはもはや人間が抵抗出来るレベルじゃない
「夏は丹沢に入るな」
言うべきことはそれだけさ、それでも行くなら勝手にするがいい